02
次の日、外行き用の濃紺の燕尾服にシルクハットを被った私はお気に入りのステッキを片手にベルナドットが広間へ降りてくるのを待っていた。
買い物に出るのは久しぶりだ。買いたいものはたくさんある。ホグワーツの教材だけさっさと揃えて行きつけの店に行こう。そんなことを考えていると、いつもはラフな格好を好むベルナドットがきっちりとしたスーツで降りてくる。
「ははっ、似合わないな!」
「そんなの分かってますって、ほらさっさと行きましょ。」
私の付き人として買い物に出ると言うことでわざわざしっかりとした格好をしてくれているのだがいつもの姿に見慣れている私にとっては胡散臭さが勝ってしまい、緩む頬を隠すので精一杯だった。
ベルナドットはマグルなので移動は煙突飛行を使うのだけれど妙な浮遊感が苦手な彼は少し顔色を悪くしていた。
「ほら、しゃんとしろ。制服を仕立てて、本を買ったらお前お気に入りの武器商店も行こうじゃないか。その後はゆっくりお茶でも飲もう。」
「魔法使いってのはほんと、原理もよくわからんものをよく使えるよな……」
ダイアゴン横丁をしばらく歩いて制服指定の裁縫店に着くとある程度混んでいて私は眉を顰めた。
「ベルナドット、書店に行ってこの本をここへ送るよう手配してきてくれ。時間がかかりそうだ。」
ベルナドットはへいへいと相槌を打つと言われた通りに店を後にした。それにしても全く、こんなに混んでいるなんて誤算だった。やはり屋敷に呼んだ方が早かったかもしれない。
適当な椅子に腰をかけて順番を待っていると1人の男子に話しかけられた。
「入学シーズンはやっぱり混んでいるね。」
「あぁ、それもあるのか。君は入学生には見えないけれどどうしたんだい?」
年は1つ2つ上くらいだろうか?好青年といった印象の少年で、人の良さそうな笑顔を浮かべている。
「成長期ってやつの所為でね、去年のローブがちんちくりんになってしまって。僕はセドリック・ディゴリー。ハッフルパフの三年生だよ。」