04
教員に誘導されて広間へと案内される中隣にいた背の高い少年が話しかけてくる。今日は全くよく話しかけられる日である。
「さっきはとんだ災難だったな。」
「あぁ、見ていたのか。その通りで返す言葉もないよ。」
セオドール・ノットと名乗った少年はつまらなさそうにさっきの赤毛を一瞥すると言葉を続けた。
あぁ、ノット家の嫡男か。純血主義では無いにしろ家柄がモノを言う社会に身を置いていることには変わりない。私もいつも通り笑みを貼り付けて対応する。
「君が、セス・ノーザンバランドなんだってね。噂にはかねがね聞いている。あまり社交界には出ていない様だからどんな人かと思っていた。是非とも仲良くしてほしい。」
「こちらこそだノットくん。余りに騒がしいのは好まなくてね、最低限しか顔は出していないのさ。」
そんなたわいない話をしてホグワーツの大広間にたどり着く頃にはすっかり打ち解けセオドールと名前で呼ぶまでになっていた。まぁ、付き合って置いて損はない人物だ。
組み分けの儀が始まり始めたので私とセオドールは話をやめて静かに前を向いた。
「ハリー・ポッター!」
英雄サマの名前とともに先ほどの丸メガネの彼がたどたどしく前に出た。あぁ、彼がハリー・ポッターだったのか。長いないだ帽子は考えた後グリフィンドールと叫び、また組み分けの儀式が進んでいく。セオドールは予想の通りスリザリンに組み分けされ、私は自分の番を待つばかりだった。
「セス・ノーザンバランド!」
名前が呼ばれ、ハリーほどではないにしろ会場がどよめく。この中でも私が当主をしていると知っているものもいうる様であの子が?と口々にするのが耳に届いた。
椅子に座り、帽子をかぶせられるとシンと広間が静まり返る。
「おぉ、おぉ!此れは此れはまた難しい。随分と辛い経験をしてきた様だ。」
そう喋りかけてくる帽子は、ブツブツとまた独り言を続ける。
「優しさはあるが冷徹さや理性がそれを隠してしまっておる様だ。勇気と言うよりは強い決意を感じる。頭もいい。狡猾で、利己的だがそれは君の本質ではない。」
「頭の中を余り覗いてくれるな、燃やしたくなる。」
「おぉ!怖い怖い!君ならスリザリンでもレイブンクローでも上手くやれるだろう。だがグリフィンドールやハッフルパフに行けばきっと君の本質と向き合える。さぁ、難しい難しい。」
知った様な口を聞く帽子は、見通した様な言い方で私に話しかけてくる。試す様な言い方に少し苛ついたが私の答えは決まっている。
「スリザリンだ。」
ほぉ?と帽子は返した。
「僕の本質?くだらない。そんな物は必要ない。お前が言うべき事はもう決まっている。ただ一言、スリザリンとそういえば良い。」
「家の為に自分を殺す道を進むと言うのかね?……迷いは、ないようだ。
よし、スリザリン!!!」