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「ごめ、ごめんなさい……僕が失敗したせいで君までこんな……!」

「気にしていないからもう謝るな。君も男だろう、めそめそ泣くんじゃない。」

「ご、ごめ……!」

ネビル・ロングボトムと言うらしい少年はおどおどとしながらセスの後をついて歩いてくる。ロングボトムといえば純血家系だったなとそんなことを思いながらセスは医務室へ向かった。






「この薬を塗って置けば明日には綺麗に治りますよ。」
マダムポンフリーはそのずんぐりむっくりした体でテキパキと治療を終えた後、帰ってもいいと言ったのででその足でスネイプの所に向かうことにした。どうしてスリザはリン生は地下を好むのか謎だが寮監たるスネイプも例に漏れず地下室の住人である。

何度か扉をノックすると入れと低い声が聞こえた。失礼しますと中に入れはスネイプはレポートの採点をしていたところらしい。

「怪我は大丈夫なようだな。」

「えぇ、マダムポンフリーの処置が良かったので。」

採点の手を止めたスネイプは、ゆらりと蝙蝠のようなローブをなびかせながら立ち上がった。

「ならばいい、学生生活もなんら問題ないようだ。」

どうやらスネイプなりに気にかけていてくれたらしい。スリザリンの身内に甘いと言う特性は卒業した後も続くのだなとセスは思った。

「学力も問題ないようだが、魔法薬学には明るいのか?」

一般教養として全て一通りこなした旨を伝えれば多少驚いたらしいスネイプは、眉を少し上げた。

「まぁ、細かい作業は好きでしたから魔法薬学に関しては他よりも好んで勉強してはいますが。」

机に積まれた本から一冊手に取ったスネイプはその本をセスに差し出した。
「君がウスノロでないと証明したいと望むならその本の56ページの薬を調合して見せるといい。」

つまり、調合を見てくれると言うことだろうか?スネイプにとってのウスノロ以上の評価をもらえたらしい。

「わかりました。先生が直々に見てくださるなら誠心誠意調合してきます。僕はセス・ノーザンバランド。ウスノロなんて言わせるつもりは毛頭ありませんよ。」