名探偵コナン!ってか





事情聴取が終わり、後は迎えが来るのを
待つだけになった私は一人ぼうっとしていた。

三日月は私をぎゅうと抱き締めて、
しきりに肩を擦って温めてくれている。


そこへ、あの高い声が聞こえる。



「ねぇ、千紗姉ちゃん!大丈夫だった!?」



心配が滲み出るその声に、
私は思わずふ、と笑みが零れた。


「大丈夫だよ。
それよりコナンくんの方が、怖かったでしょう?
蘭、早く来てくれると良いね」


そう言えば、う、うん……と口ごもった。

ああ、そろそろ、怖がってるのがバレたら
恥ずかしいお年頃かな?なんて考えて
頭を撫でていれば、ねえ、とコナンくんが話し始めた。


「千紗姉ちゃん、なんであの時、あんな行動したの?
危ないって解ってる?
それかもしかして、その後ああなるって分かってたの?」



おおう、質問攻めか。


うーん……

何か起こるって知らなかったって言ったら
それは嘘なるけど、まさか三日月のじじいが
あんなことまでできるとは思ってなかった。


とりあえず、当たり障りの無いように。



そう思って私は答える。




「ううん、知らなかった。とにかく怖かったの。
だから、必死で……
自分が何をしたか、あんまりよく覚えてないんだよね」



そう言えば、少年の少年らしからぬ視線は少し和らいだ。


そんな目をするなんて、
まるでただの小学生じゃないみたい。


まあ、新一の親戚だっていうし、
そういう血筋なのかも知れないけど。



とにかく今はそういうのから逃れて休みたくて、
私はじじいの温かさを感じながら兄を待った。







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