私はちっとも




「はいはい戻ってきましたよ〜っと」



ため息を吐きながら戻った私を出迎えたのは、
嬉しそうな顔してやがる青じじい。

ほけほけと笑いおってコノヤロウ。



「娘、戻ってきたか」


「あ〜はいはい」


すると三日月宗近は突然自分の腰に佩いている太刀を抜いた。


「はっ?」


思わず間抜けな声が出てしまうのも仕方ないと思う。

え、まってまって何なに、何この状況。
斬られるの?
いきなり訳もわからず斬られちゃう感じなの?


そんなことを考えるその時間約0.5秒。


その三日月宗近……面倒だからもうじじいでいいや。
じじいは自分の本体が入っているガラスケースに刀を向けた。


そして何やらもにょもにょと唱え、スッとその刃を仕舞う。


「……何して、」


「本霊から少し己を離したのだ。
此をする事によって分霊と成った俺は自由に動くことができる」


「……そうですか」


言葉を遮られた私は少し苛つきながらも、
そう答えるしか無かった。



「では、行こう」



そして何故かじじいが先を歩き、
私はそれに付いて行った。









「……すまぬ。そう言えば道が分からなんだ。
前を歩いてくれんか」








…………




でしょうね!!







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