猫になる日
以下会話文のみ
「やぁディーン。今日は語呂合わせで猫の日らしい。知っていたか?」
「……キャス、人間にはパーソナルスペースが存在する。知ってるよな?」
「知っている。他人に近付かれると不快に感じる空間の事だ。それと猫の日に何の関係が?」
「関係はないな。けど、近すぎるんだよ!!何が悲しくて男と接近しなきゃならねぇんだ」
「………………」
「な、なんだよ。急に落ち込みやがって」
「ディーン。パーソナルスペースは、他人に近付かれると不快に感じる空間を意味する」
「? 今同じ事聞いたばっかりだけど?」
「君は、私が嫌いなのだな」
「はぁ!? ちょ、ちょっと待て。何で急にそんな脈絡もない話になってんだよ」
「私が近くに居るのは不快なのだろう?」
「い、いや、そういう意味じゃない。近すぎるって言いたかっただけで、別に、何だ、その……き、嫌いって事じゃない」
「本当か?」
「ああ。本当に嫌いだったら、文句言う前に殴ってでも離れさせるぞ、俺は。それ以前に、そんな相手なら近付かせたりしねぇよ」
「ならば、私は特別だな?」
「う……特別っていうか、友達だし…」
「ならば、友情の証にコレを付けてくれ」
「…………おい、何だこれ」
「猫耳カチューシャだ。初めて見るのか?」
「見た事はある。俺が言いたいのは、何でアンタがこんな物を持ってて、俺に見せてくるのかって事だよ!」
「君に装着してもらう為だが?」
「然も当然のように言うんじゃねぇ! 却下だ却下! 絶対にお断りだからな!」
「何故だ? やはり、君は私の事が嫌いなのか?」
「そういう問題じゃねえだろ! 何で友情の証が猫耳になるんだよ! 大の男が猫耳とか屈辱でしかないぞ」
「……そうだな、君の言い分は尤もだ。私は大して役に立てず君に迷惑をかけてばかりで、友人と名乗れる立場じゃない。本当なら、こうして側に居るのも許されないだろう」
「だから、何でそうなる!?」
「すまない、ディーン。少し一人で考えたい」
「ちょ、待て! 解った! 解ったから!」
「ディーン?」
「貸せ! ったく、何で俺がこんな事…! ほら、これで満足か?」
「…………」
「…………な、何だよ?」
「……頭を撫でてもいいだろうか?」
「……3秒だけなら許す。それ以上触ったら、ハンバーガー三個奢りな」
「了解した。……とても可愛らしい。猫の日とは素晴らしい発想だな」
「俺からしたら最悪だけどな」
「さぁディーン、ベッドへ行こう」
「はぁっ!?」
「猫には発情期が存在する。友人として、君は私が助けるから安心して欲しい」
「安心出来る要素が一つも無いし、俺は猫じゃない。って、何だこれ!? は、外れねぇ!」
「少々細工が施してある。直ぐに君は、発情期の猫と同化するだろう」
「な、なに、馬鹿なこと、言っ…て…」
「身体が熱くなってきただろう?」
「お、まえ…最初からこれが目的…か…っ!」
「ディーン、君はどんな鳴き声を聞かせてくれるんだ? とても、楽しみだよ」
END
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