ダブルクロスしようぜ!-Parallel-
【休暇当日…】
「よっと(鞄を荷台に上げながら窓の外を見つめ)…蒸気機関車に乗るのも久しぶりだなあ」
「(普段の執事服ではなく年相応の軽装に身を包んだ状態を気にするように何度も襟を正し)俺も久し振りだよ。執事になってからは乗ってないかも」
「(対面式の座席に腰掛け羽織っていたコートを綺麗に畳むと隣に置き)アルフレッドはまだ執事になる前に俺の実家に行く為に乗ったきりじゃない?最近はそこまで遠出しないしねえ」
「かな。……そう考えると本当に久し振りだし、君の家族のお墓は……初めて行くし、緊張してきたんだぞ(そわそわと落ち着かない様子で窓の外を眺め)」
「何も緊張しなくていいよ。誰も居ないんだし気負いすることないから(発車を知らせる汽笛の音に再び窓へと視線を向け)」
「ぁ……(誰もいないと言う言葉に悲しげな顔を見せ)……フランシス、俺が、俺達がいるよ(向かいに座るフランシスの手を取り)」
「(手を取られたことに視線をアルフレッドの方へ向け)アルフレッド。…はは、…ありがとう(柔らかな笑みを向け)」
「(ちらちらと通路に人がいないことを確認すると掠めるように唇を奪い)……元気が出る、おまじないなんだぞ」
「!…(離れていく頭に手を添え至近距離の空色を眺め)…おまじない、もっとかけてほしいって言ったら?」
「ぇ、あ……ふ、フランシス。じゃあ、あの……目、閉じて?(空色が甘く照れた色を宿してゆっくりと唇に触れ)」
「ん、…(ゆっくりとアイリスを閉ざすと唇のどこかぎこちない接触に内心微笑ましげに笑い)」
「(ちゅっと何度か濡れた音を響かせて唇を擦り合わせ)……フラン、シス?おまじない、かかったかい?」
「(アイリスを開くと柔らかく細めて微笑み)…うん。おまじないのおかげで元気になったよ」
「(ぱあっと表情が明るくなり)よかった!フランシスの笑顔が俺にとって一番の宝物なんだぞ!」
「(くすくすと口元に手を当てて小さく笑い声を漏らし)大袈裟だなあ。でもそんなこと言われると何だか照れくさいね」
「だって事実だからね!……フランシス、あの、隣……座ってもいいかい?」
「…いいよ。ほら(コートを窓際のフックに掛け端に寄ると隣に座るように座席をぽふぽふと叩き)」
「(いそいそとフランシスの隣に腰掛けて手を握り)……っへへ、フランシスを独り占めしてるんだぞ(嬉しそうに鼻唄を歌い)」
「楽しそうだねアルフレッド、なんか昔を思い出すよ。…あ、先は長いから眠たくなったらちっちゃい頃みたいに膝枕、してやろうか?(にっと意地悪な笑みを向けながらアルフレッドの髪をくしゃくしゃと撫で)」
「うわっ!……こ、子供扱いしないでくれよ。……って、言いたいけど……ん、(こてりとフランシスの膝に頭を預け)あは、懐かしいなあ……フランシスお兄ちゃんって、膝枕ねだったっけ……」
「(懐かしむように膝に預けられたブロンドを丁寧に手櫛し)機関車なんて滅多に乗らないからってよくテンション上がってはしゃいでたら眠たくなって…ってのが昔のお前だったからね。だいたい寝付かせるのは俺の役目だし」
「(髪を手櫛されながら腹に顔を寄せてゆっくり目を閉じ)機関車、ずっと憧れてたからね。大きくなったら運転手になるんだ!って……それ、いつも俺が寝るまで聞いてくれてたのは君だろ?」
「そんで『運転手になったら1番にフランシスとマシューを乗せてやるんだぞ!』って言ってたのもね。…懐かしいなあ。よく俺の膝に涎垂らして寝てたお前の寝顔(眼鏡を外してやり窓際のポケットに入れながらノスタルジーに浸り)」
「そ、それは忘れていいよ……(眼鏡を外されながら拗ねたような照れたような声で囁き)」
「はは。…今じゃ俺と一緒に働く仲間だもんな。歳月ってもんを感じるねえ」
「ン、……そうですよ執事長。俺はもうあの我が儘なお坊ちゃんではありませんので(わざと丁寧な口調で茶化し)」
「たまーにその我が儘なお坊ちゃんが恋しくなるんだけどね。…でも、今のお前も俺は好きだよ(ちゅっと音を立てて額にキスを落とし)」
「っん、……我が儘全開だった俺が?……擽ったいよ、それ(過去すら認めてもらえた喜びにキスされた額からじわじわと熱が拡がり)」
「…擽ったい?じゃあもっと擽ったくしてやろうか(にんまりと普段仕事では見せることの無いどこか幼い笑みを浮べてアルフレッドを見下ろし)」
「もっと?……フランシス、何企んでるんだい?(オフの幼い笑みに懐かしさを覚えながらフランシスを見上げ)」
「そうだね…物理的に、こう!(無防備な脇腹に手を差し入れこしょこしょを指を這わせて擽り)」
「っん!あはっ、あはははっ!!フランシスっ、擽ったい!擽ったいって!!っはは!!(笑いながらじたばたと暴れ)」
「ここか!いやここだな擽ったいのは!!(アルフレッドの反応に気を良くしながらさらに擽る手を早め)」
「あはっ、ぁっ、ははっ!そこ、らめっ、っン!(擽られる感覚に笑いながらも無意識にほんのりと艶かしい声が漏れ)」
「……(擽る手は止めないがどこか艶やかな反応に唇をむにむにと動かして込み上げるものをやり過ごし)」
「っは、あはっ!げほっ!!(笑いすぎて呼吸困難に陥ると頬を紅潮させて逃げるようにフランシスの腹に顔を押し付け)」
「!(ぱっと手を離し)ご、ごめんアルフレッド。やり過ぎちゃったね…」
「はっ、はっ、はー……っ、えほっ!!……っ、は、はははっ!!(擽ったさとは別にフランシスにしがみついて大笑い)」
「あ、アルフレッド…?(突然の大笑いに目を白黒させ)」
「(ぷるぷると肩を震わせてしがみついたまま)……フランシス、昔に戻ったみたいだよ。俺、今すごく嬉しい」
「…っ(小さく噴き出ししがみついている形のいい頭を撫で)そうだね。こんなこと、お互い大きくなってからはやらなくなってしまったもの」
「うん。……ほんと、子供の頃以来だよ。だから、すごく嬉しい……(ぐりぐりと頭を押し付け)」
「…(車窓から見える田園の景色を一度視界に捉えながら再びアルフレッドの方へ視線を向け)…ふたりだけの数日間のバカンス、楽しもうな(締めることのない緩んだ笑みを浮べ)」
「(緩んだ笑みを見ると幸せそうに微笑み)……うん。数日だけど、ふたりきりで楽しもうじゃないか」
「(返答代わりに空色の真下を指で優しく撫で)駅まで長いから少し休んどきな。目の下、隈出来てる」
「ン……(下瞼を擽られてくすりと吐息を漏らし)フランシス、も……少し、寝とき……な、…………(言葉を紡ぎながら柔らかな睡魔に誘われて寝息を立て)」
「(揺りかごのようにがたがたと揺れる座席とこちらに身を預けるアルフレッドを微笑ましげに見つめ)おやすみ、アルフレッド」
「ンン……ふら、し……す……(幸福そうな笑みを浮かべながら寝言を零し)」
「…(髪を優しく梳きながら車窓を穏やかな眼差しで眺める)」
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