クトゥルフしようぜ!

米「さて、他の奴らにも体験してもらおう、誰か単独行動してそうな奴はいるかい?」
諾「ん、ロマーノがロビーのソファーさ座っでるな。」
米「よし、手っ取り早い。じゃあ次はロマーノだ、さて彼は誰が……ああ、候補が二人いる場合はどうなるんだろうね、見物だよ」
諾「それは見てのお楽しみだな。…ふう、(呼吸をして、ロマーノの映るモニターに手をかざす)」

南「!?な、なんだ!?なんかぞわぞわして……っ!?(慌てて立ち上がり)」


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【どろりと、身体に絡みつく闇。まるで底知れぬ沼に沈んだような感覚に襲われる。息苦しい、怖い。先ほどの明るいエントランスはいつの間にか停電したかのように暗闇と静寂に包まれた空間へ変貌している。
見知らぬ空間と感覚。辺りを見渡せば、その先に人影が一つ。それは見慣れた、いや嫌でもわかる存在だ】

「お、おい……スペイン、なのか……?なんだ、さっき変な感覚がして急に停電で……ってか、お前さっきまでいなかっただろ!如何したんだよ急に!」
「ロマーノ…」
「な、なんだよテンション低いな!こっちの調子も狂うぞこんちくしょー!」

【彼のその声は普段と聞いている、あの底抜けた明るい声ではなく、どこか弱々しい】

「……景気悪いのか、お前のとこ?大丈夫か?い、いや心配してるんじゃねえぞ!お前に倒れられると俺が困るからな!」
「…………」
「な、なんか言えよ……」

【ドン、と肩に衝撃が襲う。それが何かと認知した瞬間、小麦色の彼のたくましい腕が自分を押したのだと気付く。よろめき、その場に尻餅をつく。見れば彼は今まで見たことのない、氷のような冷たい眼差しで見下ろしていた】

「す、スペイン……?」
「ああ、相変わらず鈍臭いなあロマーノは。昔からお前はほんまに面倒臭い奴で、生意気で、厄介事しか持ってこおへん奴やったやんなあ。
弟はあないに優秀で、可愛らしいのに。お前を押し付けられた俺はほんま貧乏くじやわ。あーあ……」
「〜〜〜ッ!!?おまっ、ずっとそう思ってたのかよっ!?やっぱりお前もヴェネチアーノかよ!!……っ、じゃあ!なんで俺なんか受け入れて育てたんだよばかやろー!!!」
「そんなん決まってるやん?お前の爺ちゃんの財産欲しかったし?可愛い可愛いイタちゃんともコネ出来るやん?……まあ、あれやんな。お前、いらんわ」
「っ、ああそうかよ!どいつもこいつもヴェネチアーノヴェネチアーノ!知ってるんだよっ、俺が役立たずで要らねえことくらいな!!テメーに言われなくても重々承知だ!!……わざわざ忠告ありがとうな!!(吐き捨てるように叫んで踵を返し)」
「あはは、自分のことよーく分かってるやん?まあお前の家少し支配出来てこっちも多少は利益はもらえたで?」

【そう笑顔を浮かべる彼の体はぼろぼろと溶けだし、ぽたぽたと床に、真っ赤な泉を作っていく】

「おおきに。こないな身体にしてくれて、なあ?」
「(振り向くと異様な光景に掌で口元を覆い)ひっ!?な、なんだよ……これ、なんなんだよ……!?」
「ああ、親分はみんなの親分やから、みんな守らな……お前みたいなどうしようもない奴も、イタちゃんも……みんな……みんなみんなみんなみんなみんなみんな、守らな……守らな」
「お、おい……スペイン!?なんだよ、なんだよこれ、悪い夢なら早く覚めろよ……!!!(がりがりと頭を掻き毟り)」


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諾「へえ、スペインの方か」
米「まあ子供の頃から一緒って言うとやっぱりスペインが優先順位、高いんだね」
諾「……それがどう大切か、って意味が問題だがな」
米「それは本人のみぞ知る、ってことさ。酸いも甘いも知る年寄りのことなんて俺には分からないんだぞ」
諾「明るいやつほどこだな態度は確かに不安だべ」
米「あの底抜けハッピーなスペインがあれだとまあ、ロマーノの反応が正解な気がするよ……」

*

米「……あれ、なんかロマーノ張り合ってないかい?……初めての反応なんだぞ(ドン引き)」
諾「…あれは劣等感吐き出してるだけだべ……だけど、この言葉はどうだろな」
米「予想はしてたし、うちにも出稼ぎに来てたからね。あーあ……これは俺たち以上にトラウマ抉ってる可能性があるよ……」
諾「…で、これ見ても他の奴にやらねえって気にば?」
米「……少しさ、愉しくなってきちゃったんだよね。どうしよう、俺……おかしいんだぞ(冷や汗を垂らしながら恍惚とした表情を浮かべ)」
諾「…ド変態(穢らわしいと言った目を向けながら口元は笑みを浮かべる)」
米「さっきも言っただろう、お互い様だよ(画面に向き直り新しいおもちゃを見つけた子供のように目を輝かせ)」

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