クトゥルフしようぜ!
仏「…坊ちゃん、ちょっと。ちょっと退いて」
加「……日本さん、ごめんね。ちょっと退いてくれるかな?」
英「あ、…なんだよ(足をのける)」
日「……どうぞ(場所を譲り)」
仏「おい、アメリカ(アメリカの前に立つ)」
加「ノルウェー君(にこやかに微笑んで)」
米「なんだい、随分いきり立ってるね」
諾「…?」
加「歯、食い縛ってね?」
諾「は」
仏「(アメリカの頬を勢いよく殴る)」
加「(勢いよくノルウェーの左頬を張り倒し)」
米「っ!!!!!」
諾「っ……(あっけなくその場に倒れる)」
仏「お前、ほんと馬鹿だよ。馬鹿すぎて見ていられないくらいにね」
加「さっきから聞いてたけど、どういう了見なのかな?……ねえ、ノルウェー君。ふざけないで。……そんなに楽しいの?(馬乗りに跨って胸倉を掴み)」
日「……(呆然として四人の動向を見つめ)」
英「……(同じく動向を見つめている)」
米「馬鹿?馬鹿は君達だろう?(殴られた頬を拭い)」
仏「ああ、そうだね。お兄さんもどうやら巻き込まれてるみたいだしー?単純なお前の行動を図りきれなかったのも俺の誤算だよ。けどね、アメリカ。考えてみろよ。…もし、お前達のやったことを他の奴が(アメリカの耳元で)カナダにやったとしたら、お前正気でいられる?」
米「……知ったことじゃないさ。何でそういう仮定が存在するんだい?あんな変な力を使えるのはイギリスとノルウェー、あとは来ていなかったルーマニアくらいだ。Ifの世界なんて、馬鹿げてるね」
仏「へえ…。それならお兄さんはそれに便乗するとするよ。お前とノルウェーがカナダを傷つけたのは確かなんだ。…そうだな。俺がカナダを優しく優しくいたわって、寄り添ってあげる。そしてお兄さんの優しい言葉にカナダは純粋だからころりと落ちるだろうね。そうなったらベッドに誘い込むのも簡単だよね…。」
米「……っ、それで、君はどうする?弱った哀れなカナダを手籠めにして、俺に自慢するかい?随分幼稚なお国様だ。……反吐が出るよ」
仏「はは、なんとでも。反吐が出ようが何だろうがいいよ。…今のお前にはカナダは似合わないし、まずカナダはお前を必要としないね(冷ややかな目で見る)」
米「それは彼が決めることだ。……俺にも、君にも権利はないよ(凄むように睨み返し)」
仏「へえ、お前こんなことしてもまだカナダが自分を選ぶという可能性を信じてるの?(アメリカの胸倉を掴み)…何も舐めたことほざいてんの、糞餓鬼が」
米「可能性なら作ればいい。閉じ込めて、蓋をして、俺以外がいない世界を作ればいい……それだけの話だよ(先程までの勢いを失い、瞳に何処か黒い光を宿しながら)」
仏「…手に入らないならいっそ閉じ込めればいい。そんな考えに行き着くくらいにお前がカナダを好きなのはよくわかった。…けどお兄さんも負けないくらい好きなの、わかる?…今のお前じゃカナダも、いやお前自身だって幸せにならないよ」
米「俺は幸せさ。常に世界が俺を必要としているからね……それに、お似合いなのは君達さ。ずっと見ていたから知ってるよ、あんな風にカナダが笑うのは、フランス、君がいる時だからね……っ、ああ、悔しいね……(段々と強がりの仮面が剥がれ)」
仏「(アメリカの様子を見て髪をくしゃくしゃとかきながら)……はあ。お兄さんが悪かったよ、お前はまだ子供だもんね、世界のリーダーとか言っても…自分のことすら全然わかってない餓鬼だった(アメリカの頭を撫でる)」
米「子供じゃ、ない……!子ども扱い、しないでくれよ……!(突然の方向転換に困惑気味)」
仏「いーや、子供だね。…子供だから、加減知らないんだよ。そいで謝りたくてもタイミング掴み損ねて悪態ついてんの(やれやれといった笑みを浮かべて頭を撫でる)」
*
諾「…ああ、楽しいな(頬を摩りながらもカナダを見据えて)」
加「友達だと思ってのは、僕だけ?……強い言葉も、暴力も、本当は使いたくなんてないよ。……けれどね、君が、そういう風に出るなら僕は君を許さない。永遠に……絶対に。許してなんて、あげない」
諾「友達……ふふ、おめは単純だな、カナダ。だからまんまと引っかかるんだ」
加「うん、僕は単純だよ。単純だから、あんな馬鹿な大国の兄弟でいれるんだ。……ねえ、君の胸は痛まないの?……痛そうな顔、してるくせに」
諾「……(じろりとカナダを睨む)」
加「睨んだって駄目だよ。……君は、自分で気付いていない程に分かり易いからね」
諾「…知った口を」
加「何とでも言えばいい。僕は、もう優しい言葉を君にあげることが出来ないから」
諾「…誰も優しい言葉なんて求めてねえ。それでええ、何も俺に期待すんでね。俺はそこまでの人間でねえからな(何か一瞬脳裏に浮かぶがそれを払しょくするように笑う)」
加「……ノルウェー君。ううん、ノルウェーさん。舌、噛まないようにね(にっこりと笑うと今度は右頬を激しく打つ)」
諾「っつ!?(受身もとれず床に沈む)」
加「痛い?……痛いよね、僕、本気で殴ったもの。……ねえ、ノルウェーさん。これでも、まだ、そうしているつもり?」
諾「………(虚ろな目でカナダを見つめる)」
加「無言は肯定だよ。……そうしていたいならずっと家に閉じこもっていればいい。僕は、もうこれ以上君に関わらないから(馬乗りになっていた自らの体を退けて悲しそうに笑い)」
諾「…………(ぴくりとも動かない)」
日「……イギリスさん。事の重大さを、私は漸く理解したと思います。……先程以上の修羅場です(一歩後退りながら)」
英「あ、ああ……ここで説教したのが悪かったようだな(同じく一歩退いて)」
日「お二人だけ連れ出した方がよかったですね……如何なさいますか?(ため息混じりに)」
英「…もう少し様子を見よう。」
日「……ええ、アメリカさんは幼いですからフランスさんが多少強引に持って行ってくださると思っておりましたが、やはりノルウェーさん……(目を伏せて息を吐き)」
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