めぐりあい -1-

別れなんて来なければいい。

あの頃、俺達は、互いの温もりに溺れながら、しばしばそう遠くない別れの事ばかり考えていた。


別れが訪れるなら。
心が引き裂かれるなら。
神を呪う事すら厭わなかった。


でも、お前と離れてしまって、俺は思う。

お前に出会えて良かった。

もうこんなに月日が流れたというのに。

抱き締めた温もりを。
奪った唇の柔らかさも。
甘い吐息も。

忘れる事が出来ない。


目を閉じると、まだお前が傍にいるような気さえする。


離れていても、ずっと傍にいてくれる。


俺はもう、一人じゃない……。
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