白いレースが幾重にも段重ねになってひらひらとして可愛らしい。
でも、サイドにリボンがあしらわれていて恥ずかしくなる。
これさえ解いてしまえば、脱がせるのはいとも容易い。
政宗が賭けに勝ったら、今夜のドレスと下着は政宗が選ぶ……。
どうやら冗談でも何でもなく、政宗は本気のようだった。
溜め息を吐きながら下着を穿き、バスローブを羽織ると私は脱衣所を出た。
ベッドの上にはアルマーニで唯一試着しなかったワンピースが広げられていた。
思わず立ち止まって政宗を見つめる。
やっぱりそんな予感はしてたけど、でも、でも……。
「髪、洗わなかったんだな」
「うん、時間がないって言ってたから」
ヘアクリップで結い上げられた纏め髪を政宗は私の後ろに立ち、じっと眺める。
そして、ゆっくりと項を撫で下ろした。
「お前の項、綺麗だな。あのドレスに映えると思うぜ」
そう言って私の腕を引く。
ドレスを私の胸元にあてがうと、政宗は勝ち誇ったように宣言した。
「今夜のドレスはこれだ!」
「えっ!?政宗、試着も見てないじゃない!」
「それでも構わねぇ。俺の目に狂いはねぇ」
「でもっ、でもっ……ほら、胸にパッド入ってないし、背中がこんなに開いてたらブラも着けられないし。ね?無理だよ、諦めようよ」
何とか政宗を諦めさせようと、言い訳をいくつも挙げていく。
いくらなんでも、乳首がドレスの上から分かってしまうようなドレスを政宗なら公共の場では絶対に着せないと見当を付ける。
きっとこれで政宗も諦めてくれる…。
そう思い、政宗の言葉を待つ。
政宗は瞳を伏せてフッと笑うとポケットから何かを取り出した。
人差し指と中指の間に挟み、ニヤリと笑ってそれをひらつかせる。
「これが何だか判るか?」
「え……?何かビニールに入ってるシールに見えるけど…」
シールと自分で言って思い当たる。
もしかして、これって、これって……。
「ニップレスってお前も知ってんだろ?これがあればこのドレスを着るのに何の問題もねぇよなぁ?さあ、どんな感じか見せてくれよ」
いつの間にこんなの用意したの!?
下着売り場で私が席を外した時…?
「どうした?着け方が分からなかったら手伝うぜ」
政宗は私のバスローブに手をかけ、あっという間に脱がせてしまった。
ショーツ一枚になってしまって恥ずかしい。
ショーツのリボンがさらさらと太腿の上を揺れる。
政宗の視線はショーツに釘付けだった。
そしておもむろに、私をギュッと抱き締めた。
「っ……!やべぇ、お前、マジで可愛い!!ずっと眺めていたくなる」
「じゃあ、このままここでゆっくりする?」
あのドレスを着て政宗の前に立つのはおろか、外に出るのも何だか恥ずかしかった。
「Rejection!」
政宗はニップレスを開封すると胸を覆っている私の腕を外そうとする。
「イヤッ!」
「コラ、暴れるな!」
強く腕を引かれてベッドの上に倒れ込む。
政宗は私の腕を頭上で一纏めに固定すると、ニップレスの台紙を口に咥えてニップレスを剥す。
その仕草が酷く妖艶だった。
乳首を押し込むようにしてニップレスが貼られる。
甘い痺れが広がっていって身体が疼く。
両方貼ると、確かめるように、政宗は爪の先でかりかりと刺激する。
「やぁっ!いやぁっ!」
触れられる度に腰が跳ねる。
「刺激しても平らなままか。なら大丈夫だな」
政宗はようやく私を解放するとドレスを手に取った。
そして私の身体を起こすと頭からドレスを被せる。
背中のボタンを留めると私を立たせた。
頭の先から爪先までじっくり眺めると後ろを向かせ、指先を背中から深く切れ込んだ腰の上辺りまで滑らせていく。
「遙、綺麗だ…」
政宗は後ろからそっと抱き締めた。
「本当は誰にも見せたくねぇのに、見せびらかしたい気持ちもある。男って厄介だな」
苦笑いをする政宗の気配を感じて私は振り返った。
「政宗は私を見せびらかしたいの?」
今まで自分の身体に自信が持てなかったから、そう言われるとなけなしの自尊心が満たされていく。
「ああ。こんないい女が俺以外の誰の物にもならないってな。世界中の男に知らしめたいって思う事がある」
「私もこんな素敵な人が彼氏なんだって見せびらかしたくなるよ」
「じゃあお互い様だな」
政宗は小さく笑うと私の唇に軽くキスを落とした。
「お前の化粧が済んだら出かけようぜ」
「うん」
化粧しながら考える。
このドレス、ちょっと恥ずかしいけど、政宗が誇りに思ってくれるなら…。
政宗のために着飾りたいと思った。
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