PS2が戻って来てから6日目。
きっと15日間では足りないくらいに詰め込まれた願望に蛍光ペンでハイライトを入れていく。
プラネタリウム。
水族館。
ライブハウス。
自由ヶ丘のカフェ巡り。
六本木のバー。
乗馬。
歌舞伎。
銀座で買い物。
お習字。
リストの中にない出来事があると、リストに新たに加えて蛍光ペンで印を付けた。
これは私達の歩んだ足跡。
二人の思い出。
哀しい現実から逃れるための逃避行。
私はリストの中の『プール』を蛍光ペンでチェックした。
今日は遊園地のプールへ行って、夜にはそこで花火を見る約束をしていた。
人前で肌を晒すのは気が進まないはずなのに、政宗は快く承諾してくれた。
きっとこれが最初で最後のプールだから。
ウォータースライダーで政宗と遊びたいとねだる私の抱き寄せ、政宗は優しく微笑んだ。
「お前がやりたい事なら俺は叶えてやりたい。楽しそうだしな。お前がそんなに楽しみにしているなら」
Cuteな笑顔を見ているだけで、俺は幸せだ。
そう言って笑ってくれた。
言葉にしなくても「これが最後だから」という思いが伝わって来て辛い。
それでも私はもう泣かないと決めていたから。
政宗とプールで遊ぶ事だけを考えるように意識的に気分を切り替える。
昨日帰りに買って来た浮輪やら水着やらを床に並べると、段々気分が浮上してくる。
蝶の柄のビキニとゴシック調のワンピースの水着を並べると、政宗は迷わずワンピースの水着を私に押し付けた。
「プールって混んでるんだろ?他の男の前であんまり肌晒すんじゃねぇ」
苦り切った様子の政宗に笑みが零れる。
「折角買ったのに着られないの、残念」
思わずそう呟くと、政宗は不機嫌そうに眉を顰めていきなり私を床の上に押し倒す。
「政宗!?」
私の腕を軽々と押さえ付け、政宗は私のTシャツを捲り上げた。
そして、指先で脇腹からウエストのラインをなぞる。
「遙…。お前は綺麗になった。……この腰のラインがどれだけ男をそそるか分かってねぇだろ」
「やっ…!」
抵抗しようと身体を捩っても、ますます強く身体を押さえ付けられてしまって身動きが取れない。
「お前の綺麗な身体を見て、良からぬ事を考える野郎がいるかも知れねぇって考えるだけで許せねぇ」
政宗は噛み付くように私の脇腹にキスを落とした。
キツくそこを吸い上げられて、見下ろすと紅く痣が出来ていた。
「政宗!?」
驚いて見上げると、政宗は唇の端をつり上げて笑っていた。
「遙、hickyを付けたまま表を歩くのか?大胆だな」
揶揄するような口調に呆気に取られ、そして私は溜め息を吐いた。
「もう…。いいよ、諦めるから。可愛い水着だったから楽しみにしてたのに。政宗の隣りを歩くなら尚更。大人っぽい水着が着たかったな」
「心配すんな!この水着だって可愛いぜ?sexyなのは、俺の前だけにしろ」
ビキニを着られないのは少し残念だったけど、政宗が機嫌良く笑うので、そんな笑顔を見たら政宗の望み通りにしてもいい気分になる。
何だか政宗が可愛く思えて髪を撫でると掠めるようなキスを唇に落とされた。
幸せな気分になって政宗とじゃれ合いながら準備をして、私達は部屋を後にした。
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