馴染みのビリヤード場で、ひたすら玉を突く。
が、今日はポケットに玉がうまく入ってくれない。
ここも、彼とよく遊んだ場所。私にビリヤードを教えてくれたのも彼。
キューを構えながらふと泣きたい気持ちになって顔を歪めると、美紀が心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「やっぱりビリヤードじゃダメかあ。元カレのこと思い出しちゃう?」
「うん、ちょっと…。ビリヤードは好きなんだけど、どうしても今日は調子悪いみたい」
「そうだね、遙がミスることあんまりないもんねえ。じゃあ、出よっか」
美紀に手を引かれて私はビリヤード場を後にした。
センター街をアイスを食べながら私たちは歩いた。
「そうだ、遙。アメリカに行くのキャンセルしたから結構お金持ってるんでしょう?」
「うん、そうだけど?」
「この間面白いゲームが発売されてさあ。戦国BASARA2って言うんだけど、すっごい爽快感があるんだよね。それで嫌なことパーッと忘れちゃいなよ。きっと楽しくて夏休みもあっという間だよ。今から買いに行こう?」
にこにこと話す美紀が可愛らしい。
少し興味を引かれる。
「そんなに面白いの?」
「もう、あの爽快感はやった人にしかわからないよ!登場人物も男前だらけだしさあ、ストーリーは面白いし!遙はもっと笑った方がいいよ。まつとザビーのストーリーで癒されてきな」
うきうきとした足取りで笑う美紀が可愛くて、私もつられて笑った。
美紀は私の笑顔を見て、さらにその可愛らしい目を細めた。
やっぱり持つべきものは可愛い友達だな。
少し心がほっこりと温まって私は淡い微笑を浮かべた。
私たちはセンター街の入り口にあるゲームショップで戦国BASARA2を買い、私のマンションに向かった。
しおりを挟む
top