注文の多い料理店 -3-

部屋に入ると大きな鏡の前に椅子が置かれていた。
その椅子に手をかけて、別のメイドさんが佇み、私と目が合うと微笑みかけた。

「お客様、こちらへどうぞ。そのドレスに似合うヘアメイクを担当させて頂きます」
「あ、はい。ありがとうございます」

会員制のレストランってすごいなあ、と思いながら、ドレッサーの前に座る。
メイドさんは、手際よく私の髪をブローしていった。
ふんわりと柔らかく、頭を振ると乱れるのに、手ぐしで整えるとすぐに元に戻る、少し大人びた髪型へと変えていく。

そして、私のメイクを全てメイク落としで落とすと、顔のマッサージをして、丁寧に下地を作る。
そして、ブラシで丁寧にファンデーションを薄く乗せていった。
目の際には、綺麗なグラデーションのシャドウを乗せられ。
丁寧にマスカラで、自分の睫毛とは思えないほどに長く睫毛が化粧されていく。
マスカラはほんのりと青みがかっていた。
最後に、さくらんぼのような色をしたグロスをぽってりと塗られる。
グロスを塗ったら子供っぽいかと思ったら、その下のルージュの色が引き立って瑞々しい。
ケープを外され、鏡で自分の姿を確認していると、メイドさんと目が合って微笑まれた。

「とてもお似合いですよ。では、ご案内致します」

メイドさんは椅子を引いて私を立たせると、奥の部屋にいざなった。
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