政宗はいつもと同じ様子だったのに。
やっぱり私が分かりやすい性格だからなのかな。
ドキドキとしながら小十郎さんを見上げていると、小十郎さんは深い溜め息を吐いた。
「政宗様、今日の講習は御休みになって、日が暮れるまで彼女を帰さないように」
「Sweet!ずっと一緒にいられるな!」
「その代わり!」
嬉しそうに声を上げた政宗の言葉を小十郎さんは遮った。
唇を尖らせて政宗が小十郎を見る。
「今日はこの小十郎がみっちりとしごきますからお覚悟を」
据わった目で小十郎さんが政宗を睨み付ける。
小十郎さん、何でこんなに怒ってるんだろう?
やっぱりキスもダメだったかな?
政宗に視線を移すと、政宗は挑戦的にニヤリと笑った。
「Okay, 小十郎。正直、講習は温いと思ってた所だ。Honey, 小十郎のしごきは厳しいから覚悟しとけよ!」
「えええっ!?」
「俺と同じ大学行きたいんだろ?タダで小十郎のlessonを受けられるのはluckyだぜ」
それから何時間も小十郎さんにしごかれ…ているのは政宗だった。
私にはすごく優しく丁寧に教えてくれて、政宗は与えられた課題に舌打ちしていた。
もうそろそろ夕飯時という事で、私はお暇する事にした。
「今日はありがとうございました。また教えて下さいますか?」
「ええ。俺がいる時ならいつでも」
「また来いよ。今日は楽しかった」
政宗は軽く私の頬にキスをした。
やれやれとばかりに溜め息を吐く小十郎さんにスカーフを差し出されて首を傾げる。
「夜風は冷えますから」
「そう…ですか?ありがとうございます。じゃあまた」
帰り道、スカーフのブランドがエルメスだと気付いて驚き、汚さないようバッグに入れて家に帰る。
「ただいま〜」
「お帰り…ってお前!」
リビングでテレビを見てたアニキが血相を変えるので、何事かと驚く。
有無を言わせず洗面所に連れて行かれて、鏡を見た私も思わず声を上げた。
「何じゃこりゃ!」
首筋にいくつも鮮やかな赤い痣がある。
だから小十郎さんはあのスカーフを…。
「独眼竜……この借りは絶対に返すからな…!」
Fin…
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