背の高い均整の取れた身体つきに、眩い銀髪。
顔立ちも整っていて、よく女の子達が振り返る。
私もアニキと同じ髪の色で、顔立ちも少し似ているから妹だと分かってもらえるけど、そうじゃなかったら一緒に歩いたらジェラシーの的になるのは必至だ。
今なんて、サーフボード抱えて、黒と紫のウェットスーツなんて着てるから、女の子達の視線釘付けだ。
逆ナンを軽くあしらったり、顔馴染みらしき女の子には愛想を振り撒いて、髪をくしゃりと撫でてあげたりしながら、えらい時間をかけて海に向かってる。
本当に一歩歩けば声をかけられるという状態だ。
政宗もかなりモテるけど、海でのアニキには敵わないんじゃないかと思う。
アニキ、モテモテだぁ…。
知ってるつもりだったけど、実際にこうして見るのは初めてで。
私と一緒に来る時はいつも私だけを見てくれていたから。
アニキの新しい一面を知ると同時に、何だか酷く寂しかった。
私以外の女の子の頭をああやって撫でてるんだ、アニキは。
抱き締めたりもするよね…?
何だか胸の中がもやもやとする。
ああ、そっか。
私、嫉妬してるんだ。
私のアニキなのにって思って。
私にも彼氏いるし、やきもち妬く筋合いなんてないのにね。
政宗との付き合いを認めてくれるアニキは心が広いな。
「Honey, どうした?兄貴がどうかしたか?」
政宗に声をかけられて我に返る。
「あ、うん。アニキって案外軽かったんだなって思って」
愛想を振り撒くアニキの姿を見てそのままの感想を言うと、政宗は私の肩を抱き寄せた。
「デート中に他の男なんて見んなよ。例えお前の兄貴でも。俺もお前しか見てねぇし。ああいう風に愛想を振り撒くのは俺の主義じゃねぇ。気のねぇ女に気を持たせるのは酷だろ?だから、俺はお前にしか優しくしない」
顎をくいと上げられて、チュッと軽く音を立てるようなキスを落とすと、政宗は優しく微笑んだ。
さっきまで、もやもやしていたのに、政宗に抱き寄せられてキスされるだけで、心の中が甘ったるく幸せな気持ちになっていく。
甘えるように寄り添うと、政宗はぽんぽんと私の頭を撫でた。
「さあ、海に入ろうぜ」
「うん!」
指を絡ませ砂浜を歩くのが何だかくすぐったかった。
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