Signs of Love(R18)

唇を重ねればそれが引き金になる。


人はそれを堕落と呼ぶけれど。


俺たちにとっては、甘い、甘い、愛を確かめ合う時間。


果てなど来なければいいと切ない程に思う刹那の時間。





口付けを交わしながら互いのバスローブを肌蹴させていく。
滑らかな肌に手のひらを滑らせれば漏れる甘い吐息。

遙に覆い被さるようにして、頬を包み角度を変えながら軽く唇を食むと、遙もそれに応える。
舌を絡ませるようなFrench Kissよりも柔らかな優しさに愛しさが募る。
柔らかな唇が俺を求めていると感じるだけで、身体が甘く痺れたような感覚に陥り、俺も遙が欲しくなる。

遙を抱くようになって、愛しさと情欲は紙一重だと初めて知った。

Kissを交わしながら愛撫を施していくと、吐息が濡れていく。
じっと遙を見下ろすと、熱に浮かされたような、濡れた瞳が俺を見上げた。
きっと俺も同じような表情をしていると思う。
優しく触れているだけで、遙が欲しくて堪らなくなる。

お互い少し上がった吐息を吐きながら、視線が絡み合うと、また貪るように口付けを交わした。
遙の頬を包み込むように、手を宛がい、何度も角度を変えながら口付けると遙も両腕を俺の首に回して、手を髪に差し入れる。
時折愛撫をするような指先の動きから遙が俺を求めている事が伝わって来る。
包み込まれるように頭をそっと引き寄せられ、遙の想いが伝わってくる。
言葉にしなくても、俺を愛しいと思っている事が伝わってくる。

遙の肌の上に滑らせていた手を下腹部に忍ばせると甘い吐息が漏れる。
茂みを掻き分けて、そこがたっぷりと蜜で濡れている事を確かめると、俺はゆっくりと遙の中に自身を沈めていった。

根元まで遙に包まれると思わず互いに唇が離れ、喘ぎともつかない濡れた吐息が漏れる。
遙は快楽を堪えるような切なげな表情を浮かべ、吐息が震えている。
遙を包み込むように、顔の横に肘から先を着いて、もう片方の手は遙と指を絡ませるようにして繋ぎ、ベッドに縫い止める。
そして身体を密着させるようにしてゆっくりと律動する。

愛しくて堪らなくて。
少しでも遙を近くに感じたい。

温かで柔らかな襞が包み込むように撫で上げていって、甘い快楽に吐息が震える。
遙の指が俺の指にきゅっと絡み付く。
遙が感じている事が嬉しくて、胸の奥が甘く疼く。

「んっ、政宗っ」
「遙っ」

互いに名を呼び、額をくっつけて、互いの上がった吐息を肌で感じる。
この瞬間が堪らなく好きだ。
いつまでもこうして感じていたくて。
いつの間にか遙を抱く時はいつも殊更にゆっくりと焦らすように腰をgrindさせるようになっていた。


身体を蕩けさせる甘い快楽も。
遙の甘く濡れた吐息も。
甘えたような喘ぎ声も。
包み込まれるような愛も。
いつまでも感じていたいから。







政宗は肌を重ねる時、必ず私を包み込むように覆い被さる。
肘を私の顔の横に着いて、体重をかけ過ぎないようにしながら、ゆっくりと突き上げる。
政宗の逞しい胸が私にのしかかり、政宗の重みと繋がれた手で自由を奪われる。

甘い甘い拘束。

こんなに包み込むように抱いてくれるのは政宗が初めてだった。
政宗に愛されていると、全身で感じる。
唇にかかる熱い吐息も、少し汗ばんだ肌も、全てが愛しい。

奥に当たる度、甘い痺れが全身に広がっていって、喘ぎながら堪えると、政宗の指がきゅっと絡み付く。

「っ……!そんなに締め付けるなっ…っはっ…」

政宗が切羽詰まった声を上げる。

「んんっ、でもっ!」

快楽に耐えるのに必死で、どうしていいか分からない。
政宗は堪えるように呻くと、私の身体に体重を預け、深い吐息を吐いた。
私の首筋に顔を埋め、荒い吐息を吐く。
のしかかる体重が何だか心地よい。
私は政宗の髪に手を差し入れてそっと撫でた。

「我慢しなくていいのに」
「ダメだ」

私が呟くと、政宗は即答し、首筋から顔を上げて私を見つめた。

「ずっとお前と繋がっていたい。イっちまったらそれで終わりだろ?この焦れったい快楽の海に溺れていたい」

快楽を堪えるような政宗の表情はドキリとするくらい艶っぽかった。
鋭い瞳が熱に浮かされたように潤んでいて。
少し辛そうに眉が顰められている。

私は政宗の額に浮かんでいる汗を拭った。

「私もずっと政宗とこうしていたいな。愛されてるって感じるから」
「俺はいつでもお前を愛してるぜ?」
「うん、分かってるけど…」

政宗はフッと笑うと私の頬にキスを落とした。

「言わなくても分かってる。俺もお前と同じだ」


Because we're making love….


「この瞬間が永遠に続けばいいのにな。お前にありったけの愛を注げるし、俺もお前に愛されてるって肌の温もりを通して感じる。遙、お前が愛しい。愛しくて堪らない」

政宗は何度も愛の言葉を囁きながら、また繋がったまま口付けを交わす。

私達はこの気怠く濃密な優しい時間が永遠に続くのを願いながら、いつまでも飽く事なく互いの温もりを求めた。
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