壊れ物を扱うように、優しく優しく慈しむように抱いてくれる。
今だってこうして繋がっているのに、指を絡めるように手を繋ぎ、ゆっくりと律動しながら時折快楽を堪えるように顔を顰めるけれど、その隻眼は優しい眼差しで、触れ合うだけのキスが嬉しくて幸せな気持ちになる。
政宗の薄い柔らかい唇が頬に睫毛に触れるだけで言い様がない程満たされる。
でも、奥まで当たると何だか政宗がもっと欲しくなって、もっと奥まで貫いて欲しくて堪らなくなる。
私は今まで男の人にねだった事はなかった。
ねだらなくても、彼等は私の身体を貪ったし、弱い所をなぶられると何だか惨めで酷い事をされているような気持ちになった。
こんなに幸せで気持ちいいのは初めてだ。
奥まで当たってもすぐに政宗の熱がすっと遠ざかってしまう。
二人が溶けて混ざり合ってしまう程に奥まで政宗に満たされてこの幸せと快楽を感じていたくなる。
「んっ、政宗…ぁ…」
「Love ya」
チュッとキスをされて幸せで涙が零れそうになる。
なのに何て私は貪欲なんだろう。
言えないくせに、政宗がもっと欲しいだなんて。
「政宗っ…」
もう一度名前を呼ぶと、感じたように眉根を寄せた政宗が、怪訝そうに片眉を上げる。
「どうした、遙?」
「………もっと……」
小さな声で呟いてすぐに後悔した。
恥ずかしくて。
またあんな風に何時間も焦らされるのかと思って。
政宗は少し困ったような表情を浮かべ、私の頬に手を添えた。
「またお前、気絶するぞ?いいのか?」
「ううん」
上手く伝えられない。
あんな風に激しく突き上げられるのではなく、このまま政宗に優しく愛されるままに、もっと奥まで満たして欲しい。
「どうして欲しいんだ?焦らなくていいから言ってみろ。お前の望みは何でも叶えたい」
政宗は私の腰を抱き寄せると、そのままキツく抱きすくめて綺麗な形の鼻先を私の鼻にくすぐるように触れ合わせた。
今までにない程、奥まで当たり、突然襲った強い快楽に私は一際高く喘いだ。
「あぁっ、はぁんっ!このままっ、動かさないでっ、もっと深くっ!」
縋りつくように政宗の腰を引き寄せると政宗も荒い吐息を吐きながら更に私の腰に自分の腰を押し付けた。
「遙っ、はぁっ、こんなの…初めてだっ…くっ、イっちまいそうだ」
「やっ、もっと!」
痺れるような快楽と幸せを逃したくなくてねだると、政宗は余裕のない笑みを浮かべた。
「いつかのrevengeか?まぁ、いいぜ。っはっ、あぁっ」
政宗の腰に爪を立てて引き寄せると、政宗は額から汗をポタポタ垂らしながら喘いだ。
深く感じたくて腰を押し付けると急激に強い快楽が襲って来て、私は政宗にしがみついたまま達してしまった。
「あぁっ!あ、はぁっ、んっ、はぁっ!」
「遙っ、限界だっ」
私をキツくキツく抱き締め、政宗も荒い吐息を吐きながら身体を震わせ絶頂を迎えた。
二人共呼吸が落ち着いてきたのに離れがたくて、繋がったまま何度も甘いキスを繰り返す。
「知らなかった。ただ深く繋がり合うだけでこんなに気持ちいいなんて。俺もまだまだだな」
「違うよ。きっと、愛し合ってるから深く繋がりたいんだよ。愛されてるって感じた。幸せで、気持ち良くてどうにかなりそうだった」
「そうか。That makes sense. 遙、お前が愛しい。こんなに深く触れ合いたいのもお前だけ。きっと、お前だから包み込まれるだけで気持ち良くて、胸がときめいて…」
政宗は私の手を取り、胸に押し当てた。
「幸せでどうにかなりそうだった」
遙、I love you…
また私達はキツく抱き合った。
Fin…
結ばれて割りとすぐの二人。
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