媚薬 -1-

陵辱、言葉攻めです。
苦手な方はブラウザバックして下さい。








愛おしくて、慈しみたいのに。
時々、手酷くめちゃくちゃに壊してしまいたいと思う俺がいる。
虐めて啼かせて、蹂躙したくなる。
俺を憎むか?
それとも、まだ愛し続けるか…?
優しく抱くだけでは物足りない衝動に身体を苛まれる。
熱くて、苦しくて、堪らない。
それほどまでに、俺はお前の全てを愛しているんだ…。
壊してしまいたい位に…。




朝、目を覚ますと、遙の姿がなかった。
素肌のまま、抱き合って、優しい温もりを腕の中に抱き締めて、その心地よさにいつものように眠りについたはずなのに。
俺より遙が早く目覚めるのは珍しい。
俺は、遙が受け入れてくれても、眼帯を外した右目を晒す事にまだ少しの抵抗があったから。
だから、遙より早く起きて、眼帯を付けて遙の幸せそうな寝顔を飽きる事なく眺めていた。
二人には少し狭いベッドの隣には、まだ微かな温もりがあった。
すぐに消えてしまいそうなほど、微かな…。

消えてしまう…。
俺の大嫌いな言葉だ。
二人の愛まで消えてしまいそうな気がするから。
全ては忘却の彼方へ消え、愛し合った感覚や記憶や温もりまで、消えてしまう…。

「Shit!」

俺は脳裏に浮かんだ言葉を打ち消すように舌打ちをし、ベッドから起き上がった。
不安はすぐに苛立ちに変わっていった。

「俺を独りにするんじゃねぇっ」

小さい声で絞り出すように呟いた後、俺はバスローブを引っ掛けて部屋のドアを開けた。

遙の居場所はすぐに分かった。
風呂上がり独特の香りが洗面所からふわりと漂ったから。

また、大学に出かけるのか?
どんな顔して、他の男に微笑みかけるんだ…?
毎晩、俺の腕の中で甘く啼いてる、その綺麗な顔で…。

そんな事を思ったら、どす黒い嫉妬で胸の中が瞬く間に満たされていった。

愛しているから…。
愛しているからこそ…。

憎しみにも似た、狂おしい激情のまま、俺は洗面所のドアを勢いよく開けた。
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