いつも後ろから私を抱き締めている政宗は私に背を向け深い寝息を立てていた。
ここの所、暇を惜しむように遊んでいるから疲れているのかも知れない。
私は温もりを求めるように政宗の広い背中に抱き付いた。
政宗の背中もクーラーで冷えきっていて少し冷たかった。
あれだけ愛し合っている間は暑いのに、それが冷めてしまったようで少し寂しい。
寄り添うように政宗を抱き締めて、政宗の胸に手を当てると、政宗の大きな手が私の手に重ねられた。
指を絡ませるように、互いの指で愛撫をして、そして政宗は寝返りを打った。
「どうした、遙?」
「少し寒くて寂しくなったの」
「Sorry」
政宗は深い吐息を吐いて私を抱きすくめた。
政宗の温もりに包まれて、心の中が暖かくなる。
「政宗、疲れてたんだね」
「そんな事ねぇよ」
そっと政宗の表情を窺うととても眠そうだった。
「起こしてゴメンね。眠っていいよ」
「No」
駄々をこねる子どものように政宗は首を横に振り、甘えるように私に抱き付く。
「眠らないで済めばいいのにな。お前をもっと抱きたい」
言いながら私の背に太腿に手を滑らせる。
「お前の身体、冷えてるな。悪かった」
「んっ、政宗っ」
焦れるような甘い痺れに声を上げると、政宗は忍び笑いを漏らし、私の首筋に軽く歯を立てる。
下腹部に指先を滑らせ、そこが濡れているのを確かめると、政宗はヘッドボードに背中を預けて身体を起こした。
「来いよ」
言われるままに政宗の上に跨がる。
政宗をゆっくりと身体の中に沈めていくと、甘い快楽に心も身体も悦びでうち震える。
奥まで政宗で満たされると、自然と甘い吐息が零れた。
政宗は私の胸の谷間に顔を埋めて心地良さそうに吐息を漏らした。
「お前の身体、好きだ。なぁ、キスしてくれよ」
乞われるままに触れるだけのキスをすると、政宗は嬉しそうに笑った。
「もっとだ」
政宗の唇に、瞼に、右目にキスをすると、政宗は私を抱きすくめた。
私の体内の政宗が一際大きく主張し、奥まで当たって痺れるような快楽に私は政宗にしがみついた。
そのままゆるゆると律動しながら、政宗はまた私の唇を求める。
縺れ合うように抱き合い、果てる事を知らないように気怠く繋がり合うのは心地良かった。
少し唇を離して見つめ合う。
私を求めるように少し熱っぽく潤んだ隻眼が愛しかった。
「遙、愛してる。ずっとこのままお前に抱かれていたい」
「もう、政宗、疲れてるくせに。早く寝た方がいいよ」
「嫌だ」
政宗は少し不機嫌そうに私の胸に顔を埋めた。
「もっとこうしてお前に包まれていたい。離れたくない」
政宗の吐息が胸をくすぐり、愛しさが込み上げる。
政宗の髪を撫で、上を向かせると、私はまたそっと唇を重ねた。
「政宗、私も愛してるよ」
そう囁くと、政宗の隻眼が嬉しそうに細められた。
さっきまで肌寒かったのに、政宗の温もりに包まれて身体が温かい。
温もりは心まで温める。
疲れているはずなのに離れがたくて。
二人共果てる事を恐れるように、甘いキスを飽きる事なく交わしながら、ゆるゆると睦み合った。
Fin…
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