愛と嫉妬は紙一重 -2-

「ったく、何ていじらしい事を言いやがる。怒るどころか嬉しくてたまらなくなっちまった。会えないのが分かってたのに俺のために取っておいてたなんて、可愛いにもほどがあるぞ」

衝動的に唇を奪って、何度かキスを繰り返して、そして身体を離すと、丁度遙の胸が視界に入り、俺は思わず息を呑んだ。
豊かな胸が強調されて、それが繊細なレースに透けて見える。
正直、裸の時よりもセクシーでそそられてたまらない。
胸には深く谷間が出来ていて、そこに顔を埋めたくなる。

本当に、なんて身体になりやがった!!
いっそ、腰巻なんて下着じゃなくて、向こうの世界の下着をずっと着けさせたいくらいだ!!

俺は遙の胸を両手で押し包み、胸の谷間に顔を埋めると、柔らかさを頬で堪能しながら遙の胸にキスを繰り返した。

「ちょっ、政宗!!恥ずかしいってば!」
「少し黙ってろ」

胸の先をいじるように弄ぶと、遙は声を殺して震えた。

「ダメ…小十郎に聞こえちゃう…」

遙は小さな震える声で囁いた。

「なら、聞こえないように我慢だな」

ショーツの紐を片方だけはらりと解いて、ブラジャーを押し上げ、露わになったピンク色の胸の先を口に含んで舌で転がすと、遙の足から力がかくんと抜けた。

片腕で抱き留めて、そのまま胸の先を舌で転がしながら、下半身に指を滑らせると、そこはもうたっぷりと濡れていた。
遙は自分の指を噛んで声を殺して、荒い吐息だけで喘いでいる。

小十郎がすぐそこにいるのに止められない。
むしろ、嗜虐的な気持ちになってしまって、遙がどこまで堪えられるか、声を殺したまま俺の腕の中でどれだけ乱れるのか見たくてたまらない。

たっぷりと濡れたそこに指を二本いきなり奥まで入れると、遙は小さく声を上げて、また指を噛むとぽろぽろと涙を流しながら、身体をびくびくと震わせた。
そのまま奥の方を刺激しながら、親指で前も転がし、舌で胸の先を弄ぶと遙は吐息だけで喘いで、恥らうようにいつもよりもっと感じて中から温かい愛液がとろとろと溢れ出す。

俺はくすりと笑って遙の耳元で囁いた。

「お前、いつもより感じてるな?小十郎がすぐそばにいるからか?背徳的なのが好きだったな、そういえば」
「ちがっ…っんっ…」

遙は荒い吐息を吐きながら、若鮎のように身体を跳ねさせ、あられもない姿で乱れ切っている。
また胸の先を口に含んで舌で転がし始めると、遙は耐えられないというようにいやいやと首を横に振りながらも、声を堪えるように吐息だけで大きく喘ぎ続けた。
溢れ出た愛液を指に絡み付けて前を刺激すると、ぬるぬると滑りがよくなり、それが更に遙を追い詰める。

遙はぽろぽろと涙を流しながら、喘ぎ混じりの小声で囁いた。

「っん…はぁっ、ヤダっ、ヤダっ、あっ、もう、もう…はぁっ…っんっ、政宗っ…」
「ああ、イケよ。声を殺したままな。小十郎に聞こえるぜ?」

わざと意地悪くそう言うと、遙の吐息が荒くなり、時々息を止めて必死に声を堪えていた。
高みに追いやるように弱い所を攻め立てると、遙は我を忘れたように乱れ、俺にしがみついた。

「っあっ、政宗っ…!!」

堪え切れず喘ぎ声混じりに俺の名前を呼ぶと、遙は俺にしがみつきながら達してしまった。

余韻に身体を震わせる遙を抱き上げ、布団に下ろして乱れたままの姿を見下ろすと、たまらなく刺激的で、このまま抱きたくて仕方なくなってしまった。
今晩は、この姿で楽しませてもらおうか。

「政宗、酷い…。着替えてる最中なのに…」

そう俺をなじる遙は、俺に乱されたままの格好で、まだ喘ぐように息を乱し、扇情的でたまらない。
頬を染めて、涙に濡れたそんな目で睨み付けても逆効果だ。
ああ、本当に今すぐ抱きたくてたまらない。
俺は劣情をぐっと堪えた。
楽しむなら、夕方からでもゆっくりと可愛がればいい。

「お前がセクシーなのが悪い。いや、俺にとっては理想だけどな。続きはまた後でな。お前、ベビードールは?」
「……持ってる」

遙は恥ずかしそうに答えた。
俺の口許には堪え切れない笑みが浮かんだ。
そして遙の耳元で囁いた。

「じゃあ、明日はベビードールを堪能させてもらうぜ。さぁ、これ以上は邪魔をしねぇから着替えろ」
「うん。約束だからね?」
「当然だ。俺も袴に着替える。ただし!今夜は覚悟しろよ?」

そう言うと、遙は頬を膨らませて顔を背けた。
でも、その目は全く怒っていない。
ただ拗ねているだけだ。

俺は小さく笑って、手早く身支度を整えて着流しを畳むと、遙は既に着替え終わっていて、振り向いた瞬間、俺はまた愕然とした。

こんな身体のライン丸見えの白い服で働いてたのか!?

「おい、遙!!お前、そんな服で働いてたのか!?」
「違うよ!何か知らないけど、この研修医の白衣、伸び縮みする素材なんだもん!まさか、こんなに身体にフィットすると思わなかったよ!!」
「そ、そうか、ならいい」

まるで、かすがの忍装束のように身体のラインが丸見えだ。
遙を外に出すのすら気が引ける。

「大丈夫だよ、政宗。この上から普通の白衣着るから。ほら、これ」

遙は、ゆったりとしたデザインの白衣を広げて見せた。
コートのようで、これなら外に出せる。
俺はホッと吐息を吐いた。

「それなら良かった。焦ったぜ」
「私だって焦ったよ。きっと射撃のためにこういう素材の白衣が出て来たんだね。流石にこの白衣だけじゃ恥ずかしくて外にでれないよっ!いや、待て…という事は、銃ももう一つ出てくるかも」

遙はバックの中を漁り、銃を二つと銃を身につけるための物のようなベルトを取り出した。

「Wow!シティーハンターみたい!白衣で隠れるし好都合!」

遙はベルトを装着し、銃弾の確認をすると、ベルトに銃を装着して、長い白衣を上から羽織った。

「政宗、悪いけど、首筋に包帯巻いてくれる?痣が見えないように」
「ああ、もちろんだ」

遙から包帯を受け取り、俺は念入りに包帯を巻いた。
首の後ろの痣は髪で上手く隠れている。
これなら、部屋の外も歩ける。
人払いも必要なさそうだ。

「遙、部下達にお前の姿を見せてもいいか?そろそろ奴らも遙を見ないと納得しねぇだろうし、お前の包帯の理由が真田幸村だと分かったら士気が上がる」

遙はしばらく思案していたが、やがて頷いた。

「何のために武田の屋敷へ復讐に行くか知らせないと、みんな分からないよね。うん、いいよ」
「分かった。おい、小十郎!猿飛は戻ったか?」
「いえ、しかしじきに戻ると思われます」

小十郎は先程の情事に気付いていなかったのか、素知らぬ振りをしているのか至って冷静な声で答えた。

「I see. 皆を広間に集めろ。遙を皆にお披露目だ」
「遙様は大丈夫なのですか?」
「私は大丈夫。復讐の動機は怪我を負わされたという事にして、皆に納得してもらわなきゃ、士気が上がらないから」
「そうですね、おっしゃる通りです。かしこまりました。すぐに手配を致します」

小十郎は、廊下に向かって怒鳴り声を上げた。

「おい、てめぇら!!遙様のお目見えだ!!皆を広間に集めろ!!それから、猿飛が戻ったら忍隊も、広間に集めろ!!」
「はい、小十郎様!!遙様のお目見え、すっげえ楽しみッス!!伝令伝令!!筆頭がぞっこんな遙様のお目見えだぞー!!伝令伝令!!筆頭愛の大河ドラマ、再会編だー!!」

瞬く間に伝令が伝わって行って、遙はぽかーんと成り行きを眺めていた。

「政宗、愛の大河ドラマって?」
「お前と俺の一夏の恋の事だ。小十郎にだけ話してたつもりが、あいつら公然と盗み聞きしやがって、伊達軍じゃ有名な話だ」
「そうなんだ…。何か緊張しちゃうな…」
「大丈夫だ。お前はただ、俺の隣りにいればいい。俺と小十郎で皆の士気を上げる」
「そう、分かった」

遙と一本タバコを吸い終わる頃に、小十郎から伝令が届いた。

「皆、広間に集まりました。小十郎は先に広間に行って指揮を取ります。政宗様は、遙様と共に少し遅れておいで下さい」
「OK。頼んだぜ」
「承知」

小十郎は返事をすると、部屋の前を去って行った。

「政宗、ごめん…。まだ身体が疼いて外に出られないの…」

遙は頬を染めてそう囁き、自分の身体を抱き締めて、余韻に感じたように身体をくねらせた。

ああ、何て仕草しやがる。
でも、今は我慢だな。

俺は遙を落ち着かせるために、膝の上に抱き上げて、そっと髪を撫で続けた。

やがて、遙はようやく落ち着き、俺と遙はもう一本タバコを吸い、茶を飲むと、また気だるいキスを何度か繰り返して、それから部屋を出た。

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