「セクシーなお前が悪い。まだ抱き足りねぇよ」
「ええっ!?まだ!?」
「大丈夫だ。今すぐにはしねぇ。でも、あと一発はやらせろ」
「身体が持たないよ…」
「大丈夫だ。最後はあの鎌倉の晩と同じように、優しく抱いてやる」
「鎌倉の晩か…」
「嫌か?」
「ううん、それだったらいい」
「一旦、休憩だ。紅茶を沸かしてやる。タバコ吸いたいだろ?」
「うん」
ゆっくりと引き抜きながら手ぬぐいで遙の身体を清めると、遙はようやくホッとしたように吐息をついた。
遙が着替えている間に俺も着流しを着ると、鉄瓶と火鉢で湯を沸かしている間にキャビネットからティーポットとティーカップを出した。
タバコを持ってきた遙は興味津々に眺めている。
俺はくすりと笑った。
「ヨーロッパから取り寄せた。お前の時代に比べてまだ絵付けが荒いけどな。なかなかいいだろ?」
「そうだね。マイセンはあと100年待たないとないもんね」
「よく知ってるな。全くお前には驚かせれっぱなしだ。タバコ、俺も一本もらうぜ」
二人でテーブルに着き、ゆっくりとタバコをふかしていると、鉄瓶の湯が沸いたので、茶葉と砂糖を用意し、紅茶を淹れ始めた。
「わぁ…いい香り…。インドだから、アッサム?」
「ああ、そうだ。あの頃を思い出すな」
「そうだね」
タバコを吸い終わり、灰皿で火を消すと、ティーカップに紅茶を注ぐ。
砂糖を入れて、スプーンでかき混ぜると、遙は嬉しそうに紅茶を飲んだ。
「日本茶に飽きて来たから嬉しい」
「そうか。コーヒーも欲しいな。お前の言う通り、オスマン・トルコと貿易でもするか」
「うん、嬉しい。椅子も落ち着く。ずっと正座だったから疲れた」
「良かった」
遙は余程喉が渇いていたのか、紅茶をあっという間に飲み干した。
残っていたティーポットからまた紅茶を注いでやると、遙はまたタバコに火を着けた。
俺もタバコを吸いながら、紅茶を飲む。
ちらりと時計を見ると20分過ぎていた。
「遙、ゆっくりさせてぇのはやまやまだが、時間がねぇ。それ飲んだら続きだ」
遙は頬を染め、拗ねたように唇を尖らせる。
「もう…。夕餉まで、ゆっくりしてよう?」
「ダメだ。お前を抱き足りねぇ。今なら優しく抱ける。夜まで俺を待たせたら、お前、気絶するぞ?」
そう言うと、遙はさっと青褪め、ぷるぷると首を横に振った。
「大丈夫だ。あと10分時間をやるからその間にタバコを吸い終わって紅茶も飲め」
「はぁ…仕方ないな…」
「お前が俺に愛されてる証だ。諦めろ」
遙は膨れっ面をしながらタバコを吸いながら紅茶を飲み干した。
「よし、夕餉まであと一時間ある。今すぐ抱かせろ」
「優しくしてね?」
「大丈夫だ。ゆっくり全身可愛がってやる。気が変わらなければな」
「やだやだ!」
「冗談だ。あと一時間しかねぇからな。夜もまた抱く」
「もう…優しくしてね?」
「丑三つくらいまでは覚悟してもらうけどな。さあ、来い」
席を立ち、遙を抱き上げると、そっと床の上に横たえた。
遙に覆い被さるとじっと見つめ合う。
「遙、愛してる」
「私も政宗を愛してるよ」
今度は優しくキスをした。
お互いの唇の柔らかさを堪能するような、気だるい優しいキスを繰り返す。
遙が甘えたような声を上げ始めると、俺はそっと指先を首筋に這わせ、ゆっくりと白衣を脱がせて行った。
キスしたまま、ブラも外し、肌にそっと指先を滑らせる。
遙の吐息が感じたように震える。
「あんまり感じるな。俺を煽るな。優しくしてやるって言っただろ?」
「でも、気持ちいい…」
「仕方ねぇなぁ。約束だったからな。今は我慢してやる」
柔らかく豊かな胸を揉みながら、キスを繰り返す。
そっとゆっくりと上半身をたっぷり愛撫する。
遙は吐息だけで甘く喘ぐ。
ようやくキスを止めて、首筋から上半身に柔らかく口付けながら、下半身を脱がせて行くと、遙は小さな声で喘ぎ始めた。
「あっ…政宗も、脱いで…」
「いいぜ」
遙の白衣の下をすっかり脱がせると、遙の身体へキスをしながら俺は裸になった。
そして、遙をキツく抱き締めると、温もりを全身で感じて幸せな気持ちになる。
しばらくそうして抱き合って、同時に甘い溜息を吐いて腕の力を緩めた。
「政宗、気持ちいい…」
「ああ、そうだな。幸せ過ぎて溜息が出るって教えてくれたのはお前だ」
また首筋からゆっくりとキスをして行くと、甘く喘ぎながら遙が焦れたように身体をくねらせる。
「政宗ぇ…もっと…」
「ダメだ。全身可愛がるって言っただろ?」
「でも…時間がないんでしょう?」
ちらりと時計を見ると、あと20分しかない。
確かに遙の言う通りだ。
思ったより没頭して時間を忘れていた。
それでも遙は時間を分かっていたのだから感心する。
あとは、夜にたっぷり可愛がるしかねぇか。
「そうだな。今夜また、俺が満足するまでたっぷり可愛がってやる。寝かせねぇからな?」
「ふふっ…怖いほど愛されてる」
「積年の想い、覚悟しろ」
「7年間待ってくれたから、覚悟は出来てる」
「いい子だ」
軽くキスを繰り返すと、俺は遙が濡れているか確かめた。
優しいキスと愛撫だけで焦らされていたのか、たっぷりと濡れていて、今度はゆっくりと遙を貫いた。
奥まで当たると遙は大きく喘ぎ、俺の背に爪を立てた。
俺も柔らかな襞にゆっくりと撫で上げられて、ぞくぞくするような快楽に眉を顰める。
俺の口からも堪え切れない喘ぎ声が漏れた。
遙は今にもイキそうなくらいに呼吸が上がっている。
「遙、まだイクな」
「んっ、でもっ!」
「待っててやるから、落ち着け」
そう言って、額に頬にキスの雨を降らせていくと、しばらくしてようやく遙は落ち着いた。
「遙、動くぞ」
「うん、優しくしてね?」
「ああ、優しく可愛がってやる」
今度はゆっくりと奥まで突き上げ始めた。
奥に当たる度、遙は大きく喘ぎ、きゅっと締め付けられて、あまりの快楽に眉を顰める。
さっき散々抱いたはずなのに、あまり持ちそうもない。
でも、あと15分くらいしかないはずだから、丁度いいか。
ゆっくりと穿ちながら、締め付けられる度に、次第に呼吸が乱れて行く。
「くっ…遙っ…はあっ、あんまり締めんな。止まらなくなるっ」
「ああっ、でもっ!気持ちっ…良くってっ」
後戯の時間まで考えると、そろそろイカせてやってもいいかも知れねぇ。
ゆっくりと穿つスピードを上げて行くと、遙は喘ぎ始め、呼吸が上がって行く。
「ああっ、はあっ、政宗っ、ああっ、ああっ」
「遙っ、まだっ、イクなっ」
「でもっ!」
「イク時はっ、一緒だっ!」
俺も限界という所まで耐えると、遙の腰を抱き、激しく揺さぶった。
「ああっ、政宗っ、ああっ、んーっ!」
「くっ…遙っ、ああっ!」
遙が弓なりに背中を反らしたのと同時に俺もイッた。
遙の首筋に顔を埋めて荒い吐息をつく。
ようやく息が整うと、まだ荒い吐息を吐いている遙を抱き締寄せ、腕枕をしてやり、優しく背中を撫でた。
まだ感じたようにきゅっと眉根を寄せる、遙の目蓋に鼻筋にキスをして行くと、ようやく遙は落ち着き俺を見上げた。
「夕餉まであとどれくらい?」
ちらりと時計を見やる。
あと30分か、完璧だ。
「あと30分だな」
「そっか…。間に合って良かった。ううっ、床の上だったから身体が痛いよ…」
「悪ぃ、悪ぃ。俺もだ」
「ベッドが欲しいな…ふかふかのベッド」
「ベッドか…。そう言えば、お前の部屋、ベッドだったな。そうか…ヨーロッパから取り寄せるか」
「政宗、そんな事も出来るの?」
「当たり前だ。ヨーロッパと貿易してるからな。どんなベッドにするか楽しみだ」
「イタリアかフランスがいいかな。後でiPadで調べなきゃ。この時代にどんなベッドがあるのか」
「それもいいな。楽しみだ」
「政宗、起きよう?身体が痛い」
「分かった」
遙はするりと俺の腕の中から抜け出すと、身仕度を整え始めた。
俺は、袴と小袖に着替えると、また紅茶を淹れ、タバコをふかしながら遙とゆっくりと飲んだ。
「政宗様、夕餉のお時間でございます」
「分かった。すぐ行く。遙、行けるか?」
「うん。お寿司楽しみ」
「そうか、じゃあ行こう」
俺は遙と手を繋ぎ、小十郎達の待つ部屋へと向かった。
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