柔らかな胸をゆっくりと揉んで堪能すると、指先をそっときめ細やかな肌に滑らせた。
ぐっすり眠っている遙の口から甘い吐息が漏れる。
眠っているのに、身体は正直なようで、これなら俺も退屈しない。
ただ、遙を起こしたら厄介だから、あくまで焦れったいくらいの愛撫を繰り返した。
遙の口から鼻にかかった声が漏れ出す。
そんな声を聞いたら抱きたくて仕方なくなってしまった。
「あと20分か、結構長いな。はぁ、やるせねぇ…」
ちらりと時計を見て俺は溜息を吐いた。
一度ぎゅっと抱きすくめて、自分を落ち着かせると、またゆっくりと愛撫を開始した。
「あ…ん…政宗…」
「何だ、遙?」
耳元で囁いても返事がない。
俺は安堵して、また愛撫を再開した。
もっと胸の柔らかさを感じるようにゆっくりと揉みしだいて、しばらくして満足すると、また指先を遙の身体に這わせ始めた。
「あ…ダメ…」
遙は甘えたような声で囁いた。
また時計をちらりと見る。
あと、5分だ。
もうすぐなのに、今すぐ抱きたくて仕方ない。
「遙?」
耳元で囁いても、遙はまだ小さな寝息を立てている。
これなら、もう少々感じる愛撫を施しても起きなさそうだ。
それで起きても誤差範囲内の時間だ。
俺は本格的に、遙の夜着を乱し、官能的に手のひらを遙の身体に滑らせ始めた。
途端に遙の口から甘い吐息が漏れ始めた。
「はぁっ…政宗ぇ…」
「何だ、遙?」
「もっと…」
少し身体を起こして遙の顔を見ると、まだ寝息を立てていた。
夢の中でも俺を求めていると思ったら、可愛くて仕方なくなった。
「ああ、お前の望み通り、もっと気持ちよくさせてやるよ」
耳元にキスをしながら、遙が感じる愛撫に変えていくと、間もなく遙は荒い吐息を吐き始めた。
「ああっ…政宗、気持ちいい…んっ…」
「そうか、良かったな」
「あっ…政宗、愛してる…」
「俺もだ、遙。お前が愛しくてたまらない」
またちらりと時計を見遣った。
丁度、約束の時間だ。
俺は遙の耳にキスをすると、耳元で囁いた。
「遙、起きろ」
「ん…あと5分だけ…」
「ダメだ。そんなに待てねぇ。早く起きろ」
「んんっ、あと5分…」
「まだ言うか。起きねぇなら、勝手にお前を抱くぞ?それでもいいのか?」
「あと5分…」
俺はなかなか起きない遙に痺れを切らして、腕枕を抜いて、遙の身体を仰向けにして覆いかぶさった。
遙は相変わらず起きない。
「寝起きの悪いお前は珍しいな。それだけ疲れてると思えば不憫だが、時間が足りねぇ。このまま抱くぞ」
俺は遙が濡れているか確かめた。
眠っているのに感じていたのか、そこは十分に濡れていた。
脱力した脚を開かせると、俺は一気に奥まで貫いた。
「ああっ!」
遙は大きく喘ぐと、背を弓なりに反らして、何度かびくびくと震えて荒い吐息を吐いて、目を開けた。
「政宗!?何でもう中にいるの?」
「はぁ、ようやく起きたか。何度起こしても起きねぇから、勝手に抱く事にした」
「こんな起こされ方されるなんて思わなかった…。気持ち良すぎて目が覚めた」
「良かったな。また無理に起こさず、勝手に抱いてやるよ」
「もう…」
「起きないお前が悪い」
「そうだけど…」
「優しく抱いてやるから、怒るな」
「うん…」
「遙、愛してる」
「私も政宗を愛してるよ」
俺は遙の頬を撫でると啄ばむようなキスを始めた。
遙が俺の背に両腕を回してキスに応える。
やっと遙を抱けて嬉しくてたまらない。
しばらくキスを繰り返して、同時に甘い吐息を吐いて唇を離した。
「Good morning, honey」
「Good morning, darling」
「もうすぐ昼だけどな。1時間半は抱けるか、十分だな。お前の計算通りか?」
「うん」
「流石、天下一、綺麗で可愛い才女だ。俺の事をよく分かってる。身体は大丈夫か?すっきりしたか?」
「うん」
「そうか、良かった。このままいいか?」
「うん」
「優しくゆっくり抱いてやるから心配すんな」
「嬉しい…」
「愛してる…」
もう一度、今度は深いキスをすると、俺はゆっくりと突き上げ始めた。
遙は幸せそうに喘ぎながら、俺の背にそっと手を滑らせ始めた。
あの頃の朝を思い出す、幸せでたまらないmake loveだ。
これなら今日一日上機嫌で過ごせそうだ。
俺は、何度も愛してると囁きながら、1時間半、たっぷり時間をかけて、遙を抱いて、最後に中に出し切ると、満足してすっきりした。
「政宗様、風呂の仕度は整っております。いつでもどうぞ。また、指定のお時間に昼餉もお部屋にお持ちするよう手配は済んでございます」
遙と抱き合ってキスを交わしていると、頃合いを見計らって、廊下から護衛のくノ一の声がした。
「Okay、一服したら行くから、そのまま護衛を続けろ」
「かしこまりました」
遙は感心したように俺を見つめていた。
「私達の会話で全部分かったの?すごいね!時間と秒単位まで叩き込んであるの?」
「ああ、そうだ。その方が便利だからな。俺付きのくノ一はみんなそうだ。2ヶ月前から用意していた。俺は甲斐にいる石榴石の女がお前だって確信してたからな。遙、一服したいだろ?」
「うん」
「この時間なら紅茶も飲めるか。淹れてやるから、来い」
俺は遙を抱き起こして、乱れた夜着を整えてやると、自分も着付けて、遙の手を引いて部屋を移動した。
俺の部屋の入り口には、小袖と袴と下着類が既に置かれていた。
あとは風呂に入って着替えるだけだ。
遙はタバコを吸い始め、俺も鉄瓶を火にかけて茶器をテーブルに置くと、タバコを吸い始めた。
遙はすっかり寛いだ雰囲気で、幸せそうに笑っていた。
「随分と嬉しそうだな」
「うん。理想的な朝だなって思って」
「そうか。俺も今日は一日上機嫌で過ごせそうだ。手術の部屋で、少し政務をしてやってもいいくらいだぜ」
「そうだね…。政宗、きっと退屈するからその方がいいよ」
「ああ、そうする。おい!手術の部屋に俺の仕事道具を手配しろ。2時までに届いていれば構わねぇ」
「かしこまりました。すぐに言付けます」
襖の向こう側から返事がすると、遙はまた驚いてそして笑った。
「政宗って本当にすごいね!」
「ただ便利にしてるだけだ。時間がもったいねぇからな」
「流石、政宗!昔の世界ってもっと不便だと思っていたのに、政宗といると、とっても楽ちんでびっくり!」
「お前にくだらねぇことさせる訳ねぇだろ?お前は俺の大切な姫だ」
「政宗と結婚して、本当に良かった!」
「あと2回結婚式やるけどな。楽しみだぜ!今度こそ、お前にはロングのウェディングドレスを着せたいからな。小十郎と相談だな。どこの国の職人に仕立てさせるかも考えなきゃならねぇな」
「政宗は?」
「そうだな…お前、iPadに資料ねぇのか?」
「多分、あるよ」
「その中から選んで仕立てさせるから、楽勝だ」
「本当、政宗って最高だね!」
「そうか?」
「うん」
「お前に褒められると嬉しいぜ。湯が沸いたな。紅茶を淹れるから待ってろ」
俺は短くなったタバコを消すと、紅茶の仕度をした。
遙は水差しから水を飲むと、またタバコに火を点けた。
俺もタバコに火を点けて、茶葉が開くのを待った。
ゆっくりタバコを吸って、吸い終わる頃に、ティーカップに紅茶を注いでやり、砂糖を入れて遙の前に置いてやった。
「フレーバーティーの作り方調べたら、誰か作ってくれるかな?」
遙はスプーンでかき混ぜながら俺に尋ねた。
「多分な。インドで作るか日本で作るか、それは加工の仕方によるな。江戸で作れたら言うことねぇな」
「点滴の間、暇そうだったら調べようかな」
「そうだな。お前もアッサムばかりじゃ飽きるだろうしな。お前の好きなフレーバーの作り方を調べて俺に教えてくれたらすぐに手配する」
俺も遙からスプーンを受け取り、紅茶をかき混ぜた。
遙はまた感心しきったように俺を見つめた。
「政宗って本当にすごい!じゃあ、コーヒー豆の産地と加工の仕方さえ調べたら、無理にオスマン・トルコと貿易しなくても手に入るね!その方が安く手に入る。乳牛は?」
「江戸城の敷地内にもいるぜ。料理の幅が広がるからな」
「流石、政宗!あとで調べてみる!ミルクコーヒーが恋しい」
「そうか。じゃあ、なるべく早くコーヒーの入手法を調べろ。すぐに手配してやるから」
「政宗、最高!愛してる!」
「お前のためなら何でもしてやる。愛してるからな!」
俺は笑いながら遙の頭をくしゃりと撫でた。
遙のためにも天下を取って本当に良かった。
この力さえあれば、俺は遙を幸せにして生涯守ってやれる。
俺達はゆっくりと紅茶を飲んで、そこそこ急いで風呂に入るとすっかり着替えて部屋に戻った。
既にテーブルの上に昼餉が配膳されている。
「1時過ぎ、ぴったりだな。予定通りだ。30分で食べて一服して登勢の所へ向かえば十分だな」
「政宗、流石だね。これなら2時に間に合う。もう成実は面会しちゃったかなぁ」
「かもな。あいつは俺と同じせっかちだからな。待ちきれねぇだろな。遙、話すなら食いながらだ。時間がねぇ」
「あ、うん。いただきます」
小十郎の野菜たっぷりと、旬の魚の昼餉だ。
遙の目が嬉しそうに細められる。
「小十郎の野菜、美味しい!はぁ。この間の鍋も良かったなぁ。また食べたいなぁ!」
「じゃあ、夕餉はまた鍋にするか。鶏鍋でいいのか?」
「うん!黒毛和牛とかあれば、そっちの方がいいけど…」
「黒毛和牛か、あれは美味かったな。じゃあ、黒毛和牛のルーツを調べろ。それなら、掛け合わせで何とか作れるだろ。江戸城の敷地内で飼ってやってもいい」
「本当?じゃあ調べる!あ!そうだ!バッグの中から雄牛の精子が出てきたら、雌牛に掛け合わせて簡単に作れるかな」
「マジか!そんな方法があるなら、すぐに雌牛を手配してやる」
「政宗、最高!楽しみだなー!」
「俺も楽しみだ!」
遙とわいわいと何を作るか話して盛り上がり、夕餉に鶏鍋とネギマを申し付けた。
ゆっくりと昼餉をつつき、丁度30分後に食べ終え、食後のタバコと茶を飲み始めた。
「はぁ…。ずっと牛肉が恋しかったから嬉しいな」
「そうだな、俺も久しぶりだぜ。あれは本当に美味かった」
「牛飼いっているの?」
「どこにでもいるぜ?牛は労働力だからな。だから、掛け合わせも簡単に出来る。お前がやる必要はねぇ」
「そうなの?それは助かるなぁ!流石に畜産は知らないもの」
「クッ…お前でも知らないものがあるんだな。さあ、そろそろ出かけるか。準備はいいか?」
「うん、あとは白衣着るだけ」
「そうか。荷物は俺が持ってやるから安心しろ」
俺達はタバコを吸い終わると残った茶を飲み干し、遙は薬を飲み、準備をすると登勢の下へと向かった。
明日もこうして遙と幸せな朝餉が食べられると思うと、嬉しくてたまらなかった。
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