政宗の大暴露 -2-

俺はタバコに火を点けて、ゆっくりと吸いながら、遙の手記を読み始めた。
どうしてすれ違ってしまったのかが、詳細に明らかになって行くにつれ、俺は遙の鈍感さに呆れ果てて、思わず深い溜息を吐いた。
恋心をずっと封印しようと思ってずっと黙っていた俺も俺だが、遙がもっと早く自分の気持ちを自覚してたら、寝惚けて襲ってしまった日にでも俺達は結ばれてた可能性は高い。
そうしたら、俺はもっと遙をこの腕で抱いていられた。

「はぁ、お前って本当に鈍感だなっ!俺がお前に触れなくなってから、恋心に気付くなんて遅過ぎるっ!やっぱりあの時泣いてたのは俺のせいだったか。嘘吐きやがって。お前、馬鹿正直なくせに変な所で頑固だな。どれだけあの時から俺が気を揉んでたか分かるかっ!?」
「うっ、政宗の手記を読んだから、分かったよ?でも、お陰で山ほどあった課題も終わったから、結果オーライかな?」
「都合良く誤魔化しやがって。まあ、確かに俺がお前を離さなかっただろうから、課題は終わらせて正解だったかもな。シェイクスピアを読む事もなかっただろうな」
「政宗、まさかロミオとジュリエットを読んで、自分に重ねてしまって泣いてただなんて知らなかったよ。それで、こっちに戻ってから翻訳したんだね?」
「ああ、そうだ。まあ、あのすれ違いがあったからこそ、今、俺がエリザベスとマブダチなのは確かだな。はぁ、これも運命だと思うと、流石に運命を恨むぜ。お前が泣き疲れて寝た後のエピソードを追加するから待ってろ」

俺は、遙が泣き疲れて、なかなかリビングに戻って来なくて様子を見に行ったエピソードを追加した。
遙はそれを読んで頬を膨らませた。

「政宗こそ、寝ている間に告白してキスするなんてずるい!起きてる時に言ってよ!ずっと誤解してて辛かったんだから!」
「でも、お前、あの鐘の前での告白、後悔してるか?」
「ううん、最高にロマンチックだった」
「だったらいいじゃねぇか」
「はぁ、政宗も都合良く誤魔化すよね」
「お互い様だ」

俺はまた遙の手記を読み始めた。
そして、朝比奈切通しのエピソードを読んで、また俺は頭を抱えた。

「あの時、キス出来る絶好のチャンスだったのに、また邪魔が入ったのか!お前が受け入れるつもりだったなんて知らなかったぜ。Shit!あいつら、邪魔しやがって!」
「私もあの時びっくりしたよ!それでまた遠回りしたんだね?」
「ああ、そうだ」

俺は深い溜息を吐いて、遙の手記をまた読み始めた。
呆れるほど、パズルのピースがはまって行くように、お互い誤解の連続でもう溜息しか出て来ない。
お互いの言動をお互いに深読みし過ぎている。
俺も遙も頭がキレる証拠だが、それにしても方向性が情けなさ過ぎる。
あのウェイターがいなければ、永遠にすれ違ってたんじゃないかと思うレベルのすれ違いだ。
あいつの存在は奇跡に等しい。

「政宗、そういえば小次郎はどうしたの?」
「俺を暗殺しようとしたから、事前に知った小十郎が斬った。斬ったなんてレベルじゃねぇ。あの時の小十郎は怒り狂ってて超絶ヤバかった。俺でも止めようがないレベルの大激怒だ。小次郎の命くらいは助けてやろうかと思いはしたんだが、あの小十郎相手じゃ俺でも無理だ。絶対誰にも止められねぇ。城中に稲妻がバチバチ走るレベルだ。あんなのいまだかつて見た事ねぇ。青葉城下で伝説にすらなったぜ。城が稲妻で光り輝いてたってな。この世の終わりだと思われたらしいぜ?俺でもあんなに怒った事はねぇ。刀を振りかざして小次郎を追いかけ回す小十郎は、マジでガチで俺も近寄れないくらいヤバかった。それも相当キレまくってて温い死に方なんて絶対許せなかったみたいで、一息に殺さず、生かさず殺さずなぶり殺しだ。2時間くらい追いかけ回してたぜ?死んだ後も高笑いしながら刀でザクザク切り刻んでたからな!俺もあれにはびびった。あの成実ですら青ざめてガタガタ震えながら俺に抱きついていたぜ?小十郎だけは絶対に敵に回したくねぇな。マジで怖ぇ。世界で一番怖ぇ」
「そうなんだ。それは相当だったんだね。政宗でも止められないってそれはすごい大激怒だ。城が光り輝くレベルってすごすぎるね!それはこの世の終わりだ。それで、小十郎の嫡男は?」
「お前の言ってた通りになって、超焦ったぜ。あいつをあの手この手で宥めるのに1週間かかった。あれは、マジでヤバかった。俺が一時期あいつの嫡男を預かって保護したくらいだからな!」
「無事で何より。だから、伊達の世継ぎは今は成実だけなんだね?」
「ああ、そうだ。それから世継ぎを催促されるようになってうんざりだったぜ」
「政宗も大変だったんだね」
「お前がついてこなかったのが悪い。そうしたら楽勝で小十郎より先に世継ぎが出来てたぜ」
「うっ、それを言われると辛いんだけど、そうしたら、私、医者になれなかったよ?登勢ちゃん、救えなかったよ?」
「はぁ、これも運命か。仕方ねぇなぁ。遙、続きを書け」
「うん」

俺は溜息を吐きながら、また遙の手記を読み始めた。
江ノ島に着いて、憂鬱な気分で遙が龍恋の鐘へと向かってる所で手記は終わっていた。
この短時間でここまで書けるのは大した物だ。
取りこぼしたエピソードも今のところ見当たらない。
俺は遙の手記を読み返しながら、補足するエピソードを追加していった。
これで繋ぎ合わせれば、シナリオが書ける。
何度も確認していると、遙が声を上げた。

「ちょっと、政宗、初夜のエピソード、詳し過ぎる!こんなの恥ずかしくて公開出来ないよっ!」
「だから、お前がフェイク入れるんだろ?」
「そうだけど…。はぁ…よくよく読み返すと、フェイク入れるのかなり難しいな。外せないセリフが多いし、タイミングも難しい。ギリギリのラインでぼかすしかないか」
「お前に任せるぜ?お前の許容範囲だったら、俺の許容範囲なのは間違いねぇからな。ところで、お前は書き終わったのか?」
「うん」
「じゃあ、今から読む」

俺は続きを読み始めた。
龍恋の鐘に向かう途中の遙の心情が詳細に書かれていて、臨場感たっぷりだ。
これはドラマチックな演出が出来そうだ。
そして、鐘の前での告白を読んで、俺もあの時の気持ちを思い出して胸がいっぱいになった。

「遙、あの時のキスは2回だったか?」
「うん、そうだよ。2回目に膝から力が抜けちゃった」
「よく覚えてるな。俺の手記で気になる点があったら、指摘しろ。書き直すから」
「今のところ大丈夫だったよ。政宗よく覚えているね」
「覚えている範囲で書いてるからな」
「政宗の手記に繋がるように、補足するエピソード書くね」
「Okay!」

遙はまた手記を書き始めた。
俺はそのまま最後まで目を通した。
やっぱり俺がキスしまくったせいで、人目が気になって泊まりを決意したか。
決意したものの、遙が不安がっていた様子が手に取るように分かるような手記だった。
俺を惹きつけて止まないのは、遙だけだというのに、それが全然分かっていない。
どれだけあの時、俺がまた気を揉んだか全然分かっていない。

「はぁ、お前、処女同然だったから不安だったのも分かるが、一人で悩み過ぎだ。俺がどんな女を抱いて来たかなんて関係ねぇ。そもそもどんな女だったか覚えてねぇな。興味もなかったしな。まあ美人を選り好みしてたのは確かだが、見慣れてそもそも印象にすら残ってねぇ。俺が欲しかったのはお前だけだ。幻滅なんてするはずねぇだろ?いまだに初々しいくらいだから、お前が恥ずかしくてたまらなかったのはよく分かるけどな。それにしてもウブ過ぎる。お前が抱いて欲しいって言い出さなかったら、俺は手を出さない所だったぜ」
「だって、政宗、すごい手慣れてたから、比べられちゃうかと思ったんだもん。あんなにキスが上手い人、この世に存在するなんて思いもしなかったよ」
「お前ほど美人で可愛い女なんてそもそもレアだぜ?もうちょっと自分の外見を自覚しろ。過去の女と仮に比べたとしても、お前ほどいい女なんて思い当たらねぇな。仮にいたとしたら、記憶に残ってる。お前は超絶俺の好みだ。見た目も中身もな」
「そうなの!?」
「ああ、そうだ。野郎共が鈴なりになって見惚れるレベルだ。もっと自覚しやがれっ!」
「ううっ、そんな自信なんて急に持てないよ。だって、政宗、超絶美形なんだもん。身体だってうっとりするくらい綺麗なんだもん」
「クッ、俺がお前の好みの顔で良かったぜ。そこは母上に感謝だな」
「成実にそっくりだけど?伊達の血筋の顔なんじゃない?」
「そうかもな。お前、成実に惚れたら許さねぇからな!俺そっくりだからな!」
「あのキャラには絶対惚れないから大丈夫」
「だったら、いい。ほら、続き、書け」
「うん」

俺は冷めたコーヒーを飲みながら、タバコを吸い始めた。
遙はしばらく熱心に手記を書いていたが、やがて、ホッと吐息を吐いて手を止めた。

「政宗、書けたよ」
「Okay!」

俺は追加のエピソードを読み始めた。
それは、ホテルへ入った所からのエピソードで、遙の緊張した様子がひしひしと伝わって来る。
ホテルのソファの上でキスしていた時、遙が初めて感じるキスを首筋にされて戸惑っていた様子が初々しくて、同時に俺が初めて遙を悦ばせた男だと分かって嬉しくてたまらなくなった。

「お前って本当に可愛いやつ!ちょっと首筋に一回だけキスしただけだろ?そんなに感じたか?」
「あんなの初めてで、どうしたらいいか分からなかった。すごく気持ち良くて声が出そうで恥ずかしかった」
「むしろお前の声が聞きたかったぜ?すぐに逃げやがって。あの後どれだけ俺が気を揉んだと思ってる」
「だって自分の事で精一杯だったもん」
「はぁ、仕方ねぇなぁ。そのエピソードも後で書いてやる。今は続きを読む」

俺は続きを読み始めた。
シャワーを浴びながら、思い悩む遙の心情が書かれている。
前の男に酷い抱かれ方をしていたのを知って、怒りが込み上げた。

「お前、何でこんな奴と2年も付き合った!?そもそもお前の事を全然大切にしてねぇじゃねぇか!こんな奴と夜伽して、お前、本当に気持ち良くなれたのか!?」
「だから抱かれるのが苦手だったの!夜伽で幸せで気持ちいいって思った事なんてないよっ!」
「だったら何で付き合ってた!?」
「初恋だったから、勝手が分からなかったの!夜伽以外では優しかったし、何か生い立ちも可哀想だったし。何とかまともな人生送れるようにならないかなって思ってたの!」
「お前、お人好しにもほどがあるぞっ!言っておくが、この世で一番難しいのは、人間の性格を変える事だ。相手の人格を変えようなんて気は絶対起こすな。そんなのは不可能だ。人格を見極めて人と付き合え、いいな?」
「もうこの年だから流石に分かってるよ」
「だったら、いい。俺も今から追加エピソードを書く」

俺は腹立たしい気分を切り替えて、遙がシャワーを浴びている間の俺の心境と、俺がシャワーを浴びている間の心境を書いた。

「ほら、出来たぞ」
「じゃあ、読む」

遙は俺の手記を読んで、薄っすらと涙を浮かべた。

「やっぱり政宗と恋して良かった…。政宗、こんなに私の事を大切にしてくれてたんだね」
「ああ、そうだ。俺自身はいくら傷付いても、お前だけは守りたかった。お前が嫌なら絶対手を出さないって決めてた。他の女を抱くみたいな抱き方は絶対にしたくなかった」
「その割に今はドSだけどね。政宗、どこで間違ったの?過去にそういう抱き方してたの?」
「そんな面倒くせぇ事してねぇよ。俺がドSなのは元々だが、お前だから時間をかけるし色々試すんだ。今までの女には手っ取り早く主に言葉で煽りながら的確に攻めて最短で乱れさせて、手っ取り早く最高に乱れさせて最高に濡れさせていい状態で手早く楽しんだら、すぐに違う女で同じ事してたからな。時間がねぇから最短で次の女に手を出してた。お前ほど最高の快楽を知ってる女なんてこの世に存在しねぇぞ?お前を愛してるからこそゆっくりじっくりいじめたくもなる。お前がドMだって気付いたから成り行きで様子を見ながらいじめ始めただけだ。その方がお前、気持ちいいだろ?俺もその方が気持ちいい」
「うっ、それを言われると恥ずかしい。いつ気付いたの?」
「お前が初めて気絶した日だ。最初はお前の辛そうな表情が見ていられなくて仕方なくなって、代わりに最高の幸せ天国気分と最大の快楽を与えたくなって、俺の試した事のない全テクニックを駆使した愛撫が全て絶妙なフェザータッチで感じ過ぎないように指先と唇だけで時間をかけて可愛がり始めただけなのに、たまらなくなって自分の胸をお前が触ろうとしたから仕方なく手首を拘束した。そのままわざと全身感じ過ぎる所は避けて時間をかけてたっぷり可愛がっていったら、タッチは全然変えてないのに急激に感度が上がって行ったからな。甘えた声で喘ぎながらずっと物欲しそうな目で俺を見つめやがって。あんな顔と声で懇願されたら流石に可哀想になって、お前に嫌われたくなかったし、予定より早く切り上げなきゃならなかった。自由を奪われてあんなに急激に感度が上がるなんて、ドM以外の何者でもねぇな」
「そんなに前から気付いてたの!?その割にずっと優しかったよね?」
「まずはお前をじっくり慣らさなきゃいけなかったし、俺自身しばらくお前と幸せラブラブな夜伽がしたかった。お前が夜伽に抵抗を示さなくなるまで、むしろお前から俺を欲しがるまでずっとラブラブだっただろ?ほとんど片時もお前を離さず昼夜問わずラブラブな夜伽をし続けただろ?まあ、俺が単にお前を離したくなかっただけだけどな」
「うん、そうだね」
「確信したのは、新宿のホテルでだな。俺、鬼のように攻めたのにお前まさかあそこまで感じながら受け入れるとは思わなかったからな。あの時のお前、最高に淫らで可愛い小悪魔だったぜ?だから、お前がもっと気持ち良くなると思って鏡の前で抱いたりもした」
「政宗、本当に他の女の人にそういう事してないの?すごく手慣れてるから、信じられない…。よく次々にそんな事思い付くなって…」
「あのな、遙。SMってのは、まずは絶対的な信頼関係が必要だ。例えソフトでもな。羞恥プレイもだ。お前と俺は永遠の愛で結ばれているから前提条件をクリアしているな。だから、俺はお前としかSMは出来ねぇ。次々に思い付くのは単に成り行き任せだ。俺は世界一の女殺しだからな。百戦錬磨なんて軽く超えるレベルだ。ぱっと目についたらどんな反応が得られるのか完璧にすぐに予想がつく。ただそれだけの話だ。そもそも高層ビルも全身映る鏡もこの時代にはねぇからお前にしか試した事ねぇのは明白だろ?手慣れてるのは完全にテクニックを身に付けているからだ。伊達に語源になるほどの女遊びはしてねぇ。お前の反応を見ながら迷いなく的確な愛撫とキスが出来るだけの話だ。SMに関してはその道のプロなら一度目でもプレイ出来るが、初めてじゃまず無理だ。俺はSMに興味なかったからプロで試した事もねぇな。プレイの時間すらもったいねぇ。さっさとすっきりした方がよっぽど満足だ。わざわざそんな所に行かなくても、女なんて俺が歩いてるだけで簡単に引っかけられる。俺は一度限りで女を捨てて来たから、信頼関係なんてまずねぇな。だから調教なんてした事ねぇな。言葉攻め以外の羞恥プレイすらした事ねぇ。だから、お前をホテルの窓際で抱いたり鏡の前で抱いたのはたまらなく新鮮で刺激的ですごく興奮したぜ?人生最高の思い出だ!いくら俺がドSだからってわざわざMな女を探すのも面倒だ。そんな手間かけるくらいならさっさとヤってすっきりして違う女で回数重ねる方がよっぽど満足する。せいぜいテクニックを磨くために、女をどこまで焦らすか成実と競って遊んだくらいだ。テクニックを磨くためなら時間かかっても仕方ねぇ。そこは絶対手を抜いたらいけない所だ。とことんまで練習しなきゃならねぇ大事なポイントだ。開発の練習もテクニックを磨く一貫だな。どうやって愛撫したりキスしたらすぐに開発されるか様々なバリエーションの研究にしか過ぎねぇ。一通り少しずつ考えられる限りのキスのバリエーションと愛撫を手と指先と唇と舌で試して満足する反応が得られたら情を移される前にすぐに女を捨てて、次の女でもある程度試してそれを繰り返しながらテクニックを洗練させて行った。お前に迷いなく色々な愛撫をして悦ばせられるのはそうやってテクニックを完全に身につけたからだ。それもただの遊びのうちだ。せっかくヤルなら女が悦んだ方が俺も楽しいからな。伊達男がテクニックなかったら名が廃る。それなりのテクニックは遊び始めて1年以内に完全に身に付けたぜ?情を移されたら困るからテクニックの出し惜しみはしたけどな。お前だけだぜ?俺の色んなバリエーションのテクニックを存分に味わった事があるのは。一通りの体位の練習もしたな。だから俺は四十八手以上くらいの持ち技はある。お前とくっついていたいから正常位ばかりなだけだ。一晩で何発ヤレるかも成実と競ったか。ヤル長さもだな。だから、俺も成実も相当持久力あるぜ?俺達負けず嫌いだからな!競い合ってたら、休憩抜きで9時間まで到達したぜっ!あいつも9時間で記録はタイだ。だから、俺は絶対に記録を更新してやるぜっ!」
「はぁ、政宗の女遊びの実態がようやく分かったよ。まるでゲームみたい。そりゃ、愛情なんて感じた事、なかっただろうね」
「だから言っただろ?愛なんて感じたこともねぇって。お前だけだな、可愛がりたくもなるしいじめたくもなるのは。お前もバリエーションあった方が楽しいだろ?今度、じっくり調教してやる。お前がドMだからSMに興味が出てきた。お前の新境地が開けるのなら尚更だ。お前には色々な新しい快楽を教えてやりたいからな。俺も初めてだから楽しみでたまらねぇ!お前とだったら俺も楽しめそうだしな!」
「ううっ、何だか怖いよ…」
「ゆっくり時間をかけるから大丈夫だ。お前ならすぐに慣れる。俺はお前が可愛くてたまらないから、せいぜいソフトSMしか出来ねぇしな。お前が本気で泣き出したら絶対それ以上の事は出来ねぇしな。お前に嫌われたらむしろ俺が泣く。お前、拘束されるの好きみたいだから、まずは緊縛プレイくらいから試してみるか。ゆっくり縛り方を変えて行って慣らして感度を上げて行くから大丈夫だ。お前が慣れたらどんどん縛り方をハードにしていく。あとはあくまでも優しい言葉攻めだな。後で縛り方のバリエーションの研究だな。ついでにソフトSMのバリエーションについても研究だな。楽しみだぜっ!昨日、電話中にあれだけ声を堪えられたんだ。痛くさえなければお前は何でも耐えられるはずだぜ?ゆっくり慣らすから大丈夫だ。どんどん病みつきになって行くぜ?」
「政宗がドSで怖い…。ドSな割に何か全体的に可愛くて本当にドSなのか分からなくなって来たけど。まるで水を得た魚だよ?江戸城に着いてから、何か政宗前と違うよ?」
「俺がドSなのは今更だ。もうお前と離れる事はねぇし、ここは俺の城だからな!これが俺本来の姿だな。お前を可愛がりたくて仕方ねぇ。優しく抱くのも激しく抱くのも、いじめるのも全部最高にそそるな!一番好きなのはお前とのエンドレスなラブラブいちゃいちゃの夜伽だが、今の俺は溜まりすぎていてその余裕が全然ねぇ。とりあえずしばらく激しいので我慢してくれ。お前をじっくりともっと開発するのも楽しみだぜっ!俺が満足するまでピルは続行だな。早く登勢が治るのが待ち遠しくて仕方ねぇ。手始めに何日かは引きこもりてぇからな!とりあえず抱きまくって溜まった分の消化を早くしたい。早くお前と裸で抱き合ってエンドレスにラブラブいちゃいちゃしてぇな!!」
「はぁ、やっぱり政宗って見たまんまのドSなやんちゃだったんだね。要所要所に政宗のたまらなく可愛い愛情が挟まれてるけど。最後のセリフを聞くとどれが本性なのか混乱すらするけど。そっちが本性だったのか…。何か騙された気分」
「騙してなんかねぇよ。じゃあ、お前、江戸城に着いてからの夜伽で何か不満でもあったか?愛のない夜伽なんかあったか?むしろ、俺の愛情を感じない瞬間なんてあったか?24時間お前にずっと愛情を注いでいるはずだ。それに折を見て毎日お前を口説いてるはずだ」
「ううん、それはない。政宗、片時も私を離さないし、望みは何でも叶えてくれるし、毎日惚れ直すし、ちゃんと3時間で我慢してくれてる」
「だろ?お前を愛してるからな!よし、この話はこれで終わりだ。もうすぐ風呂の時間だからコーヒーを淹れ直す。お前も飲むだろ?」
「うん」

俺は鉄瓶で湯を沸かし始めた。
俺達は残ったコーヒーを飲み干して、タバコに火を点けた。

「はぁ…。今日はお前の仕事を待ちながらやる事も思い付かねぇなぁ。久々にちょこっと政務でもして、後は小十郎からの報告を聞いたら、手記でも書くか」
「うん、そうだね。婚儀関係では、私はやる事いっぱいだなぁ。手記でしょ?カラオケの曲リストでしょ?ライブのセットリストでしょ?それからエリザベス女王のコンサートのセットリスト。一つずつやらないと終わらない」
「ライブのセットリストの案なら俺でも手伝えるけどな。お前とメタルとハードロック聴きまくってたからな。お前が大学に行ってた間もだ。Apple Musicで色々聴くのは懐かしいだろうな」
「じゃあ、お互いに演奏したい曲の案を出し合ってセットリスト作る?」
「ああ、いいぜ?湯が沸いたからコーヒーを淹れる。ちょっと待ってろ」
「うん」

俺はコーヒーを淹れ直した。
短くなったタバコを揉み消して、次のタバコに火を点ける。

「そうだな、後は雌牛の手配か。イギリス料理があんなに肉中心とは思わなかったぜ。早めに黒毛和牛を作りてぇな」
「うん、そうだね。黒毛和牛、私も食べたいなぁ」
「遙、どんな牛に掛け合わせるか調べろ」
「うん」

遙はiPhoneで検索した。

「なんか、日本の在来種なら何でもいいみたいだよ?」
「だったら楽勝だな。江戸郊外より先は田畑が広がってるからな。牛なんていくらでもいる。今から小十郎に言付ける」

俺は、エリザベスをもてなすために、食用の牛を育成するための雌牛と牛飼いを手配するよう、小十郎にLINEを送った。
小十郎からはすぐに手配するとの返信があった。

「よし、遙。コーヒーを飲んだら風呂だ。ゆっくり風呂に入って早めに部屋に戻ったら、少しは部屋で寛げる」
「そうだね。お風呂上がりにのんびり出来るのは嬉しいな」

俺達はのんびりとコーヒーを飲み干すと、ゆっくりと風呂に入って、しばらく部屋で寛いでから、美紀との交代のために登勢の下へと向かった。

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