城中ノリノリ大合唱

美紀と交代の時に手記の話をしてすぐに交代すると、遙は手早く薬の指示を全てすませて、その間に部下にエレキギターと機材を持って来させた。

「やっぱりどうせなら、政宗とライブの打ち合わせがしたくなっちゃった」

遙はいまだかつてないほど上機嫌だ。
目をきらきらさせながらそわそわしている、待ちきれない様子が可愛くてたまらなくて、思わず笑いながら頭をくしゃくしゃと撫でてしまった。

「落ち着け、遙」
「だって政宗とバンド組めると思ったら夢みたいに嬉しくてたまらなくて、色んな案が出て来てそわそわしちゃって、わくわくしてたまらない。ああ、1時間で足りるかな。弾きまくりたい」
「だったら、婚儀までの間に何度もお前の気の済むまでライブやるか?本番の予行演習になるからな」
「うん、その方がいい。あー、そわそわする。色んな曲弾きまくりたい」
「分かった、遙。分かったから、落ち着け」
「落ち着かないから、テーマについて話してもいい?」
「ああ、いいぜ」
「ありがとう。あのね、とりあえず、愛の大河ドラマ、ライブ編って構想でセットリスト考えてたのね。メタル、ハードロックのハイスピードなラブソングからスタートして、煽って煽って、最後はコール出来る歌で煽りまくってライブ終了ってテーマまで作ったの」
「Ha!Coolだぜ!愛の大河ドラマ、ライブ編、ハイスピードなラブソングか!全力で突っ走るぜ!一発目にデカいインパクトのある曲で煽って行くのが良さそうだな!流石は伊達女だ!俺の女だ!惚れ直したぜ?」
「政宗もそう思う?だからね、どう考えても最高に乗れるインパクト大きいラブソングはダディブラしかないと思って。慣れればI’ll be your daddy, your brother, your lover and your little boy! って歌ってもらえるかなって」
「なるほどな。ダディブラか。あれも最高に乗れる最高のラブソングだな。試しに歌ってみるか。お前、そわそわしてるから弾きたいだろ?メロディは覚えてるから歌詞を表示させろ」
「うん!」

遙はiPhoneをいじって歌詞を表示させて曲をスタートした。
懐かしいイントロのギターの音がする。
タイミングを見計らって俺は歌い出した。

「Ha!」

すぐに遙のギターが始まって一気にテンションが上がってノリノリになった。
遙はリフを刻みながら気持ち良さそうにギターを鳴かせている。
完全に遙のギターに呑まれて、メロディラインや細かいリフやソロを完璧に思い出して、歌が始まると同時に最高潮にノリノリで大熱唱して最後まで歌い切って、最後の「Hu!」のタイミングまで完璧にぴったりと合わせられた。
我ながら一発でここまで合わせられるとは思わなかった。
すげぇ気持ち良かった。

「やっべぇ、遙、今でもテンションMAXくらいにノリノリだぜ!乗れるな、この曲!」
「私もテンション上がった!政宗、一発で完璧に歌うのすごいね!最高にカッコ良かった、惚れ直した。政宗、愛してる」
「ああ、俺もお前を愛してるぜ?」

遙がいまだかつてなく上機嫌で惚れ直してくれた事が嬉しくてたまらなくて、酔いしれたようにキスを長く交わして身体を離すと、遙は気持ち良さそうにうっとりとして目をきらきらさせていた。
ふと我に返ると何やら襖の向こうがぞろぞろと熱い気配に満ちている。
大熱唱したから、かなりの距離まで城中に広がっているはずだ。
野郎共が鈴なりになって来ているようだ。
いいぞ、その調子だ、どんどん集まれ。
よし、向こう300mレベルで満員御礼だな、完璧だ。
過去最高記録だ。
どうせなら、ここでまた噂を広げればライブ初日から最高潮に煽って行けそうだ。
とりあえず、野郎共が歌えるレベルまで煽るか。

「遙、もう一度弾いてくれねぇか?」
「うん、いいよ?」
「おい、お前ぇら、天下の伊達軍だからな。俺が歌うの一発で覚えて二度目からは俺の煽りに完全に合わせろ。Are you ready?」

ちらりと襖を見遣ると、皆一斉に緊張した面持ちで頷いた気配を感じた。

「よし成実、さっきの聞いてただろ?俺の煽りに合わせろ。野郎共の手本だ」
「Okay」

成実が屏風の向こう側から現れた。
成実も屏風の向こうでノリノリになっていたのか、いつもと様子が違って目を輝かせて興奮していた。

「よし、遙、始めていいぞ」

またイントロから始まる。

「Ha!」

さっきよりもテンションが一気に上がってノリノリで大熱唱する。
そしてサビを歌ってラストの煽りに入った。
成実も興奮したようにノリノリで俺に合わせる。

「I’ll be your daddy, your brother, your lover and your little boy!!」

成実とハイタッチして襖を見遣る。

「Alright everyone、こういう感じで合わせろ。次のターンからお前ぇらも参加しろ, okay?」
「押忍!!」

襖の向こうからこそこそと伝令が瞬く間に伝わって行く。
楽しくてたまらなくなってきた。
遙は成実も参加したのが嬉しくてたまらないのか、さっきよりもノリノリでギターを弾いている。
そして俺は二番を歌い始めた。
サビのハモリに成実も参加してラストの煽りに入った。
俺と成実は振り向いて襖を指差して歌った。

「I’ll be your daddy, your brother, your lover and your little boy!!」

野郎共も拳を振り上げながら応えている気配がする。
この調子だと向こう150mくらいで全員参加している様子だ。

「Great everyone!後ろの奴らにもっと叩き込め。次は最後列まで全員参加で最高潮にノリノリで歌え。アゲアゲで行くぜ!」
「Yeah!!」

また伝令が瞬く間に伝わって行って最後列まで届いた気配を感じた。
俺はさらにノリノリになりながら歌い出した。
成実も最高潮にノリノリでハモる。
次がラストの煽りだ。
俺と成実は振り向いて襖を指差して歌った。

「I’ll be your daddy, your brother, your lover and your little boy!!!!」

向こう300mまで全員参加の拳を振り上げた大熱唱の合唱が聞こえて来て、最高の気分になってシャウトした。
遙も嬉しくてたまらないのか、ギターのキレが過去最高にいい。
俺は最後の「Hu!」まで歌いきって襖を振り向いた。

「Excellent everyone!!最高にcoolだったぜ?遙、もう一度やりたいか?他の曲がやりたいか?」
「もう一度、全員参加の大合唱で最初から弾きたいな。すごい気持ち良かった」
「そうか、お前がそんなに嬉しいなら絶対もう一度やらなきゃならねぇな。お前ぇら、城中に伝令を飛ばせ!!城中の奴らを全員廊下に集めろ。城全体で大合唱するぜ!!遙、アンプとスピーカーの音量を上げて、マイクも出せ。全力で大熱唱するぜ!!」
「政宗、最高!愛してる。惚れ直した」
「ああ、俺もお前を愛してる。可愛いお前のためなら何でもしてやる。何度でも俺に惚れ直してくれ」

何度もキスを交わして満足すると、遙は機材の用意をした。
小十郎が隣の部屋から出て来てくすくすと笑っている。

「政宗様がこのように嬉しそうなのは初めて見ます。プロポーズの時より違った意味でとても嬉しそうですよ。この小十郎も楽が好きなものですから、聞いていて、いてもたってもいられなくなりました。是非この小十郎も参加させて下さいませ」
「小十郎、よく言った!俺と成実が歌っている間の野郎共への煽りはお前に任せた。タイミングは分かってるな?」
「もちろんでございます。おい!てめぇら!もっと廊下に満員に集めろ!入りきらない奴らは部屋で歌え!中庭に出てもいい。伝令を全力で飛ばしやがれ。政宗様と遙様の御為に全力で歌いやがれっ!」
「押忍!!!!」
「小十郎まで参加してくれて嬉しい!今までで一番最高の気分でギターが弾けそう!」
「遙様がそのように喜ばれるのでございましたら、この小十郎も全力で煽ってまいりますのでご安心下さい」
「遙、野郎共が集まったタイミングで始めるからちょっと待ってくれ」
「うん」

城中に期待に満ちた熱気が満ち溢れて行く。
俺はその熱気が最高潮に高まるまで待った。
どんどん熱気が高まって行って、城全体が熱気に包まれたのを感じた。

「遙、始めてもいいぞ」
「うん」

イントロの焦らすようなギターのうねりが高まった所で俺はマイクを握ってシャウトした。

「Ha!」

かつてないほどノリノリな遙のギターのリフに完全に最高潮の縦ノリになって、気持ち良くてたまらなくて俺は野郎共を煽り始めた。

「お前ぇらの全力の縦ノリ期待してるぜ?お前ぇらの本気を俺に見せつけろ!ノリノリで最後まで突っ走るぜーーーっ!!」
「Yeah!!!!」

城全体が縦ノリの熱気に満ち溢れるのを感じながら俺は歌い出した。
成実もかつてない最高潮の縦ノリで俺のマイクに顔を寄せてサビをハモり始めた。

「てめぇら、そろそろ一発目のシャウトタイムだ!テンションMAXまで高めて政宗様のお気持ちにお応えしやがれーーっ!」

小十郎の煽りにまた熱気が高まる。
俺と成実と小十郎が襖に向かって歌いながら全力で指差した。

「I’ll be your daddy, your brother, your lover and your little boy!!!!」

城の8割くらいが本気を出している感じがしてシャウトの後、俺は煽り始めた。

「まだまだ全然足りねぇなーーーっ!!天下の伊達軍ならもっともっと本気出せ!!お前ぇらのこれ以上はねぇ本気を俺に見せつけろーーっ!!」
「Yeah!!!!」

俺自身もっとテンションが上がって二番を歌い始めた。
もっともっと熱気が高まって縦ノリの気配に満ち溢れるのを感じながら気持ち良く歌い上げる。
また成実とサビのハモリに入る。
小十郎が煽り始める。

「てめぇら、今度こそ全員全力で政宗様のご期待にお応えしやがれーーっ!!!」
「Yeah!!!」

そしてまた3人で襖を指差して歌う。

「I’ll be your daddy, your brother, your lover and your little boy!!!!」

今度こそ全員参加の全力の大合唱が聞こえて来て最高に気分がよくなって俺はもっと煽り始めた。

「ここからが遙の真骨頂のハイスピードギターソロだぜーーーっ!!全力でギターのうねりに身を任せて縦ノリしやがれっ!!お前ぇらの本気をもっと出せーーっ!!」

遙のかつてないキレの良いキラキラとした高速のギターソロが気持ち良くてたまらなくて、俺のテンションがもっと上がって行く。
城全体が雄叫びを上げながら縦ノリの熱気がどんどん上がって行く。
ソロの後に思いっきり鳴かされたギターの音色にエクスタシーすら感じて成実とラストのサビを歌い始めた。
小十郎も完全に呑まれたように野郎共を煽り出す。

「てめぇら最後のシャウトだーーーっ!これ以上はねぇ最高の本気を政宗様に見せてみやがれーーーっ!!!」

最高のエクスタシーの中で歌いながら3人で襖を指差した。

「I’ll be your daddy, your brother, your lover and your little boy!!!!」

先ほどよりももっと熱気に満ち溢れた大合唱が気持ちよくてたまらなくて、過去最高にいい気分で俺はシャウトした。
最後の「Hu!」まで歌い切ると、もう気分が最高に良くてたまらなくて思わず恍惚としてぼーっとしまった。
今晩は夜伽しなくてもいいくらいに気分がいい。
遙も恍惚の表情でうっとりとしている。

「Excellent everyone!!お前ぇらの全力の本気、俺の燃え盛る熱いハートにちゃんと伝わったぜ?それでこそ天下の伊達軍だ。最高にcoolだ。ここから次の曲の打ち合わせに入るからそのまま待機してろ」
「押忍!!」

俺はマイクの電源を切って床に置いた。

「遙、次の曲でいいか?」
「うん、最高に気持ち良かった。政宗と小十郎の煽りと歌声にこれ以上はなくテンション上がった。次もみんなで歌えそうな曲がいいな。本番のセットリストでは次はインペリテリを歌いたかったんだけど、せっかくならラストのコールで盛り上げて行くスラッシュメタルの連続でアゲアゲにして行きたいな。政宗がみんなを集めてくれたから」
「そうか、ラストのコールが出来るスラッシュメタルか。お前、何弾きたい?」
「悩み中」
「そうか、だったら俺も考える」

一発最高に乗れてコールもヘッドバンギングも出来る曲で、テンションMAXまで高めるのがいいかも知れない。

「遙、Batteryはどうだ?コールもヘッドバンギングも出来る」
「政宗、歌える?」
「ちょっと歌詞を見せてくれ。覚えるから」
「うん」

遙は俺にiPhoneを手渡した。
早口だから一度つまづいたらついて行けなくなる。
俺は何度か脳内シュミレーションをして、完璧についていけるような所まで脳内に歌詞を叩き込んだ。

「Okay、タイミングは完璧に叩き込んだ。一応歌詞を見ながら歌う」
「分かった」
「成実、Batteryのタイミングは全部分かるな?」
「ああ、もちろんだ、梵。次はハモりがないから、俺も煽りまくるぜっ!俺の分もその棒くれ」
「Okay、期待してるぜ?成実、これはマイクだ。一度目は野郎共への手本だ。お前が叩き込め。Batteryは乗るのが難しいから、乗り方、コール、ヘッドバンキングはお前がリードしろ。俺は歌で忙しい」
「任せろ。アゲアゲで叩き込んで行くぜっ!」
「小十郎、ここは成実に全部任せた方がいい。Batteryはタイミングが難しい」
「かしこまりました。全て政宗様と成実にお任せ致します。この小十郎は一度目の手本で叩き込みます」
「流石だ、小十郎。二度目の城中ノリノリ大合唱ではお前の煽りにも期待してるぜ?」
「善処致しますのでご安心下さいませ」
「Okay, 成実。野郎共のテンションが下がって来た。まず、コールでテンションMAXまで高めて遙のイントロをスタートさせる。お前と俺で、城中の熱気を最高潮に高めよう」
「任せろ。梵、お前が煽りをスタートさせろ。俺はそれに合わせて煽って行く」
「よし、その手で行く。やるぞ」

俺は遙が取り出したマイクを成実に手渡して、俺もマイクを拾い上げて電源を入れた。

「待たせて悪かった、you guys。テンション下がってんじゃねぇか。そんなんじゃ遙はギター弾いてくれねぇぞ?遙にギター弾いて欲しかったら全力で俺のコールに答えろ、okay?Are you ready guys!?」
「Yeah!!!!」

成実も煽り出す。

「何だ何だ、全然足りねぇじゃねぇか!!まだ6割くらいの熱気しか感じねぇな!!次こそMAXで本気出せ!!」

俺は叫んだ。

「Are you ready guys!!!?」
「Yeah!!!!!」
「Put your guns on!!!!」
「Yeah!!!!」
「Let's!!!」
「Party!!!!」

成実が煽り出す。

「やれば出来んじゃねぇか!!でもまだまだ足りねぇな!!!お前ぇら魂の底から本気になりやがれ!!Let's!!!」
「Party!!!!」

俺も煽り出した。

「お前ぇらの熱気、いい感じに高まって来たぜ?でも、遙はもっとお前ぇらの魂の底からの叫びが欲しいと思うぜ?次がラストだ。お前ぇらが本気出さなかったら今日のライブはここで打ち切りだ。次こそこの江戸城を熱い熱気で燃え上がらせてみやがれ!!成実、行くぞ。Let's!!!!」
「Party!!!!!!」

成実と拳を振り上げながら煽ると過去最高記録のPartyの叫びが聞こえて来た。

「遙、野郎共の熱いハートお前に届いたか?」

遙にマイクを向ける。

「うん。みんなの熱いハート、キャッチしたよ?みんなの全力の縦ノリとヘッドバンギング期待してるからね?」
「姐さん!!!!!!」

Partyと同じくらいの姐さんの叫びに俺は笑ってしまった。

「Okay、遙がギターを弾いてくれるぜ?イントロはゆっくりだがいきなりスーパーハイスピードのリフが始まるから、テンション維持して絶対に乗り遅れんなよ?遙、弾いてくれていいぜ?」

ゆっくりとしたイントロが始まる。
城中緊張感に満ち溢れているのを感じる。
アコースティックからエレキに音が変わってヘヴィなドラムが加わって、うねるように熱気が高まっていく。

「行くぜーーー!!ここからがスーパーハイスピードのリフだっ!!」

俺が叫び終わった途端にハイスピードのリフが始まった。
野郎共の感動の雄叫びが上がる。
成実が煽る。

「感心ばかりしてないで、リズムを完全に叩き込んで我を忘れて縦ノリしやがれーーーっ!!」

いい感じに縦ノリの波が揃っている気配を感じる。

「お前ぇら成実のコールの手本を頭と身体に叩き込めよ?」

俺は最高潮にノリノリでシャウトするように早口の歌を歌い出した。

「筆頭、すげぇええええ!!」
「梵に感心ばかりしてねぇで俺の手本を覚えろよ?」

Cannot kill the

「Battery!!」

成実も最高潮の縦ノリで全てのBatteryにタイミングを合わせてシャウトする。
ギターソロの最後に近くなると成実が煽り出した。

「行くぜーー!ここからが全力のヘッドバンキングだっ!!」

成実の合図と共に俺も思いっきりヘッドバンキングをしてすぐにラストを歌い始めた。
そうして最高潮のノリで成実と完璧にBatteryを合わせて、最後に渾身のヘッドバンキングをして演奏が終わると、また最高の恍惚感に包まれた。
これはクセになりそうだ。
遙も更に上機嫌になり、今度は小十郎も加わったBatteryの大熱唱で、江戸城を揺るがす最高のBatteryコールとヘッドバンキングの熱気を感じて、俺は最高潮のご機嫌になり、より一層の恍惚感に包まれた。
そうして俺は病みつきになって歌い続けた。

⇒Next Chapter

Mr. BigのDaddy, brother, lover, little boyとMetallicaのBatteryをかけながら読むと多分楽しいです。
prev next
しおりを挟む
top