空を飛ぶ小型ジェット機の映像が現れた。
完全にプライベートが確保されていて、寛ぎながら外の景色を見たり映画を見たり、好きな時にコーヒーを飲んだり食事が出来る。
これなら長時間のフライトも全然退屈しない。
「これ、すげぇな!こんな飛行機があるなんて、想像もしてなかったぜ!」
「本当にすごい。ホンダジェットの噂は聞いてたけどこんなすごい計画だったんだ」
「ああ。広い空間を確保しようと思ったら、ジェット機の形をどうデザインしても戦闘機ほどの速さを得られる流体力学的に理にかなった形には作れなかったし、小型過ぎて十分に燃料タンクは確保出来なかったから、空母で燃料を補いながら飛んだ方がいい。斬新な離陸と着陸をするから余計に燃料を食う。だから空母を4隻用意した。イギリスまでなら1回の給油で飛べるかな。戦闘機と軍事移送用のヘリコプターを乗せるとその数が妥当だ。小型ながら大型ジェット機と同じ速さを実現出来たから、如月遙なら到着時間が分かるはずだし、スクリーンに目的地に合わせたフライト時間と到着予想時刻が表示される。全ての操作はiPhoneによる自動操縦だ。起きたら伊達政宗には使い方が分かるようにプログラムしてある。乱気流を自動的に察知して避けながら最短のルートで飛ぶ。じゃあ、今から僕が与える予定の小型ジェット機のデモ画面を見せるね」
ジェット機の内装が表示された。
先ほどよりかなり広い。
6人で寛げる椅子と十分な大きさのテーブルがあり、広い窓から外が見える。
次にベッドルームが表示された。
クイーンサイズのベッドで、ここならゆっくりと寝られるし夜伽も可能だ。
「藤原美紀と猿飛佐助を同伴させないと如月遙の体調管理が心配だから、同じベッドルームは二つある。片倉小十郎にはちょっと狭いけどシングルベッドの個室があるよ。片倉小十郎の嫁と子供達は悪いけど空母に乗ってもらえばみんなで世界中を移動出来るんじゃないかな。声が聞こえないように完全な防音になっている。インターフォンはついているから、片倉小十郎が呼びに来れるようにはしてある。電波は通じるからiPhoneを使って誰とでも話せるよ。ジェット機のレーダーの電波の種類はiPhoneの電波と全く異なり干渉されないから、iPhoneで通信しても大丈夫。機内モードにしなくていい。個室には小型ながらもシャワールームとトイレと洗面台が設置されてるから、好きなだけ引きこもれるしね。大きな窓もあるから外も眺められる。飛行機の羽も邪魔にならない位置だしね。ちょっと狭いけど伊達男好みにデザインしてみた。飛行機をコンパクトにしようとしたらこれが限界だった。どうかな?」
「これ以上はないほど最高だ。世界各国を飛び回って堪能したいぜ」
「気に入ってくれて嬉しいな。エリザベス女王も最高にロマンチックだと喜んでいたよ。滑走路がほとんどいらないように発着陸を工夫したよ」
画面が切り替わった地面に着地していたジェット機が、地面に向けてジェットを噴射し、ザビーの装備のように空に浮き上がって行く。
遙が驚きの声を上げた。
「まさかハリアーの推進力で発着陸するなんて思わなかった」
「これなら広さが確保されてたら、どこでも発着陸が出来るだろ?空母に確実に着陸出来る。江戸城の二の丸の広い敷地にも、バッキンガム宮殿の中庭にもね。伊達成実も登勢を連れ回したいはずだから、同じジェット機を与える。子供部屋に使えるしね。そうだな。伊達成実の分の給油と着陸の空母の手配を忘れてた。伊達成実にも空母を2隻与えなきゃ。後の軍勢は必要に応じて伊達政宗と分け合って。分け合った分の軍勢の指揮権は伊達成実に与えるようプログラミングするよ。それから、片倉小十郎にも把握出来るようにプログラミングしておくよ。そうしたら、片倉小十郎が伊達軍の規模を全部把握して指揮が執れるからね。もちろん、伊達政宗もだ。何なら完全に遊び回るお膳立てが出来て、派手に世界中に行くようになったら、長曾我部元親にも同じ装備を与えてもいい」
「長曾我部には、今のうちに俺と同じホンダジェットを与えておいてくれ。イージス艦の規模と空母の規模は俺と同じでいい。俺に与えられる戦闘機と軍事移送用ヘリコプターの規模は?」
「ヘリコプター14機で、戦闘機はハリアー10機だ」
「国内の守りに回せるから、長曾我部には同じ装備を与えて欲しい。あいつだけは俺を絶対に裏切らねぇから」
「その通りだね。じゃあ、そうプログラミングするよ」
「よし、それで世界中で遊び回るには最適だ。だが、俺の黒脛組が全員医師団になったら、王の目王の耳が維持出来なくなる。あれを増強するのには時間がかかる。その時お前はどんな策を取る」
「流石は伊達政宗だ。目の付け所がすごくいいし、閃きが一瞬だ。あの天下人とこうして話せるだけでも夢みたいなのに、その閃きをこの目で見られるなんて感動的だ。黒脛組の事は何も心配しなくていい。真田幸村の真田十勇士の忍を甲斐に必要なだけ残して、武田信玄付きの王の目王の耳にするように手配して、もっと忍隊の規模を大きくするようにお願いした。伊賀と甲賀の忍全てを掌握してもらって、和解させ、一気に増強させる手を提案した。あの規模なら、全国的に暗殺も諜報も軽々こなせる。あくまで最終的な権力は伊達政宗に集中させるようにしてある。武田信玄なら少し時間がかかるかも知れないけど説得出来るはずだ。甲斐に忍の長を呼び寄せて説得すると言っていた。真田幸村と霧隠才蔵を伊賀と甲賀に派遣して甲斐に忍の長を連れて来させるつもりらしい。どうかな?」
「お前やるな。俺は主に伊賀の忍を使っているが甲賀の忍も使えたら最強だ。それだけの規模があればエリザベスにも分けてやれるし、アメリカやオーストラリアでも使えるレベルだ。これで支配下の人間の動きを細かく監視出来る。掌握したら手始めに様々な国で短期留学させて各国の外国語を叩き込むか。全キリスト教徒がフロンティアになるなら、ヨーロッパ全土の言葉が話せないと不都合だ。忍なら飲み込みがいいし、アメリカオーストラリアに回さない忍には国内での外国語教育の教官として使える。10人いれば十分だから、王の目王の耳には影響しない数だ。手始めに俺と成実と登勢と小十郎とあいつの嫁と子供達と遙と長曾我部とあいつの嫁と息子に教えさせて、それから官僚の外国語を鍛えさせるように手配するか。これで外務省が完全に機能する。支配下の外国人達には俺とエリザベスの傘下に入る条件は英語の習得だという条件も付け加えたら、俺達は外国語を勉強する手間が省けるか。勉強なんかするより遊びに集中したいからな。各国の王族と宴で盛り上がって悪戯をしかけられる程度の外国語さえ分かれば十分だ。そんなの2ヶ月くらいで出来る」
「はぁ…。本当に伊達政宗はすごいね。僕もそこまでは思いつかなかった…」
男は感心しきって言葉を切って俺を見つめていた。
そして、目を瞑って考え込んでいる。
「じゃあ、僕は徹底的に伊達政宗の手間を省く方向で動く。伊達政宗と如月遙とエリザベス女王と、藤原美紀、猿飛佐助、片倉小十郎とその家族、伊達成実と登勢、長曾我部元親とその家族に全世界の外国語を操る能力を手始めに与える。ルイ14世の弟にはエリザベス女王と結ばれた時点でこの能力を与える。日本にいる全ての忍には武田信玄が掌握した時点で発動させよう。猿飛佐助の忍隊と黒脛組もだ。如月遙の策のお陰でバイナリーレベルで過去に介入出来るようになったから。それでも僕には情勢が読めないから、あくまで伊達政宗の望む物しか与えられない。変な風に動いたら取り返しのつかない方向に歴史が変わってしまう。外国語の能力を与える程度なら人格までは変わらない。君達が考えている馴れ初めビデオは僕が用意する。何度も如月遙の世界で起きた事は全てバイナリーレベルで洗い出したから心情まで全て把握しているしデータは完璧に保存されている。君達の記憶よりもっと詳細だよ?プロポーズに至る経緯も同じだ。何度もシュミレーションして武田の血筋をもらって宮家の養女に至る事を確認したから、全陣営での心の動きまで把握している。伊達政宗好みのドラマチックな動画にするから期待していてくれ。如月遙は伊達政宗と遊び回っている限り真田幸村の事を思い出す余地なんてないし、トラウマも完全に消える。それから青山の教会も用意しよう。歴史的建造物に残っているから楽勝で用意出来る。もっと本格的な物が用意出来る。馬車も人力車もだ。ドレスの素材も絹だけでは限界があるから、如月遙が合成した写真を完全に再現したドレスを用意しよう。伊達政宗が今の所決めた3着分だ。白無垢はどうしようもないな。伊達政宗の時代の職人の手技には敵わない。十二単もそうだな。エリザベス女王の手間も省いて王子との恋愛に集中出来るように動こう。まずはフルオーケストラと伊達政宗が引きこもる部屋を用意しよう。ベルリンフィルハーモニーがいいな。指揮者はカラヤンだ。如月遙の世界のデータをコピーする。コピーしても人格まではコピー出来ないけど能力は引き継げるからね。彼がこの時代に現れて亡くなっても、必ずカラヤンはもう一度誕生する。全ての楽譜を与えるから伊達政宗は希望の速ささえ伝えれば、細かい指示は出さないでもカラヤンなら最適な演奏をする。ベッドも如月遙が望みそうなキングサイズのスプリングコイルマットレスのベッドだ。部屋は如月遙の部屋を少し広くした感じで、あの部屋と同じキッチンと冷蔵庫を付ける。内装は如月遙の時代の南フランス風の地中海風の開放的なデザインだ。ソファは置けないけどキングサイズのベッドがあれば十分だろう?広さは27畳くらいだから、4人かけのテーブルと椅子もあるよ。全部如月遙好みの中世ヨーロッパ風だ。風呂場は伊達政宗の風呂の方が立派だから、欧米式のシャワーとトイレだけのバスルームを付けて、洗面台を用意し、部屋から出ないで済むようにする。ドアは引き戸にするしかないか。テレビにはApple TVを備え付けて、iPhoneで再生出来る動画は何でもテレビで見られるようにしよう。もちろんiTunes Storeを使って映画も見られる。バンダイチャンネルもだ。場所は伊達政宗の寝所の部屋の隣だ。空いてるみたいだったから。エリザベス女王が自由に行き来出来るように彼女の部屋も声が聞こえない距離で同じように用意しよう。彼女には全てのアプリに接続出来るようにプログラミングするよ。彼女は協力者だから、一緒に策を練るはずだ。それならくノ一達に護衛させられる。天井と天井裏は敢えて伊達政宗の時代と同じ作りにしよう。その方が便利だろう?バッキンガム宮殿にも二人の引きこもる部屋を用意する。それはヨーロッパ風の部屋だ。もちろん大きな風呂場もね。ジャグジー付きの大きな風呂場で洗い場も広いのがついている。共同で使う感じだ。ピアノとストラスヴァリウスを用意する手間も省こう。オーケストラと一緒に用意する。ホールはせっかく千鳥ヶ淵だから、如月遙の世界の武道館を模して、もっと大規模な建物にするか。何せ三万人規模だからね。東京ドームに似たような規模の物にして規模通りステージと控え室と花道を付けよう。どうかな?」
俺もそこまで考えついたとは思わず、本当に驚いて絶句した。
遙も驚いて絶句している。
男は目を瞑ったまま続ける。
「ライブには大掛かりな設備が必要だから、これからは望んだ機材や道具が二の丸に僕が出現させる倉から全て取り出せるように操作するから、楽器は何でも手に入る。今まで通りボストンバッグからも取り出せるけど。エリザベス女王もボストンバッグを与えなきゃね。如月遙が想定していたエレキのドラムセットじゃなくて、本格的なツーバスドラムが使えるよ。ギターもバリエーションを充実させて、ツインネックの物からスキャロップの物まで手に入る。もちろんアコースティックギターもだ。欲しい服もそこから手に入るし、ボストンバッグからも手に入る。撮影と連動した巨大スクリーンも用意出来る。何ならホールを出現させる時にステージ後ろと両脇にスクリーンは設置した状態で照明も巨大スピーカーも設置しておいた方が、今後どうせ動かす事もないし、輸送する手間が省けるか。後は伊達政宗と伊達成実と片倉小十郎を目覚めと共に楽器の達人にする。楽器を持ち替えても弾けるように。耳で素早くコピー出来るレベルまで音感を高めるよ。コピーの能力については如月遙も同じだ。そうだな、能力は望んだ瞬間に得られるようにプログラミングしておいた方が僕の手間が省けるな。人格を変えるような能力だけは得られないけどね。願う権限は伊達政宗、如月遙、エリザベス女王に限定する。それから、訪問先で困らないように、ホンダジェットのロッカーと外から開けられる荷物収納のボックスからも望んだ物は手に入るようにしようか。そうしたら、手荷物が少なくてもすぐに移動開始出来るからね。機内食はロッカーから手に入るよ。少し大きめのだから。それは、全てのホンダジェットに共通にプログラミングする。長曾我部元親とエリザベス女王にも同じ機能の倉を与えよう。長曾我部元親にもボストンバッグを与えなきゃ。僕が考えられるのはこの程度かな。黒毛和牛も用意しておこう。A5ランクの松坂牛、神戸牛をかなりの頭数でペアで用意するのでいいかな。牛飼いには世話の仕方と屠殺と解体の知識をプログラムするよ。屠殺と解体の道具も用意する。もちろん保存する専用の冷凍庫と冷蔵庫もだ。エリザベス女王が心置きなく遊べるために、彼女のためにももっと官僚制を充実させるか。これなら大臣達に遠隔で司令を送るだけで政治の指揮が完璧に取れる」
男はまだ目を閉じたまま考え込んでいた。
俺は男が取った策を反芻しながら考えた。
完璧なお膳立てだ。
ただし、タダより怖い物はないという言葉がある通り、こいつには俺達に要求があるはずだ。
ただの夢物語ではないはずだ。
真の目的を問いただすべきだ。
「お前の真の目的は何だ。ただの夢物語実現のために、ここまでお膳立てするはずがねぇ。お前の真の目的を話せ」
「本当に伊達政宗は最高に頭がいいね。本当の真の目的は当初話した通り、各国の首脳達も望んでいる過去最高のエンターテイメントの実現のためで、それには科学をもっと進ませなきゃならない。だから夢物語と言った。それにはただ豪遊するだけではなくて、同時に僕の時代で抱えている問題もついでにクリアしてもらわないと多分実現出来ない。だから、僕は出来るだけのお膳立てを手伝う」
「なるほどな。過去最高のエンターテイメントか。平和的な目的で安心したぜ。俺の治世の未来は俺が望む通り、楽しみに溢れた世界になっているのか。嬉しいぜ。お前の世界の抱えている問題は何だ」
男は目を瞑って考え込んだ。
「まず、防げなかった事や、本来なら生まれていたはずの芸術や文学について思いつく範囲でバラバラの時代で話していくね。如月遙が聞いているなら覚えていられるし、何か策を練るはずだ。まず、バッハが生まれなかった。ルター派が消えてバッハを保護する機会が生まれなかった。フランス革命が起きなかったから、ナポレオンも生まれなかったし、その結果ナポレオンに憧れたベートーベンが交響曲第3番を作らなかった。ロゼッタストーンの発見も遅れた。エカチェリーナ2世が芸術を保護したからチャイコフスキーはいるけど、ナポレオンのロシア遠征がなかったから一部の交響曲が欠けてる。ポーランド分割が起こらなかったから、その結果ショパンも生まれなかった。ヒトラーが生まれなかったからワーグナーもいないしポルシェ博士もいない。車のポルシェが消えた。もっと言うと、アメリカ合衆国が生まれなかったから、アメリカがリードする音楽はロックンロールから黒人音楽、ポップ、ラップ、ハードロック、メタル、パンク、グランジなど全て消えた。他にもあるけど、アメリカから流行って行った物は全てなくなってしまったと考えてくれ。先に言っておくけど、如月遙が一足先に労働基準法を徹底させるから労働者の不満は起こらず、みな王政の元で満足して、社会主義も起こらないし、共産主義も生まれない。革命も起こらない。冷戦は回避出来たけどね。ハングリー精神を失いビートルズも生まれない。とりあえず、失われるであろう芸術や文学を全て読んで、僕が与えるフルオーケストラとバンドでこの時代で全て流行らせて後世に引き継いで欲しい。少しずつ流行らせて伊達政宗に憧れさせて若者達に楽器を与えれば、こぞってみんなコピーして自分達でもcoolな音楽を作曲して、音楽の歴史が作られて行くという読みなんだけど、自信がないな。失われた文学に対する策なんて全然思い付かない」
そこで男は大きな溜め息をついてぎゅっと目を瞑った。
遙が俯いて何か考え始めた。
「何となく手がかりは掴んだけど、今は防げなかった事の方が気になるかな」
「流石だ、如月遙。まず、ユダヤ教徒は世界中に離散したままだ。シオニズムの流れはあるけど絶妙にコントロールされている。各国の首脳も独立国を作ってやりたいのは山々だが、メッカと嘆きの壁とゴルゴタの丘が近すぎて、十分な領土が確保してやれなくて悩んでいる。信教の自由は確保されているから自由に信仰は出来ているけど、流石に古代ローマ時代から根付いた故郷への憧れを消すのは無理だ」
「嘆きの壁への憧れか。確かにそれを解消するのは不可能だな。他には?」
「ヨーロッパが中東への侵攻を行わなかったから、近代までオスマン・トルコは栄華を誇った。君は内政に干渉しない事にこだわったから、ヨーロッパ全土が中東に手出しをせず、そのためギリシャが独立しなかった。あそこはオスマン・トルコのお気に入りの場所だから手放さない」
「はぁ…。ギリシャ独立戦争が起きないとギリシャは独立しないからね。平和的な手で政宗とギリシャを奪うしかないか」
「はぁ、一瞬で君がそこまで思いついてくれて助かる。あとは世界で一番大きな問題だ。戦争までは起こさないけれど、オスマン・トルコとサファヴィー朝ペルシャの末裔がいがみ合い続けていつジハードを展開してもおかしくない。経済的にね。あそこは石油の埋蔵地だからいくらでも経済戦争が起こせる。スンナ派とシーア派のいがみ合いはアリーの時代から続いているし、君も知っての通りイスラム教は世界最強の宗教だ。誰にも手は出せない。それから、清を放置せざるを得なかったから、新疆ウイグル自治区やチベットが清の支配下のままだ。日本が手を出さなかったからラストエンペラーの悲劇は防げたけど、厳しい飴と鞭政策は続いている。こんな現代なのにね。毛沢東が生まれなかったのは幸いだけど、これも大きな問題だ。東西から厳しく牽制されているから領土は拡大されていないけどね。僕は最終手段で全世界で夢のエンターテイメントを立て続けに繰り広げて、イスラム教徒や清を懐柔するつもりだけど果たして上手く行く保証もないな。科学技術も追いついていないし。切実に伊達政宗の時代からの援護が欲しい」
男はまた深い溜息吐いて、またキツく目を閉じた。
俺も考え始めた。
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