遙も夜着に着替えて、エリザベスとFaceTimeする準備をした。
「政宗、iPhoneじゃ画面小さいし、スタンドがないから、iPadでFaceTimeしよう?」
「iPadでも出来るのか!?じゃあ、準備してくれ」
「うん」
遙は、俺の部屋からiPadを持って来ると、スタンドを使って、畳の上に立てた。
そして、俺と肩を寄せ合うように布団の中に腹ばいになった。
「遙、かけるぞ」
「うん」
発信音が流れるとすぐにエリザベスが応答した。
「ハ〜イ!マサ、遙、待ってたわよ!」
エリザベスはいまだかつてなくご機嫌だ。
くすくすと笑いが止まらない。
「遙、貴女ってgood looking ladyなだけじゃなくて、最高にfabulousね!感動したわ!私もF1やりたいわっ!」
遙と俺は叶姉妹を思い出して、肩を震わせ始めた。
何で今日はこんなに笑わせられるんだ!
笑いが収まるのにしばらくかかって、エリザベスも笑っていた。
「遙、私の事は陛下とかエリザベス様とか呼んだら許さないからね。貴女は私の最高のbuddyなんだから、ベスって呼んでね?敬語もなしよ?」
「うん、分かった。ねぇ、ベス?ルイ14世の弟はいつ救出しに行くの?」
「とりあえずドーバー海峡沖の軍を呼び寄せて、部隊を確認し終えた所よ。どうしたら、ドラマチックかつ迅速にヴェルサイユ宮殿に攻め入れるかこれから作戦を練るつもり。せっかくあれだけのcoolな軍備があるのに、パリは内陸だから最終的に馬でしょう?それじゃつまらないわ。ドーバー海峡は狭いからすぐにフランスに上陸しちゃうし」
「確かにそうだな。フランスとは目と鼻の先だもんな。もっとドラマチックにヴェルサイユ宮殿に登場してぇよな」
「そうなのよ、マサならそう言ってくれると思ったわ」
「ねぇ、ベス、軍事移送用ヘリコプターの規模は?」
「そうね、全機使えば170人弱は輸送出来るかしら。ヘリコプターは14機よ」
「護衛としては十分な人数だね。戦闘機の種類と数は?」
「戦闘機は新型ハリアーよ。最高速度は意味はよく分からないけど、マッハ2よ。数は10機」
「だったら、ベス、とりあえずフランス湾岸に軍を進めて、そこから、全部空からの作戦にしたらいいよ。空母とイージス艦をフランス湾岸の主要都市に進軍させて脅しつつ、まずはヘリコプター全機をヴェルサイユ宮殿上空へと進軍させて、ヴェルサイユ宮殿上空で待機させる。ヘリコプターの音だけで何事かって大騒ぎになるはずだから、絶対面白いよ?すごい爆音がするから」
ベスと俺は同時に思案顔になって、人々が慌てふためく様を想像したら、おかしくてたまらなくなって、エリザベスと二人で笑い出した。
「Excellent!楽しくてたまらないわ!」
「ああ、俺も想像したら笑いが止まらねぇ!遙、続きを聞かせてくれ」
「うん。とりあえず、人々が十分に慌てふためいた所で、兵士に無線をベスに入れさせるの。ベスの出陣はハリアーね。隊列を組んでスクランブル発進で先頭で部隊を率いて、ヴェルサイユ宮殿上空まで飛ぶ。すぐに着くと思うけど、きっと気持ちいいと思うよ?マッハの速度で飛ぶから」
「スクランブル発進!ああ、すごくわくわくするわ!戦闘機なんて乗るの初めてだもん!」
「俺もやりてぇ!」
「今度、どこかの都市に行く時に一緒にやりましょう?貴方とダブルでスクランブル発進して合流したいわ!」
「楽しそうだ!遙、続きは?」
「うん、ベスは隊列を維持したまま、ヴェルサイユ宮殿上空で待機ね。ハリアーなら上空で止まっていられるから。ヘリコプター全部隊に指令を出して、高度を下げて上空から次々にロープを使って兵士達がヴェルサイユ宮殿の広場に上陸したら、絶対みんなびっくりするよ?人が出て来るなんて思ってないはずだから」
俺とエリザベスはまた想像して笑い出した。
最高にcoolだ!
「ふふっ、最高よ!笑いが止まらないわ!」
「ああ、俺も楽しくて仕方ねぇ!」
「そこで、城門を全て開けさせよう。そうだな。ハリアーに拡声器がついてないかな?ついてると最高だな!」
「俺がiPhoneで装備を確認してやる。ベスはFaceTime中だからな」
初めて使うアプリだが、全部隊をコントロール出来て、全装備を確認出来る、使いやすいアプリだ。
「遙、拡声器、あるぜ?」
「拡声器あるんだ。楽しくなって来た。ベスはそこで拡声器を使って、王の間までの扉を全て開けるように脅すの」
「遙、拡声器って?」
「声を増幅させる装置で、多分、ヴェルサイユ宮殿中にベスの声がハリアーから響き渡るよ」
エリザベスは途端に大爆笑し始めた。
俺も想像したら笑えて仕方ねぇ!
「ふふっ、最高に面白いわ!私の声がヴェルサイユ宮殿中に響き渡るなんて、想像しただけで待ちきれないわ!」
「でね、それだけで絶対城門は開くけど、もっと面白くしたいから、兵士達にはあらかじめ打ち合わせしておいて、ベスのハリアーの下からは退避させておいて、ダメ押しで、脅しながら真下にハリアーからマシンガンを打ちまくろう」
俺は想像して、爆笑が止まらなくなった。
エリザベスは不思議そうに俺を見つめている。
「遙、マシンガンって?」
遙はiPhoneでYouTube検索をすると、ヘリコプターがマシンガンを地面に乱射する動画を見つけてエリザベスに見せた。
エリザベスはまた大爆笑した。
「これ、絶対に面白いわ!脅しながら打ちまくるのが、楽しみで仕方ないわ!笑わないように気をつけなきゃ!」
「それでね、先鋒の兵士に全部の扉が開いたか、確認させるの。ヴェルサイユ宮殿の門番に確認させればいいから、ベスの兵士は外で待機でいいかな。全ての扉が開いたか確認が取れたら、無線でベスに伝令が届くようにして、隊列を維持したままゆっくり着陸するのはどうかな?かっこいいと思うよ?ヘリコプターは空で待機でいいよ」
「ふふっ、最高にcoolね!想像しただけでわくわくするわ!」
「遙、お前、やるな!むしろ、ベスの雄姿を見に行きたいぜ!超かっこいいじゃねぇか!」
「ここからは地上部隊だね。多分、もう誰も抵抗出来ないはずだから、ベスは先頭を歩く形で隊列を組んで、王の間まで進軍。みんな震え上がって動けないと思うけど、銃を乱射しながら王の間まで歩いて行くのはどうかな?あの銃、すごく銃声が大きいからインパクトあると思うよ?みんな初めて見る銃だから、余計にびっくりするはず」
「すごく楽しみだわ!銃の試し打ちはしたわ。あの銃だったら、絶対みんなびっくりするわ!みんなが震え上がる様を見るのが楽しみだわ!ああ、しかも心置きなく先頭を歩けるなんて気持ち良さそうだわ!」
「やべぇ!かっこいいな!マジで見てぇ!」
「でね、王の間に着いたら、みんな震え上がって動けないと思うから、ベスは手始めに兵士に目で合図して、王を玉座から引きずり下ろして、ベスが玉座に座るの。ブルボン家の玉座に座る絶好のチャンスだよ?」
エリザベスがフランスの玉座に座る様を想像するだけで俺は惚れ直した。
超絶かっこいい!
エリザベスも想像しているのか、しばらく遠い目をしてうっとりとしていた。
「ああ、宿敵フランスの玉座に座るなんて、きっと最高の気分だわ!いつまでも座っていたいわ!遙、貴女、最高よ!」
「遙、お前、マジですげぇな!流石は伊達女だ!ドラマチックだぜ!惚れ直した」
「ふふっ、それでね、声も出ないルイ14世と臣下達をからかいながら、玉座に座ったまま銃で脅して、最終的にルイ14世の弟を連れて来させるの。これが私の作戦」
「はあ…。わくわくが止まらないわ!何度でもやりたいくらい楽しそうだわ!」
「多分、これだけ脅されたら、今後フランスは絶対的にベスの言う事を聞くから、フランスに行く度に玉座に座れるよ?」
「貴女、そこまで考えていたのね。最高にcoolだわっ!早く作戦を開始したいわ!」
「遙、お前、やっぱ神レベルに頭いいな!俺もフランスの玉座に座りてぇ!」
「マサにも交代で座らせてあげるわよ。安心しなさい。遙にもね」
「マジでか!フランスグランプリの時にでも座らせてくれ」
「あー、私もヴェルサイユ宮殿の玉座に座れるなんて夢みたい。政宗がベスと親友で良かった!」
遙が本当に嬉しそうに笑うのが可愛くて、頭をよしよしと撫でた。
「ねぇ、政宗。ヴァチカンにこの後行くでしょう?会合が終わってからでもいいから、ベスと一緒にフォロ・ロマーノのジュリアスシーザーの屋敷跡でジュリアスシーザーごっこがしたいな!」
「フォロ・ロマーノ?私はカトリックと縁がないから、ヴァチカンは初めてだわ!あのジュリアスシーザーの屋敷跡があるの?ローマにあるのは知ってるけど場所までは知らなかったわ!」
「うん、前に行った事、あるよ?思ったより小規模だけど、古代ローマの遺跡がかなりいい形で残ってるよ?フォロ・ロマーノ自体はすごく広いよ。ハイヒールじゃ歩けないくらい広い」
「分かったわ。私もブーツを用意するわ。シェイクスピアも連れて行くわ」
俺も遙の部屋で読んだジュリアスシーザーを思い出していた。
あれも名作だった。
7年経った今でも忘れられないほどの名作だ。
「そうだな。俺がやりたいのは、やっぱ、ブルータスお前もか、だな。あれほどの名セリフはねぇ!」
「やだ、マサったら、ジュリアスシーザー知ってたの?早く翻訳して歌舞伎にしなさいよ」
「翻訳したいのは山々だが時間がねぇ!はぁ、でも、歌舞伎にはしてぇな。あれも絶対ヒットする」
「政宗、私もブルータスお前もか、をやりたい!」
「マサ、私もやりたいわ!みんなで交代でやりましょう?本物を舞台に出来るなんて最高の気分よ!遙、ナイスアイディアよ!」
「はぁ、政宗がギリシャを手に入れたら、パルテノン神殿で聖闘士星矢ごっこも出来るね。前に行った時、観光客だらけで恥ずかしくて出来なかったから。十二宮を突破するんだよ。アテナ神殿を目指して。十二宮はないけど。アテナ像もないけど」
俺はまた大爆笑をさせられた。
遙がオープニングテーマを歌い出して更に追い打ちをかけられる。
俺は遙と1ヶ月半しか一緒にいられなかったから、十二宮しか知らない上に、しかも一部しか知らねぇから続きが気になって仕方ねぇ。
こいつのお気に入りはのだめと聖闘士星矢だ。
遙が大学に行っている間、メタルをかけながらシェイクスピアとのだめを読み耽っていて、聖闘士星矢までは手が回らなかった。
「燃えろ!俺の小宇宙よ!ペガサス流星拳!」
「政宗、よく覚えてるね」
「マサ、随分楽しそうじゃない。気になって仕方ないわ」
「遙のお気に入りのストーリーだ。古代ギリシャの神々の争いが現代で起きる壮大なストーリーだ。地上の平和と愛を守るアテナを守る聖闘士達の戦いの話でな、ギリシャのアテナ神殿に降臨したばかりの赤子のアテナが暗殺されそうになるが、アテナは何とか難を逃れ日本で育つんだ。俺が見たのは、アテナがギリシャに帰還する所の話で、しかも途中までしか知らねぇし、飛び飛びだったから続きが気になって仕方ねぇ。主人公が星矢だから、タイトルが聖闘士星矢だ。お前、ギリシャ好きだからな!」
「Oh, my God!シェイクスピアレベルにドラマチックな話じゃない!処女神アテナが出て来る所がまたcoolだわっ!是非読みたいわ!」
「お前、欲しいタイミングで聖闘士星矢が読みたいって願ってみろ。絶対本が手に入るはずだ。お前なら絶対に気に入る。俺も最初から読みたいし、アニメも全部見たい!何なら動画も願ってみろ。迫力あるぜ?」
「やってみるわ!是非ギリシャを手に入れて聖闘士星矢ごっこもしましょう」
「ベスがノリ良くて嬉しいな!じゃあ、次の計画について話すね」
遙は嬉しそうにくすくすと笑っている。
次はどんな案が出て来るのか楽しみで仕方ない。
エリザベスもわくわくした表情で待っている。
「ヴァチカンでローマ法皇と会った時に、仲介の見返りとして約束して欲しい事があるんだ。ローマ法皇による婚儀、ローマ法皇の秘蔵のコレクションの解放、フィレンツェの観光をお膳立てする伝令。現地での護衛も確約させよう。そうしたら、私達は軍を動かさないで済む。ローマとフィレンツェのルネサンス芸術が楽しめるよ?フィレンツェの貴族達の全てのコレクションを解放させて、ドゥオーモの頂上からフィレンツェの街を一望したいな。最初に手配しておいたら、伝令は届いているはずだし、ヴァチカンの用事が終わったらすぐにハリアーかホンダジェットで向かえるから無駄がないよ?ローマとフィレンツェは結構距離があるから。そうだな、ロミオとジュリエットの舞台も見たいな。ヴェローナにも行こう!イタリアはハプスブルク家の支配下で間違いない?あ、ヴェローナはヴェネツィア共和国の支配下だ。ローマ法王の管轄外だね。商人の都市だから、金銀で釣られるかも。ヴェニスでゴンドラに乗ってカンツォーネも聞けるね!後は、独立国のアマルフィに行きたい!アマルフィは海と空から景色見て、1泊か2泊でいいよ。冬だから、青の洞窟は無理か」
「ええ、そうよ。本当に遙は頭がいいのね。マサが惚れ抜くのも分かるわ。私もルネサンスの芸術にはすごく興味があるから、真っ先に手配するわ。まさかロミオとジュリエットの舞台が見られるなんて思いもしなかったから、感動よ!私も金銀を用意するわ。せっかくならヴェローナでロミオとジュリエットごっこをしましょう。私も未来のダーリンとロミオとジュリエットごっこをするのが楽しみだわ!最高にロマンチックだと思わない?絆を深めるいい機会だわ!ヴェネツィア共和国にはジュリエットの屋敷の作りに近い邸宅を、滞在先として提供させるわ。しばらくそこで滞在してもいいわね。フィレンツェにもしばらく滞在したいわ。ヴェニスの噂のゴンドラとカンツォーネも楽しみたいしね。アマルフィはヴェネツィアとジェノヴァと並ぶ海洋都市ね。とても綺麗な所って聞いたわ。是非行きたいわ!荷物を運びたいからホンダジェットの方がいいんじゃないかしら」
「ベス、お前やるな!俺も本場のロミオとジュリエットごっこがしたいぜ!遙にはまた驚かされたぜ。俺もフィレンツェとヴェローナには行きたかったからな。レオナルド・ダ・ダヴィンチとミケランジェロとラファエロは実物をじっくりと見たい。サン・ピエトロ大聖堂の外観もゆっくり見たいしな。カンツオーネには俺も興味がある。文字でしか知らねぇ。覚えたら、カンツオーネで遙を口説けるしな。アマルフィは名前だけ知ってる。海洋都市では先進国のはずだ」
「わあ、ベス、流石!私も本場のロミオとジュリエットごっこがしたい!ジュリエットの屋敷と似た作りの滞在先なんて夢みたい!最後の晩餐が飾られてる場所はフィレンツェ郊外で少し離れてるから、ホンダジェットで少し移動しなきゃいけないけどね。私も初めてだから楽しみ!」
「最後の晩餐まで見られるのか!それはすごい楽しみだ!」
「私も最後の晩餐が見たいわ!」
俺とエリザベスは感心しきって遙を見つめた。
遙は何やらまだ計画を隠しているような、わくわくした表情をしている。
「遙、お前、随分楽しそうじゃねぇか。お前の次の可愛い計画は何だ?」
「ふふっ、政宗。婚儀の後はハネムーンだよ?ベスがイギリスに誘ってくれたけど、それじゃベスは楽しくないでしょう?せっかく空から向かえるから、ハワイに行こうよ!ハワイの原住民はすごく穏やかでノリがいいからね。何せサーフィンはハワイの原住民が考えたんだよ?上手く行けばフラダンスで歓迎してもらえるよ?あそこは安全だから、襲われる心配もないから厳しい護衛もいらない。確か王がいるはずだから、挨拶に行って仲良くなろう。きっと歓迎してもらえるよ?ハワイのビッグウェーブでみんなでサーフィンしよう?元親も合流出来るといいな。今夜眠る時にサーフボードとサーフィンの技術と水泳の技術を願おう。そうだな、珊瑚礁があるからスキューバダイビングもだ。最高のライセンスの技術と装備も願おう。ハワイでしばらく遊べるよ?イタリアで遊んでる間に空母を動かしてベスの空母と合同でルートを繋いで行けば燃料切れを心配しないで最速でハワイに行ける。そうだな、大陸の湾岸沿いの港でついでに食料も調達すれば効率いいね。宿泊はホンダジェットで十分だ。食料は最寄りの空母かイージス艦から調達すればいい。移動手段に馬が必要か。あ!せっかくならクルーザーをもらおう!政宗達とクルージングしたいな!」
「お前、マジですげぇな!原住民と王がそんなに穏やかでノリがいいなら俺も安心だ。貸切状態ならお前に水着着せても問題ねぇしな。この際長曾我部にお前の水着姿は見られても構わねぇ。あいつも嫁と息子を連れてくればいいだけの話だ。むしろあいつとサーフィンしてぇ!最高のハネムーンだ!」
「マサ、ハワイって?サーフィンも珊瑚礁も分からないわ?フラダンスもスキューバダイビングも水着も」
遙はiPhoneを見せながら、ハワイの位置と、ハワイで出来る全ての遊びと見所をエリザベスに説明した。
俺も正直ハワイがここまで魅力的な場所だなんて知らなかった。
むしろハワイに住みたいくらいだ。
フラダンスの旋律も最高にリラックス出来る。
「ベス、この機会に原住民と王と仲良くなって、手始めにハワイを押さえようぜ。俺達の婚儀の記念だ。王がいるなら、姉妹国にするか。他の国に取られないように、ハワイを守る軍備を願う。原住民達は最低限の従軍で済むようにしようか。そうだな、基地はパールハーバーだ。主に空軍で守るか。不審な船団が現れたら威嚇射撃だけで追い払える。せっかく陽気な気質なのにそれを変えたくねぇからな。指揮は王に任せれば安心だ。俺達は何もしなくていいから楽だ」
「マサ、その策には大賛成よ。こんなに素敵な所だったら、気軽にバカンスに行きたいわ。世継ぎの事を考えたら、こんなにリラックス出来る場所はないわね」
「政宗もベスも気に入ってくれて嬉しい!政宗、流石だね!ハワイが姉妹国だなんて、素敵だな!ハワイで叶えたい私の壮大な夢があるんだ!」
遙は夢見るような視線になった。
こいつの前科を考えると、多分、とてつもなく可愛い夢なのは間違いねぇ。
発想が斜め上だから、全然読めねぇ。
「遙、お前の壮大な夢って、絶対とてつもなく可愛いだろ?俺を全力でときめかせるような夢だ。どんな可愛い夢なのか聞かせてくれ」
「ふふっ、政宗とエルヴィスの映画のブルーハワイごっこ!映画の名シーンでエルヴィスが歌う甘いラブソングを同じシチュエーションで政宗に歌って欲しいな!」
予想通り、とてつもなくときめかされて、可愛くてたまらなくて、俺は笑ってしまった。
俺とラブラブしたいなんて可愛くてたまらない。
エルヴィスのブルーハワイごっこ!!
やっぱり発想が斜め上だ。
ここでエルヴィスが出て来るとは思わなかった。
笑いが止まらない俺をエリザベスが不思議そうに見つめている。
「遙、ブルーハワイって?エルヴィスって?」
「うん、ベスに見せてあげるね」
遙はブルーハワイの名シーンをiPhoneで再生し始めた。
どれも甘いラブソングばかりで、名曲揃いだ。
そして、最後にハワイアンウェディングソングで終わる。
「そうだなぁ。せっかくだから、ラストの結婚式は映画と同じ衣装を願って、なりきって、政宗に歌ってもらおうかな。私はムームーだ。エルヴィスは白い王子みたいな衣装だ。ブルーハワイごっこしながら政宗と結婚式が出来るね!」
「お前、どんだけ俺と婚儀挙げたら気がすむんだ。俺も何度でもお前とは婚儀は挙げてぇけどな。今度は白い王子みたいな衣装か。俺なら着こなせるから安心しろ。お前はムームーか。俺もこんなに婚儀にバリエーションがあるとは思わなかったぜ。ハワイでの挙式か。笑えて仕方ねぇ!」
俺は堪えきれずに笑い出した。
エリザベスも耐えられないようにくすくすと笑っている。
「どれも最高に素敵で甘いラブソングじゃない?私も未来のダーリンにエルヴィスと同じ歌唱力とリズム感を願って、私もブルーハワイごっこするわ。人生最高の思い出になりそうだわ。最高のハネムーンよ!」
「ベスなら分かってくれると思った!ブルーハワイ、素敵でしょう?」
「ええ、そうね。貴女、本当に可愛いわね。貴女といる限りマサは幸せになれるから私も安心よ。貴女なら他にもロマンチックな場所を知っているような気がするわ。ハワイの後はどこに行ったらいいかしら?」
「ベスもいいノリしてるじゃねぇか!お前もブルーハワイごっこか。一緒にハワイを楽しむ甲斐があるな。上洛が遅れるがまだ遊びてぇな!この際上洛はいつでもいい。どうせ白無垢が出来るまで時間がかかるからな」
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