俺はいつものように手綱を握らず、両腕で遙を抱き締めて馬を爆走させた。
「わぁ!こんなに爆走してるのに、成実が両腕で抱き締めててくれるから、超安心!気持ちいいな!佐助の馬より速いし安定してるよっ!成実すごいねっ!」
「あははっ!伊達に梵の従兄弟じゃねぇよ。馬の乗り方も同じだ。美紀ちゃんがそんなに喜んでくれて嬉しいぜ」
馬を爆走させると、5分程度で築地の人の山が見えて来て、俺は速度を緩めた。
「政宗様が先導する形で、この小十郎は1馬身ほど遅れて歩きます。その方が耳飾りがよく見えるでしょう」
「そうだな、そうしろ。遙、民衆に手を振ってやれ。俺もやるから」
「わあ!楽しみだな!皇族のパレードみたい!」
「美紀も成実も手を振りてぇだろ?お前ぇらもやれ」
「政宗、マジで!?ディズニーランドみたいで盛り上がる!」
「俺も、やるやる!」
「Okay、行くぜ!」
俺は新大橋通りを渡り、築地の群衆の列の中を進み始めた。
一斉に歓声が上がり、どよめいた後、拍手喝采が鳴り響いた。
「政宗様と女神様だっ!噂の耳飾りをしてるぜ!」
「政宗様と遙様、超美形のお似合いだわっ!石榴石の耳飾り買っておいて本当に良かった!お揃いだなんて超嬉しいっ!」
「キャー!政宗様よっ!気絶しそうなほどイケメン!成実様もいらして、ダブルでイケメンっ!今日、本当に来て良かった!このまま気絶してもいいっ!キャー!政宗様っ、成実様っ!!」
「遙様、超綺麗で可愛い!政宗様がやっとお幸せになれて、俺、超嬉しい!」
「遙様のお着物、すごく可愛くて綺麗だわ!是非うちの店で仕立てさせなきゃ!江戸中に広めるわっ!」
小十郎が言った通り、本当に民衆が大熱狂している。
段々楽しくなって来た。
お台場まで遠いから、しばらく楽しめる。
1時間弱くらいかかりそうだ。
「政宗の人気、すごいね!成実も」
「それを言うならお前もだ。みんなお前に見惚れてる。そろそろ手を振るか。片腕ずつ交代でお前を抱き締める感じだ。お前なら落馬しねぇから大丈夫だろ?お台場までこの調子なら1時間弱だ」
「うん!」
「よし、成実も手を振ってやれ!」
「Okay!」
俺は馬を適度な速さで歩かせながら、手を振った。
遙もノリノリで右や左へ手を振り始めた。
目が合った人々がきゃあきゃあと喜んでいる。
老若男女問わずだ。
こんな平和な世を望んでいたから、俺も超嬉しい。
俺は、遙とタイミングを合わせて手を振り始めた。
「キャー!政宗様と遙様、ベストカップルねっ!」
「小十郎様も綱元様も相変わらず渋くてイケメンだわっ!政宗様と伊達三傑は超私のツボ!みんな超美形!江戸に住んでて本当に良かったわ!」
「遙様、俺にも手を振ってくれーー!」
「遙様、俺も俺も!」
この調子は俺達がお台場に着くまで続いた。
くせになりそうなほど楽しい。
遙を見せびらかしたかったが、こんなに楽しいとまでは予想もしていなかった。
お台場から出陣の度にパレードしてやってもいいくらいだ。
1時間弱は長いようであっという間に終わった。
広々としたお台場の湾岸には小規模な工場地帯と丸い大きなタンクがあり、軍備用の長い桟橋まで出現していた。
長い桟橋の向こうには小さいながらヘリコプターの発着所まである。
これなら民衆を退避させなくて済むし、戦艦の邪魔にもならない。
ヘリコプターの発着所から兵士達が戦艦に乗り込める。
桟橋に向かって、進軍の道が設けられていて、広いお台場を人々が埋め尽くしていた。
俺は桟橋前まで到着すると、遙を馬から下ろし、俺も馬から下りた。
次々に小十郎達も馬を下りて、駆け寄った部下達が馬の手綱を握って退避した。
「よし、小十郎、成実。まずは俺が軍備を呼び寄せる。続いて成実が空母を呼び寄せて、タイミングを合わせて全軍呼び寄せる感じだ。それでいいか、成実?」
「もちろんだぜっ!俺、超楽しみ!お前のヘリコプター貸せよっ!俺も登勢と2人きりのホンダジェット、超見たい!見終わったらお前のホンダジェットを見に行くぜっ!それなら合流出来るだろ?」
「仕方ねぇな。分かった。ヘリコプターを1機貸してやるから、俺達の出発の後、ヘリコプターでお前の空母に飛べ。今からお前の指揮下に置いてやる」
「やった!」
「心得ました」
俺はiPhoneを取り出して、ヘリコプターを1機、成実の指揮下に置いた。
成実もiPhoneを取り出して、アプリを確認していた。
「よし、小十郎。これから、俺が民衆に号令をかける。ちょっと長くなるが、その後、軍を呼び寄せる」
「かしこまりました。全て政宗様にお任せ致します」
「よし、遙、お前は俺と手を繋いで俺の横に立て」
「うん」
俺が遙の手を繋いで民衆の方に向き直ると、大きな歓声が上がり拍手喝采が始まった。
しばらく拍手を聞いて、手を挙げると拍手が鳴り止んだ。
「みんな、よく集まってくれた!俺は超嬉しいぜっ!何せずっと俺が愛して止まなかった女神、遙のお披露目がみんなに出来るからなっ!俺と手を繋いでるのが遙だっ!みんなも瓦版で知っている通り、7年前、俺と遙は甲斐の辺境で偶然出会い、遙は信玄の隠し子の身で乳母に守られながら、泣き濡れて暮らしていた。信玄の諏訪の略奪の時に生まれたからだ。俺は遙の悲しみを取り除いてやりたくて、抱き締めて腕の中で存分に泣かせてやった。あまりに悲しそうだから、乳母の許可を得てだだ抱き締めて添い寝してやった。この女遊びで有名だった俺が夜伽もせずにな。遙はやっと安心して眠りに就いた。喜んだ乳母から許しを得て毎日暮らすようになった。遙の護衛をしていたのが、成実の隣にいる美紀だ。俺は3日も経たないうちに遙にどうしようもなく恋をした。俺の初恋だった。しかし身分違いだから、俺は恋心を封印した。信玄に認められるまでは俺も婚儀を挙げられねぇからだ。しかし、遙もどうしようもなくまた俺に恋をしたが、諦めていた。俺もお忍びだったから、そんなに長い事城を空けられなかったしな。何より美紀が遙を守り、俺も手出しが出来なかった。しかし、美紀は誰よりも遙を大事にしている。遙が恋をしているのを知って、俺に遙と結ばれる事を許してくれた。そして俺達は結ばれた。出会ってから10日ちょいの頃だな。その時、遙が元々持っていた石榴石の耳飾りを俺と分け合ったんだ。それは世界に一つだけの一点物だ。新しい穴をお互いの耳たぶに開けて、一生互いの耳たぶに消えない傷跡を付けて、永遠の愛の証とした。俺と遙はその時、永遠の愛を誓い合った。俺は一旦は遙とは離れなければならなかったが、必ずまた迎えに行くと決意をした。信玄を説得し、婚儀を挙げる決意だ。遙は俺に色々な事を教えてくれた。とても頭のいい女だった。そして、お人好しで優しくて、戦乱の世を終わらせる事を真剣に考えて、色々な歴史を学び、独自の政治方法まで思い付いていた。美紀も同じだ。俺の政治を教えてくれたのは遙だ。だから、長曾我部の流行らせた宗教では女神がいい知恵をくれるって触れ込みだったんだ。遙を愛した俺は、名刀正宗の対の懐刀を遙に与えた。俺が持ってる名刀正宗とのペアになるからな。そうして遙と出会ってから1ヶ月半の時を愛し合いながら過ごして、俺がそろそろ城に帰らなければならねぇ時、遙は美紀と共に突然神隠しに遭ったんだ」
俺がそこで言葉を切ると一斉にどよめきの声が上がった。
それが静まるのを待って俺はまた話を始めた。
「俺の目の前で、遙の身体が半透明に透けて見えて、光に包まれた。美紀も同じだ。美紀は乳母に手を伸ばし、遙は俺に手を伸ばしたが、空をかき、どうしても捕まえる事が出来なかった。俺は諦めきれなくて、必死に腕を掴み、最後に消える瞬間、しっかり手を握った感触があって、力任せに引いた瞬間に遙は完全に消えてしまった。俺は乳母と共に嘆き悲しんだ。婚儀を挙げるつもりだったのに、消えてしまったからだ。まるで魂の半分を無理矢理引き千切られたような心の痛みだった。でも、俺は諦められなかった。瀬をはやみ岩にせかるる滝川の 割れても末に会わんとぞ思うってな」
「流石、政宗様っ!崇徳院だっ!!」
「わぁ!崇徳院よっ!流石は伊達男だわっ!」
落語の崇徳院は大人気だから、民衆は崇徳院だとざわめいた。
しばらくざわめくと、また民衆は静まった。
「それから俺は黒脛組を大幅に増強して遙を探しながら天下統一を始めた。そして、2年前にやっと天下統一をした。舞い込む縁談は全て断り、遙と誓った永遠の愛を貫き通した。大名達との会議で江戸に政治の中心を置くと決めたが、みんなも知っての通り、6年前から俺は江戸の開拓を始めた。遙を探すためだ。身分違いの恋は誰にも言えなかった。俺はイギリスの噂を聞いてロミオとジュリエットを取り寄せて、日本語に翻訳したんだ。遙と別れて間もなく奥州に戻った頃だな。あれは結ばれない恋の話だったから、心を打たれて俺自身の境遇と重なって見えた。俺の翻訳したロミオとジュリエットは日本中で流行り、歌舞伎にもなっただろ?あれでイギリスのエリザベス女王が感激して文通しているうちに親友になって、俺も遙との恋をやっと打ち明けられた。だから、エリザベス女王も俺達の婚儀に来るぜ。世界最強の女王だ!」
また民衆から歓声が上がった。
最高の気分だ。
能で鍛えたから俺の声はよく通る。
また民衆が静まった所で俺は話を始めた。
「これからが約1ヶ月半位前の話だ。ある夜、満月があまりにも見事で天守閣で月を眺めていたら、ダチの前田慶次が俺の所を訪れた。甲斐で見かけた女が俺と同じ耳飾りをしてるって伝えに来たんだ。これは遙との一点物だからな。俺はすぐに黒脛組に甲斐を探らせた。しかし、甲斐では探索を始めてすぐに疱瘡が流行し始めて、俺も撤退させざるを得なかった」
「ええっ!?疱瘡!?」
「疱瘡だとっ!?」
民衆がまたざわめいて、それが静まるまで俺は待った。
やがて静まった頃、俺は話を再開した。
「みんなも知ってる通り、疱瘡は一度かかると一生かからねぇ。俺は疱瘡を患った事のある黒脛組を再編成してまた甲斐に送り込んだ。そうしてついに目撃情報を得た。疱瘡の治療をしているのは女の医者で猿飛佐助の忍隊の指揮を執りながら、馬に乗って疱瘡流行地域の村を回り、何やら風変わりな格好をしてるってな。日本全国で神隠しが起きてて、帰って来た人間が風変わりな格好をしていたから、俺は遙に間違いねぇって確信をした。遙は神隠しに遭ったからな。遙が帰って来たと確信した。黒脛組からもその女の名前が遙だって聞いたから余計に確信した。拠点としている村まで特定したから、俺は30万の軍勢を率いて、長曾我部にも西の守りを固めさせて甲斐に遙を迎えに行ったんだ。疱瘡にかかった事のあるやつらと共に俺が先鋒でな!」
「そうだったのか!すげぇ!!」
また民衆が歓声を上げてざわめいた。
やがて静まった頃、俺は話を再開した。
「迎えに行った俺を遙は拒んだ。右目を疱瘡で患った幼い娘がいて、遙は治療にかかりきりだった。俺の右目を失わせた憎い病だからこそ、遙は俺への愛ゆえにその娘を見捨てられず、俺は遙の意思を尊重して、会う事も抱き締める事もなく、扉の向こうの声を聞くだけで撤退した。遙は全軍を率いた俺達の存在を武田に隠し通す布陣まで敷いて、小十郎を疱瘡から守るために足止めする布陣まで一瞬で敷いたんだ。猿飛佐助の忍隊を完全に掌握してな。猿飛佐助なら信玄に真っ先に知らせる事も出来た。でも、猿飛佐助は遙に惚れ込んで、遙の望み通り戦を起こさないように従った。遙を守るとの漢の約束まで俺と交わした。だから、猿飛佐助は今、俺に仕えている」
「流石は知恵と愛の女神様だっ!すげぇ!猿飛佐助を従えるなんてすげぇ!」
「政宗様も超かっこいいわっ!流石は天下一の伊達男!」
俺はまた民衆が静まるのを待って、話を再開した。
「遙は、娘の治療に成功した。本物そっくりの義眼まで入れてな。遙は未来の世界に神隠しで現れて、そこで未来の技術を持った医者に成長していた。美紀も同じだ。美紀はまだその時いなかったけどな。遙は未来の道具を持って甲斐に現れた。その頃、2ヶ月に渡る無理がたたって遙の身体はぼろぼろだった。だから、猿飛佐助は俺の下に遙を返しに来た。その時、見兼ねた猿飛佐助が、俺と相談して遙に授けた俺の懐刀を使って、先に信玄に遙は俺と永遠の愛で結ばれていると明かす事を決意した。同時に遙がずっと大切にしていた信玄の懐刀も使って、紛れもねぇ信玄と諏訪の姫の娘だって事も明かす事にした。本当は疱瘡根絶の功労として、遙は信玄に俺の下に帰りたいと願って身分を明かすつもりだった。みんなも知っての通り、信玄の正室の妹姫が俺の許嫁筆頭で、遙は誰にも身分を明かせなかったんだ。ぼろぼろになって、猿飛佐助に泣きつくまで誰にも言えなかった。俺は猿飛佐助のお膳立てが済んだから、遙を連れて信玄の下へ挨拶に行った。そこで、晴れて信玄のとの面会が済んで父娘の再会を喜んだ。その時、遙は俺と小十郎の前で吐血したんだ」
「ええっ!?吐血!?」
また民衆が今日一番ざわめいた。
静まるまで少し時間がかかって俺は話を再開した。
「俺は信玄の願いで猿飛佐助を従えて、屋敷の奥座敷で遙の看病をしようとした矢先に告げられた。吐血は今になって始まった事じゃねぇ。遙の余命はあと1ヶ月しかねぇってな。精巧な義眼を入れられる遙の技術ですら治す事が出来ねぇ。もう1人未来の技術を持った医者が現れねぇ限り治せねぇって。7年間待ち続けて俺は遙を今度こそ永遠に失ってしまう事が辛くてたまらなくて号泣をした。小十郎ですら、号泣をした。俺達はしばらく号泣をしていた。でも、その時、同じ未来で医者になってた美紀が遙を助けに来てくれたんだ。美紀は遙の守護神だからな!」
「おおおお!!」
「流石は女神様だっ!守護神様までいるなんてすげぇ!」
また民衆が盛り上がるのが楽しくて仕方ない。
野郎共すら盛り上がっている。
かなりフェイクを入れているから、ちらりと見遣った遙の表情も楽しそうだ。
ざわめきが収まるまでしばらくかかって俺は話を再開した。
「美紀はすぐに遙を治療してくれた。遙の吐血は治まったが、あと10日間は甲斐から動けねぇって言われて、俺と遙は武田の奥座敷で休んでいた。だから江戸への帰還が遅れた。そんな折に俺の許嫁筆頭だった武田の妹姫が疱瘡にかかった。遙は美紀と猿飛佐助に妹姫の治療を託したが、どうしても治療が上手くいかなかった。その時に美紀も猿飛佐助と深い絆で結ばれて恋に落ちた。俺はその時知らなかったけどな。ついに遙は絶対治療不可能の、疱瘡の治療薬の作り方を思いついて、美紀と共にその場で治療薬を開発して翌日から妹姫に与えたんだ」
「すげぇええええ!」
「すごいわっ!」
「遙様ーーー!」
民衆は続きが気になって仕方ないのかすぐに静まったので、俺は話を再開した。
「妹姫は3日で治った。同時に妹姫に真田幸村と恋仲にあると俺達は告げられた。真田幸村は武田信玄に絶対に逆らえねぇ。信玄が逆らった嫡男を切腹させたからだ。でも、俺と小十郎は真田幸村をけしかけた。妹姫を貰い受けたければ、信玄と拳で戦ってその背を超えて来いってな!真田幸村が信玄を超える事が信玄の望みだったからな。真田幸村は妹姫との婚儀をかけて信玄と拳で戦う決闘に向かった!」
「おおおお!真田幸村が!?」
「最高に盛り上がるわっ!」
すぐに静まった民衆に俺もノリノリになって話を再開した。
「信玄は喧嘩両成敗を避けるために試合を提案し、信玄と真田幸村は武田道場で殴り合いの試合をした。プロレス技による試合だ。両者一歩も引かない手に汗握る白熱した試合だった!そして、ついに真田幸村が体格の大きい信玄に渾身のジャーマンスープレックスをキメた!身体を後ろから持ち上げて、背後に頭から叩き落とす技だ!信玄は何とか立ち上がったもののふらふらになった!そこで、観覧席にいた妹姫が突如、リングに走り出して、ふらふらになった信玄に真田幸村とのタッグの前後からのラリアットを信玄の首にキメて、ついに真田幸村は信玄を倒して、その背を超えた!腕を差し出して駆け寄りながら首にキメる強烈な技だ!それも妹姫と真田幸村の恋仲の合わせ技だっ!」
「おおおお!超見てぇ!!」
民衆の熱気が最高潮だ!
待ちきれない民衆はすぐに静まったので、俺はすぐに話を再開した。
「信玄は2人の絆に喜んで真田幸村と妹姫の婚儀を認めて、翌日、妹姫の婚儀を武田家臣に報告した後、遙を晴れてお披露目したんだ。伊達の兵士達も呼ばれてな。そこで、俺は遙に求婚、プロポーズをした。愛に勝る物はねぇって内容の英語の歌でプロポーズして、永遠の愛の誓いのキスをしたんだ!」
「流石は政宗様だーーーー!」
「政宗様、超かっこいいーーー!」
「歌でプロポーズするなんて、流石は天下一の伊達男!」
民衆が盛り上がってなかなか収まらない。
「まだ、続きがあるぞっ!!」
俺が声を張り上げると民衆はすぐに静まった。
「猿飛佐助もその時、美紀にプロポーズをして、翌日俺達は江戸に向かった。信玄は娘である遙の嫁入り仕度をしたかったらしいが、俺は待ちきれなくて、全軍率いて江戸に遙と共に帰還をした。それからは遙との婚儀の打ち合わせだ。小十郎も張り切って、過去に例を見ねぇ、世界最大の婚儀が決定したぜっ!2日間連続の、神田明神と青山の教会での盛大な婚儀だ!婚儀の後は、みんなに俺達の婚儀の晴れ舞台のお披露目のパレードをするぜっ!今日みたいになっ!婚儀は来年の長月末だ!みんな瓦版を要チェックしろよっ!?」
「おおおお!!」
「政宗様の婚儀のお披露目っ!?」
民衆は今日一番大熱狂した。
楽しくてたまらない。
しばらくざわめきを聞いていて、満足した頃に手を挙げた。
また民衆が静まり、俺は話を再開した。
「実はここからが本番だぜ?みんな、よく聞け。婚儀の相談を遙としているうちに、遙は壮大な計画を思い付いた。未来の世界にいた遙は世界の歴史をよく知っている。世界では多くの戦が起こり、この日本も最終的に巻き込まれる。とても残酷な戦だ。だから、俺とエリザベス女王で永遠の友情の和議を結んで、世界を掌握して、絶対に戦が起こらねぇ未来にして欲しいって頼まれた。それで、俺もエリザベス女王も遙の願いを聞き入れる決意をした!その時、俺達は、この世界を救う天に呼ばれたんだ。そして、遙の願いを叶えるために、世界最強の軍備を天から授けられた!成実と俺のマブダチの長曾我部もだっ!俺は世界最強の軍備を率いて、イギリスのマブダチのエリザベス女王と共に世界の伊達政宗になるぜっ!」
「おおおお!!!」
「やっと本番だわーーー!!」
「政宗様、超かっこいいーーー!!」
婚儀のお披露目の告知より盛り上がってる。
しばらく盛り上がりを聞いて、俺は手を挙げて制止をした。
民衆が静まり、俺は話を再開した。
そこで妙案が浮かんだ。
ここでせっかくなら誓いのキスがしたい。
「俺は天からの最強の軍備を与えてくれた、女神、遙への感謝と永遠の愛を誓うキスを今からみんなの前でする!遙、俺の方を向け」
「うん」
遙も興奮しているのか、頬を染め、上機嫌だ。
民衆からは横向きに見えるように立って、俺は遙の前に跪いた。
恭しくその手を取って、手の甲にキスをする。
「これは、お前への絶対的な忠誠を永遠に誓うキスだっ!」
わざと民衆によく聞こえるように声を張り上げる。
また歓声を上がっているのに構わず俺は立ち上がった。
そして、遙を抱き寄せ、片手を頭の後ろにあてがい、キスする寸前の距離でまた声を張り上げる。
「これはお前への感謝の気持ちと永遠の愛を誓うキスだっ!」
俺は深く唇を重ねて、たっぷりとキスを続けた。
民衆が大熱狂している中、見せつけるようにキスをするのが気持ち良くてたまらない。
ようやく満足してキスを止めると息が上がっていた。
「政宗って、本当に伊達男。惚れ直した」
「お前を口説くためなら民衆も使うぜ?よし、また民衆の方を向くぞ」
「うん!」
俺と遙はまた民衆に向き直った。
そして、手を挙げて盛り上がりを制止した。
「これから俺の軍勢を沖から呼び寄せ、続いて成実が自分の軍勢を呼び寄せる!その後、俺達はヘリコプターという空を飛ぶ兵器で撤退する!これがlast partyだっ!」
「おおおお!」
「キターーー!」
「よし、遙、海の方を向くぞ」
「うん」
後ろを向くと、小十郎達が感心したような表情で俺を見つめた。
「梵、やるな!超盛り上がったぜ!」
「政宗様、お見事でございました。明日の瓦版が楽しみでございます」
「ああ、そうだな、小十郎」
「政宗様、俺も瓦版が楽しみでございます。流石でございます」
「綱元もそう言ってくれて嬉しいぜ」
「政宗、最高!超盛り上がって楽しかった!」
「美紀、良かったな。よし、これからiPhoneで呼び寄せるぜ!」
俺はiPhoneを操作して、隊列を組み、目的地を設定すると、沖からやって来る船団を眺めた。
すげぇスケールだ!
こんなの見た事ねぇ!
お台場の沿岸を埋め尽くすように船団を操作する。
「よし、成実、お前の軍勢も動かせ」
「やったぜっ!」
成実も軍勢を呼び寄せた。
空母6隻とイージス艦10隻の船団は圧巻だ。
俺はヘリコプターを呼び寄せた。
桟橋の向こうの発着所にヘリコプターが着陸した。
俺は民衆に向き直って声を張り上げた。
「よし、これから俺は空母という船にヘリコプターで飛び立って、そこから声を増幅させる機械で今晩のイベントについて告知するから待ってろよっ!」
「政宗様のイベントが続くぞーーー!!」
民衆の大盛り上がりを聞きながら、俺が先導して、遙と手を繋ぎながら、成実を除く全員でヘリコプターに乗った。
ヘリコプターは12人乗りだけあって広々だ。
すぐに目的の空母の上にホンダジェットと並べて着陸した。
空母の見晴台にある司令塔からマイクを持って来ると、全員を促して、また民衆の前に立って、マイクのスイッチを入れた。
「よしみんなーー!聞こえたらYeah!って叫べっ!」
「Yeah!!!」
空母からかなりの大音量で俺の声が響き渡る。
多分、5万人規模で聞こえているはずだ。
「ナイスコールだっ!早速今夜のイベントを告知するぜっ!天から授かった軍備の記念のイベントは夜七つスタートだっ!場所は汐留のでっかい空き地だ!あそこなら5万人規模でみんなが入れるな!俺達の特等席の後ろでみんなが見る感じだ。開場時間は半刻前だっ!丁度戌の刻頃だ!よし、イベント内容の告知だぜっ!イベントは芸術花火大会だっ!花火ってのは火薬を使って球を夜空に打ち上げて、それが空で弾けると、まるで光の花みたいに咲くのが花火だ。それを1万5千発打ち上げるから楽しみにしてろよっ!警備の伊達軍の指示に必ず従え。誰かを押したり絶対にすんな。誰かを傷付けたりしたら、無理矢理放り出すからなっ!絶対に押し合いすんなって俺に約束しろ。みんないいか!?俺の言う事が聞けるやつだけYeah!って答えろ」
「Yeah!!!」
先ほどのYeahよりも大きな声が聞こえて来た。
「よし、それでこそ江戸の民だぜ!みんな座るための敷物を用意しろ。今、俺が話してる感じで大音量で音楽かけて、それに合わせて夜空に花が咲くから楽しみにしてろよっ!多分江戸城辺りまで見えるから、汐留会場に入れなくても心配すんな!みんな仲良く花火見ろよ?じゃあ、俺からのイベントの告知はこれで終わりだ。俺達は軍備の確認をしたらこのまま江戸城に帰還する。船団を見てたかったらそのままいてくれていいぜ。帰りたいやつらは警備の伊達軍の指示に従え。瓦版の記者達はイベント告知の号外をすぐに作れ。じゃあ、みんなまたな!」
そこで、俺はマイクのスイッチを切った。
「よし、小十郎。このままホンダジェットを偵察してすぐに江戸城に帰還だな」
「かしこまりました。政宗様のご指示は全て心得ました。ほぼ全て政宗様が民衆にご指示下さったので、大変楽でございます」
「政宗様、俺も心得ました。汐留の空き地への誘導の伊達軍をすぐに手配致します」
「綱元、俺達の進軍用の花道を作っておけ。そうしたら、俺達はのんびり馬で会場入り出来る」
「かしこまりました。そのように手配致します」
「よし、みんな、ホンダジェットを見ようぜ!」
みんなの返事を聞いて、ホンダジェットの前まで行くと、俺は早速ホンダジェットの搭乗口を開けた。
搭乗口が開くと同時に、階段が現れて、俺が先に入り、続いて遙が入り、皆がホンダジェットの中に入った。
コックピットはなく、6人がけのテーブルは広い窓に面していて、反対側は窓がなくスクリーンが設置されていた。
3人ずつ向かい合わせに座る感じだ。
子供なら2人で大人1人分で座れる。
椅子は長椅子だからコンパクトだ。
俺達は歓声を上げて見惚れた。
スクリーンの下に中型の冷蔵庫と隣にロッカーがある。
食器を洗う小さな洗い場もある。
これは狭いながらも寛げるし、打ち合わせにぴったりだ。
寛ぎスペースの奥を確認すると、個室が続いていた。
個室の前の通路は狭いが、窓が広くて解放的だ。
まず一つ目の個室の扉をボタンを押して開けると、音もなくスライドして入り口が開いた。
シングルベッドと壁には大きなテレビが貼りついていて、その下に荷物を置く広い台の上に飲み物などが置ける奥行きが邪魔をしない程度のテーブルがある。
その奥には小さな個室と、ガラス張りのシャワールームがあった。
これなら解放感があってシャワーを気持ち良く浴びられる。
省スペース設計でシャワールームは70センチ位だけど、2人で浴びるのには十分だ。
ベッドの隣には大きな窓があり、窓をブラインドで塞ぐ事も出来る。
窓からは飛行機の大きな羽が見えた。
テレビを見ながらベッドで寛げるのも最高だ。
入り口付近に小さな洗面台と大きな鏡があった。
その隣にインターフォンに応える小さなモニターと空調のコントロールパネルがある。
ここで身支度が出来る。
シャワールームの隣の個室はトイレだった。
こんな装備が俺達の個室にもあると思うとわくわくする。
部屋とトイレは電気で明るく照らされる。
とても全員では入りきらないので、遙と2人で見た後は、みんな交代で個室に入って、また歓声を上げた。
「ここが小十郎の部屋だな」
「小さいながらもゆっくり寛げますね!驚きました!知ってはいたつもりですが、実物を見ると驚きでございます!これならば疲れを残さずに世界を移動出来ます」
「そうだな!後の2部屋を見て、後は荷物を入れる格納庫を見たら成実を待って撤収だな。今日はやる事が沢山だからな」
「かしこまりました」
「政宗、本当にすごいね!シャワールームがすごくオシャレだった!」
「ああ、そうだな、遙。後の2部屋で気に入った方を俺達の部屋にしようぜ。美紀、それでいいか?」
「うん、いいよ。多分、小十郎の隣の部屋が見晴らしいいと思うよ」
「Thanks!よし、じゃあ、小十郎の隣の部屋を見るぜっ!」
遙と2人で隣の部屋に入ると、先ほどよりは広く、ベッドは遙の部屋のセミダブルより少し広かった。
これならダブルサイズちょいくらい広さがある。
クイーンサイズくらいある。
赤子なら添い寝出来る広さだ。
後の装備は小十郎と全く同じだった。
窓からはまだ飛行機の羽が見える。
「ねぇ、政宗、ベッドに試し寝してみたいな」
「ああ、いいぜ」
遙とベッドに転がるとスプリングが心地良くて、寝心地が最高だった。
空調も抜群で、最低限のベッドメイキングで済む。
2人で転がって、何度かキスを繰り返して満足した。
「寝心地、最高だな!」
「そうだね!政宗とゴロゴロしてる間にどこでも行けそう」
「ずっとラブラブな夜伽してるのもいいな」
「うん、そうだね」
「なぁ、遙、ホンダジェットで江戸城に帰還しようぜ。荷造りしたら、すぐに詰め込める」
「その方がいいね!二の丸の倉から色々取り出して荷造りして、すぐに詰め込もう」
「ああ、そうだな。じゃあ、小十郎達に見せてやるか」
俺達は個室を出て、小十郎達と交代してみんなが個室を確認すると、最後の個室を見た。
それは、小十郎の隣の個室と作りが全く同じだった。
ただし、障害物はなく見晴らしは先ほどの個室より良かった。
個室の外に出ると、まだ奥に余裕があるくらいだ。
願えば1人くらいは元服前の子供部屋の個室くらいは作れそうな感じだ。
コンパクト設計なのによく出来ている。
「政宗、私は小十郎の隣の部屋でいいよ。この部屋の方が見晴らしいいでしょう?」
「そうだな。それでいいぜ。狭いから、みんなテーブルの所に移動だ」
「はっ!」
俺達はテーブルの所に戻り、みんなで長椅子に座った。
「政宗様、これはすごいですね!この綱元、大変驚きました!これならば、政宗様もごゆっくりと休みながら世界を旅出来ますね!」
「ああ、俺も驚いたぜ!思ってたよりも飛行機の外観が大きかったが、二の丸に3機下ろしてもだだっ広い空き地が果てしなく広がってるから余裕だな」
「この小十郎も感動致しました!あのベッドならば身体の大きなこの小十郎でもゆっくりと休めます。政宗様のご命令通りの指揮がいつでも執れます」
「頼りにしてるぜっ!結構部屋にも荷物置けるし、遙の世界の洋装の方が荷物がかさばらなくていいかもな。二の丸の倉で荷造りしたいから、ヘリコプターで帰還するのは止めてホンダジェットで江戸城に帰還する。成実にLINE通話をして、あいつにもホンダジェットで帰るよう言付ける」
「この小十郎もその方が良いと存じます」
「わあい、政宗、ホンダジェット楽しみ!」
「私も私も!」
「遙も美紀もそんなに喜んでくれて嬉しいぜ!じゃあ、今から成実に言付けるぜ」
俺は成実にLINE通話をかけた。
成実はすぐに通話に出た。
「梵!ホンダジェット、マジですげぇ!何か、2人きりの小さな飛行機だと思ってたら、個室が3部屋もあってさ!シングルが1つとダブルが2つだ!子供部屋に使えるぜっ!寛ぎスペースも6人仕様だ」
「マジか!?それは知らなかったぜ。俺の所も同じ構成だ。見に来る必要はねぇな。多分長曾我部も同じだな。分かった。お前、荷造りしたのを船まで運ぶの面倒だから、ホンダジェットで二の丸に帰還しようぜ。俺が先に着陸するから、ぶつからないようにお前が続いて着陸しろ」
「マジで!?俺、すぐにホンダジェットで飛びたい!」
「分かった。じゃあ、すぐにでも江戸城に帰還するぞ。iPhoneを操作しなきゃならねぇから、通話を切るぞ。俺が上空に飛んだら待機しててやるから、お前もそれを待って、上空に来い。司令のアプリに伝令用の機能があるだろ?それで俺と伝令しながら江戸城に帰還だ。俺もそれでお前に上空から伝令を入れる。いいな?」
「Okay!待ってるぜ、梵!」
俺はLINE通話を切った。
「政宗様、まさかこの綱元もホンダジェットに乗れるとは思わず、感激でございます!」
「ああ、お前を連れて来て本当に良かったぜ。じゃあ、成実が突っ走ると困るから、行くぞ!」
「はっ!」
「うん!」
俺は司令用のアプリを立ち上げて、ホンダジェットの操作を選び、発進させた。
ゆっくりと機体が上空に上がって行く。
窓から見える景色が圧巻だ。
みんなが歓声を上げながら窓の外に見惚れている。
揺れがほとんどなくて最高だ!
司令用のアプリはバックグラウンドで動かせるのも便利だ。
俺は十分上空に上がると成実に伝令を入れた。
「よし、成実、お前も上空に来い」
「やったぜ!」
約20秒後に成実からはしゃいだ伝令が入り、俺は目的地を江戸城二の丸に設定すると、ホンダジェットを江戸城に向かって飛ばした。
すごいスピードだ!
眼下に江戸の町が広がっている。
まだまだ開拓の余地がある。
「政宗、すごいね!すごく感動!」
「ああ、遙、俺も感動だ!」
みんなで盛り上がっていると2分も経たないうちに江戸城二の丸に着いた。
倉もそこそこ大きいし、無限大に色々手に入るなら丁度いい大きさだ。
俺は倉の前にゆっくりとホンダジェットを下ろして、成実にも隣にホンダジェットを下ろすように伝令を入れた。
成実から着陸したとの伝令が入ったので、俺達は外に出た。
興奮した成実が駆け寄って来た。
「梵!空を飛ぶのって最高だな!揺れはねぇし、あれならゆっくり寛げるぜっ!」
「ああ、そうだな!今から倉の確認だっ!」
「超楽しみだぜっ!」
俺達は倉の扉に前に立った。
綱元は花火の指揮を執るために伝令を飛ばしに行った。
後で、夕餉の部屋で合流だ。
電子鍵の倉の鍵を解除すると、中は楽器屋とアパレルショップのハイブリッドみたいな感じの内装になっていて、驚いてみんなで声を上げた。
思っていたより、オシャレでハイセンスだ。
超俺好みの倉だ!
まだ何か願えるように、ガラス張りの空きブースすらあった。
まるで高級デパートのハイブランドコーナーだ。
倉には旅行用の大きなトランクが各種大きさでいくつもあった。
全部ヴィトンだった。
最大のトランクは小さな座卓ほどの大きさがある。
それが、4組以上ずつある。
野郎共に運ばせたら余裕だ。
俺達でも運べる。
所狭しとかけられた服はオールシーズンで、俺が決めたウェディングドレスもマリーアントワネット風のドレスもイブニングドレスも40着くらいある。
王の衣装も、マントが豪奢でどちらかと言うと近衛兵の軍服に近くて、17世紀の貴族の衣装よりも断然センスがいい!
しかもそれが色々なバリエーションで30着はある。
イスラム圏の王族の衣装まであるし、ハイセンスだ。
是非これを片っ端から着たい!
小十郎用の側近用の衣装も各国分揃っていた。
マントがないだけで、デザイン的には俺とあまり変わらない。
少し控えめな程度だし、サイズで明らかに小十郎用だと分かる。
俺達は歓声を上げながら、色々な服に見惚れた。
ちゃんとドルガバもアルマーニもダンヒルもエトロもある。
メンズもレディースもだ。
小十郎はダンヒルやエトロの方が似合う。
遙の好きだったニコルもある。
猿飛ならアルマーニを好みそうだ。
俺と猿飛は体格が変わらないから、全然共有出来る。
美紀はフェラガモとシャネルが気に入ったようだった。
遙の大好きなnaotoもマックイーンも全ラインナップが揃っている。
ジーンズはディーゼルだ。
十二単の下に履かせる予定の足首までの長さの袴も色々あった。
袴なら、技術が対応出来たという事か。
着物に合わせた草履も男女で色々ある。
十二単や直衣にも合いそうだ。
靴も小物もハイブランドの物が勢ぞろいだ。
エルメス、シャネル、ヴィトン、フェラガモに始まるハイブランドが勢ぞろいだ。
ロードキャメロット、ブラッディマリー、クロムハーツもある。
後は十二単さえ用意すれば良いし、そろそろ江戸に着く。
直衣はみんな何着も持っている。
奥の分かれたブースは、それぞれメンズとレディースの下着と水着コーナーだった。
広い試着室もいくつもある。
もちろん旅行グッズも勢ぞろいしていた。
武器のコーナーもある。
楽器はスタンドに立てられ、所狭しと並び、周辺機器やバンドスコアやオーケストラの楽譜まで勢ぞろいしていた。
バンドを組むのには十分な品揃えだ。
アンプなどの音響機器も充実している。
ポータブルの巨大スクリーンもあった。
これでお膳立ては完璧だ。
「すげぇな、梵!これだけあったら、全然困らないぜ!むしろ悩む」
「お前はドラムセット積まなきゃならねぇだろ?それなりにスペース考えて荷造りしろ。俺もアンプとスクリーン積まなきゃならねぇから荷造りをよく考える」
「えっ!?俺達、外国でライブすんの!?」
「お前、新大陸でライブするって聞かなかったか?」
「そういえば聞いたな」
「ライブについては、後でまたゆっくり話してやる。正直、本格的な荷造りは明日以降の方がいいな。今日は打ち合わせしたい事が山ほどあるし、花火大会もあるからな!」
「わぁ、政宗、naotoとマックイーン着たいなぁ!」
「遙、分かってる。明日以降ゆっくり選ぼうぜ。お前ぇら、今日は時間がねぇから、ホンダジェットの荷物格納庫の規模を確認したら引き上げだ!」
「うん!」
「はっ!」
「Okay!」
俺達は倉の外に出て、鍵をかけると、ホンダジェットの荷物格納庫を確認した。
燃料タンク以外の場所は、機体の床の下が全部荷物格納庫になっていてかなり荷物が詰める。
ヴィトンのトランクに詰め込んだら、余裕で今回の旅分は荷物が入るし、バンドの機材も入る。
俺は安心して、荷物格納庫のドアをロックすると、みんなを促してわいわいと盛り上がりながら、二の丸に近い城の入り口へと向かった。
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