隅田川芸術花火大会

大急ぎで城を出ると、俺達はお銀を横抱きにした長曾我部の速さに合わせて、そこそこの速さで馬で爆走しながら汐留会場に向かった。
千雄丸は美紀が抱いてるから、そこそこのスピードが出る。
でも、汐留と銀座は目と鼻の先だし、警備の伊達軍がしっかり道を封鎖していたので、なるべく馬を飛ばしたら、汐留会場には10分もかからないで着いた。

会場は適度な通路が設けられながら、人で埋め尽くされていて、広い花道があったので、そこをなるべく急いで進軍すると、一番奥の広く隔離された特等席前に着き、俺達は馬を降りた。
すぐに兵士達が馬を回収して会場の端に繋いだ。
特等席の後ろは伊達軍の野郎共の席になっていて、その後ろに民衆が敷物の上に肩を寄せ合って座っている。
会場には危なくないようにライトまで設置されている。

会場両脇に巨大スピーカーがあり、特等席にはマイクとマイクスタンドと何かのコントローラーが座布団の前の敷物の上にあった。
拾い上げて見ると、花火のスタートボタンのコントローラーだった。
俺はみんなに指示して、座布団の上に座らせた。
話しながら見えるように、半円に座布団が敷かれていた。
時計を見ると、開始まであと30分だった。
間に合って良かった。
これならまだ時間に余裕がある。

「遙、とりあえず、冷えた缶入りのカクテルと灰皿を出せ。成実の分もタバコとライターを出してやれ。一杯やってから花火を見てぇな」
「わぁ、それいいね!」

遙はいそいそと色々な種類のカクテルを人数よりも多く取り出し、タバコとライターを成実に手渡した。
俺と遙の間にタバコとライターを置き、3人分灰皿を置いた。

カクテルの中にはマ・シェリまであって、俺は本当に驚いた。
遙はマ・シェリをきちんと2つ取り出していた。
後はブルーハワイがある。
俺と遙専用なのが明らかだ。
後は一般的なカクテルだ。
きちんと複数個ある。
美紀以外のみんなが物珍しそうに眺める。

「わぁ、遙、流石!私はソルティードッグがいいな!みんな、これは中身はお酒だよ!マ・シェリは遙と政宗専用だから、それ以外を適当に取って!」
「美紀ちゃん、マジで!?おススメとかある?」
「スクリュードライバーとか美味しいよ?」
「じゃあ、俺、それにする!」
「なぁ、美紀!俺もおススメが知りてぇな!」
「元親は果物では何が好き?」
「そうだな、蜜柑だな!」
「じゃあ、元親もスクリュードライバーだね!オレンジベースだから。小十郎と綱元と焔は?」
「俺と小十郎は強い酒だな」
「ああ、そうだな」
「美紀様、俺は何でも構いません」
「じゃあ、小十郎と綱元はマティーニか神風だな。焔はせっかくだからロングアイランドアイスティーにしたら?美味しくて飲みやすいけど割と度数高くてきちんと酔える。紅茶みたいな味がする。日本酒と度数が同じくらいだよ」
「では、俺はそれに致します」
「お銀は授乳期だから、弱い方がいいから、ソルティードッグにしなよ」
「ありがとうございます」
「政宗の部下もロングアイランドアイスティーにしなよ」
「ありがてぇッス!」

美紀の仕切りであっという間に配分が決まって、みんなが缶を手に取った。

「じゃあ、みんな、乾杯だ。今日は色々な事が決まったからな!お祝いの乾杯だぜ!缶の上のプルタブを開ければ飲み口になる。乾杯!」
「乾杯!!」

みんなが一斉にプルタブを開けて、カクテルを飲み始めた。
全員が美味しい!美味い!と唱和して盛り上がった。

「遙、俺、マ・シェリは初めてだぜ!これ美味いな!」
「ふふっ、私もマ・シェリは7年振りだな。懐かしい味がするよ」
「美紀ちゃんのおススメ、めっちゃ美味しい!俺、色々飲みたい!」
「成実、後で色々出してあげるよ。それに、政宗が日比谷公園の前に建築する帝国ホテルにはバーっていう酒場があるから、そこでいくらでもカクテルは飲めるよ?」
「マジで!?」
「遙、俺、それは聞いてねぇぞ!?絶対に帝国ホテルはすぐに作って、そこでお前とカクテルデートをする!カクテルでまたお前を口説いてやる!」
「何だよ、独眼竜、楽しそうじゃねぇか!俺もお銀を口説きてぇから、俺も呼べよ」
「だったら俺も登勢と行く!ディズニーだって登勢が治ったら絶対に行くからな!」
「成実、俺もお銀と息子と絶対にディズニーは行きてぇな!お銀も行きたがってる」
「ふふっ、みんなで行こう?小十郎もきっと気に入るよ?何せ、マイケルジャクソンのキャプテンEOって3Dの映画施設があるから。マイケルジャクソンの歌とダンスが立体的に見えるよ?小十郎、マイケルジャクソン気に入ってたでしょう?」
「遙様、誠でございますか!?この小十郎、是非ディズニーランドでマイケルジャクソンを見たいと存じます!」

それを聞いた美紀が最高潮にノリノリになった。

「わぁい、小十郎が乗り気で嬉しいな!キャプテンEOはね、心を閉ざして鉄の鞭を使って圧政を敷いてる化け物みたいな女王の所に、マイケルジャクソン扮するキャプテンEOが乗り込んで、ノリノリな愛の歌とダンスで氷のような女王の心を溶かして、キャプテンEOのパワーで最後は悪魔みたいな女王が綺麗な女王に生まれ変わって、エンディングはみんなで踊って熱唱する、歌とダンスのストーリーだよ!宇宙の星が舞台の話だよ。歌とダンスで平和にする宇宙平和の壮大なストーリー!」
「何だと、美紀!?宇宙平和だと!?俺は絶対にキャプテンEOを何度でも見る!」
「小十郎、お前、良かったな!俺もキャプテンEOが見てぇな!一緒に見ようぜ!政宗様、是非ロンドン出陣前にみなでディズニーランドへ参りましょう」
「ああ、綱元、そうだな。お前と遊べる機会はなかなかねぇから、ディズニーランドとディズニーシーは出陣前に2日連続で行くか!明日は信玄が来るから、明後日から2日連続が妥当だな。アンバサダーとミラコスタに泊まって二泊三日だ!」
「何だよ、独眼竜!伊達だけで盛り上がるんじゃねぇよ!俺だってお銀とお前ぇらと盛り上がりてぇ!野郎共を先に出発させてディズニーに行ってから出陣してぇ!」
「だったら、そうしろよ。別に先鋒部隊の空母が着いてたら俺は何の文句もねぇし、ギリギリまで遊んで給油のための空母に着陸すればいいだけだろ?ハリアーで江戸と名古屋を行き来して、野郎共の指揮を執ればいいじゃねぇか。ハリアーならロンドンまで3時間ちょいだろ?お前のホンダジェットを江戸城に呼び寄せれば、俺の倉で全部荷造り出来るし、足りねぇ物だけ野郎共にハリアーで運ばせたらいいだろ?そもそもボストンバッグがあるなら何も困らねぇはずだ。足りなかったら息子の着替えも願ってやる。そもそも江戸屋敷にほとんど荷物があるだろ?貨幣鋳造だって、江戸にまた拠点はいつでも移せるし、綱元が全部指揮を執る。息子の着替えだって江戸屋敷にあるだろ?何ならお前専用の引きこもり部屋も本丸大奥の俺の部屋のそばに願ってやるから、ギリギリまで一緒に遊ぼうぜ?最初の海外での食料補給は最短で5日後の見込みだろ?ホンダジェットに千両箱を何個も積んでけば足りるし、俺もそうする。江戸城のを使えばいいだけだ。俺は別に痛くも痒くもねぇ。長曾我部領内の港の荷積みと野郎共の乗船の指揮は浅井長政にやらせればいいだろ?美紀と遙が浅井の五本槍の戦隊ショーを見たがってるから、その時だけハリアーで観に行けばいいだけだ。そんなのディズニーの後でいい。5日後か6日後で十分だ。だから、荷積み開始は5日後以降に手配すれば良いだけじゃねぇか。そうしたら、船団はすぐに出発出来るし、そもそも江戸湾にお前の船団に野郎共を乗せておいて、浅井の分以外全部呼び寄せれば、俺の指揮で江戸から北で、荷積みは開始出来るから、一斉に出陣出来る。そうしたら、ホンダジェットの給油の事を考えると、先鋒の空母の出陣から5日後に船がいる所で食料調達させて沖で待機させてたら、あらかじめホンダジェットさえその空母に積んでたら、ハリアーで一気にお前はその空母まで飛べるだろ?それくらいの燃料は持つ。何しろマッハ2で飛ぶから、かかっても2時間だ。つまり、俺と最低10日間は江戸で遊べるって事だ。何なら浅井の戦隊ショーの後にそのまま大阪のUSJに行って、2日連続で遊んでも余裕がある。全部ハリアーで移動すれば良い。大阪城に泊まればいいだろ?ボストンバッグさえあればどうとでもなる。俺は遙とホンダジェットに乗りてぇから、ホンダジェットで俺の空母まで行くけどな。そこで一回給油してロンドンまで飛ぶ。浅井との打ち合わせは全部FaceTimeですれば、守りの布陣も野郎共の乗船の司令も全部江戸で出来る。乗船にどれくらい時間がかかるか分からねぇから、船団の出発はそれ次第だな。黒脛組の医師団もお前の空母に江戸で乗せられる。後は好きなだけ一緒に遊んでから、船団の出陣を決めればいいじゃねぇか。何ならベスもハリアーで江戸に来れば俺達と遊べる。ロンドンから江戸城まで3時間ちょいだからな。これでどうだ?」
「はぁ…。一瞬でそこまで思い付くって、やっぱ独眼竜って超頭いいな!お前ぇの言う通りだぜ。だったら、各城の野郎共のリーダーにiPhoneを願ってくれよ。FaceTimeで言付けやすい。それなら安心して江戸にいながら指揮を執れる。今のうちにホンダジェットを二の丸に呼び寄せる。あそこ、めちゃめちゃ広いからな!」
「ああ、是非そうしろ。多分、45分くらいで二の丸に着くぜ。願うのはお前の司令官の分だけにするぜ?それなら海外の食料調達の指揮もFaceTimeで執れるじゃねぇか」
「流石だぜ!それで十分だ。じゃあ、ホンダジェットを今から江戸城二の丸に呼ぶ。独眼竜と遊べるの、超嬉しいぜっ!」

俺はiPhoneを願い、ついでに長曾我部とお銀の音感を願った。
長曾我部はiPhoneのアプリでホンダジェットを二の丸に呼び寄せた。
そのまま話しながらしばらくゆっくり飲んで、ふと時計を見ると、そろそろ時間だった。
あと3分だ。
俺は慌てて立ち上がり、マイクスタンドにマイクをセットして民衆に号令をかけた。

「みんな、お待ちかねの時間だぜっ!あと少しでイベント開始だっ!いきなり大音量で音楽が流れて花火が打ち上げられるから、楽しみにしてろよっ!」
「政宗様ーーー!!!」

俺の声が両側の巨体スピーカーから鳴り響いた。
これで音楽が流れると思うとわくわくする。

「じゃあ、そのまま待ってろ!」
「政宗様ーーー!!!」

俺は時間がないのですぐに切り上げた。
少しカクテルを飲んで時計を見ると、あと1分ほどでスタートだ。

「あと1分しかねぇから、俺はこのままタイミングを計る。お前ぇらも心の準備をしろ」

みんなは力強く返事をし、固唾を飲んで花火が始まるのを待った。
そして、iPhoneの時計で確認しながら、夜七つの鐘の音の後、8時ぴったりに俺はコントローラーのスイッチを押した。
途端にライトが弱くなって、何とか物が見える程度に薄暗くなり、音楽が大音量で流れ始めて、一気にテンションが上がった。
一曲目のBreakthruだ!
コーラスが終わって歌が始まってすぐに水平線ギリギリにアーチ状の花火が上がって、全員で歓声を上げた。
すげぇ、いい演出だ!
すぐに花火がゆっくりと夜空高く打ち上がり、弾けて大輪の花火が咲いた。
思わずまた歓声を上げた。

ゆっくりとカクテルを飲みながら花火を見るのはいい気分だ。
遙もカクテルを嬉しそうに飲みながら、花火を見ている。
特等席で遙と花火を見られるなんて夢みたいだ。
俺は遙の肩を抱き寄せて花火を見た。
とても幸せでたまらない。
こんなスケールのデカい花火を、遙と楽しめる日が来るなんて思いもしなかった。
本当に天下を取って良かった。

「政宗、綺麗!!」
「ああ、そうだな!動画なんか比べもんにならねぇな!2回お前とは花火を見たが、これは桁が違うな!すげぇ!」
「そうだね!」

後ろから民衆と野郎共の大歓声が聞こえてきて、最高に気分がいい!
大輪の花火が上がる度に盛り上がる。
ハイテンションの歌が盛り上がるにつれ、打ち上がる花火の数が増えて、眼前に広く広がる夜空のキャンパスを彩る大輪のたくさんの花だ!
俺達も最高潮に盛り上がり、縦ノリしながら歓声が止まらない。
手を叩く暇もないほどに次々と音楽に合わせた演出の花火が打ち上がり、ただただ、縦ノリしながら酒を飲み、声を上げた。
後半のギターソロでは、水面近くの広い範囲で縦に斜めにギターの旋律に合わせて次々に花火が打ち上がり、大興奮した。
こんなの見た事ねぇ!

「やべぇ!!」
「ヒューヒュー!」

遙もみんなも最高潮にノリノリだ!
そこからのラストスパートはヤバい。
水面上に夜空に数えきれないほどの花火が打ち上がり、視線を夜空の真ん中に固定していないと見逃してしまいそうなほどに、視界が花火で埋め尽くされた。
そして、最後のbreakthruというコーラスで水面上に花火が打ち上がり、Breakthruは終わった。
背後から拍手喝采が聞こえて来る。

俺はタバコに火を点けた。
遙も成実もタバコを吸い出した。

「政宗、すごかったね!まさかこんなに視界ギリギリに花火が打ち上がるなんて思わなかった!」
「ああ、そうだな!これはくせになるぜ!何度でもやりてぇ!」

小十郎達とすごいすごいとみんなで盛り上がり、酒をぐいぐい飲んでいると、空になって、次のブルーハワイの蓋を開けた。
遙もカクテルを飲み終わり、次々とカクテルを敷物の上に並べて、ブルーハワイを飲み始めた。
そして、次のI want it allが始まった。
I want it allはオープニングからの演出が先ほどよりは派手ではなかったので、飲みながら歌う余裕があった。
遙も隣で歌っているし、成実も俺の隣で歌っている。

「政宗のクイーンもカッコいいね!似合うよ?」
「そうか?クイーンもノレていいな!気に入ったぜ」
「梵、俺もクイーン気に入った!これはテンポ遅いけどパンチ効いてるな!」
「ああ、そうだな!」
「独眼竜、花火って最高だな!クイーン、最高にいいぜ!」
「長曾我部にはもっといい音楽聞かせてやる。江戸城に帰ったらな」
「楽しみだぜっ!」

みんなは思い思いにカクテルを飲んで、空にするとまた新しいカクテルを手に取り飲み始めた。

「遙様、どれも美味しい酒でございますね。いくらでも飲めます」
「ふふっ、小十郎もバーに一緒に行こうね!」
「是非、お供させて下さいませ」
「小十郎、俺も嫁を連れて行って口説く」
「ふふっ、綱元もおいでよ」
「あー、私、お酒強かったら佐助と行くけど、私は絡み酒だからなー」
「ノンアルコールカクテルにしたら?たまに度数の低いカクテルを挟めばいいんだよ。美紀もおいでよ」
「それもそうか。じゃあ、そうする」
「遙、そろそろ飲み終わるから、セックスオンザビーチを出せ。俺は飲んだ事がねぇ」
「はぁ、政宗、またよりによってそんな名前のカクテルを頼むの?」
「それともオーガズムの方がいいか?それも俺は飲んだ事がねぇからな。ビトゥインザシーツも出せ。お前は全部飲んだだろう?」
「何だよ、梵!そんなんがあるのか!?俺、全部飲みたい!遙ちゃん、出してくれよっ!」
「独眼竜、随分、刺激的な名前だな。俺も興味が出て来た。飲んでみてぇな」
「政宗様、俺もお願い致します!」
「綱元もノリがいいな。よし、遙、みんなのリクエストに答えろ」
「はぁ、仕方ないな。多数決で私の負けだ。私も懐かしいから飲む。ビトゥインザシーツは小十郎向けだから、小十郎の分も出す。焔もせっかくだから全部飲んでみなよ、お酒強そうだから。言われる前にキスインザダークも出しておくか。後は度数の高いのばかり小十郎向けに出す。美紀とお銀は弱いやつで。政宗の部下はそこそこ強めのにしておくよ」
「よく分かってんじゃねぇか。それでこそ俺の女だ!」

遙は溜息を吐きながら、6組のセックスオンザビーチとオーガズムとビトゥインザシーツとキスインザダークと小十郎達の分をバッグからごっそりと出した。
焔は美紀とお銀と爆笑をしていた。
俺の部下は顔が真っ赤になった。
野郎共の宴会の話題にぴったりだ!
俺は缶を飲み干して、セックスオンザビーチを飲み始めた。
なかなか美味い!
甘いのは好きじゃねぇが、酒なら飲める。
パイナップルの味が懐かしい。
最高の気分だ!

そんなやり取りをしているうちに花火が盛り上がって来て、俺はまた飲みながら見惚れた。
遙の肩を抱き寄せて、歌う。
中盤のギターの速弾きの所からまた視界が花火で埋め尽くされて、俺達は歓声を上げた。
最後のサビからのラストスパートは更に盛り上がって、歌う事すら出来なくなった。
歌の終わりにはまた視界全体が煌びやかな花火で埋め尽くされて、猛烈に感動してより一層大きな歓声が上がった。

「cool!!」
「わぁ!政宗、すごかったね!」

みんなでまたわいわいと盛り上がりながら、酒を飲む。
こんな花火大会なら、色んなアーティストで焔に作らせたい。
火薬の大量生産だ!

「よし、焔、お前は色んなアーティストで芸術花火大会を作れ」
「ええ、仰せのままに。忍隊のみなで案を出し合って最良の演出を致しましょう」
「やったぜ!Thanks!」
「わぁ!楽しみだなー!好きなアーティスト、たくさんいるから!」
「政宗様と遙様のお望みのアーティストで構成致しましょう」
「わあ、ありがとう!」

遙がずらずらとメタルアーティストを並べ出して笑ってしまった。
そんなハイスピードじゃ、1万5千発じゃ全然足りねぇ。
5万発は必要だ!
焔も笑っている。

笑いながら酒を飲んでいるうちに、次のSomebody to loveが始まった。
出だしから遙と美紀がノリノリになって歌っている。
どうやらクイーンの代表曲らしい。
俺ももう完コピしていたから、ノリノリになって歌った。
伊達三傑も焔も歌って、伊達陣営大合唱だ!
長曾我部もお銀も加わって、最高の気分になる。
歌いながら、視界が花火で埋め尽くされる度に、みんなでヒューヒューと歓声を上げる。
楽しくてたまらない。
最後まで酒を飲む事もなく歌いきって、最高の気分になった。

「やべぇ!楽しかったな!」
「独眼竜、俺も歌うの超楽しかったぜ!お銀も超ノリノリだったしな!」
「まさか政宗、フレディを完璧に完コピすると思わなかった!この曲、すごく難しいのに。かっこよかった!」
「クッ、また次のも歌ってやる」
「うん、楽しみ!」

それから、次の曲が始まるまで、俺はみんなが盛り上がるのを聞きながら、セックスオンザビーチを飲み干して、オーガズムを飲み始めた。
甘いがいい香りがするので飲める。
絶対にカクテルデートは必要だ。
遙ともっと色んなカクテルが飲みたい。
遙もピッチを上げて飲み干すと、次の缶の蓋を開けて飲み始めた。

そう経たないうちに次のRadio gagaが始まった。
オープニングからアップテンポで盛り上がる曲に合わせて、派手な花火がキラキラと水面から噴水のように次々と上がる。
俺達は一斉に歓声を上げた。
その後、歌いながらもしばらく花火の盛り上がりに欠けたので、俺はカクテルを置き、遙の肩を抱き寄せて、キスをしながら、その合間に花火を眺めた。

「もう、政宗、部屋まで待てば?」
「待てねぇな。花火を眺めながらのキスも7年ぶりだろ?好きにさせてもらうぜ」

俺は、花火を眺めては、遙にキスを繰り返した。
唇を離した瞬間に、視界の隅で綺麗な花火が弾けるのがとても綺麗で、幸せでたまらない。
ほぼ1曲丸々、キスをしては横目で花火を眺めて満足して顔を離した。
ちらりとみんなを見遣ると部下は真っ赤で、他は全員くすくすと笑っていた。
遙は照れ隠しにカクテルをぐいぐいと飲み始めた。
俺も笑いながらカクテルを飲んだ。

「梵、お前、本当にラブラブだな!」
「ああ、そうだぜ?こうして遙とキスしながら特等席で花火が見られるなんて、最高の気分だぜ!毎月やりたいぜ!」

俺がそう言うと、みんなは爆笑して、遙は更に1缶空けた。
笑っているうちに、次のHammer to allが始まった。

ノリがいい曲にノリノリになって歌いながら、カクテルを飲み干し、次のビトゥインザシーツを飲み始めた。
なかなか強い酒で、俺はゆっくり飲みながら、歌った。
水面から、花火が吹き上がる度に、みんなで歓声を上げる。
俺はラストまで歌い切って、最高にノリノリになった。

「遙、この曲ノレるな!楽しいな!」
「そうだね!政宗、かっこよかったよ!次のWe are the championsが楽しみだな!」
「ああ、そうだな!みんなで歌おうぜ!」

俺がゆっくり、缶の半分くらいまで飲んだ所で、次のWe are the championsが始まった。

次の、We are the championsが始まった瞬間、遙と美紀はノリノリで大合唱をした。
俺もこの曲は気に入ったから、すぐにノリノリで歌い出した。
成実も小十郎達も歌っている。
大合唱が気持ち良くて仕方ない。
サビの前の盛り上がりの水面からの花火の噴射が、たまらなく盛り上がってヒューヒュー言いながら、またサビを歌ってラストまで歌い切った。

「やっべぇ、名曲だぜ!次はI was born to love youだろ?盛り上がるな!」
「独眼竜、俺もテンションやべぇ!次も歌うぜっ!」
「梵、俺も超ノリノリでやべぇ!」

遙と美紀はくすくすと笑っている。
俺はとりあえず、残った酒を消費するために、また少しずつビトゥインザシーツを飲んだ。
あまりピッチを上げられない度数ながらも、何とか飲み切った所で、次のI was born to love youが始まった。

もう完コピしたこの曲は、俺の超お気に入りだ。
正に、俺の遙への気持ちそのものだ。
初めから、最大限の気持ちを込めて歌う。
長曾我部も気に入ったのか、大熱唱で、特等席が大合唱だ!
大輪の花火が咲き乱れる度にヒューヒュー言いながら、またすぐに続きを歌う。
もう、飲んでる暇なんて全然ないし、ほろ酔いで最高にいい気分だ!
そのままラストまでみんなで歌い切って、ヒューヒュー言った。

「盛り上がったぜ!最高にcoolだったぜ!」
「梵、俺も最高の気分!」
「政宗、私も最高に幸せ!政宗に歌って欲しかったから」
「そうか、良かったな!俺もお前に歌ってやれて嬉しいぜ」
「独眼竜、俺もお銀に歌ってやれて超嬉しいぜ!」
「元親様っ!最高でございました!銀はとても嬉しいです!」
「次のBohemian rhapsodyも大好きなんだ!またみんなで大合唱したいな!」
「遙様が、喜ばれるのであれば、この小十郎も大合唱致しますので、ご安心を!」
「遙様、この綱元もお供致します!」
「みんな超ノリノリで、私、超嬉しい!」

わいわいと盛り上がっていると、すぐに次のBohemian rhapsodyが始まった。
歌が盛り上がるにつれ、花火の数が増えていく。
ギターソロでは無数の花火が水面からも吹き上がり、夜空いっぱいに花火が咲き、またヒューヒュー言って、歌い始めて、歌に合わせて花火が咲き乱れる度に、鳥肌が立った。
視界いっぱいに咲く花火からまた目を離せなくなって、そのままラストまで全力で歌い切って、俺は感動のあまり、また遙を抱き寄せてキスをした。

「今日、一番の、最高の花火だったな、遙!」
「うん!こんなすごい花火があるなんて、知らなかった!政宗と歌いながら見られて幸せ。政宗、愛してる」
「俺もお前を愛してるぜ?あと2曲だな。あっという間だぜ。また芸術花火大会、やろうな?」
「うん!」

またそのままキスを夢中になって交わしていると、次のThe show must go onが始まった。
花火を見ながら遙を抱き寄せ歌っていたが、途中からすぐに歌う余裕がなくなるほどに花火が打ち上げられ、また鳥肌が立った。
遙を抱き寄せながら、視界を埋め尽くす花火にまた見惚れ、最後まで花火を見つめていた。

「すげぇ花火だったな…。次でラストか…」
「そうだね…。何か寂しいね」
「また芸術花火大会やってやるから心配すんな。おい、お前ぇら、封を切ったカクテルは今のうちに飲み干せよ?」

みんなは返事をして、飲みかけのカクテルを飲み始めた。
俺と遙は飲み終わっていたので、またラストの曲が始まるまで、ずっとキスをしていた。

やがて、ラストのToo much love will kill youが始まった。
盛り上がりながらも、どこか切ない旋律がラストに相応しい曲だ。
ラストだから、最初からみな大合唱だ。
大きな大輪の花火が、ゆっくり何度も打ち上げられる。
今までにない、大きな花火だ。
最後まで特別な演出はもうなく、とにかく今日一番の大きな花火がゆっくりと何度も打ち上げられて、夜空を見上げながら、俺達はラストまで大合唱して、芸術花火大会は終了した。

「遙、すごい花火大会だったな!またエリザベスと観れるから楽しみにしてろ。俺は撤退の指揮を執る」
「うん!」

拍手が鳴りやまない。

「綱元、撤収の指揮だ。おいっ、お前は俺達の馬を連れて来い。残りの酒はお前に全部やる。転がった空き缶の片付けも後で頼むぜ?」
「任せて下さい、筆頭!ありがてぇッス!」
「俺は、今から民衆に号令をかける」
「はっ!」

俺は立ち上がり、コントローラのボタンを押すと、会場が明るくなった。
マイクのスイッチを入れて、民衆に号令をかける。

「みんな、花火は楽しんだかーー!?」
「Yeahーー!!!」
「流石は江戸の民だぜっ!!また花火大会するから楽しみにしてろよ?今夜の花火大会はこれで終わりだ。観客の数が多いから、一斉に帰ると危ねぇからな。必ず警備の伊達軍の指示に従って、規制退場だ。みんな順番に安全に帰らせてやるから、必ず伊達軍の指示に従え。もし、押し合ったり、怪我人でも出たら、二度と花火大会してやんねぇからな。言うことが聞けるなら、Yeah!って叫べ!」
「Yeahーー!!!」
「よし、じゃあ、まず、俺達が撤収するからな!!またみんなに会える日を楽しみしてるからな!!じゃあな!!」
「政宗様ーーー!!!」

民衆がおとなしく座っているのを確認して、俺はマイクを切った。

「小十郎、このまま江戸城に引き上げだ。お前が俺達の撤退の指揮を執れ。二の丸の倉が目的地だ」
「かしこまりました。では、馬も連れて来られましたので、この小十郎が先導致します」

小十郎の指示で、長曾我部とお銀が馬に乗り、美紀が千雄丸を抱き、それを成実が後ろから抱き締め、俺達も馬に乗ると、民衆が早く帰れるように、また馬を爆走させて、江戸城二の丸に帰還した。

⇒Next Chapter


YouTubeでクイーン大阪湾芸術花火大会でお調べ下さい
prev next
しおりを挟む
top