引きこもり部屋 act. 2

風呂場への廊下にくノ一がやって来て、跪いて控えた。

「どうした?」
「恐れながら、政宗様に申し上げます。ただ今、風呂の仕度中にてお見苦しく、いまだお見せする訳には行かなく、今しばらくお待ち頂きたいと存じ奉ります」
「なるほどな、お前ぇらの仕事の邪魔をする訳には行かねぇからな。後でゆっくり休む時にでも、望みの物を綱元に申しつけろ。お前ぇらは本当によくやってくれてるからな。後、何分くらい待てばいい?」
「あと15分から20分で仕度が整います」
「分かった。じゃあ、その時、俺を呼びに来い」
「かしこまりました」

俺は隣のエリザベスを見遣った。

「悪ぃな。仕度がまだ整わなかった」
「いいわよ。貴方の部屋に行きましょう」
「Okay、ついて来い」

俺はここからそう離れてはいない、引きこもり部屋に向かって、入って行った。
部屋に入ると、猿飛も美紀もいた。
猿飛は大興奮していた。

「政宗様っ!!俺、引きこもり部屋に超感動っ!!ドイツのお城みたいで、感激しちゃった!!岩風呂も最高でさ!!超嬉しい!!政宗様、ありがとね!!」
「気に入ってくれて、嬉しいぜ。さあ、ベス、ここが俺と遙の引きこもり部屋だ」
「あら、素敵じゃない。落ち着くわね。私は貴方の襖の寝室の方が好きだけど、これも素敵ね」
「お前、そんなにあの襖、気に入ったか?俺と同じ引きこもり部屋を作ったんだが、俺の寝所をベースに作り直してやろうか?」
「えっ!?そんな事が出来るの!?その方がいいわ!!貴方の寝室みたいな、お部屋が欲しいわ!」
「だったら、簡単だな。あれより広めに作ってやるよ。とりあえず、ソファに座るか。紫苑、待たせて悪かったな。後で褒美について話すから、今日は下がっていいぞ」
「政宗様、ありがとうございます。では、失礼致します」

紫苑が下がって行き、俺の隣を遙とエリザベスが挟んで座る形で、俺を中心に8人でソファに座った。

「おいっ、8人分コーヒーだ」
「かしこまりました」

すぐにくノ一達がコーヒーを淹れ始めた。

「美紀にも元親にも会えて嬉しいわ。これからたくさん遊びましょうね!」
「Yes, your majesty!私もエリザベスに会えて、超嬉しい!」
「俺もエリザベスに会えて超嬉しいぜ!俺の隣が嫁のお銀だ」
「初めまして、エリザベス様。元親様の嫁の銀でございます」
「あら!とても綺麗な人ね!よろしくね!」

俺は、みなが、わいわいと盛り上がってる間に、俺はタバコを吸いながら、エリザベスの部屋の設計をした。

まずは、廊下側を木の壁にして、スイッチを配置したり出来るようにする。
床も板張りだ。
眺めのいい中庭に面する縁側の壁は一面障子で、開け放てば良い眺めだ。
両脇の壁は全て狩野派の金箔の豪華な襖で、モチーフは孔雀と桜だ。
欄間まで全て金ベースの凝った装飾の物だ。
天井も、俺の寝所と同じように、羽目板が外せる仕様の凝った金装飾の天井にする。

部屋を入って右側が、4人分の食事は作れる大きさのアイランドキッチンで、換気扇は俺と同じ仕様だ。
キッチンの目隠しにキッチンと同じ高さの大きな金屏風を2つ置く。
キッチンの後ろの収納は使い込んだ木のキャビネットで、目隠し収納で、なるべく低くして、キッチン台の後ろに隠れるようにした。
キッチンの後ろの襖は拭ける仕様の防水加工を願う。
冷蔵庫は目隠しになるよう中型の物を二つ並べて置き、中に十分な飲み物を仕込んだ。
キャビネットの中に、皿や茶器やカトラリーを仕込む。
全て日本の焼き物と漆器で、茶器だけマイセンと清水焼だ。
様々な茶葉も仕込んだ。

キッチンからほどよく離れた所に8人がけのテーブルとイスを床の色に合わせて配置し、テイストは俺の部屋と同じ感じのアンティークなテーブルと椅子だ。

その奥の障子までの空いたスペースに床と同じ色の革張りの8人がけのソファとテレビとヤマハのスピーカーを設置する。
ソファとダイニングテーブルの間の壁際に、象嵌のアンティークなライティングビューローと椅子を置き、羽ペンとインクと羊皮紙などの文具をたっぷり仕込む。
部屋の左側に広いスペースを空けながらキングサイズのベッドを置き、ベッドの奥の木の壁に奥行き60cmのクローゼットを、襖の手前まで広く配置した。

ベッドのリネンやマットレスは俺と同じ物だ。
クローゼットの中にバスローブやリネンなども仕込む。
ベッドの手前にベッドサイドテーブルを置いて、中にドライヤーを仕込んで、上に灯とリモコンを置く。
クローゼットの中はタンスも兼ねていて、ドアに姿見が仕込んである。
壁から2枚目の襖はトイレの入り口で、襖に鍵を設置し、中に電気のスイッチがある。
その奥の襖の庭よりの向こうは、ウォークインクローゼット仕様の物置だ。
全ての消耗品とドラム式洗濯をそこに仕込む。

その奥の襖は風呂場への入り口だ。
入り口以外の襖は飾りで、開けても木の壁にしか見えない。
風呂場の壁は全て檜作りで湯はりなどのスイッチはここにあり、和風の脱衣所に、湯はりスイッチと同じ檜のテイストの洗面台を付けて、ここも大人3人は入れる広さだ。
風呂場の中は完全防音で、檜の3人は入れる浴槽に、広い洗い場にはシャワーを2つ付けた。
ヘアケア用品なども全部仕込む。
もちろん床暖房付きの、テレビも音響も付いているものだ。

ベッドの奥が広々として寂しいので、テレビの後ろに表も裏も装飾がある金屏風を置いて仕切って、その裏に、茶釜が置ける火鉢と座布団をいくつも敷き、広々と略式の茶の湯が楽しめるようにする。
その右側のスペースには庭を眺められる小さなテーブルと藤の椅子を置く。
部屋を明るくするために、和紙の間接照明をいくつも置き、天井からもダウンライトを付けた。
エアコンの配置は俺と同じだ。
ベッドとベッドサイドテーブルが寂しいので、装飾を欄間と同じ装飾のデザインに変更した。
これで、狩野派らしい、絢爛な装飾の部屋の完成だ。
広さは約120畳はあるから俺と同じくらいだ。
ダウンライトとエアコンのスイッチはベッドサイドの壁際だ。
デザインが完成して、俺は一気に願った。
灯は全て点けっ放しだ。

デザインを考えている間にコーヒーが運ばれて来たので、俺はタバコをもみ消し、一気にコーヒーを飲んだ。

「ベス、俺の寝所にそっくりにお前の部屋を作ったぞ?これならお前も気に入るはずだ」
「Really!?早く見に行きたいわ!」
「よし、後で戻って来るから、コーヒーはそのままで見に行くぞ」
「わあ、政宗のセンス、楽しみだな!」
「多分、お前も気に入るぜ?エリザベス付きのくノ一は、みな、ついて来い」
「かしこまりました」

俺は遙と手を繋いで、エリザベスと並びながら歩き、ここから約50m離れたエリザベスの引きこもり部屋に向かった。
1分も経たないくらいでその部屋に付き、俺が襖を開けて中に入ると、続いて遙とエリザベスが中に入り、声を上げた。

「Excellent!!マサの寝室そのままだわ!」
「わあ、政宗、すごい!!狩野派そのものだ!!」
「もっと部屋の奥まで入れ。他のやつらが入れねぇ」
「Okay!」
「うん!」

俺達は部屋の奥まで入った。
続いて、長曾我部達がぞろぞろと入って来て、声を上げた。

「やっぱ、狩野派が江戸城には馴染むな!謁見の間によく似てるじゃねぇか!」
「まあな」
「こんなベッド見た事ないわ!天井とよく似てて、素敵よ!!」
「俺、オリジナルのデザインだな。部屋に合わせた」
「政宗って、本当にすごいね!こんな本格的に和風なのに、ベッドとテーブルがよく似合ってる!」
「政宗、マジで超すごい!!」
「流石、政宗様!!すごいよっ!!」

みんなに褒められて、嬉しくなる。

「狩野派は俺に馴染み深いから、デザインが超楽だったぜ?」
「マサ、せっかくだから、みんなでここでコーヒーが飲みたいわ!コーヒーってすごく美味しいのね!」
「ああ、いいぜ。分かった。おい、お前ぇら、今からコーヒーを淹れろ。それから、俺のタバコとライターと灰皿と、エリザベスのボストンバッグを持って来い。ベス、ソファとテーブル、どっちがいい?」
「テーブルの方がコーヒーがすぐ置けて楽だわ」
「分かった」

俺は、猿飛達と長曾我部達を向かいに座らせて、俺とエリザベスを中心にテーブルに座った。
エリザベスは部屋全体の襖を見回し、上機嫌だ。

「本当に理想的なゴージャスな和風なお部屋よ!」
「後で、収納とか風呂場について説明してやるよ」
「嬉しいわ!江戸に入り浸りたくなっちゃう」
「いくらいてくれてもいいぜ?まだまだ一緒に遊びてぇからな。腹が減ったらくノ一に言え。この部屋のキッチンで和食を作ってくれるぜ?」
「Really?それも楽しみだわ!」

その時、タバコとライターと灰皿とボストンバッグが届けられて、俺はタバコを吸い始めた。

「ねぇ、政宗。空母は確かに大人数乗せられるけど、兵を運ぶだけなら旅客船の方が大人数乗せられてもっと効率いいよ?馬とかの家畜も設備のいい家畜輸送船の方が負担にならなくて絶対にいいよ?そうしたら、空母はそんなに動かさないで済むよ?あの兵の数じゃ、とてもじゃないけど、足りないし、速ささえ空母の速さが出れば、そんなに負担にならないよ?船団に空母1隻の護衛とハリアー2機があれば十分だよ?それで往復してみたら?」

遙に言われて思い直す。
確かに、空母は乗せられて3000人が限度だし、何度も往復させなければならないのは確かに大変だ。

「じゃあ、遙、世界最大の旅客船と、一番安全な家畜輸送船を調べて、俺とエリザベスに教えろ。そうしたら、俺達が必要な分だけ願う」
「うん!それから、もし、帝を譲位させるなら、ヴァチカン前がいいと思うな。そうしたら、私は、公爵の家柄から、王に嫁ぐ形でヴァチカンで婚儀を挙げられるよ?政宗だって、ローマ法皇の前では王の方がいいでしょう?」
「お前、いい事、言うなーー!!!確かにそうだ、その通りだ。ヴァチカンでお前は晴れて王妃になれるな!これは、早急に綱元と焔に相談だぜっ!!」
「独眼竜、王って何だ?それに、遙が公爵って?」
「あら、マサも王になるの?その話、是非詳しく聞きたいわ」
「ああ、いいぜ。その前に、俺の部屋の風呂を沸かさせておく。おいっ、俺の引きこもり部屋の風呂を沸かすように言付けておけ」
「かしこまりました」

天井裏のくノ一が返事をして、俺の引きこもり部屋に伝令に行った。
エリザベスはまた驚いて、そして笑っていた。

「最高にcoolねっ!天井裏の忍者って本当に便利ね!」
「だろ?とりあえず、話に戻るぜ。俺が王になるって話だ。遙が焔に遙の世界の最先端の知識を与えた所、焔が思い付いた策がある。帝を皇帝とし、それに次ぐ位として俺を王とし、その次に成実を大公、宮家を公爵、大名を辺境伯、公卿を伯爵、殿上人を子爵、それ以外の貴族を男爵にしねぇかってな。ヨーロッパの貴族制度だ。伊達三傑はみんな同意で、俺達の太平洋周遊の後の上洛の時に、帝に迫るつもりだった。あの帝はきっと許さねぇから、譲位させて東宮を帝にして承諾させるつもりだ。東宮なら俺の言う事は何でも聞くからな。帝には、上皇になった暁には全ての女御と内侍にプラスアルファで遊女達を入れた、総計30人のハーレムを作ってやる約束で譲位させるつもりだ。あの女好きだったら、間違いなく喜んで譲位するぜ。今の後宮でも物足りねぇみたいだからな。ハーレムってのは、イスラム教の後宮の事だ。前代未聞の上皇の後宮だな。それで、すぐに譲位させて、その場で東宮を即位させて、この貴族制度を俺が取り仕切って次期帝に承諾させるつもりだ。最初に遙の養女縁組をして、そこから畳み込む感じだな。京に最長で3日くらいいなきゃならねぇかも知れねぇが、出来たら早く終わらせてぇな。長曾我部、お前はどう思う?」

長曾我部は目を見開いて驚いていたが、すぐに強く頷いた。

「それ、マジですぐにでもやった方がいいぜ!独眼竜が王だなんて、最高だ!!それに遙が王妃だろ!?宮家を超えるなんて、伊達が最高の血筋になるって事じゃねぇか!!成実が大公だろ!?俺、成実にも世話になったから、絶対にこの策は成功させてやるぜっ!!独眼竜、せっかくなら、ディズニー後回しにしてでもやった方がいいと、俺は思うぜ?お前ぇが暇ならディズニー行ってもいいけどよ。すぐに小十郎と綱元に相談した方がいいぜ!すぐにFaceTimeしろよっ!!」
「やっぱりな。お前ならそう言うと思ったぜ。なぁ、ベス。お前の出陣が遅れちまうが、構わねぇか?」
「いいわよ!何かあったら、ハリアーですぐに帰ればいいし、せっかく日本に来たならゆっくり遊びたいわ!出陣の準備なんて、ここで指揮を執れるから楽勝よ!それより、じっくり金鉱採掘の作戦を練ってから帰りたいわ。だから、私も京に一緒に行って、遊びながら作戦を練れば無駄がないでしょう?ヴァチカンに行くなら、貴方も王の方が間違いなく好都合よ」
「流石だな。お前がそう言うなら間違いねぇな。じゃあ、今から、小十郎と綱元と焔にFaceTimeするぜ!」

俺は、小十郎と綱元と焔にFaceTimeをかけた。
3人とも30秒以内に勢揃いした。

「政宗様、火急の知らせでございますね?」
「ああ、そうだ、小十郎。綱元も焔もよく聞け。上洛を出陣前に変更だ。俺が王に即位してから、ヴァチカンでローマ法皇達を説得する。エリザベスがその方が好都合だと言っているし、ヴァチカンの婚儀で、遙は公爵の姫から俺の王妃となれる。俺もその方がいい。ローマ法皇に日本の王として、王家の婚儀を取り仕切ってもらえるしな。長曾我部も早急に上洛した方がいいって言ってる。遙の案ではあるが、お前ぇらはどう思う?」

みんなは一様に驚いた顔になった後、力強く頷いた。

「この小十郎、遙様の策に賛成でございます。いち早く政宗様には王として即位して頂きたいと存じます」
「この綱元も大賛成でございます」
「遙様にはまた驚かされました。俺も賛成でございます。では、政宗様、お急ぎになるのでございましたら、花魁による上洛前の懐柔は必要ないかと存じます。とにかく、楽に長けた美女の花魁中心にハーレムを構成しつつ、第一弾と致しまして、5人の花魁と共に上洛し、帝にお目通りして、その場でご決断頂くのが手っ取り早いかと存じます。追加でまだ花魁のご用意があると政宗様が仰れば、間違いなく帝はご決断なさると思います。明日は花魁の選抜を行い、7日後にでも、ホンダジェットとヘリコプターで上洛なさればよろしいかと。花魁は金さえ積めば買えます。事前に空母2隻分の伊達軍を進軍させ、港から馬とヘリコプターで次々に二条城に入城させましょう。あちらの伊達軍と合わせたら、護衛には十分でございます。政宗様には京より北の馬を二条城に集めて頂きましたら、すぐにでも御所に進軍出来ます。長曾我部様にも同じ軍勢を大阪城より進軍させて頂きましたら、すぐにでも作戦が開始出来ます。上洛の手はずは成実様に取り仕切って頂きましょう。成実様ならば、花魁の手配後、すぐにハリアーで上洛し、公家共と帝に下準備させる事が出来ます。何なら説得のために、お館様に日帰りでご同行頂きます」
「焔、流石だな!俺はその作戦気に入ったぜ!7日あれば、長曾我部の勝浦の温泉で遊べそうだな。その間に成実とも合流出来る。明日と明後日は江戸にいて、翌日に出発だな。俺達が温泉で遊んでいる間に、全ての首尾を終えて、遙の養女縁組の後、帝を譲位させて、すぐに東宮を即位させて俺が支配制度を整えている間に、京をエリザベスと遙と楽しんで、俺が即位したら江戸に帰還する感じでいいか。京は2日か3日あれば十分だな。また後日、大名達と上洛して位を与える儀式をすれば良い。それは太平洋周遊から帰ってからでいいな。京から帰還したら、ディズニーには行けるしな。京の帰りにでもUSJには行きてぇな。そこで綱元が合流すれば良い。そこで視察出来るし遊べる。ヘリコプターなら1時間くらいだから、家族と来れる。綱元、お前はどう思う?」
「政宗様、全く良き考えでございます!それならば、俺もUSJを視察出来ますし、残りの空母への荷積みも十分に出来ますし、花魁を集めるのにも十分な時間が取れます。花魁はこの綱元と成実にお任せ下さい。京より北の伊達軍につきましても、指揮はこの綱元が執ります。信玄公には直垂をお待ち頂くよう言付けます。小十郎には、大陸での農業展開を焔と考えさせます。進軍した伊達軍の食料確保がかかっておりますから、MacBook Airで慎重に地図を見ながら農業展開を考えるはずでございます。そうだろ、小十郎?」
「ああ、そうだな、綱元。政宗様、食料以外に、持ち込む苗や種の種類や数などを考えなければなりませんので、申し訳ございませんが、指揮は綱元に執らせます。もちろん勝浦に行く際も、お供は致しますので、ご安心を。荷積みの指揮を執りながら戦略を練ります。一度で手間が省けますから。明日、明後日中には種や苗について、見積もりを終えます。それから馬や兵を乗船させる計画を練りながら、荷積みの計画も練ります」
「そうだな。馬については、遙が馬に負担にならねぇ船を探してくれるらしい。兵達も客船の方がたくさん乗るらしいから、新大陸への兵の運搬は客船を使う。とりあえず、客船の護衛には空母1隻を使うから、そのつもりでいろ。客船と家畜運搬用船舶については、明日話す。そこで、色々見積もればいい。焔も同行させて一緒に農業戦略を練ろ」
「なるほど、確かに客船と家畜運搬用船舶の方が負担になりませんね。流石は遙様でございます。では、兵と馬の運搬方法につきましては、政宗様と遙様にお任せ致しました。この小十郎も、上洛が最優先と存じます。焔を同行させ農業戦略と上陸作戦を練ります」
「Okay!その想定で、これから長曾我部とエリザベスと話し合う。お前ぇらも、束帯を用意しておけ。長曾我部はお前の束帯を着るから、用意しろ。遙の十二単も衣装合わせをしたら、二条城にヘリコプターで運んでおけ。荷物が減る」
「政宗様、この綱元にお任せを。政宗様の束帯もご用意しておきます」
「Thanks!助かるぜ!遙の十二単も頼んだからな!じゃあ、俺はこれから更に打ち合わせだ。じゃあな!」

俺は、FaceTimeを切った。
これで、手配完了だ。

「よし、今日の所はこれでいいだろ?上洛の手配が出来たな。遙、USJが先になって悪かったな」
「ううん、いいよ!初めてだもん!でも、スケジュールがこんなに立て込んでたら、他の所には回れないね。有馬温泉なら帰りに行けるかな?」
「遙、有馬温泉はUSJから近いから安心しろ。必ず寄ってやる。独眼竜が設備を整えてくれたみてぇだしな!」
「わあ、元親、ありがとう!」
「それにしても、政宗様ってば、王様になっちゃうの!?遙が王妃様!?俺、超びっくりなんだけど!!」

あんぐりと口を開けていた猿飛が、ようやく反応した。

「俺が宮家を超える血筋になる策だって焔が提案してくれたぜ?猿飛は俺の騎士団長にしてやるから、喜べ。エリザベスから本物の騎士団をもらってやる。エリザベスには忍隊をくれてやるぜ?伊賀でも甲賀でも、好きな忍隊を使えばいい。騎士団と忍隊の交換だな!ベス、忍隊をくれてやるから、俺に騎士団を一つくれねぇか?猿飛が騎士に憧れてるし、猿飛は遙の命の恩人だからな」
「あら!忍者をくれるの!?だったら、喜んで騎士団をあげるわよ!イギリスに着いてからで、いい?」
「ああ、いいぜ。ロンドン出陣前には忍者の掌握が終わるから、バッキンガム宮殿で、騎士団と忍隊の交換の儀式をしようぜ?そこで、猿飛に騎士団長の即位の儀式をしてやりてぇな。お前が取り仕切ってくれるか?」
「もちろんよ!そんな素敵な儀式、張り切って用意するわ!私もマサみたいにくノ一が使いたいわ!かっこいいわ!」
「よし、じゃあ、くノ一の人数を十分確保してやるから楽しみにしてろ。猿飛、お前はどうだ?」

猿飛はまた口をあんぐりと開けて固まっていたが、我に返った。

「政宗様!!俺、本物の騎士になれるの!?しかも騎士団長!?」
「ああ、そうだ。俺と遙、直属の騎士団長だ。王と王妃付きのな。本格的な衣装も用意してやるぜ?騎士の鎧が欲しかったら、エリザベスからもらってやる。そのうち領内のどこかに西洋風の城を建てて、騎士ごっこさせてやるぞ?」
「政宗様、マジで!?俺、超嬉しい!!王様の政宗様に忠誠を誓うの超やってみたい!!しかもバッキンガム宮殿で出来るの!?夢みたいだよっ!!一生の思い出になるよっ!!政宗様、ありがとう!!」

猿飛は本当に嬉しそうに、きらきらと目を輝かせて笑った。

「佐助、良かったね!」
「ああ、美紀。俺、超嬉しい!!政宗様にお仕え出来て、本当に良かった!!お館様に超感謝だよっ!!」
「そもそもお前は遙の命の恩人だから、これくらいじゃ足りねぇくらいだぜ。でも、そんなに喜ばれると俺も嬉しいな。儀式の時は、ちゃんと色んな角度から動画を撮らせるから安心しろ。永久保存版だ。足りなかったら、何度でも儀式をやってやるけどな」
「政宗様、マジでありがとう!!明日、お館様にご報告しなきゃ!!」

猿飛は更に喜んだ。

「佐助、良かったわね!私も選りすぐりの騎士団を付けてあげるわ!私は忍法が得意でくノ一がたくさんいる忍隊をマサからもらうわ!」
「ああ、俺に全部任せておけ。よし、俺も客船と家畜運搬用船舶について調べるか。手っ取り早く、兵の動かし方をこの場で話し合いてぇからな。それによって軍勢の配分が変わるかも知れねぇし。コーヒーは足りなかったら、くノ一に申しつけてくれていいぜ。紅茶でも、日本茶でも、好きなのを頼め。長曾我部、お前も手伝え」
「Thanks!」
「おうよ!」

エリザベスはまた日本茶を申し付けていた。
遙が玉露を申し付けたので、俺ももらう事にした。

俺はSafariを立ち上げて、まずは旅客船から調べて行った。
すぐに検索に引っかかったのは、シンフォニー・オブ・ザ・シーズだった。
定員6680人だから、相当運べる。
エンターテイメントもすごい。
これなら、野郎共も十分楽しめる。
いっそ、採掘は交代制にして、みんなにこの船を楽しんでもらった方がいいくらいだ。
もし、動力が俺の空母と同じであれば、速度は3分の2だ、悪くない。
1.5倍時間がかかるだけだ。

江戸からロンドンまでの航路が31000キロくらいだ。
これを1週間で進むのだから、相当速い。
猿飛の凧より速いなんて、未来は恐ろしい。
これを元に、シドニーまで江戸からどれだけ時間がかかるのか、見積もる。
江戸からシドニーまで海路で約8000キロだ。
という事は、約3日で着くという計算になる。
これならピストン輸送しても、全然大丈夫だ。
俺とエリザベスと長曾我部が1隻ずつ持ってるのでもいい。
エリザベスだけ2隻でもいい感じだ。
ロンドンからダニーディンまでの所要時間は約12日だ。
6日ごとに出発で、10回で6万7千くらいの兵が送れる。
スタッフも俺が願えばいい。

次に、家畜運搬用船舶だ。
設備がいいのは、かりゆしだ。
牛が650頭まで乗せられる。
これが、俺とエリザベスと長曾我部がそれぞれ10隻で船団を組めば、一回で6500頭の牛や馬が運べる。
速度は多分、客船と変わらない所まで上げられる。
それなら、護衛の手間も省ける。
護衛はそれぞれ空母1隻とハリアー2機としんがりにイージス艦1隻で十分だ。
あとは、移送用に念のためヘリコプターを3機だ。

俺は、この計画を、エリザベスと長曾我部に話した。
二人ともそれぞれの船をiPhoneで調べて歓声を上げた。

「すげぇ!むしろこの客船、乗りたいぜっ!家畜運搬用も馬に負担がなくていいな!」
「そうね!これなら、乳牛も羊も安心だわ!兵達もこんな豪華な客船大喜びよ!Fabulous!」
「よし、じゃあ、この構成で決まりだな?」
「おうよ!」
「Okay!」
「兵の数の分配はどうだ?」
「俺の兵をあと3万出すぜ。浅井が背後にいるから大丈夫だ。何なら前田にも手伝ってもらえるからな!漁と農業の合わせ技で独眼竜を手伝うぜ!」
「長曾我部、それは超助かるぜ!稲作は伊達が頑張るから、長曾我部には野菜を手伝ってもらうか。水路堀りも手伝ってもらわなきゃならねぇからな」
「おうよ、任せろ!」
「従軍は交代制にしたら、船を楽しめるだろ?それを褒美にするのはどうだ?」
「それ、マジでいい考えだぜ!みんな、この船なら乗りたいぜ!」
「マサ、それはいい考えよ!私も交代のローテーションを考えるわ!」
「よし、俺も交代制のローテーションを明日綱元に相談する」

俺はやっと落ち着いてタバコを吸い始めた。
甘い玉露が美味い。

「じゃあ、明日の予定について、話し合いだな。もう1時半過ぎだしな。明日はとりあえず、起き次第、俺はブランチの仕度だな。フグのフルコースを振る舞ってやるよ。エリザベスとシェイクスピアには懐石料理のマナーの技術を願ってやる。ブランチの後は、セットリストを全部俺の部屋で通しで聞いてから、リハーサルだな。今晩中にセットリストをエリザベスにLINEする。アンベリアン・ドーンはまだ決まってねぇから、エリザベスが好きなのを選ぶ感じで行く。5曲か6曲でセットリストを作ってくれ。多分、時差ボケで寝れねぇと思うから、その間に考えてくれ。リハーサルが上手く行ったら、シェイクスピアには歌詞をイタリア語に訳してもらう。リハーサルの後は夕餉だな。夕餉はすき焼きだ。美紀が肉じゃがを作ってくれるらしい。その後、また出来たら1度通しでリハーサルだな。その後は俺は遙とのんびり引きこもる。シェイクスピアは好きなタイミングで仕事してくれ。何かいい案があったら言ってくれ」
「セットリストは任せて!それでいいわよ!」
「政宗様、お任せ下さい」
「政宗、私にも案がある!」
「よし、遙、言ってみろ」
「うん!せっかくならお館様と伊賀と甲賀の長も一緒にすき焼きしたい!伊達三傑も!大宴会だよ?みんなでご馳走食べたら、明日のうちに、話がまとまるかも知れないよ?焔にお館様の援護射撃させて、話がまとまったら、政宗が話せばいいと思うの。その時に、ベスの忍隊も決めれば?明日中にカタがきっとつくよ?」
「お前、やっぱ流石だな!是非そうしようぜ!じゃあ、そのつもりで明日、食材を用意するぜ!いつもの夕餉の部屋ならまだ座卓が置けるから、そこでみんなですき焼きしようぜ!IHヒーターも鍋もたくさん出すぜ!美紀はあと7人増える心積もりでいろ」
「オッケー!3回に分けて肉じゃが作れば余裕だよ!」
「頼もしいぜ!ベス、明日は楽しみにしてろよ?忍者の長と話せるぜ?」
「Really?すごく楽しみだわ!」
「じゃあ、詳しい旅行の話とかは、明日のブランチ後が妥当か。おいっ、エリザベスの風呂の仕度は?」
「政宗様、お待たせして申し訳ございません。ようやく整いました」
「シャンプーとボディーソープとかボディータオルはそのままあるな?」
「はい、ございます」
「使い方も分かるな?」
「はい、分かります」
「ご苦労だった。よし、ベス、タバコを吸い終わったら、お前に着替えとかを見せてやる」
「Thanks!」

俺はゆっくりとタバコを吸い終わり、玉露をゆっくりと飲み干した。

「よし、ベス、部屋の案内をして、使い方を教えてやる。遙も来い」
「Thanks!」
「うん!」

ベッドの横のクローゼットからバスローブを出して、後で夜着や下着を後で願うように言付けて、トイレの使い方や、風呂場とドライヤーの使い方を教えた。

「ドライヤーとシャワーって便利ね!それにこのお風呂、素敵だわ!全部木で出来てるのね!」
「お前が木の風呂がいいって言ってたからな。温泉では岩風呂に入れるぜ?」
「楽しみだわ!」
「よし、後は、テレビと茶釜を見せてやる」

遙は始終感心しながら見惚れていた。
テレビと茶釜を見せると、エリザベスはまた感動していた。

「今度、ここで茶を振る舞ってやるから、楽しみにしてろ。おいっ!誰か、シェイクスピアを部屋に案内して、2人護衛に付け。シェイクスピアからの言付けがあれば叶えてやれっ!部屋の使い方も教えてやれ!」
「かしこまりました」

すぐに外のくノ一が部屋に入って、礼を言うシェイクスピアを連れて、部屋を出て行った。
俺はぱっとエリザベスとシェイクスピアの懐石料理のマナーの技術を願った。

「じゃあ、ベスは仕度が出来たら好きな時に風呂に入れ。俺も遙と風呂に入るが、何かあったら俺にLINEかくノ一に言付けてくれ。いつでも様子を見に来る」
「分かったわ!すぐにお風呂の仕度をするわ!」
「Okay!よし、長曾我部、猿飛、お前ぇらも部屋に戻れ。遅くまで悪かったな」
「いや、いいぜ。色々決まったしな!明日はゆっくり朝寝しようぜ!独眼竜もゆっくり休めよ!」
「政宗様、俺は時差ボケしてるし、大丈夫!明日、楽しみにしてるね!」
「政宗、ありがとう!ベッド超楽しみ!じゃあ、また明日ね!」

みんなはエリザベスにも挨拶すると部屋を出て行き、俺と遙もエリザベスに挨拶すると、荷物を持って部屋に戻った。

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