政宗のジュエリーデザイン -1-

ふと目を覚ますと、もう広い障子から陽の光が燦々と差し込んでいて、俺は寝過ぎたかと思い、慌てて身体を起こした。
ベッドサイドテーブルからボディバッグを取って、iPhoneを取り出し、時刻を確認すると、まだ9時半で安心した。
これなら十分ブランチの仕度に間に合う。
遙を起こしてしまったか心配になって見下ろすと、まだよく眠っていた。

俺は頭の中で、ざっと8人分の野菜の種類と数を計算すると、小十郎に全ての野菜を倍くらい多めに収穫して、卵をたっぷり届けさせるようにLINEで言付けた。
小十郎からはすぐに収穫して卵と共にくノ一に届けさせるという返事が来た。
他にはエリザベスから、アンベリアン・ドーンのセットリストがLINEで届いていた。
River of Tuoni、The curse、Lullaby、Sunrise、He sleeps in a groveだ。
かなりいいセンスの流れで名曲揃いだ。

俺はどうせなら、全ての通しのセットリストをApple Musicにプレイリストとして作る事にした。
右手に輝くアレキサンドライトとビビッドブルーダイヤの指輪を見ると、とても嬉しくなる。
昨日は深いルビーのような色をしていたが、今は深い綺麗な緑色をしていて、綺麗なビビッドブルーダイヤによく似合う。
ビビッドブルーダイヤは、キラキラとよく輝いているし、メレダイヤで指輪全体がよく輝いている。
これなら一生飽きなさそうだ。
フグをさばく時には外すが、しばらく指輪の出来栄えを楽しみたい気分だ。

遙はまだぐっすりと眠っている。
その幸せそうな寝顔を3分ほど眺めて、そっと何度かキスを繰り返すと、俺はプレイリストを作り始めた。
10分くらいでプレイリストを作り終わって、長さを確認した。
1時間45分だから、まだライブを続けてもいい。
ラストの部はStarsの前に、ハイスピードなラブソングが5曲ほどやりたい。
これも遙が起きたら相談だ。
構成は遙の好きなMr. Bigとインペリテリだ。

とりあえず、俺は今日一日快適に過ごすために着替える事にした。
洗面台で顔を洗って髭を剃ると、外していたブルガリの時計を着けて、クローゼットを開けた。
楽器をいじったり、料理をするなら着物よりも遙の世界の服の方が楽だ。
引きこもり部屋は温かいから、薄手の黒シャツで十分だ。
部屋を出る時にジャケットを着る感じがいい。
シルエットの綺麗な黒パンツがいいし、黒シャツは光沢感あるやつで、インナーは鎖骨が綺麗に見えるVネックで白地にモノクロプリントの物がいい。
外に出る時は、ヒョウ柄のファーが内側にあしらわれてるベージュのも皮コートが寒くなくていい。
俺はエンポリオとドルガバを組み合わせて着替える事にした。
下着も遙の世界の物に変える。

クローゼットから服を選ぶと、その場で全て脱いで、全身着替えて、コーディネートに満足して、コートだけクローゼットにしまっておいた。
これなら時計もロケットもよく似合うし、指輪もよく似合う。
遙にはぴたぴたのレザーパンツに、ロングスリーブのマックイーンの膝上丈のワンピースが俺の服装にぴったりだ。
ちょっとゴスだがマックイーンなら年相応にエレガントだ。
今の遙にはNaotoは似合っても子供っぽい。
ドレスのウエストを細く見せる太い皮のベルトがとてもいい。
外に出る時はマックイーンのライダースジャケットを合わせれば寒くない。

そろそろ10時前だ。
くノ一が手分けをして大量の野菜と卵を持って来たので、俺はキッチンのシンクに全て置かせて卵は冷蔵庫にしまった。
俺も一服して何か飲みたいし、多分エリザベスが退屈している。
どうせなら一緒に何か飲みたい。
それに、俺は焔への礼として、ブランチに呼びたくなった。
あと2つ椅子は置けるから、俺は2つ椅子を願って増やして、小十郎も呼ぶ事にした。
まずは、エリザベスの様子を確認したいから、俺はエリザベスにLINE通話をかけた。

「ハ〜イ、マサ!思ったより早かったわね!」
「ああ、俺はもう着替えたぜ。遙の世界の服を着た。動きやすくて快適だぜ!」
「あら!遙の世界の服!?私も着たいわ!でも、コーディネートに悩むわね」
「じゃあ、俺が選んでやるから、とりあえず俺の部屋に来いよ。脱衣所で着替えれば問題ねぇだろ?」
「マサが選んでくれるの!?すぐに行くわ!」
「くノ一に案内させろ。じゃあ、待ってるからな!」
「Okay!See you soon!」

俺が灰皿を用意させている間にエリザベスが部屋にやって来た。

「Oh, my God!!マサ、とってもカッコいいわ!私も未来の服が楽しみよ!遙はどんな服を着るの?」
「遙に選んだ服はこれだな」

俺は、クローゼットからレザーパンツとワンピースを出して、合わせて見せた。

「Wow!マサとよくお似合いよ!私もこのテイスト気に入ったわ!」
「そうか?じゃあ、お前もマックイーンのワンピース着ろよ。遙よりワンサイズ上だな。お前は細身で長身だから、ロングのワンピースの方が映えるかもな。フリーサイズのやつもあるから、その中から選ぶか」

俺は、遙とテイストが似ていながら、もっと丈が長いふくらはぎの下までのロングスリーブの黒のドレスを選んだ。
遙ならマキシ丈近くになりそうだが、エリザベスならウエストの位置がかなり高いから着こなせるし、膝下がシースルーながら他はニット素材だから冬服だ。
腰のベルトは遙とテイストが同じだし、俺の服装にもよく似合う。
エレガントで女王らしい。
これにドレス状のレザーライダースを着たらぴったりだし、寒くない。
USJでは、これにロングブーツを合わせれば完璧だ。

「よし、お前のワンピースはこれだな。下着は俺のクローゼットの中に願って自分の好きなやつを選んで、脱衣所で着替えて来い」
「Wow!素敵ね!これ、気に入ったわ!下着を選んだら着替えて来るわ!」

俺はボディバッグから、タバコとZIPPOを取り出すと、遙の着替えをソファの上にかけておいてから、テーブルのサイズ変更を願った。
成実なら呼ばないと拗ねるし、綱元まで呼びたい。
登勢が治ってベスがダーリンも連れてからも参加出来るとなると、あと4人は座れないと無理だ。
テーブルと椅子を整備し直して、届けられた灰皿で、タバコを吸いながら、テーブルに着いて待った。
テーブルは向かい合わせに6人ずつ座る、14人がけだ。
かなり大きな一枚板のテーブルだが、部屋の広さ的にはちょうどいい感じだ。
まだまだ余裕だ。
俺は紫苑にも礼をする事にした。

エリザベスは間もなく着替えて戻って来て、少しテーブルのサイズ変更に驚いた後、俺の向かい側に立った。

「どうかしら?」
「すげぇ、似合ってるぜ!女王のお前に相応しい、エレガントなドレスだ。小十郎達全員に、昨日の策について話したくなったから、呼んでもいいか?」
「ええ、構わないわよ。貴方の右手の指輪、今は深いグリーンで尚更ビビッドブルーダイヤとよく合うじゃない!流石よ!私も思わず着けたまま来ちゃったけど、今の服装とよく似合うわ!グリーンのアレキサンドライトとピンクのターフェアイトの組み合わせが、ぴったりだと思わない?すごく気に入ったわ!」
「ああ、そうだな!自分で作っておきながら、よく似合ってるぜ!そのドレスもな!おいっ!野菜を洗って、鍋用に切っておけ。14人分だ!2人でやれば早いはずだ。それから、玉露を淹れろ。とりあえずは9人分だ。温めに湯を沸かせばすぐに仕度が出来る。城内の台所で米も14人分炊くように言付けろ」
「かしこまりました」

くノ一が2人がかりで伝令を飛ばしてから、野菜を洗い始め、湯を沸かして玉露の仕度を始めた。
その間に、俺は、LINEで、焔、紫苑、小十郎、綱元、成実、長曾我部、お銀を俺の部屋に呼ぶように手配した。
みんな、すぐに来ると返事が来た。
昨日立てた作戦について、是非みんなの意見が聞きたい。
俺は絶対に大帝になりたいから、これはすぐに相談したい。
タバコを吸っているうちに、小十郎達は連れ立って、俺の部屋の前に控えた。

「政宗様、小十郎でございます。成実も綱元も焔も紫苑も長曾我部様もお銀もおります」
「Okay、入れ」
「はっ!」
「おうよ!」

小十郎は部屋のデザインに少し驚いたようだったが、すぐにテーブルの所までやって来た。

「俺の隣は遙で一番端で、エリザベスの隣はシェイクスピアが座る。焔は俺とエリザベスの隣の末席に着いてみながよく見えるように座り、小十郎達は適当に座れ」
「かしこまりました」

俺は席を一つ移動して遙のために空けて、シェイクスピアのためにエリザベスの隣は空けて、俺の右斜め前に小十郎と綱元と長曾我部夫婦が座り、成実は俺の席の隣に座り、紫苑は末席の焔の向かいだ
焔と紫苑はいわゆるお誕生日席に着いている。

「何だよ、梵!その着物、超かっこいいじゃねぇか!エリザベスも!俺だって着てみたい!」
「だったら、後で、俺の調理中に俺のクローゼットから好きなの出して着替えればいいじゃねぇか。とりあえず、今は話したい事がある。おい、玉露はまだか?成実の灰皿も持て」
「ただいま、お持ち致します」

成実の灰皿と玉露が配膳されて、俺は成実にもタバコとライターを願ってやった。
タバコを嬉しそうに吸いながら、成実は玉露を少し飲んだ。

「とりあえず、客船と家畜運搬船舶は決まった。その話は後回しだな。もっと大事な話がある。俺は、ヴァチカンでの宗教会議の成功の暁に、礼として、ローマ法皇からエリザベスと2人で王冠の戴冠をする事に決めた。エリザベスも賛成している。西教会を守り、環太平洋4重帝国を治める世界最高の王として、大帝の地位の戴冠だ。大帝ってのは、皇帝すら超える地位の事で、その地位を賜ったら、俺は皇帝である帝すら超える。伊達の血筋がテューダー朝と並んで、世界最高の血筋となる。もちろん、帝の血筋すら超えるから、日本でも伊達が最高の血筋になるな」

みなは目を瞠って驚き、声を上げた。
焔まで驚き興奮している。

「政宗様っ!それは、かのフランク王国のカールの戴冠のようでございますね!!しかもエリザベス女王とお2人で大帝の地位を戴冠するとなれば、前代未聞、世界初でございますっ!!流石は政宗様でございますっ!!」

焔が興奮してそう言うと、小十郎達が少し不思議そうな表情になった。

「焔、カールの戴冠とオットー1世の戴冠について、小十郎達に話してやれ」
「はっ!」

焔は、ローマ教皇と大帝の関係と、過去の戴冠の例を詳しく丁寧に説明し、それがいかに名誉でとても力のある地位なのかについて説明をした。
また、みなが一斉にどよめいた。
その声で遙が起きてしまって、寝返りを打って唸った。
俺は立ち上がって遙のそばに行って跪いた。

「遙、起きた時にそばにいてやれなくて、悪かった」

俺は何度か唇に柔らかくキスをすると、遙を抱き起こした。

「お前の服は決めてある。ソファの上に置いてあるぜ。好きな下着を選んで脱衣所で着替えて来い」
「政宗のヴィジュアル系、久々だな。かっこいい!」
「惚れ直してくれて嬉しいぜ。お前にも俺によく似合う、マックイーンを選んであるから心配すんな。楽しみにしてるぜ?」
「うん!」

遙がベッドから降りたので、俺は席に戻った。
みなが、感心しきったように俺を見つめた。

「まさか…政宗様のお血筋が帝を超えるような策があるなど、この小十郎、考えが及びも致しませんでした!それも遙様の策でございましょうか?」
「いや、俺が思いついた。今、俺が右手の薬指にしている指輪を、昨日デザインして願ってみたんだが、この緑色の石が遙の大好きなアレキサンドライトっていう石でな、皇帝の石って意味があるんだ。だから、それに相応しく、皇帝に即位しようかと思ったんだが、帝が皇帝として既にいるし、どうせなら皇帝を超えてやろうと思って大帝を思いついた。遙は大皇后だな。俺が大帝に即位し次第、日本では王は廃止だ。アメリカとオーストラリアで俺の世継ぎ達を王として即位させる。俺の世継ぎ達の不測の事態のために、更にそのスペアの世継ぎとして、成実の世継ぎ達を大公に即位させて、伊達の血筋を守るつもりだ。成実、どう思う?」
「俺の世継ぎ達が梵の世継ぎ達の第2継承者!?最高だぜっ!!登勢と頑張って世継ぎ作りに励むぜっ!!それにしても、梵、何のための指輪なんだ?」
「ああ。婚儀の時に永遠の愛を誓う指輪の交換をする。これは婚儀の後、外すと不吉なくらい大事な指輪らしいからな。俺は既に左手のゴールドの指輪を遙と交換して永遠の愛を誓ったが、エリザベスが、恋人時代に永遠の愛を誓うポシーリングってイギリスにある指輪に、俺の左手のがよく似てるから、せっかくローマ法皇の前で正式に婚儀を挙げるなら、一生飽きの来ない豪華な指輪を用意したらどうかって提案してくれたから、俺がデザインをして願ってみた。左手の指輪は婚儀の後は右手に着けて、婚儀の時の指輪の交換は、このアレキサンドライトの指輪だな。これなら一生飽きの来ない、俺の理想の指輪だし、アレキサンドライトだから大帝らしい指輪だな」
「梵、俺にも作ってくれよっ!俺も指輪の交換したいっ!」
「当然、お前にも作ってやるから、後で俺に希望のデザインを言え。その範囲でデザインして作ってやる。当然、長曾我部のもな」
「梵、マジで!?俺、後で色々Safariで調べる!」
「独眼竜、マジでありがてぇ!お銀、良かったな!」
「はい、元親様っ!!」

成実と長曾我部夫婦が大喜びした。
綱元も小十郎も大興奮だ。
その時、遙が着替えて戻って来て、エリザベスの前の席で、俺の左隣に座った。

「ねぇ、政宗。私、世継ぎがたくさん産めるのか心配になって来た…。少なくとも、男児3人の女児1人だよ?そんなに上手く行くかなぁ?」

焔が遙に優しく微笑みかけた。

「遙様、ご心配には及びません。フランス式の不妊治療法がもっと洗練されて、双子や三つ子が確実に産める不妊治療法がございます。それほどお身体にもご負担のない治療法で、更に、陣痛促進剤と無痛分娩も進んでおりますから、一度のご懐妊で、ご負担のないように複数のお子様に必ず恵まれます。ご懐妊中の栄養管理も体重管理も全てお任せ下さい。全てご無理のないような方法がございます。政宗様のお世継ぎの人数もそれほどお時間もかからずに勢揃い致します。それこそ、婚儀後、例え政宗様がしばらく新婚生活をお楽しみになりましても、3年もあればお世継ぎと帝に嫁ぐ姫様が勢揃いするのに十分でございます。産褥のケアも最先端でございますから、遙様は1ヶ月は絶対安静で政宗様や黒脛組のくノ一のお世話の下、政宗様とご一緒にお休みになり、黒脛組のくノ一達が輪番でしっかり政宗様の若様方や姫様方のお世話を致します。お母上とお父上に愛着を持つ育て方も確立されておりますから、何のご負担にもなりません。授乳も遙様のお望みのタイミングだけで結構でございます。政宗様にもほどよく育児にご参加頂きますが、それでお子様への愛着が生まれ、お子様も政宗様を必ずお慕いし、理想的な家族関係が築かれます。これは、成実様も同じでございます。どうぞ、ご安心下さいませ」
「わあ、そんな方法があるなら安心だ!政宗の望む人数だけ子供が産めそう!」
「焔、マジですげぇな!俺も3年以内に世継ぎと姫が勢揃いしたら、安心だ。なあ、小十郎、そう思わねぇか!?」
「左様でございますね、政宗様!この小十郎も大変安心致しました。成実も良かったな!」
「ああ、マジで助かるぜっ!登勢の負担にならねぇなんて最高だ!」
「この綱元も大変安心致しました。そのような方法があるのであれば、伊達の基盤はすぐにでも盤石になります。しかも、政宗様が大帝の地位に就かれるのでございましたら、なるべく早くお世継ぎに恵まれて頂きたかったので、これ以上はないほど好都合でございます!焔、お前、マジですげぇな!」
「焔、お銀にも頼む!長曾我部も子がたくさん欲しいぜ!」
「かしこまりました、お任せ下さいませ」
「焔、俺の嫁にも頼む。まだ次男までしかいねぇから、心配でたまらねぇ」
「小十郎様、かしこまりました」
「焔、長曾我部はお銀を抱き足りねぇから、ピルを頼むぜ。次の懐妊まではしばらく楽しみてぇだろうからな」
「独眼竜、ピルって?」
「懐妊を一時的にさせない薬だ。止めればすぐに懐妊する」
「マジかよ!?是非頼むぜっ!!」
「政宗様、長曾我部様、お任せ下さいませ」

長曾我部は大興奮した。
まるで、夢のような話に、みんなでわいわいと盛り上がった。
効率よく遙に世継ぎと姫を双子や三つ子で産ませたら、新大陸はすぐに安泰だし、その後しばらくピルを飲ませて、子育てと好きなような夜伽を毎日1年半くらい存分に楽しんでから、また今度は政略結婚用に子を産ませられる。
俺は楽しみで仕方なくなった。

もう少し話をしていたくなって、俺は手っ取り早く、俺のくノ一の1人にフグの調理師の資格を与えて、さばく所まで終わらせさせて、皮の湯の引きとてっさまで作らせておく事にした。
その後は俺がやればいい。

俺は楓という俺付きのくノ一に、フグの調理師の知識とテクニックを願った。
そして、調理台の上に、人数と同じ数の天然の下関産のオスの最高級のトラフグを願って出現させた。
てっさのタレに使う柑橘類と最高級の丸大豆の醤油もだ。
6人前のてっさの大皿を何枚も出しておかわり出来るようにする。
フグのフルコース用の皿を何枚も出現させた。
フグの内臓などの廃棄用の厳重なステンレスの鍵付きのゴミ箱もだ。

「楓、お前、今ならフグのさばき方も調理の仕方も分かるだろ?さばいて、皮の湯引きとてっさを作れるだけ作っておけ。冷蔵庫で冷やしておけ。てっさのタレは俺が作る。柑橘類は絞っておけ。てっさの身は若干厚めにしろ。その方が歯応えがいいからな。もみじおろしをはじめとした薬味だけ作れ。てっちり用の身も骨が少ないようにぶつ切りだ。唐揚げは俺がやるから身だけ切っておけ。白子は後で人数分醤油焼きにするから、その時は手伝って欲しい。てっちりと同時に給餌だ。お任せぇらの分のトラフグも後で願ってやるから、お前ぇらみんなで食うといい。後で長曾我部のキッチンを使っていいぜ」
「かしこまりました、政宗様。この楓にお任せ下さいませ。みなも必ずや喜びます!」

楓は、手際よくフグをさばき始めた。
これで安心して、俺は話が続けられる。
俺はタバコをもみ消し、次のタバコに火を点けた。

「政宗様、フグでございますかっ!?猛毒のフグなぞが食べれるのでございますか!?」

小十郎が目を瞠って驚いた。

「遙の世界では、フグを安全に調理する技術があって、遙の大好物らしい。だから、昨日のうちから、今日はフグを食べさせる約束をしていた。だからお前ぇらを呼んだ。焔にも礼がしたかったからな」
「政宗様、この綱元もフグが楽しみでございます!遙様の好物とあらば、相当美味な事に間違いございません!」
「ああ、俺も楽しみだ。だから、お前ぇらを呼んだんだ。じゃあ、次に、新大陸への客船と家畜運搬船舶について話をするぜ」

俺は客船の規模と設備の話をし、船団の組み方と、護衛の布陣について話して、客船の情報をiPhoneで検索させた。
また、感心したような声が上がった。

「客船に乗るのを野郎共への褒美として、1ヶ月交代の従軍だ。順番にな。そのため、綱元も指揮権を持っていた方がいいから、俺が綱元の指揮権も願う。客船のスタッフは直前に俺が願う。当分の食料も直前に願う」

俺は綱元の指揮権を願って、俺と同じiPhoneアプリをインストールした。

「政宗様、かしこまりました。野郎共の乗船はこの綱元にお任せ下さいませ。これなら、小十郎と2人で現地から指揮が執れます。大変助かります。長曾我部様の軍勢にも、感謝致します。これならば野郎共も大喜びでございます!」
「独眼竜には俺の出来る事なら何でもしてやりてぇからな!独眼竜、俺の船団の指揮権も綱元に与えてくれ。乗船の指揮は俺がFaceTimeで野郎共にするが、航路の監視は綱元にやらせた方が俺も安心だ」
「Okay!お前の船団の指揮権を綱元に願ってやる」

俺は長曾我部の船団の指揮権を綱元に願った。
アプリ内で軍勢の切り替えを出来るようにする。
これで、日本の指揮は綱元が全部執れる。
兵達の航海についての懸念はこれでなくなった。

次に、上洛に関して、成実がどこまで把握してるかだ。

「成実、お前、上洛の段取りについて、小十郎と綱元から何か聞いたか?」
「ああ、もちろんだ、梵!リハーサルと衣装合わせが終わり次第、武田信玄を連れてハリアーで上洛する。出発は明日だな。帝と式部卿宮と公卿達に遙ちゃんの養女縁組を急遽したいから、1週間くらいで梵が遙ちゃんや綱元以外の公卿と上洛するって、俺が直接言いに行く。別にあいつら暇してるから、俺がいつ参内しても嫌な顔一つしねぇしな。梵と遙ちゃんの参内の時は美味い物と酒と、帝に花魁と金の貢物をするから楽しみにしてろって言って、信玄も娘を頼むって式部卿宮と帝に直接頼む段取りだ。俺、花魁の中でも最高ランクの元太夫の手配しなきゃならねぇから、本格的なリハーサルは勝浦がいいと思うぜ?今日もドラムは叩けるけど。もしくは上洛から帰ってからだな。登勢が治るまでまだ時間がかかるし、どうせならロンドンへは一緒に出陣しようぜ!そうしたら、たっぷりリハーサルが出来る。梵だってしっかりリハーサルしたいだろ?昼餉が終わったら、吉原が忙しくなる前に、馬飛ばして吉原に行って、俺の知る限りのトップ5の元太夫の花魁を引き揚げするための段取りをしなきゃならねぇ。茶屋で遊んで金を落とす暇はねぇから、この際、手っ取り早く金を大量に弾むぜ。太夫なら琴も和歌も一流だから、あの帝なら大喜びだ。俺がやるのは茶屋に話をつけに行くまでだな。茶屋の懐柔は綱元に任せた。梵が厳しく統制してるから足下は見ねぇけど、交渉は綱元の方がいい。吉原って馴染みに固定の縛りがあるから、俺の馴染みの太夫は1人しかいねぇし、あとは花魁仲間で先輩とか後輩とかに声かけてもらうしかねぇな。色んな太夫でどれを最終的に馴染みにするか迷ったから、色んな花魁をよく知ってるし、芋づる式で30人は余裕で最終的に集められるから安心しろ。俺の派手な女遊びは堅気の人妻中心だったからな。太夫の引き揚げ相手が譲位した上皇で、財源は伊達だって言ったら、吉原中の茶屋が動くと思う。場合によっては上洛の時の太夫は3人に減らしても教養のレベル的にあの帝には全然効果あるし、早く準備が整うと思うぜ?ハーレムの残りの花魁は太夫レベルじゃなくても男を悦ばせるだけなら全然十分だし、その方が財政的にかなり節約になる。太夫レベルだと金がかかって仕方ねぇからな。だから、手っ取り早く、今回の上洛は太夫出身の花魁3人を連れてくのが俺はベストだと思うぜ!2人でも足りるくらいだ。まあ、吉原まで江戸城から馬で20分くらいだし、さっさと話はつけてあとは綱元に任せるけど。1時間あれば目ぼしい茶屋は回れるな。だから、俺が吉原から帰るまで、梵は遙ちゃんとのんびりしてろよ。2時間半見ておいてくれたら十分だ」
「はぁ、成実。やっぱお前、流石だな!俺が吉原をある程度、規則を作って統制してるとは言え、細かい所はお前が先導して整備してたからな。俺でもそこまでは把握してねぇな。女は極力遠ざけてたからな。特に春を売る女はな。段取りを済ませたら、後は綱元に任せて、お前はリハーサルだな。俺の衣装合わせは明日ゆっくりやる。遙もエリザベスも昼寝したいだろうし、俺にはその方が都合がいいぜ。そこまでの段取りを考えてあるなら、俺も安心だ。花魁も2人でいい。その方が効率的だ。確かにリハーサルは念入りにしてぇしな。登勢と一緒に出陣でもいいぜ?頼んだぞ、成実!」
「任せろ、梵!俺の大公の地位がかかってるからな!登勢のためにも頑張るぜっ!」
「それを聞いて安心した。じゃあ、次の話題だ」

後は、今晩のすき焼きの話だ。
そろそろ美紀と猿飛を呼んでもいい頃だ。
俺は、美紀にLINE通話をかけた。
美紀はすぐに応答した。

「もしもし、政宗、フグのフルコース出来たの?」
「ちょっと立て込んでてな、俺の楓ってくノ一にフグの調理師の能力を与えて、最低限の事はやらせてるからもう少ししたら食えるぜ?今夜のすき焼きの話がしてぇから、来られそうなら急いで来い。ジーンズでいいぜ?

「マジで!?すぐに着替えて行くから待っててね!」
「ああ、いいぜ。待っててやるから安心しろ」
「じゃあ、後でね!」
「待ってるぜ!」

俺はLINE通話を切った。

「小十郎、美紀と猿飛が今から来る。お前、信玄に親衛隊の人数をLINE通話で確かめろ。今夜は伊達でも忍の長達の歓待の宴をする。美紀が料理してくれるらしいから、人数の確認だ。俺も料理を用意するけどな」
「かしこまりました。すぐに確認致します」

俺は、美紀と猿飛とシェイクスピアの分も玉露を用意させて、シェイクスピアをくノ一に呼びに行かせた。
小十郎が確認した所、信玄はまだ甲斐にいてすぐに捕まり、親衛隊は6人との事だった。
その時、猿飛と美紀とシェイクスピアがやって来た。
俺はエリザベスの隣にシェイクスピアを座らせて、成実の隣に美紀と猿飛を座らせた。

「よし、エリザベス、みんなにシェイクスピアを紹介しろ」
「ええ、もちろん!」

エリザベスは上機嫌でシェイクスピアを紹介し、シェイクスピアは俺と遙の恋を小説化したいと力説した。
みながどよめいた。

「独眼竜!俺、シェイクスピアが書いたお前ぇらの恋が読みてぇな!是非やらせろよっ!」
「そうだな。シェイクスピアには俺達の婚儀の披露宴に参加してもらって、俺達の恋の全容を知ってもらって小説化してもらうか」
「それ、いいじゃねぇか!」
「そのような晴れの場に、俺が参加させて頂けるのでございますか!?感激でございます!!」
「政宗様、是非また流行らせて歌舞伎にして下さいませ!」

シェイクスピアも綱元も大興奮だ。
俺は思わず笑ってしまった。
ちらりと楓を見ると、まだ手間取っている様子だったので、俺はタバコを吸いながら話を続けた。

「よし、今晩の宴の発表だ。メニューは美紀の作る肉じゃがと、俺が用意するすき焼きだな。両方とも牛肉料理だ。A5ランクの松坂牛のすき焼きだ。これは美味いぜ?この俺が病みつきになるくらい美味いから、相当だ。鍋みたいな感じで食うから、親睦会になるな。そこで、信玄に伊賀と甲賀の長達を説得してもらいつつ、焔に援護射撃をさせる。焔ならば、上手く誘導して、夕餉中に和解させるだろうな。そこで、俺が挨拶に行って、配下についてもらう。その時にエリザベスにも目通りさせて、希望の忍隊を選ばせて貰い受ける算段をつける。これが、今夜の宴の予定だな」
「政宗様っ!それならば、今夜中にカタがつきそうでございます!」
「だろ?美紀、信玄が親衛隊を6人連れて来るから、昨日の言付けよりも6人多く肉じゃがを作ってくれ。必要な野菜は小十郎にLINEしろ」
「任せて!張り切るよ!佐助に材料切るの手伝ってもらうから、大丈夫!」
「美紀、お手伝いなら俺に任せて!」
「頼りになるぜっ!焔も頼りにしてるからなっ!」
「この焔に全てお任せを。お館様がいらっしゃいますから、尚のこと上手く行きます。どうぞご安心を」
「やっぱな!焔は流石だぜ!それから、ヴァチカンの会議への介入は、無宗教者として第三者的に俺が遙と介入するから、お膳立ての日英同盟と平和条約の締結が必要だ。基本的人権とかはとりあえず後回しで、平和主義を徹底して、世界の平和のためなら必ず日英共同で動くって感じの最低限の条文で条約を作ってくれ。これは大急ぎだな。お前もロンドンに連れて行って俺の宰相として同盟と条約の締結に立ち会ってもらう。条約も同盟も日英2ヶ国語で作れ。この同盟と条約に基づいて、ヴァチカンに俺は遙と出陣するからな。同盟と条約が俺の出陣の大義名分だ。これなら、ローマ法皇も納得する。だから、俺の王への即位後、真っ先にお前には宰相の位を与える。これは俺の案だな」

焔は驚いたように目を瞠って、そして微笑んだ。

「政宗様、流石でございます。それならば、ローマ法皇も納得せざるを得ませんし、誰の肩も持たないというのならば、他のリーダー達も納得致します」
「お前がそう言うなら間違いねぇな。それから、焔に朗報だ。猿飛の騎士団をエリザベスが選りすぐりを選んで喜んで分けてくれる事になった。今夜中に全忍の掌握も済むから、エリザベスがお好みの忍隊を選んだら、俺の船にエリザベスが選んだ忍隊を乗せてロンドンに連れて行く。エリザベスが、日英の友好の証として、騎士団と忍隊の交換の儀式をロンドンで取り行ってくれるらしい。ロンドンのバッキンガム宮殿でな。その時に、猿飛には俺の騎士団長を任命し、王である俺に忠誠を誓う騎士の儀式をやらせる。お前も猿飛の晴れの姿が見れるぜ?猿飛も喜んでるしな!是非その猿飛の雄姿をお前が見てやれ」

俺がそう言うと、焔は本当に嬉しそうな表情になって微笑んだ。

「佐助様が誠にお幸せになれるお姿が見られて、俺は本望でございます!政宗様、ありがとうございます!!」
「ヴァチカンの猿飛の婚儀も見せてやるから楽しみにしてろよ?」
「はっ!政宗様にはお礼の言葉もございません!!誠にありがとうございます!この焔の一生に一番の幸せの瞬間になる事は間違いございません!!佐助様の2度の晴れ舞台、この目にしかと焼き付け、一生の思い出に致します!!俺は、政宗様に、より一層の忠義を必ずや尽くします!!」
「焔もそんなに喜んでくれて嬉しいぜ。お前は好きなだけ俺達と同行して、必要な時にハリアーで日本に帰れ。長曾我部か成実のホンダジェットに乗れば、いくらでも休みながら一緒に世界を周遊出来るし、視察にもなる。お前の力が俺にはまだ必要だ。今回は登勢の術後のケアをしながら、成実のホンダジェットでロンドンまで来い」
「ありがたき幸せ。是非、俺も世界を視察致したいと存じます。その上で策を練ります。太平洋周遊後、帰国致しましたら早速政宗様の官僚達を鍛え上げます」
「Okay!俺も楽しみだし、その方が安心だ!猿飛、お前も焔が一緒の方が嬉しいだろ?」
「流石、政宗様、よく分かってるね!焔には俺の晴れ舞台を見せたかったから、俺、超感激!!政宗様、めっちゃ嬉しいよ!ありがとね!!」
「猿飛もそんなに喜んでくれて嬉しいぜ。遙、基本的人権とかは後回しで悪いな。フロンティア派遣までには条文の追加をするから心配すんな!」
「それだったら大丈夫!ヴァチカンを乗り切る方が大事だもん!」
「それを聞いて安心したぜ」

俺は短くなったタバコを消して、玉露を飲み始めた。
これで、後はセットリストと小十郎のスプリンクラーの相談と結婚指輪の相談だけだ。
ちらりと楓を見遣って、まだフグの解体中だから、まだ時間がかかる。
とりあえず、小十郎を安心させる事にした。

「よし、小十郎、お前の畑にスプリンクラーの設置をしてやる。俺とお前にハウス農業の知識とテクニックを願う。お前の畑の事は俺がよく知ってるから、適切なスプリンクラーを設置してやる。食後にでも後で畑を見に行け」
「政宗様、誠でございますか!?是非願って頂きたいと存じます!!」
「お前がそんなに喜んでくれて嬉しいぜ。テクニックさえ身につけば、お前にも操作が分かるからな。手っ取り早く、一気に願うぜ」

俺は、俺と小十郎にハウス農業の知識とテクニックを願い、その知識に基づいて、小十郎の全ての畑に最適なスプリンクラーの設備を整えた。

「よし、小十郎、これでいつでも自動で水やり出来るぜ。とりあえず、フグを食ってからな」
「政宗様、ありがとうございます!!使い方も分かります!!今朝、早起きして、すでに木酢液は試しましたので、楽しみでございます!!」
「そうか、それは良かったな!じゃあ、心置きなく、バンドのリハーサルが出来るな。エリザベスがアンベリアン・ドーンのセットリストを作ってくれた。だが、30分ほど物足りねぇから、最後はメタルとハードロックのラブソングで締めたいと思う。構成は遙の好きなMr. Bigとインペリテリだ。とりあえず、俺の候補としては、Mr. BigのDaddy, brother, lover, little boy、To be with you、Addicted to that rush、Nothing but love、続いてインペリテリのI'll be with you、You are the fireの6曲だな。これでライブの時間が丁度いい。特にTo be with youは遙に出会った時の俺の気持ちそのものだし、Nothing but loveは遙の一番好きな曲で、俺のプロポーズの歌だから譲れねぇな。遙は全部大好きだろ?」

遙は驚いたような顔で聞いていたが、とても嬉しそうに頷いた。

「うん!最高のセットリスト!Mr. Bigの好きな曲ばかりだし、インペリテリはすごく情熱的なラブソングで最高に盛り上がって終わるね!Starsの前に丁度いい!」
「やるな、梵!それなら俺も合唱したいぜっ!」
「独眼竜、俺もだっ!」
「マサ、私も大賛成よっ!ダーリンと大合唱するわっ!」
「よし、じゃあ、みんな喜んでるから、今すぐプレイリストを完成させたら、みんなに俺のプレイリストを共有する。ちょっと待ってろ」

俺はさっきのセットリストに、6曲を追加して、Stars以外を完成させて、みんなに次々にメッセージで送って共有した。
それぞれのiPhoneで、みな真剣にセットリストを眺めている。

「いい構成だぜっ!」
「梵は流石だな!これ、超気に入った!」
「せっかくだから、クリスマス前だし、クリスマスソングもやりたい!」

遙は目をきらきらと輝かせながら言った。

「いいじゃねぇか!張り切って歌えよ?」
「うん、頑張る!」
「じゃあ、Bad ReligionのWhite Christmas、Skid Rowのジングルベル、PelleKのクリスマスの12日、PelleKの O holy night、Jonathan YoungのAll I want for Christmas is you、Orion's ReignのJoy to the world、Bad ReligionのHark! the herald angel singsだな。ちゃんとしたメタルで盛り上がるだろ?その後Starsだ!」

遙まで驚き、口々に気に入ったというのを聞いて、俺は満足をした。
ついでに、イスラム教と明や清の懐柔策のライブが聞きたくなった。
まだ時間に余裕がある。
楓はやっと解体を終えて、厳重に内蔵の始末をしている所だ。
これからてっさと湯引きを作るのにはまだ時間がかかる。

「遙、焔がいるうちに、イスラム圏と中国のライブ構成を聞かせろ」
「うん!イスラム圏って、案外Bon Joviファンが多いんだよね。世界的な動画のカラオケアプリで遊んでたら、イスラム圏の人がたくさんBon Jovi歌ってたから、第1部は全部Bon Jovi。第2部はハリウッド映画の主題歌。若者はハリウッドに夢中。パンクバージョンね。焔、どう思う?」

焔は微笑んで頷いた。

「ええ、確かに、東南アジアからイラク、トルコに至るまで、メタル・ハードロックではBon Joviは大変人気でございますね!太平洋の島々もBon Joviで問題ございません。ハリウッド映画も大変人気でございます。パンクバージョンなら盛り上がりますね!アフリカは流石にブラックミュージックでございますね。良き手だと思います」
「やっぱり?それからね、ロシアはキリスト教色が薄いから、やっぱり第1部と第2部は抜いて、代わりにメタリカ。ペレストロイカ直後のモスクワライブで、西側の音楽のメタリカであれだけロシア人が熱狂したくらい、メタリカはロシア人好み。メキシコもね」
「全く同感でございます。ロシア人とメキシコ人はメタリカに必ずや熱狂するでしょう。それならば、南米を熱狂させてるのはメガデスでございますね。ブラジルのみアングラとメガデスでございます」
「流石、焔、よく分かってる!あとは、中国なんだけど、中国は日本のアニメ好き。アニソンが大人気。だから、中国では、ANIMETALを演奏しようかな!ペガサス幻想とかアイアンリーガーとか北斗の拳とか絶対盛り上がる!ANIMETAL USAの方ね。ギターがインペリテリだから。あとはGACKTが人気かな。ハリウッド映画の主題歌もパンクバージョンで何曲かやる感じで」

焔は堪え切れないように笑った後、頷いた。

「正直、中国に通じるメタルは思いつきませんでしたが、ANIMETALでございますか!それならば、中国も夢中になるでしょう。GACKTも人気でございますね。その選択で間違いございません」
「遙、傑作だっ!ANIMETALかよっ!あははっ!USAは知らねぇな。インペリテリならcoolだなっ!まあ、あれも歌いがいあるからいいぜ?テクニカルだしな!宇宙戦艦ヤマトとかマジンガーZとかもやろうぜ!GACKTも歌ってやる」
「わあ、政宗がノリノリで嬉しい!愛してる!!」
「ああ、俺もお前を愛してるぜ!」
「遙ちゃん、俺もANIMETALのドラム叩きてぇな!楽しそうだ!」
「遙、お前ぇ、やるじゃねぇか!ANIMETALなら俺もやりたいぜ!」

満場一致で盛り上がって、俺も嬉しくなった。
これで、目処が立った。

「ねぇ、政宗、オープニングに1曲加えたくなっちゃった。F1の時だけでいいんだけど」
「1曲くらい構わねぇよ。何て曲だ?」
「Deep PurpleのHighway Star。レースの歌だからいいかなって」
「あの名曲か!最高に盛り上がるな!是非その手で行こうぜ!!」
「わあ、嬉しいな!うん、これでライブの構成は大丈夫かな」
「よし、よく分かった。これで俺も安心だ。じゃあ、後は婚儀まであんまり時間がねぇから、指輪のデザインだな。特に成実は別行動が多いから、今のうちに希望を聞いてやる。成実、とりあえず、俺の指輪を参考に、登勢にもお前にも似合って、お前が一生着けて満足しそうなデザインを考えろ」
「ああ、分かったぜ、梵!」

成実は、俺の指輪をじっと見つめて考え始めた。
ちらりと楓を見ると、湯引き用の皮を切っている所だ。
まだ話す時間がある。

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