「ハ〜イ!思ったよりも長くお昼寝しちゃったわ。佐助と美紀は?」
「あいつらは料理で忙しいから遅れて参加だな。お銀、お前、美紀の代わりに今日だけキーボードを弾け。セットリストは長曾我部にiPhoneで見せてもらえ。Safariで楽譜も見れるはずだ。長曾我部は昨日も言った通り、ベースだ。まあ、今日はアンベリアン・ドーンは小十郎の代わりだけどな。せっかくベスがいるから、リハーサルはアンベリアン・ドーンからだ。ベスはギターでバッキングを弾きながら歌え。本番ではベスのダーリンが弾く。俺は遙と演奏するパートの打ち合わせをする。成実、お前はバンドのセットをリハーサルがすぐ出来るようにセッティングしろ」
「かしこまりました!」
「Okay!」
俺が楽器のセッティングをしている間に、梵は遙ちゃんとiPhoneを覗き込みながらしばらく打ち合わせをして、それにエリザベスも加わって相談すると、決まったのか、ヘッドセットを着けてギターを構えた。
ヴィジュアル系ミュージシャンみたいな衣装にテンションが上がる。
遙ちゃんもエリザベスも最高にcoolだ。
「よし、全ての曲は成実のカウントからスタートだ。お銀、キーボード遅れんなよ?」
「かしこまりました!」
「Okay、行くぜっ!」
俺がドラムスティックでカウントを取ると、キラキラしたキーボードとツインギターのイントロが始まり、そこから、すぐに俺のツーバスドラムが始まった。
やべぇ!River of Tuoni、この曲、案外ノレるぜっ!
梵は遙ちゃんとのツインギターに超ご満悦だ。
アルペジオの後のギターの鳴かせ方まで息がぴったりだ。
そして、エリザベスのヴォーカルが始まった。
鳥肌が立つほど上手いし、綺麗な声だ。
これは最高のライブになる!
間奏のキーボードと遙ちゃんのギターの絶妙な掛け合いと、梵とエリザベスのヘヴィなバッキングが最高だ!
これを外国の路上ライブだなんて、やっぱり遙ちゃんは最高にcoolだ!
最後まで演奏が終わると、超楽しくて気持ち良かったとみんなで盛り上がった。
野郎共は襖の向こうで、拍手喝采しながらヒューヒュー言っている。
「独眼竜!これ、超やべぇな!エリザベスの歌がまた上手くて鳥肌が立ったぜっ!」
「ふふっ、私もギターを弾きながら歌うの、最高に気持ち良かったわ!」
「ああ、ベス、お前、最高だったぜ?この曲はこれで完成だな!この調子で2曲目だ!」
「Okay!」
俺はみんなの準備が整った所でまたカウントを取った。
次のThe Curseは、静かなイントロから、凶悪なトリプルギターのハイスピードなリフが始まり、そこからエリザベスのヴォーカルが畳み掛ける。
ドラムもハイスピードで、俺も超絶ノリノリだ!
間奏では、梵と遙ちゃんのソロの掛け合いの後に絶妙なツインギターが入り、超カッコよかった。
その後、エリザベスのヴォーカルで2曲目は終わった。
これも、完璧だ!
そのまま、梵の指示で次の曲を演奏した。
次の曲は、Lullabyで、遙ちゃんとエリザベスのデュエットに梵のデスボイス入りだ。
最高に綺麗なエリザベスと遙ちゃんのハーモニーにうっとりとしながらドラムを叩く。
テクニカルな演奏はなかったけど、これも最高だ!
「遙ちゃんとエリザベスのハーモニーが最高に綺麗だったぜっ!これならみんなうっとりする!」
「ああ、成実、俺も聞き惚れた。最高だったな!」
「そうだな、独眼竜!俺も聞き惚れたぜっ!」
遙ちゃんとエリザベスは嬉しそうに微笑み合った。
残り2曲でアンベリアン・ドーンは終わりだ。
もっと聞いていたいくらいに気持ちいい。
俺は4曲目のカウントを取った。
Sunriseは、切ない旋律のキーボードに、テクニカルなギターのリフのスローな曲だ。
出だしのヴォーカルから鳥肌がヤバい!
エリザベスと遙ちゃんのツインヴォーカルが美し過ぎる!
ドラムとしては全然難しくないけど、じっくり聞き惚れられるし、所々入る6連打のバスドラが楽しい。
間奏のギターの掛け合いもドラマチックだ。
そして、また美しいツインボーカルのサビで演奏が終わった。
最高の気分だ!
「遙っ、ベスっ!お前らのツインボーカル、最高に綺麗だったぜっ!これは俺のお気に入りの曲になるな!」
「政宗がそんなに喜んでくれて嬉しいな!私もベスとの合唱気持ち良かった!」
「私も遙のコーラスに聞き惚れちゃったわ!私もこの曲お気に入りになったわ!」
ひとしきり盛り上がって、アンベリアン・ドーンは次がラストの曲だ。
梵の指示で、俺はまたカウントを取った。
He sleeps in a groveは、ラストに相応しい、重厚でドラマチックな曲だ。
キーボードもツインボーカルも最高に盛り上がる。
ドラムも叩き甲斐がある。
間奏ではハイスピードのツインギターを梵と遙ちゃんが完璧に合わせた。
そして、サビの後にラストの曲は終わった。
最高の締めの曲だ!
「やっべぇ、梵!バンド、最高に楽しいぜ!全部一発で決まるとは思わなかったぜ!」
「ああ、俺もびっくりだぜ!遙とのツインギター、最高に幸せだったしな!遙、愛してるぜ!」
「私も政宗とのツインギターなんて夢みたいだよ!愛してるよ!」
二人は幸せそうにキスを交わして、俺達はくすくすと笑った。
その時、襖の向こうから小十郎の声がした。
「政宗様、最高の演奏でございました。エリザベス女王と遙様の歌声もとてもお綺麗でした。陰陽座のリハーサルはいかが致しましょう?」
「ああ、小十郎、いい所に来たな。丁度お前を呼びに行かせようと思っていた。部屋に入って笛の仕度をしろ」
「はっ!」
小十郎は部屋に入ると一礼をし、ヘッドセットを着けた。
「小十郎、最高にcoolな即興期待してるぜ?みんな、セットリストの最終確認だ。俺は遙とギターのパートの打ち合わせをする」
みなが返事をして、エリザベスはギターを置いて座卓に着いた。
すぐにくノ一が茶を運んで来て、エリザベスは嬉しそうに微笑んで、シェイクスピアと話し始めた。
俺達は打ち合わせを終えるとポジションに着き、俺はカウントを取った。
一曲目の羅刹だ。
遙ちゃんのギターソロに小十郎の笛が重なり、最高にテンションが上がる。
エリザベスは驚いたように目を瞠った後、気持ち良さそうに聞き惚れていた。
しばらくしてイントロのザクザクしたリフが始まり、遙ちゃんの独唱が始まった。
ヤバイほどcoolだ。
小十郎も興奮したように笛を鳴かせている。
俺達の掛け声の後、梵にヴォーカルが移ると、その後サビの遙ちゃんと梵の掛け合いが始まった。
ヤバイほどカッコいい!
ハイスピードなドラムも叩き甲斐がある!
2番もそのまま気持ち良く演奏すると、間奏の初っ端が俺達の十八番の能の掛け声だ。
梵、小十郎、俺の能の掛け声が重なるとゾクゾクした。
その後の遙ちゃんのギターソロがまたcoolだ。
それを梵のソロにバトンタッチをして、また最後にイントロのギターソロを遙ちゃんと小十郎の笛が奏でる。
本家の陰陽座よりカッコいい!
そのまま遙ちゃんと梵はラストまで演奏しながら歌いきった。
ヤバイほどカッコ良かった!!
元親が興奮の絶頂だ!
「マサ、ジャパニーズメタル、最高にcoolよっ!小十郎の笛も素敵ねっ!!Excellntよっ!!」
「ありがとうございます、your majesty」
「独眼竜!これ、やべぇほどカッコいいじゃねぇかっ!早く次のも弾こうぜ!」
「Okay!小十郎、よくやった!成実、カウント頼んだぜ!」
「Sure!行くぜっ!」
次は、紺碧の双刃。
梵のテーマソングみたいなものだ。
カッコいいギターのイントロから、メロディアスなツインギターの旋律に小十郎の笛が重なる。
ヴォーカルは遙ちゃんのソロヴォーカルの曲だ。
俺達のシャウトに合わせて小十郎が激しく笛を鳴かせて、遙ちゃんの綺麗なソロにはそれに合わせた繊細な笛の旋律が重なる。
流石は小十郎だ!
梵のセリフの後、間奏ではテクニカルなギターソロの掛け合いからのツインギターがたまらなくカッコいい!
ドラムが単調なのだけがつまらないけど、これも名曲だ。
演奏が終わると、梵は顎に手を当てて眉間に皺を寄せていた。
「梵、どうした?」
「なんか、歌詞が秀吉を彷彿とさせて段々気に入らなくなってきた。それに、せっかくなら、遙とデュエットしてぇしな。紺碧の双刃はやめて、雨に叢雲風に花に差し替えるか。あっちの方がギターもテクニカルだし、スピードも速くてノレる」
「はぁ、お前ってやっぱり完璧主義だな。雨に叢雲風に花は、俺もお気に入りだからすぐに叩けるぜ。小十郎、お前はどうだ?」
「あれは名曲だからすぐに即興出来るぜ?政宗様のおっしゃる通り、遙様と政宗様には雨に叢雲風に花の方がお似合いと存じます」
「じゃあ、決まりだな。全員3分で譜面を確認したら、成実、カウントを取れ」
「Okay!」
梵と遙ちゃんはギターソロの担当を確認している様子だった。
各自好きなように楽器を少しかき鳴らすと、準備が整った。
俺がカウントを取ると、すぐに遙ちゃんのギターのアルペジオが始まった。
とてつもなくテクニカルなギターがずっと鳴っていて、ベースがそれを支える曲だ。
それに、遙ちゃんと梵のヴォーカルが掛け合い、サビではハモる、激ムズの曲だ。
でも、最高にシビれる旋律だ。
梵のヴォーカルは本家と違ってクセが全然なくて、最高にcoolだ。
小十郎はずっと雅に笛を鳴かせていた。
間奏ではツインギターが鳴き、そこからソロに分岐してまたツインギターに戻り、遙ちゃんの高音ヴォーカルが始まる。
一番難しい高音部を遙ちゃんは難なく歌い切って、最後のサビではギターソロを弾きながら歌っていた。
そこから最後までテクニカルなソロを弾き切って演奏が終わった。
「遙!貴女、最高にcoolよっ!マサとのデュエットも良かったわ!」
「ああ、そうだな、ベス!これに差し替えて正解だぜっ!歌詞もめでたいしな!」
「ふふっ、政宗もベスもそんなに喜んでくれて嬉しいな!歌もギターも小十郎の笛も気持ち良かった!」
「遙様がそのように喜ばれて大変嬉しく思います」
「梵、俺もハイスピードでノリノリだったぜ!」
「よし、じゃあ、この調子で蒼き独眼だっ!俺のテーマソングだっ!!」
「Okay!」
みんなが配置について、俺はカウントを取った。
正統派ヘヴィメタルのリフで始まる安定感のある曲だ。
出だしの梵のヴォーカルがセクシーだ。
それに遙ちゃんとのデュエットが続く。
遙ちゃんと見つめ合いながらハモる梵はとても嬉しそうだ。
小十郎も微笑ましそうに笛を鳴かせている。
間奏のツインギターの後は遙ちゃんの綺麗なソロヴォーカルから、また梵とのハモりがラストまで続いた。
これぞ、夫婦の共同作業というような曲だ。
歌い終わった梵は有頂天なくらいに上機嫌だった。
「よし、これで完璧だな!俺も遙とのハモリがすげぇ気持ち良く歌えた」
「政宗、最高にセクシーだった!次の青天の三日月も楽しみだな!」
「お前がそんなに喜んでくれて嬉しいぜ。じゃあ、成実、カウント頼んだぜ!」
「任せろ!」
カウントを取ると、全ての楽器が一斉に鳴り出した。
中でも、笛がオリジナルの曲よりも艶やかで全然coolだ。
ヴォーカルは梵と遙ちゃんが交互に歌う感じだ。
間奏の前のハモりが綺麗で俺は聞き惚れた。
間奏の最後のギターのリフでヘッドバンギングをして、またサビのハモりの後、ヘヴィなリフで曲が終わった。
「よし!これも完成だなっ!ラストは悪忌判官だな!成実、このまま突っ走れ!」
「Okay!」
みんな準備が整っていたので、俺はすぐにカウントを取った。
遙ちゃんのファンキーなソロから始まるこの曲は、俺のお気に入りだ。
元親のベースがパンチ効いていて、あんまりギターが鳴らない、ヴォーカルがメインの作りだ。
梵の遙ちゃんへの愛情が最大限に込められた歌詞がまたいい。
ハモる所では見つめ合いながら歌い、ギターを弾いている。
遙ちゃんの綺麗な独唱の後、テクニカルなツインギターの間奏が入り、また睦言のような二人の歌が始まる。
ラストに相応しい曲だ。
小十郎も笛は控え目に鳴らしている。
ラストのドラムの連打では、俺もテンションMAXまで上がって演奏が終わった。
梵はかつてない上機嫌だ。
「やっぱり陰陽座で一番好きなのはこの曲だな!遙とのデュエットが最高に気持ちいいぜ!」
「政宗がすごくカッコ良かったし、ハモれて幸せだった!政宗、愛してる!」
「ああ、俺もお前を愛してるぜ?」
二人はひとしきりキスを交わして、梵は時計を見た。
「あと、2曲くらいはリハーサル出来そうだな。遙、お前、何をやりたい?」
「ブラインド・ガーディアン!」
「やっぱりな!あれは、全員大合唱だな!」
その時、美紀ちゃんと猿飛が襖を開けてやって来た。
「遅くなってごめーん!リハーサル終わっちゃった?」
「陰陽座とアンベリアン・ドーンはな。これから、ブラインド・ガーディアンだ」
「マジで!?超やりたい!」
「マサ、私もコーラスやりたいわ!」
「よし、美紀もベスも加われ。みんなで熱唱だ!」
「Yeah!!」
俺達は、梵が呼ばれるまでブラインド・ガーディアンを合唱して盛り上がった。
俺はハイスピードなツーバスドラムに大興奮しながら大熱唱で、Creeping Deathの事をすっかり忘れてしまった。
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