成実の本性

美紀が惚れ惚れとしたように成実の隣にやって来た。

「成実、本当は、あんなにカッコ良かったんだね!!超ドキドキしちゃった!!惚れ直した!!」
「ちょ、ちょっと美紀!?俺はどうなるの!?あんなに成実様と元親様に怒られたし、庇われたし、美紀は成実様に惚れ直すし、俺、惨めで立場ないじゃん…」

猿飛がしょげてしまって、俺達は爆笑した。
成実は肩を震わせながら笑って、タバコに火を点けた。
小十郎がさりげなく席の移動を手配して、信玄達を別の座卓に移動させ、俺と遙と猿飛と美紀と成実と登勢と長曾我部とお銀とエリザベスが座卓に集まって、食事を再開した。

「落ち込む暇があったら、自分の行いを反省しやがれ、猿飛。仮にも梵付きの騎士団長になるんだろ?お前も人の上に立つなら、己の在り方をよく考えろ」
「うん、成実様の長い説教でよく分かったよ。俺、基本的に武田の家風にすっごく馴染んじゃってたから、伊達軍が何でそんなに強いのか、政宗様の人望がどうしてこんなに篤いのか、考えてもみなかった。そりゃ、遙も7年間も政宗様を忘れられないよね。確かに漢の中の漢だよ。お館様を軽く超えるレベルだよ。俺も政宗様や成実様を目指して頑張るよ!」
「その調子だ、猿飛。お前の漢の背中をしっかり見せて、美紀ちゃんを口説き落とせ」
「はぁ、やっぱ、成実様も政宗様に負けない伊達男だ。流石は伊達の世継ぎだね、恐れ入ったよ」

また美紀がうっとりと成実に見惚れて、猿飛はますますしょげた。

「はぁ、成実も食えない男だよね。あんなに下ネタばっかり言ってたから、私、登勢ちゃんが何でそんなに成実好きなのか理解不能だったよ。隠してたの?」

遙がそう言うと、成実はタバコの煙を吐き出して、クスクスと笑った。

「まあな。遙ちゃんには、俺がただの軽い遊び人だと思われてた方が好都合だったし。他の女だって俺がこういうキャラなら、処女は俺を避けるし、寄って来るのはあばずれか欲求不満の人妻だけだろ?相手としては後腐れなくていい女ばかりだ。俺が妻帯者にも見えねぇし。だから、余計に好都合なキャラだな。だから、初めての宴の時、遙ちゃんは、俺に奥方がいる事まで分からなかっただろ?遙ちゃんみたいな子は、俺に絶対惚れねぇだろ?俺は登勢しか御免だったから、女に惚れられたら迷惑極まりねぇ。そもそも梵が7年も操を立てた女だからな。ただでさえ、俺の見た目は梵そっくりだから、そりゃ、敢えて梵と違うように振る舞うさ、本性が生粋の伊達男でもな。俺、登勢と二人きりの時と、他の奴がいる時は全然違うからな。特に遙ちゃんの前では尚更だ。梵の女なのに、俺に惚れられたら困る。梵の最大のコンプレックスは俺だからな。俺が梵に瓜二つな上に両眼揃っているから尚更だ。だから、ほぼ俺の自然体レベルに梵の弟キャラが定着してるんだぜ?」

成実がそう言うと、遙はハッと顔色を変えて、心配そうに俺をちらっと見た。

「遙、大丈夫だ。あの義眼の手術のお陰で、俺は完全に右目の呪縛から解き放たれた。成実が俺の右目の事を口にしても、俺はもう傷付かねぇよ。お前は本当によくやった」
「梵、義眼って?」
「ああ。甲斐の疱瘡の流行で、遙は俺と同じ右目を患った幼い娘を治療した。遙の愛はすげぇぜ?何せ、その娘の目が飛び出る前に母親を呼び出して大声で叱ったんだ。目が飛び出ても嫌わねぇか、可愛がれるか、化け物だなんて罵ったりしねぇかってな。俺の二の舞を遙は恐れた。それを聞いた俺の気持ちを考えてみろ。惚れ直すに決まってんだろ?俺、涙が止まらなかったぜ」

成実は本当に驚いたように目を瞠って、そして、薄っすらと目に涙を浮かべて、俺の肩を抱いて揺すった。

「俺、噂では知ってたけど、改めてお前の口から聞くと、超絶感動するぜっ!梵、お前、遙ちゃんと出会って愛されて本当に良かったな!お前、遙ちゃんに、すげぇ救われただろ?俺、すっげぇ嬉しい!梵にだけは絶対に幸せになって欲しかったからな。遙ちゃんしか、梵の嫁は相応しくねぇな。お前がそんなに愛されて、本当に俺は嬉しいぜっ!」

成実が片手を差し出して、俺と成実は固い握手をした。

「で、義眼って?」
「よし、猿飛、お前が治療について話せ」
「任せて!」

猿飛は事細かに手術の全容と、義眼を入れる処置について、成実に報告した。
成実は驚きの声を上げながら聞いて、最後まで聞くと、感心しきっていた。

「梵が欲しくてたまらなかった右目だ…。そんな事まで出来るんだな。やっぱ遙ちゃんはすげぇ!遙ちゃん、本当にありがとう。梵、やっと右目の呪縛から解放されたと俺は思うぜ。小十郎もな。俺もやっと安心した。遙ちゃんには礼の言葉もねぇよ。俺、遙ちゃんと梵のためなら何でもする。それでこそ梵の嫁だ。正直、梵が7年も届かない恋をしてるのはほぼ確信してたけど、あそこまで梵の心を奪うなら、そうそうの女じゃ俺は絶対認められなかったからな。歌詞から察するに相当な教養のある伊達女って見当はついてたし、あれだけでも梵の心を奪っても仕方ねぇって感心して俺も再会を祈ってたけど、やっぱり、遙ちゃんは、大合格だ。石榴石教の政治の知恵を司るだけの事はあるし、梵が惚れ抜くだけの事はある。それも俺の期待してたレベルを遥かに上回る伊達女で、頭がスーパー良くて、情も最高に深い。ストライクど真ん中をぶち抜くレベルだ。伊達の天下人の嫁に相応しい」

成実が座卓越しに目一杯手を伸ばして、遙の頭をくしゃくしゃと撫でて笑った。
遙もくすぐったそうに笑って、成実の手をそっと押しやった。

「良かった、伊達家ナンバー2の成実にそんなに褒められて。それにしても、成実、何で武田の姫様の事、あんなによく知ってたの?びっくりしちゃった。政宗も知ってた?」
「いや、俺は縁談は形だけ適当に目を通して放ったらかしてたから、甲斐に行くまで武田の姫の事なんて全然知らなかったぜ。成実の事だから、特別ルートで俺の縁談相手の偵察でもしたんだろ」
「流石は梵、大正解。この俺の伊達の血筋に迎えるだけじゃなくて、俺の上に立つ女だからな。そうそうの女なんて認めるはずがねぇだろ?黒脛組はあれだけの規模なんだ。統括してるのが梵だからって、俺が使ってないと思ったら大間違いだぜ?そもそも伊達の裏での偵察の担当は、この俺だからな。ポーカーフェイスも演技も梵より俺は上手い。綱元も脱税管理に使ってるしな。伊達の諜報網をなめんなよ?」

成実が悪戯っぽく笑うと、遙は驚いたように目を瞠った。

「成実、そんな事まで担当してたんだ、すごい!」
「伊達三傑は伊達じゃねぇ、you see?」

低い声で成実がそう言ってニヤリと笑うと、美紀と登勢だけでなく、遙までほんのり頬を染めて、俺は慌てた。

「成実、そのセリフは止めろ!遙が惚れる!遙、何で顔が赤いんだ!?お前、成実に惚れたか!?」
「見直しただけだよっ!独眼竜は伊達じゃねぇ、you see?の方がカッコいいもん!」
「そ、そうか…後でもっと口説くから楽しみにしてろ」
「うん!」

遙が嬉しそうに微笑んで、俺はようやくホッとしてタバコに火を点けた。
成実は本当に俺と口癖まで似ているから、気が気じゃねぇ。
本気を出した成実ほど恐ろしい男はいない。
俺そっくりなだけに、俺の真似は果てしなく可能だ。

「成実、お前の事だから、俺の縁談相手の偵察、黒脛組だけじゃなくて、何かと理由つけて、お前自身で出向いて偵察しただろ」
「クッ、正解だ。お前に相応しい女はいねぇか、独自ルートで全国を探索させてたし、武田の姫は許婚筆頭だっただけに、この目で確かめに行ったからな。だから、大反対してた。それが小十郎の援護射撃になって、2年も武田を抑えられただろ?遙ちゃんとの再会が間に合ってマジで良かったぜ。じゃねぇと、今頃、馬鹿な世継ぎと嫁の教育で、小十郎が頭抱えてたからな。あんなの絶対馬鹿しか生まれねぇ」
「つくづくお前は俺と同じ事を言うな。俺も姫に向かって出会いしなに言ってやったぜ。馬鹿しか生まれねぇってな」
「ははっ!梵らしいぜ」
「何かそこまで言われると、元武田の人間としては微妙な気分…。はぁ、姫様の取り柄は一途で馬鹿正直な所だけだからなぁ。それも単純バカだよ…。遙みたいに頭がキレないからなぁ。政宗様も満足出来ないよねぇ、はぁ…」
「そもそも男付きの女を梵にって考え自体糞食らえだ。武田も一の姫だったらまだ我慢出来たのに、何でまたあの二の姫だったのか、意味分かんねぇ。伊達も随分と甘く見られたもんだぜ」

成実は舌打ちをしてまたゆっくりとタバコを吸った。

「まあ、遙の一途な愛情が欲しくなってどうしようもなく惚れたから、一途って所だけは褒めてやる。遙もある意味馬鹿正直だからな。そこも悪くねぇか。プライドだけが高くて頭空っぽの単純バカってのが最大の汚点で、決定的に伊達の嫁には相応しくねぇな。遙は慎重過ぎるくらい慎重で、誠実で口は固いし、頑固だし、呆れるほど律儀で頭も回るからな。でも、それくらいの方が、政策を打ち出すにしても丁度いいくらいだ。指揮官の器だな。今思えば、美紀から科挙合格レベルって聞いてたし、他の女も遙はその中でトップだって言ってたからな。それを遙は隠したがったくらいだしな。能ある鷹は爪を隠すだ。そんなバックグラウンドがあったからこそ更に惹かれたんだろうな。俺の本能ってやつだな」
「やっぱ、梵は只者じゃねぇな。初めてのガチの一目惚れでそんな大物を釣り上げるなんてな。やっぱお前の見る目は間違いねぇし、最高だ。それでこそ伊達の筆頭だぜ」

俺と成実がハイタッチすると、遙はくすりと笑った。

「政宗にも成実にもそんなに褒められると嬉しいな。勉強頑張って来て本当に良かった」
「勉強だけじゃなくて、嗜みもだな。そう言えば、武芸の嗜みは射撃だけか?他に運動は?」
「幼稚園と小学生の間はずっと秋冬はフィギュアスケートとその他のシーズンはバレエをしてたよ?だから、まだ身体は柔らかいし太りにくいのかな。実家帰るたびにスケートリンクは行ってたし。政宗に会えない寂しさから、離れてからは冬になったらスケートリンクでくるくる踊り狂ってたよ。短時間でいい運動になるから、忙しくても時間作れたし。他の運動神経は普通だけど、そのおかげで医者としての体力はついたかな」
「やっぱまだ隠してたか。身体が柔らかいのもそのせいだし、筋肉の付き方がやたら綺麗なのもそのせいか。踊りは足腰をしっかり鍛えるからな。遙、フィギュアスケートって?」
「うん、こういうのだよ」

遙がiPhoneを取り出して、オリンピックの荒川静香の演技を見せてくれた。
成実も隣から覗き込んで、感嘆の声を上げている。

「すげぇ!!氷の上でエレガントに踊り狂ってる!!遙ちゃん、これ、出来るの?」
「ダブルアクセルしか出来ないけどね。政宗とだったら、アイスダンスしたいな」
「アイスダンス?」
「うん、こういうの」

遙はイナバウアーを見せた後、ディズニーオンアイスの動画に切り替えた。
美紀と猿飛までやって来て、iPhoneを覗き込んでいる。
ペアで絡み合うように氷の上で踊り狂うのは楽しそうだ。
是非、遙とこれをやりたい。

「はぁ、ダンスか。遙は駒場時代、大学2年までは空きコマで学内でフラメンコやってたよね。あそこは女子の園だったから。その子達とバンドも組んでたよね。私は競技ダンスだったけど、苦い思い出しかないや」

美紀は深い溜息を吐いて、憂鬱そうに机の上にのの字を書いた。
悲しそうにその目が潤んでいて、美紀らしくなく、俺は別れた男と何かあったのだと直感した。

「お前、別れた元旦那と競技ダンスで何かあったな?」
「はぁ…政宗なら見抜いても仕方ないよね…。そうなんだよ。私の元旦那は競技ダンス部のパートナーで、告白されて付き合うようになって、そのまま結婚しちゃったんだ。ダンスがトラウマになって、元々少しはジムで嗜んでたけど、本格的に憂さ晴らしのキックボクシングに変更だよ。またダンスしたいけど、嫌な思い出が蘇りそうで、怖いな…」
「トラウマか…。あれを乗り越えるのは難しい。だがな、美紀。どこかで真正面から傷に向き合わないと、トラウマってやつは乗り越えらんねぇぞ?俺も遙もそれで乗り越えた。そうだ、美紀。お前、猿飛とダンスしてトラウマを塗り替えるのはどうだ?そういうトラウマは、たった一人愛した男じゃねぇと、絶対塗り替えらんねぇもんだぞ?お前ぇらの絆の確認にもなる。是非そうしろ」
「え…?」

美紀は、虚を突かれたように、俺を見つめた。
猿飛は、真剣な表情になって、膝を進めた。

「政宗様、それ、俺に是非やらせて。美紀には返せない恩があるし、美紀のトラウマがそれで塗り替えられるなら、俺、絶対に頑張りたい!政宗様、俺にダンスについての知識を頂戴!」

猿飛の真剣な目を見つめて、俺は頷いた。
まずはどの知識を与えるべきか俺が知る事にして、遙の世界に存在する全ダンスとフィギュアスケートの全知識とテクニックを俺自身に願った。
俺はあまりにセクシーなダンスが多く存在する事に驚いた。
遙のフラメンコが超絶見たい。
何なら俺がギターを弾きながら歌う。

「なぁ、美紀。お前、競技ダンスだろ?せっかくなら、競技ダンスとかぶらねぇ、アルゼンチンタンゴはどうだ?ラテンの要素もモダンの要素もある、最高のダンスだ。治せる傷から向き合うのが妥当だと、俺は思うぜ?」
「ええっ!?アルゼンチンタンゴ!?超憧れ!佐助とアルゼンチンタンゴ、出来るの!?リードされたら蕩けそう!」

俺は思わず笑ってしまった。
美紀は無自覚ながら、どんどん素直になって来ている。
この調子なら、婚儀までにラブラブになりそうだ。

「よし、分かった。手始めに、猿飛にアルゼンチンタンゴの知識とテクニックを願ってやるから、お前は猿飛からアルゼンチンタンゴを習え。猿飛、それでいいか?」
「政宗様、マジで!?超嬉しい、ありがとう!」
「それがお前の望みなら叶えてやる」

俺は猿飛にアルゼンチンタンゴの最高峰の知識とテクニックを願った。
猿飛が驚いたように目を瞠った。

「こりゃまた、セクシーだねー!こんなダンス、他の男となんて、絶対にさせられないよっ!俺がじっくりと手取り足取り教えてあげなきゃね!」
「何だよ、梵!セクシーだなんて楽しそうじゃねぇか!俺もダンスの知識が欲しい!登勢と踊りたい!」
「政宗様、登勢様だけど、リハビリには有酸素運動が有効だし、ダンスは有酸素運動だから、おススメ。登勢様のリハビリのためにも成実様にダンスの知識とテクニックは願った方がいいと俺は思うよ。フィギュアスケートは激しすぎるな」
「猿飛、そうなのか?じゃあ、是非登勢のためにも成実に知識とテクニックを願わなきゃな」

俺は成実に競技ダンスのモダンとラテンと、アルゼンチンタンゴの最高峰の知識とテクニックを願った。
途端に成実は声を上げてニヤリと笑って登勢を見つめた。

「登勢、お前が治ったら、ダンスの稽古だな。夜伽出来る身体に早くなってもらうためにも、じっくり手取り足取り俺がお前に仕込んでやる。今まで一緒にいられなかった分、たっぷり口説きながら仕込んでやるから、覚悟しろよ?」
「はい…」

登勢は真っ赤になって惚けたように成実を見つめた後、こくんと頷いた。
綱元が笑いながら別の座卓からやって来た。

「政宗様、登勢のリハビリにダンスとは全く良き考えでございます!そのようにセクシーなダンスであれば、この綱元も、嫁を口説き落とすために学びたいと存じます。是非この綱元にもテクニックを願って下さいませ!」
「まあ、綱元には留守を預けちまうから、それくらいの礼はしてやんねぇとな。分かった。綱元にも成実と同じテクニックを願ってやる」
「ありがとう存じます」
「独眼竜、伊達だけずるいぞ!俺もお銀とダンスがしてぇな!」
「あら、ワルツ以外のダンスに私も興味があるわ!マサ、私にも願ってよ」
「分かった、分かったから、一気に願ってやる」

俺は綱元、長曾我部夫婦、エリザベスに成実と同じ知識とテクニックを願った。
3人とも声を上げて、セクシーだと盛り上がっている。
この調子なら、城内にダンススタジオを作らなきゃならねぇ盛り上がりようだ。
忍達のライブのダンスの練習にもなるし、スタジオを作るのは良さそうだ。

「よし、美紀、当分はアルゼンチンタンゴを極めろ。その次にトラウマの塗り替えの競技ダンスだな。お前はモダンとラテンのどっちだ?」
「ラテンだよ」
「お前らしいな。宮廷ダンスに使えるから、次にモダンで、最後にラテンでトラウマ克服だ。猿飛が俺に依頼をして来た時点で能力を与える。それでどうだ?」
「うん、それなら自然と克服出来るかも。何しろ、入口が憧れのアルゼンチンタンゴなら、それだけですんなりダンスに戻れそうだよ!」
「そうか、なら良かった。よし、お前ぇら、そろそろ食事に集中だ。俺も話してばかりじゃ食う時間がねぇ。美紀の肉じゃが、最高だったぜ?小十郎のじゃがいもと玉ねぎと人参は抜群に美味いから、最高に美味かった!素材を活かしたいい味付けだったぜ?どこの肉だ?」
「政宗がそんなに喜んでくれて、超嬉しい!私も小十郎の野菜に超感動しちゃった!A5ランクの米沢牛の切り落としだよ」
「米沢だと!?俺の城がある所じゃねぇか!分かった、米沢で米沢牛を育てさせる。最上川から水を得れば楽勝だ。奥州の俺の親戚達も喜ぶ」
「米沢牛か、やるねぇ、美紀ちゃん!あれ、めっちゃ美味かったぜ!味付けも超伊達好み。また作ってくれよ!」
「もちろん!」

美紀は嬉しそうに微笑んで、いそいそと鍋の世話を始めた。
話してばかりだったから、正直全然食い足りない。
俺は肉を追加で願って、成実と遙と酒を酌み交わしながら、ゆっくりと味わって、1時間した頃、ようやく満たされた。

今日も色々な事が決まって大満足だ。
ちらりと時計を見ると、8時だ。
あと、1時間以内で切り上げて、今夜は日付が変わる前に遙を休ませるべきだ。
今日は夜伽しなくても良さそうだから、俺は焔に予防接種を依頼した。

あと早急にやる事は、伊達軍の軍備編成をやり直す事だ。
これで、少なくとも海軍は機能する。
野郎共の編成も変更だから、荷積み開始前に軍備編成はしなければならない。
おそらく人数が大幅に変更される。
この軍議は、伊達三傑と長曾我部と焔と遙と美紀がいた方がいい。
イギリス軍も編成し直しだから、エリザベスと紫苑もだ。
猿飛なら呼ばないと拗ねそうだから、ついでに呼ぶ。
これは今夜中にカタをつけたい。
軍議は秘密会議なだけに、俺の部屋だ。

「そういえば、ベス、忍隊は決まったのか?」
「ええ、決まったも同然よ!忍法の事は全部聞いたし、忍の役割も全部聞いて、私の希望は全部伝えたわ!明日にでも里に帰還して、明後日中に忍隊を大急ぎで編成して凧で一気に勝浦まで送ってくれるって。追加の要望があれば勝浦からの伝令の方が早いから助かるって。編成は何度でもし直してくれるって、完璧ね!マサ、貴方、最高にcoolよ!わくわくが止まらないわ!」
「そうか、それは良かったな。流石はベスだぜ、仕事が早ぇ!お前ぇら、恩に着るぜっ!!後で、甲賀と伊賀にたっぷり礼の品を届けさせるから楽しみにしてろよ?」
「ははっ!ありがたき幸せ!!」
「全忍の布陣については、後日綱元から指令が出る。江戸に各家の長の召集をかけるからそのつもりでいろ。俺が王に即位してからだな。約1週間後だ」
「御意!」

明日中に、全忍が配下につくなら、その時に言語能力が与えられるという事だ。
やる事が多くて大変だが、焔を手に入れた今、指令を出すだけで上手く事は運ぶ。

俺はLINEで今夜の軍議のメンバーに召集をかけて、しばらくゆっくりと飲んで、やがて宴を散会させた。
信玄はまた深く詫びて礼を繰り返し、親衛隊を引き連れて部下達に案内されて部屋を出た。
忍の長達も部下達に案内されて部屋を出た。
残るは軍議のメンバーとその妻達だけだ。
登勢はまだリハビリで起きているらしいので、俺の部屋に呼ぶ事にして、お銀は息子の世話のために、引きこもり部屋に戻ってもらって、シェイクスピアにも部屋で仕事をしてもらう事にした。
俺はみなを連れて、俺の引きこもり部屋に向かった。

さあ、これから作戦タイムだ!

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