これを参照すればペンタゴンの知識とすり合わせながら軍議が開ける。
あとはこの時代の日本とヨーロッパの軍備の情報を出し合えば、おおよその世界の戦力が見える。
だから、エリザベスの知恵が欠かせない。
流石に俺も軍事情報は漏らさないし、それはエリザベスも同じだ。
初めてのエリザベスとの軍議にわくわくする。
あとは歩くGoogle先生、焔と紫苑がいるから、楽勝だ。
俺は引きこもり部屋に着くと、みなを座らせて、くノ一達にコーヒーを淹れさせた。
エリザベスもわくわくした顔をしている。
灰皿が配膳されると、俺と遙と成実はタバコを吸い始めた。
間もなくして、コーヒーが運ばれて来て、興味津々に部屋を眺めていた登勢は、コーヒーを見つめた。
「登勢、そんなに俺の部屋が気に入ったなら、後で作ってやるから、安心しろ。コーヒーはオスマン・トルコの飲み物だ。まだ熱いから気を付けろ」
「政宗様、ありがとうございます!とても素敵なお部屋…」
「俺がデザインしたから、当然だ。お前の望む部屋が成実の望む部屋だろうから、後で希望を俺に伝えろ」
「かしこまりました。成実様とご相談致します」
「良かったな、登勢!」
「はい、成実様!」
くしゃくしゃと登勢の頭を成実が嬉しそうに撫でて、遙がくすりと笑った。
「じゃあ、後で登勢ちゃんにインテリアコーディネーターの知識と建築史の知識を願ってあげる。iPhone見ながら成実と相談するといいよ。登勢ちゃんのiPhoneも願ってあげる。ペースメーカーには問題ないから」
「いいアイディアだ、遙。是非そうしてくれ」
「うん!」
「遙様、ありがとうございます!」
「ふふっ、登勢ちゃんが気に入る部屋が、成実も絶対嬉しいはずだからね」
「遙ちゃん、大正解!よく分かってるね、流石は梵の惚れた女だ。俺、めっちゃ嬉しい、ありがとう!」
成実がこんなに嬉しそうで、俺も嬉しい。
焔も微笑んで頷いた。
「よくよく考えましたら、引きこもり部屋のご用意は早い方がよろしいかと存じます。登勢様の急性期は終わり、入院状態ではございますが、これから主にリハビリでございます。城内やお部屋を歩く練習をして頂き、厠も正直、洋式の方が心臓のご負担になりません。成実様とゆっくりと寝心地の良いベッドでお休みになる事も肝要と存じます。入浴はしばらくはシャワーのみに限定です。また点滴のお時間も限られますので、身体の自由が効くお時間はしっかりとしたリハビリと、休養と栄養摂取が大事でございます。控えのくノ一達に全てのお世話を担当させますので、成実様にもご安心頂けると存じます。正直、専門の医療機器と設備さえあれば、どこでも治療可能な状態でございます。江戸城内ならば、何かがあってもすぐに設備が整うから安心でございます。政宗様に空調を整備して頂けるのであれば、尚好ましいと存じます。寒暖差は心臓に負担をかけますから」
「マジで!?俺、まさか登勢がそんなにすぐに良くなるなんて、思いもしなかった!なあ、焔。今晩から俺、自分の部屋で登勢と二人きりになってもいい?」
「控えのくノ一達さえいれば、登勢様はどこでお休みになっても構いません。むしろ、政宗様のお作りになるお部屋の方が安心でございます」
「やったぜ!なぁなぁ、梵。俺、今晩、引きこもり部屋が欲しい!」
「ああ、いいぜ。任せろ、成実。ちゃんと作ってやるから。登勢の身体にいいなら尚更だ」
「良かったな、登勢!」
「はい、成実様!成実様のためにもしっかりとお部屋のデザインを考えますね!」
「ああ、期待してるぜ、登勢!」
「ふふっ、言われてみればそうだね。スタッフと設備が万全だから、江戸城内ならどこでも安心だ。引きこもり部屋の方が絶対に登勢ちゃんの身体にいい。じゃあ、今すぐ能力とiPhoneを願ってあげる」
遙はそっと目を伏せて、登勢の能力とiPhoneを願った。
iPhoneが目の前に現れて、登勢は驚いた後、少しいじって微笑んだ。
「遙様、ありがとうございます。iPhoneの使い方も心得ました。皆様方の軍議にこの登勢の知恵が必要そうでなければ、成実様のためにしっかりとお部屋のデザインを考えたいと存じます」
「流石だ、登勢。それでこそ成実の嫁だぜ。後でcoolなデザイン期待してるからな!」
「政宗様、お任せ下さいませ」
登勢が微笑んで、成実が嬉しそうに笑う。
本当に登勢が治って良かった。
成実は一生やもめになる所だった。
この調子なら安心そうだ。
「ちなみに、登勢が勝浦に行くのは問題ねぇか?」
「医療機器とスタッフを持ち込みますので、ホンダジェットとヘリコプターに積めば問題ございません。ホンダジェットならば登勢様のご負担にもならず、勝浦にて政宗様にお部屋をご用意頂けるのであれば、反対は致しません。ただし、入浴はシャワーでございます。二条城も大阪城も同じでございます」
「分かった。成実、上洛には登勢も連れて行く。お前、USJに登勢と行きたいだろ?」
「梵、マジで!?俺、超嬉しい!!絶対に登勢を連れて行く!!」
「乗り物には制限がございますが、佐助様がご指示を出されるはずですので、ご安心下さい」
「ああ、政宗様。登勢様の術後のケアは俺と焔と美紀に任せて。USJでの乗り物も、心臓に負担がかかるのはストップかけるし、控えの忍達で休憩場所もちゃんと把握するしポータブルの椅子を持ち運ぶから、どこでも休める。歩く練習にはいいと思うよ」
「流石だ、猿飛。頼りにしてるからな!」
「ふふっ、美紀と佐助がいるなら安心だ。私も賛成」
「遙、お前がそう言うなら間違いねぇな。安心したぜ」
俺は本当に安心して、ゆっくりとタバコを吸いながらコーヒーを少し飲んだ。
まさか登勢が上洛に間に合うとは思わなかったから、本当に嬉しい。
「登勢の十二単について、焔、お前の意見が聞きたい。参内はどうすればいい?」
「残念ながら、十二単は重すぎて心臓に大きな負担がかかります。打掛がせいぜいでございます」
「分かった。成実が即位の時は打掛で参加させる。それなら構わねぇか?」
「左様でございます」
「よし、これで上洛の懸念材料はなくなったぜ。じゃあ、これから軍議を開く」
俺がみなに視線を走らせると、表情を引き締めて頷いた。
「よし、じゃあ、軍備を動かす権限のある司令官は全員軍備の確認だ。全データがアップデートされているから、それで作戦を練る。現在の情勢に応じた最適な軍備の再編成が目標だ」
みながiPhoneのアプリを開いて、じっと考え込み始めた。
俺もアプリを開いて、斜め前に座る遙と参照した。
まさか、これほどバリエーションがあると思わず、何をどう装備すれば、技術を守りつつ作戦を展開出来るか考える。
一つでも撃ち落とされたり撃破されたりすれば、そこから情報が漏れかねない。
大掛かりというより、鉄壁の布陣の方が間違いなくいいし、今の時代に合わせるべきだ。
「政宗、ドローンがあるね。詳細を見せて」
「ああ、いいぜ」
プロパティを開いて、遙は装備の詳細を何度か確認すると目を瞠り、そわそわとし出した。
「遙、どうした?言いたい事があるなら言ってみろ」
「うん!世界を掌握するのにまずは情報が足りない。地上も海上も。明が持ってる世界地図も大雑把だし、特にアメリカ大陸とオーストリア、ニュージーランドが不明だね、未開の地だから。だからね、ドローンのカメラを使ってまずは現在の世界地図を完成させようよ。このカメラの精度なら相当上空でも人影までくっきり撮影出来るくらいに精彩だね。鳥と間違えて撃ち落とされないくらいの上空でも撮影可能だ。だから、末代まで技術が漏れる事はないと思う。その方が、作戦を展開しやすいよ?同じiOSだから、作成した地図は地図アプリにインストール出来る。ドローンを常にたくさん飛ばしておけば、ドローン同士の通信網で衛星の代わりになって、GPSにも使えるね。この高さなら、雲より高いから悪天候も回避出来る。乱気流の高度より高いからそれも回避出来る。現地の天気もリアルタイムに観測出来るし、データから天気も予測可能だ。これでiPhoneのマップとGPSと天気が完全に機能するよ。これはすごく便利だ!ただし、念には念を入れて地図に関しては専門の解析スタッフが必要かも知れない。カメラの性能だけには頼れない。ただし、画像をそのままデータ化して当面使うのはいいかも。ミサイル迎撃とかの軍事用途じゃなかったら、そのまま世界地図に転用出来そうな見積もりかな」
「遙、お前、やっぱやるな!全くその通りだ。今の時代、まだ地図が大雑把で正確さに欠けるし、地図の正確さは軍事的に最も大切な事だ。だからこその斥候や忍の存在だからな。よく分かってるじゃねぇか。焔、後で必要なドローンの数を見積もって俺にLINEしろ。お前にも似たアプリを与える。軍を動かす権限がないだけで、全ての作戦の展開と軍備が参照出来る仕様だ。お前もペンタゴンの軍略の知識があるならCIAの情報とテクニックを踏まえてそれで策を練ろ。専門スタッフの技術と数は分かるから、これを俺がCIAの管轄下に置く。当面は撮影の生データの合成で世界地図として利用する。天気も予測出来るのは最高だ。最高の軍事作戦が練れる」
「御意。流石は遙様でございます。政宗様も流石は天下人でございます」
「この小十郎、遙様にはやはり敵いません」
「そんな事ないよ?私は今の時代の情勢も軍事状況も戦略も分からないから、絶対に小十郎の知恵は必要だよ?ベスもね」
「やるわね、遙!私もわくわくして来たわ!」
「やっぱ、遙ちゃんってすげぇ!」
「流石は科挙トップの女だぜ!」
みなは遙を感心したように見つめた後に、またiPhoneを参照しながら考え込み始めた。
俺はその間に焔のiPhoneに専用アプリを願った。
小十郎はさっとメモを取って、また何か考えている。
そして何か思い付いたような表情になった。
「政宗様、よろしいでしょうか」
「ああ、小十郎、構わねぇ」
「はっ!遙様のおっしゃる通り、地図が出来ましたら、まずはドローンを利用して各国の船の動向から見張りを徹底し、政宗様がエンターテイメントを展開し始めた暁には、焔が提案した諜報戦略も同時展開致しましょう。まずは世界の軍事力の正確な把握でございます。海上はエリザベス女王が誰よりもお詳しいはずなのでお任せ致しまして、地上は政宗様とエリザベス女王のF1開催地における、CIAによる偵察でございます。その際、大帝である政宗様お付きの騎士団長の猿飛ならば、必ず政宗様にご同行しても何ら不自然な点はなく、また猿飛が全ての諜報の指揮を執れば、F1を開催するだけで主要都市の諜報が手軽に行えます。諜報はエリザベス女王お付きの忍隊で十分でございますし、エリザベス女王お付きの忍隊でございますから、こちらもエリザベス女王にご同行しても何ら不自然な点はございません。これで、世界の地上の軍事力や情勢が大雑把ではございますが、速やかに把握出来ると存じます。地図もありますから、最強でございます」
「やるな、小十郎。その策には俺も大賛成だ。更に猿飛がCIAとKGBの技術を使いこなせたら最強だ。CIA長官は形式上、焔が宰相として兼任するが、実働部隊は猿飛の管理下が間違いなさそうだ。しかも、駒の動かし方が必要最低限で最大の効果が期待出来る。小十郎、やっぱお前は流石だぜっ!」
「わあ、すごい、小十郎!流石、伊達の軍師!」
遙と美紀が同時に大盛り上がりをして、小十郎はフッと嬉しそうに笑った。
やっぱり、小十郎は流石、俺の守役で伊達の軍師だ。
F1効果がこんな所で利用出来るとは思わなかった。
猿飛が驚いたように目を瞠っている。
「俺様ってば、騎士団長なだけじゃなくて、裏の顔が忍頭なの!?」
「そういう事だ。お前の本職まで活かせていいじゃねぇか。騎士で忍頭で医者なんて最強だぜ?」
猿飛は表情を引き締めて頷いた。
「諜報なら任せて、政宗様。伊達に武田の主力の忍頭じゃないからね。F1開催と共にすぐに諜報の指揮を俺が執るよ。エリザベス様がくノ一中心の忍隊を編成したなら尚更やりやすい。指揮官達や役人達を籠絡すれば一発だからね」
「佐助様が直々に指揮を執られるなら俺も安心でございます。流石は小十郎様でございます」
焔が力強く頷くと、エリザベスも声を上げた。
「Wow!佐助の本領発揮ね!小十郎ってすごいわっ!私の忍隊を諜報に使ってくれるなんて、最高よ?」
「ありがとうございます、your majesty。遙様、今すぐ、猿飛にCIAとKGBの技術とテクニックを願って頂けませんでしょうか?」
「うん、いいよ!最高の策だ!」
遙が目を閉じて祈りを捧げると、猿飛は驚いたように目を瞠って、爛々と目を輝かせた。
「これはすごく便利だな。ちょちょいと部屋に道具を仕掛けるだけでも効果的。これなら忍なら誰でも出来る。籠絡するまでもないね。籠絡は最終手段だ。F1を1回開催するだけで相当な情報が得られるよ。こんなに楽なら、ちゃちゃっと色んな所でF1すれば、すぐにでも全世界の情報が手に入るね。全ての情報がCIA本部に自動送信されるよ。これなら機械を仕掛けて、あとはCIA職員が手分けして分析するだけだから、超楽チン。軍事政治全ての情報がCIAに筒抜けだ。俺は適切な道具と場所を指示するだけでいいし、それを決めるための偵察だけ忍隊が念入りに行えばいい。各都市に3日か4日滞在すれば十分だな。F1の予選と本戦の時に、都市の警備の数や陣形は空から配下の忍達で偵察も撮影も出来るし、それは観客も同じだ。各国のVIP全員の顔の撮影や動画撮影までして来れるよ」
「猿飛、やっぱお前、流石だぜ!すぐにそれだけ計算してもらえたら、俺も楽だし、VIPの情報もありがたいぜっ!」
「わあ、佐助のミッションインポッシブルが超見たい!」
「ん?美紀が見たいなら、いくらでもミッションインポッシブルしてあげるけど?」
「超嬉しい!」
「Ha!ミッションインポッシブルか、傑作だぜ、美紀!ミーハーなお前らしいな。猿飛、是非やってやれ。美紀がお前に惚れ直すぞ?」
「政宗様、お安い御用だよ!そんなんで惚れ直してもらえるなら、超楽勝!撮影部隊も動かせるくらいの超余裕!猿飛佐助のミッションインポッシブルも同時撮影しちゃうよ?てか、撮影にかこつけて、機械をこっそり置いてくれば、尚、手間いらず。各国の王達も、俺と忍隊のミッションインポッシブルの術の虜になるかもね!政宗様、実演版ミッションインポッシブルも披露したら?」
「わあ、佐助、超頼りになるー!」
美紀が大喜びをして、俺も嬉しい。
こんなに楽しんでもらえるなら、F1はやっぱ最強だ。
絶対にF1はやらなきゃならねぇ。
馬と柵さえあれば開催出来るし、機動力抜群だ。
ヴィクトリアシークレットは時間がかかるから、絶対にF1が先だ。
というか、同時進行で、まずは江戸かロンドンで一発目のヴィクトリアシークレットを開催だ。
ミッションインポッシブルまで披露するとは思わなかった。
流石は忍の発想だ。
というか、言い出しっぺの美紀の発想が一番偉い。
俺もミッションインポッシブルが、遙の世界でググってる時にすごく気になって黒脛組の参考にまでしたから、ここで猿飛が乗ってきたのは驚きだ。
「やるな、美紀、猿飛!ミッションインポッシブルは、超わくわくするから、CGやワイヤーアクションなしの実演版ハリウッド、ミッションインポッシブルに王達も虜になるかもな!各国編を作るぜっ!そのためにロケ地を提供させたら確かに手間いらずだな。よし、その手で行く」
「佐助、ミッションインポッシブルって?面白そうじゃない。すっごく気になるわ!」
「よし、手っ取り早く俺がハリウッド映画の知識をこの場の全員に願ってやるぜ!」
俺はパッとハリウッド映画の知識を願った。
その場の全員が笑い出して、ますます楽しくなる。
こんな軍議なら大歓迎だ。
「佐助、最高にexcellentよっ!是非貴方のミッションインポッシブルが私も見たいわ!私の忍達が裏でも動いてたら尚良しね!これで一気に手間が省けるわ!」
「お安い御用だよ、エリザベス様!こんな手軽な諜報でこんなに楽しかったら、俺も超楽勝!」
「あははっ!俺も猿飛のミッションインポッシブル、超見たい!梵、これは最強のアイディアだ。CIAも完全に機能するし、最高の策だぜっ!」
「ああ、猿飛を軍議に参加させてマジで良かったぜ」
「佐助様の裏側で動くのは、この紫苑に全てお任せ下さいませ。ロケ地の選定ついでに諜報をこなします。佐助様はエリザベス様の忍隊と共に忍術を派手に披露しつつ、撮影なさるだけで十分事は運びます。さり気なく俺が裏側でガチのミッションインポッシブルをして参ります」
「紫苑、貴方、やるわね!ますます手間いらずよ、頼もしいわ!」
「エリザベス様のお言葉に従ったまででございます。裏側で根回ししながら、こっそり機械を仕掛けて来るのが楽しみでございます。エリザベス女王の相談役の名の下に、堂々とロケ地の選定を依頼ついでに視察すれば良いだけでございますので、正直物足りないほど楽でございます。物足りないので王達を懐柔するために、ちょいと忍術のチラ見せでもして、ついでに宣伝もして参ります。期待度が高まり、より良いロケ地の提供が見込めます。実演版ミッションインポッシブルの予告編でございます!」
「紫苑、貴方も最高よっ!」
「独眼竜、俺も猿飛のミッションインポッシブルが超楽しみだぜっ!わくわくするぜっ!」
「政宗様、この綱元も楽しみでございます!上映用の動画編集はお任せ下さい!」
紫苑まで楽しそうで、俺は嬉しくなった。
こんなにお茶目な奴だなんて知らなかった。
三番手なだけに歌舞伎の三枚目キャラか!
焔が二枚目なだけに、ガチで歌舞伎の構成で笑える。
最早、壮大な悪戯の相談会だ。
ガチでミッションインポッシブルをしながら、ミッションクリアだなんて、最高過ぎる。
エリザベスも紫苑も超頼りになる。
これは、相当な作戦が展開出来そうだ。
正直、黒脛組の出番がないんじゃないか心配なレベルだ。
「紫苑の本領発揮だな。佐助様だけでなく紫苑までおりましたら、俺は尚更日本の官僚育成に力を入れられます。安心致しました」
焔が嬉しそうに微笑んで頷いた。
紫苑も微笑み、少し真剣な表情になった。
「佐助様、ミッションインポッシブルは捏造して主にアクロバットで構成し、実物の機械の存在は隠し通しましょう。撮影用に偽の大きくて目立つ木製か鉄製の機械を用意して欺きます」
「うん、それが妥当だね。あれだけ小さな機械なら、人の目にもきっと止まらない。シャンデリアの隙間に仕掛けるので気付かれないし、そんなの紫苑だったら楽勝だ。派手に予告編の忍術披露ついでにこそっと仕掛けるだけで済むからね。奥の手は決して見せない。だから、ロケ地の選定が諜報の本番になるので間違いないよ。予告編で掴みはオッケーだから、後は分身の術と隠れ身の術の組み合わせで王達の注意を引き付けつつ、仕掛け回ってくれば事は済む。流石に王達も本当の機密は君にも知らせないと思うから、エリザベス様の配下の忍隊は撮影メンバー以外は顔が割れないように隠し通して、秘密会議の部屋を偵察させなきゃね。恐らく確実なのは王の後宮と寝室と王の間かな。この絶対王政期に王の許可を得ないはずがない。駄目押しで宰相の執務室だ。何ならエリザベス様にイギリスの騎士団のメンバーに忍のテクニックを願ってもらえば、イギリス人ならヨーロッパ大陸では日本人ほど目立たないね。変装して部屋を覗き見する偵察くらいなら、忍の身体能力までは必要ないからさ。俺のミッションインポッシブル撮影会は、忍術も秘伝の技だから披露は出し惜しみだね。どの術で引きつけるかはまた俺と相談だ。そうだな、火遁の術が派手でいいんじゃない?あれくらいならバレても痛くも痒くもないし、そもそも忍じゃないとあれは不可能だ」
「左様でございます」
「政宗様、何なら、撮影会と同時にエリザベス女王忍隊新規入隊者を各国で募れば、手軽に配下に外国人の忍を得られるね。外国人スパイの養成だ」
「なるほどな、火遁の術か。それはいいアイディアだし、エリザベスの忍隊の募集で外国人スパイの獲得か。やるな、猿飛!この日英共同感がたまらなくいいな!」
「Wow!本当に忍者とミッションインポッシブルのハイブリッドね!私の忍隊も増強出来るし最高よ!マサの言う通りね。これでこそ日英同盟だわ!」
エリザベスが手を叩いて喜んだ。
悪戯染みているのに、緊迫感満載なのがたまらなく楽しい。
猿飛も紫苑もマジで頼りになる。
流石は元武田の忍隊だ。
「それにしても、猿飛。お前、よく絶対王政期なんて言葉も特徴も知ってたな。ミッションインポッシブルも。お前、どこでそんな知識仕入れたんだ?」
「ん?焔からLINEで報告受けた時に、添付で大体の基礎知識のURLを昨日もらってたよ。エリザベス様に過去のヨーロッパの歴史の話はしてもらったし、現在の情勢のお話も聞いたよ。だから、昨日の政宗様達と焔の農業革命とかの話も把握してるよ。流石に全然理解不能だったから、ちゃちゃっと美紀に全部解説してもらったけどさあ。紫苑達までそんなにすごくなってる事までは知らなかったから、今朝すっごく驚いちゃった。俺を驚かせないのと落ち込ませないための焔の配慮だったんだね。ミッションインポッシブルはCIAの知識と一緒に頭の中に入って来た」
「お前ぇら、流石だぜっ!それなら俺も安心だ。猿飛、そういう所をお前はもっと上司にLINEでいいから報告しやがれっ!それなら寝ている間に届いても空き時間で読める。報告、連絡、相談は鉄則だからな!俺が忙しそうだったら伊達三傑の誰かに報告しろ。お前の上司は俺と伊達三傑なのをよーく肝に命じろっ!」
「政宗様、ごめんごめん。これからはそうするから許して!」
俺は猿飛達の連携プレーに本当に驚かされ、同時にそこまで裏で情報を共有している事にとても安心した。
やっぱり武田の忍頭は伊達じゃねぇ。
「よし、じゃあ、俺の仕掛けるイベントの第三弾は、猿飛とエリザベスの忍隊によるミッションインポッシブルの大撮影会に決定だ!F1開催地の提供の礼として開催するぜっ!」
「流石、政宗!それなら一気に手間が省けるね!」
遙がとても嬉しそうに笑って、俺も嬉しくなった。
次は現在の海上の兵法の把握だ。
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