ノエと学園事情。 01


「そういえば、エトワール?この学園の制度については知ってるか?」

ふいに前をゆくアルバが話しかけてきた。
「あ、ノエって呼んでくれ。……一通りは教わってきたよ」
「ああ、ノエな。そうか、なら話が早いな。あれ、あれが総合棟だよ。高等部1年の間は主にここで授業だな」

そう言ってアルバが指さした先、深い森の合間から五角形をモチーフにしたシックなな建物が見えてくる。
元の世界でいう五稜郭みたいな。
流石、小学1年生から高校3年生までの全ての貴族が通うだけあって巨大だ。

「……大きいな」
思わずそんな感想を漏らすと、
「多分見た目よりもっと広いぞ。空間拡張魔術で部屋がめっちゃ増えてるからな。俺も全部屋は把握してない」
アルバがそう付け加えた。
「マジか」
目を見開いた俺を見たアルバはおかしそうに笑った。




それから数時間をかけて学園全体を案内してもらった結果を、この学園の制度と併せて紹介しよう。

この学園では小等部から高等部1年までの10年をかけて、学業、魔法、戦闘等を総合的に学ぶ。

高等部2年で得意分野に合わせて学科が分かれる。政科、術科、技科、軍科の4つの学科から選択できる。

『政科』は政治学科の略称である。
魔法を使用しない一般的知識を学び、後に国の政策や戦いの戦術に携わる貴族を養成する。

『術科』は魔術学科の略称。
魔法をつきつめて学び新しい術式の開発などに携わる、学者肌な貴族を養成する。

『技科』は技術学科の略称。
先ほど触れた魔化製品の開発に携わる技術屋な貴族を養成する。戦いにおける兵器等も開発する。

『軍科』は軍事学科の略称。
戦闘に特化した貴族を養成する。魔物との戦いにおいて火力や指導の面で頭を張る。

学園の敷地の中央にどんと位置するのが、五角形の総合棟。小等部から高等部1年までの生徒全員が使用する。

北側に位置するのは学生寮。これまた巨大。
俺を含めた全生徒がここで寝起きする。

北東に位置するのが『政科』。
南東に位置するのが『術科』。
南西に位置するのが『技科』。
北西に位置するのが『軍科』。

そして、全ての建物の間には鬱蒼とした森が広がる。この森には魔物が生息しており、戦いの実技に使用される。……が、気を抜いて襲われれば普通に死ぬので注意が必要だ。




「……っと、まあ建物についてはこんなもんだろ」
一通り案内を終えたアルバがぐっと背伸びをした。
「ああ、助かったよ。学園でのクラスも一緒なんだよな?また色々教えてくれよ」
俺が頭を下げて頼むと、アルバは歯を見せて笑って答えた。
「……ホントお前、貴族っぽくないやつだなあ。おう、任せろ。」
「ありがとう」

「じゃ、最後に学生寮まで案内して今日はおしまいだな。また明日だ」
ここまで言って、アルバがふと思い出したように言った。

「――あ、そうそう。これは純粋に善意から言うんだけどさ、平民出身だってことはあまり言いふらさない方がいいかもしれないぜ」

「……というと?」


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