04


俺が皆の前で啖呵をきった後の午前中は、委員・係の決定や今年のカリキュラムの説明等で時間が過ぎた。俺は人気のない委員の中から美化委員を選んだ。
そして昼休み。

「お、おお、お前なあ……」
「ん?」

俺の前には頬をひきつらせたアルバがいる訳である。

「ん?……じゃねえが。いきなりかっ飛ばしすぎだろうが」
アルバは眉間を指で押さえ、呆れた様子で言った。
「そうかな?こういうのって、後になればなるほど言い出しにくいもんだろ」
「そうだけどさあ…十中八九、もう噂になってるぞ?天才編入生は変人だってよ」

「俺のスタンスが広まるなら早いほうがいいだろ。いいじゃないか、誤解がなくて。」
きょとんと答えれば、アルバは諦めたように空を仰いで笑った。
「……っとにお前は……しょうがねえやつだな、全く!はは」
「お褒めいただき、光栄だよ」
「褒めてねえよ」

そんな気の抜けた会話をしていると、アルバに呼び出しがかかった。
「あ、悪い。先生に呼ばれてるんでちょっと行ってくる。くれぐれも無茶すんなよ?」
アルバは軽い調子で謝ると教室を出ていった。……それにしても、まるで保護者みたいな注意の仕方だったな。

アルバがいなくなると俺はすっかり暇を持て余してしまった。まだクラスメイトは俺を遠巻きにするし……あのような啖呵をきってしまった以上、無理に俺との付き合いを強いるわけにもいかない。

そうだ、学舎内を探検してみよう。
休み時間はまだあるし、あまり遠くに行かなければ迷子になることもあるまい。

そう思い立ち、俺は教室を出てぶらりと歩き始めた。


|25/101|

しおりを挟む
戻る
top


【BL全寮制学園】 【BL♂UNION】

【†BL Fantasy Ranking†】

【BL♂GARDEN】


 https://alicex.jp/HackLuckBack/ 






ALICE+