軍科視察騒動 01


この学園で学び始めて1週間ほどが経った。
初めこそ遠巻きにされており、尾ひれどころか翼と天使の輪と弾道ミサイルが生えて駆け回っているような噂がまことしやかに囁かれていたようだが……

「ノエー!飯食おうぜ!」
「おう」

少ないながらも人が集まるようになった。
意外にも受容が早くて驚いていたのだが、アルバ曰く『現状に不満のあるやつは結構いたんだろう、今まで表に出なかっただけで』とのことだ。

今俺に元気いっぱいで話しかけてきたのは、同じクラスのシュカ=ガレッタ。
家の格としては中くらい。
金髪に淡いピンク色のメッシュが入っているのを整髪剤で整えている。驚いたことに、このピンク色のメッシュは代々の地毛であるらしい。すみれ色の瞳があまーい雰囲気を醸し出す、一見するとチャラい感じのイケメンだ。

シュカに加えてアルバ、A組から会いにやってきたリール、そして、

「……ノエくんに、アルバくんシュカくん、僕も一緒にいいかな?」

C組から顔を出したのはサーシャである。
「サーシャか。いいよいいよ」
「サーシャちゃん今日も可愛いなおい」
シュカがサーシャのふわふわオレンジ髪をもしゃもしゃと弄り回している。サーシャも「あう、や、やめ、」とか言いつつ楽しそうにはしている。――この子を掬い上げてやれて、ほんとうに良かった。

アルバも和やかに笑いながら茶化してくる。
「いやー、教室から帰ってきたら居なくなってた時はまた余計なことやってんなと思って胃が痛かったけどよ……たまには悪くないこともやるもんだな」
リールも穏やかに笑って言う。
「一時期、愉快な噂が、流れてたけど、ね」

「おい、そこの2人。俺をなんだと思ってるんだよ!」
笑ってアルバの後頭部をぺしっと叩いてやれば2人はくつくつと笑った。

このあたりで、サーシャと戯れていたシュカがふと思い出したように言った。
「そういえばさあ、――」


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