03


「さて――お前らの中には、軍科に行かないからと戦闘を軽んじている……というか避けている奴がいるかもしれない。が、」

俺達高等部1-Bと1-Cの生徒は、軍事分野訓練の準備を終えて軍科棟前の森近くで待機していた。
軍事分野の指導を担当するサリバン先生が仁王立ちして大きな声で口火を切った。

「……が、それは残念だが楽観的と言わざるを得ない。というのも、いずれ起きる魔物との戦いにおいて、新人貴族という立場で挑むお前らは一兵卒から始まる。戦闘は決して避けることはできない。よって、今日のような訓練が課せられるわけだ」

生徒は神妙な顔をして話を聞いている。
サーシャやシュカのように露骨に憂鬱そうな表情を出す者もいるが、サリバン先生は特に反応を示すことなく話を続ける。

「この時間はまず、30分かけてウォーミングアップや戦闘の型の練習を行う。その後給水休憩を挟んだ後、森の中の魔物との実践戦闘や生徒同士の模擬戦闘となる。くれぐれも指示を乱したり勝手に森に入ることのないように。授業の範囲外で何かあっても助けてやれるとは限らないからな!」

「「「はい」」」
生徒の返事が揃う。サリバン先生は軽く頷き、ちらりと背後の軍科棟の入口を見やった。

「授業の説明はこんなものだが、あー……既に一部生徒の間では噂になっているようだが、今日の訓練は軍科会長と副会長の2名が視察することになっている。もう間もなく来るはずだ。彼らの挨拶が済んでから訓練を開始することにする。」

ざわざわ。生徒達が落ち着きなく体を動かす。ちらっと周囲を見れば、軍科に興味がないと言っていたはずのシュカでさえも多少そわそわしているのが見えた。
軍科会長らにはかなりの人気と影響力があることを実感させられる。

生徒達の集中力が切れていることを察したのか、サリバン先生が大きくため息をついた。
やがて、
「……お、来たな。こっちだ、まずは2人とも挨拶をしろ」
先生が手を振って大きな声で言った。

先生の視線の先、軍科棟の入口に2つの人影が現れた。



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