07


(side アルバ)

「いつでもいいよ!始めよう!」
ノエがやんちゃする子供のように歯を見せて笑った。

俺、シュカ、サーシャの3人はギャラリーに混じってこの騒動を見物していた。サーシャはおろおろして心配そうに俺に訴える。
「あ、アルバくん……ノエくん、大丈夫かな?」
顔を青くしているサーシャ。
「……んまあ、あいつは大丈夫だろう。」
俺が答えれば、シュカも力が抜けたような様子で言った。
「ノエってば、あんなに相手煽っちゃってさ。困ったやつだねえ。わざとなのかな?それとも確信犯なのかな?」
「わざとと確信犯って一緒じゃない?!」
サーシャがツッコミを入れ、シュカが嬉しそうに笑っている。
「サーシャちゃんなら突っ込んでくれると思った〜」
「え、ええ、わざとなのはシュカくんの方だったの?!」

楽しそうなところ悪いが、ちょっと言っておかなくては。俺はじゃれている2人に注意を促した。
「あいつは大丈夫だろうけど、……それより、気をつけた方がいいのは俺らだぜ。」
「「えっ?」」
2人がきょとんと俺を見る。
俺はクレールの方を指さして伝える。

「……ほら、クレールとかいうやつ、妙に間合い取ってるだろ。あれは多分、接近戦に持ち込ませずに魔術による遠戦で決着をつけるつもりなんだろう」
シュカがピンと来ない様子で首を傾げる。
「……つまりどーゆーこと?」

「……つまり、あいつの切り札は遠距離系の大魔法なんだろ。俺らは流れ弾に気をつけなきゃいけないってわけだよ」

「「……」」

2人が数秒黙り込み、

『『防護を此処に』』

周囲に魔法で防護壁を張った。
「流石に二重に防護張ってりゃ大丈夫だろ。仮想空間とはいえ、痛いものは痛いもんな」
俺があくびしながら言えば、サーシャがはっとしたように声を上げる。

「……え、ノエくんは?壁張ってる様子ないのに、大丈夫なの?」

「んー……まあ問題ないんじゃないか?」
「ど、どうして?」

はらはらしたサーシャは落ち着かない様子で俺と向こうを見比べた。
俺は少し笑って答える。

「俺があいつをそれなりに信用してるってのもあるが……すぐに分かるよ。クレールのあの手の戦法には大きな弱点があるんだ。ノエが前に言ってた『戦闘のコツ』にも関係してくるから、ちょっと見てるといい」

サリバン先生がピッと笛を吹いた。
それを合図に、ノエとクレールは同時に動き出した。

(side アルバ 続く)


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