04

目が醒めたら見慣れた天井があった。  
仰向けのまま右を向くと、アコースティックギターが無造作に置かれているのが目に入る。  
床で寝ていたせいか身体が痛い。しかしベッドは頭上。ということはベッドから落ちたというわけではなさそうだ。寝ぼけて前転したとかじゃなければ。  
おもむろに起き上がり、頭を掻きながら昨晩のことを出そうと暫く呆けていたのだが、曲を作って寝落ちしたところしか思い出せない。曲を書く以外にもっと頭使うことをしていた気がするのだが。  
  
暫く起き上がったままだったが、いくら考えても思い出せないことは置いといてと立ち上がり、冷蔵庫を開けて食材の確認をする。  
うどん生麺5セットに納豆が1パック、使いかけの人参とキャベツ、ジンが3瓶。圧倒的食材不足である。  
冷蔵庫の上の壁掛け時計を見た。もうすぐ9時だ。 長く寝た気がするのに意外と朝だった。 
  
「スーパーいくか」  
  
有栖川さんいるかもしれないし。 






　←prev　page　next→



top