六萬hit 恋人企画 3 One Hundred Seventy
『と言うわけで承太郎!承太郎用のバレンタインチョコとその他もろもろを作る前にまずは手を洗おうか!!』
桃色の黒猫エプロンは決して本人の趣味ではないのだが、お袋が買ってくるものを無下に出来ない性格の為こういった女物なんかをよく身に付けている。
そして似合う。限りなくそういったフリル打のリボンだのが。
この男はお袋に負けず劣らず天然が入っているが、それでも最初は少し恥ずかしそうにしている姿もいい。
俺意外のチョコをその他もろもろとかってくくられるのは正直いい気しかしねぇ。
承太郎「ちょっとまて、何で俺まで一緒に作るんだ。何が悲しくてバレンタインに自分宛にチョコレートを作るんだ」
『え?意外と楽しいよ?』
承太郎「・・・」
一瞬そうだなと同意してしまいそうになった。
いや、俺が同意したいのは菓子作りにではなく、丸一日お前と一緒にいられるのなら何だって楽しい。
漫画を読んでいるだけでも一緒に座っているだけでもテレビを見ているだけでも。
まぁそれでも昔はよくこいつの手伝いとかして、よくお礼言われて褒められて・・・
承太郎「(おいおい、今更この歳にもなって褒めてもらいたいとか考えるなよ)」
『チョコレートと言ってもただ固めるだけじゃ面白くないし、ケーキは難しいからクッキー作ってチョコペンとアイシングでデコろうかと』
承太郎「アイシング?」
『クッキーの上にのってるカラフルで甘いヤツ?』
承太郎「・・・?」
『卵白と粉砂糖を主原料とした菓子の表面に塗る糖衣』
承太郎「あぁ・・・」
『なんだろう、同じこと言ってるはずなのに違うものに聞こえるのは・・・。
まぁそれでもわかる承太郎も凄いとは思うけど』
最初の説明は感覚的すぎるだろ、わかりにくい・・・と思うのはおかしいのか。
そう言えば、晃はよく俺がこれは何かと聞けばスラスラと答えてくれた。
馬鹿で天然で、おっちょこちょいで可愛い所もあるが、こういういろんな分野を物知りな所も好きだ。
承太郎「昔から晃が作っているのを横で見てたからな・・・嫌でも覚えちまうんだ」
『承太郎よく御手伝いしてくれたしね』
承太郎「こっちの空袋とやけにカラフルな紙はなんだ」
『お母さんラッピング袋買い忘れたみたいで、透明な袋しかなくてさ。
袋に入れるにしても透明ならレースペーパーとか入れればそれなりに見えるし、せめてリボンの結び方にこだわるとかカードを付けるとか』
承太郎「いや、もういい・・・さっさとおっぱじめようぜ」
お袋譲りかはしらねぇが、この趣味は男としていかがなものか。
可愛すぎて他のヤツが見たら我慢できずに襲いかかるだろう、俺でよかった我慢しろ俺くそ可愛いなおい。
承太郎「できたぜ。次は何をすればいい」
『Σバター練るのはやっ!!
次は玉子入れて混ぜて、粉をふるいにかけながらさっくりと混ぜてくれる?』
承太郎「あぁ・・・」
菓子作りというものはなかなか力のいる作業が多い。
正直よくこんなものをやるなとも思うが、確かにこいつの手作りは身内の目なしにしても美味い。
無意識に二人で同じように長袖をめくっていることに気づいてもだえそうにもなったが、なんとかこらえる。
しかし、俺のボールを片手に菓子作りの為に一生懸命混ぜている姿なんて他のやつらに見られたくねぇな・・・。
晃のも、別の意味で見せたくねぇ。
晃はアイシングとやらを作るために卵白を混ぜながらお湯を沸かしているが、そちらもずっと腕を使っているので大変そうだ。
おい・・・晃の持っているドロドロの卵白が・・・白く・・・にごっ
承太郎「(考えるな考えるな考えるなうおおおおおおおおお!!)」
『凄い助かるよ承太郎!流石!僕なんていっつも腕痛くなるのに、承太郎腕の筋肉が凄いから思ったより早くできそう、ほんと何でこんなに筋肉つくんだろう』
頭にうかんが考えを消すように手元の作業に没頭していると、なにを思ったか晃が俺の腕を触ってきた。
細くしなやかで、白い肌で、力を入れていたためか暖かくて、そんな指が俺の腕を手首から上へとツツッと昇って来たッ。
承太郎「っ///触ってねぇでさっさとテメーの作業進めてろッ!///」
『え?!う・・・うん///』
ゾクッとした感覚に腕を振り上げてしまったが、ビビらせてしまっただろうか。
くすぐったさと気恥ずかしさと、何よりお前俺がさっきから何我慢してると思ってっ。
・・・くそっ。
承太郎「何お袋みてぇにニヤニヤしてんだ」
『んー、やっぱり承太郎は可愛いな〜って幸せをかみしめてた』
承太郎「チッ・・・」
神様なんぞ信じちゃいねぇがこれはもうこの場ですぐに押し倒せと言う神様とやらの暗示なのではなかろうか。
やめろ!!!