とある世界終焉日記
ディオ「遅かったな、心配したんだ」
晃と続けるより早く、晃の傍を歩いていた銀髪の男が俺に駆け寄り俺を抱きしめて来た。
ディオ「っ!?何だ貴様はっ離せッ!!」
「!?」
相手の顔をめがけて腕を振り上げれば、男は掠ることなく俺の拳をよけた。
左腕で顔面を殴ると同時に、死角になった右腕で相手の顎を直撃するように殴りかかった拳をも軽々よけられ、もう一発をくらわそうと構えなおすが、相手の顔色が何やらおかしい。
晃の腕をつかみ、こちらに引き寄せ、俺の顔をまるで信じられないモノを見るかのような様子のおかしい男から見えないよう俺の背後に隠す。
晃の服も変わっている、上着を着ただけかと思ったがどうやら本当に中に何も着ていないらしい。
何とも怪しいこの男、しかしこの俺の拳をよけるぐらいだ、警戒しなくては。
「ちがう・・・」
ディオ「?」
「ちがう、ディオじゃない!」
『おにーちゃん、お友達?』
いきなり大声をあげ俺から離れる男にそのままの距離をとりつつ、心配そうに男に近づこうとする晃を引きとめるため抱きしめる。
警戒心がないこの弟を守るべく警戒をより一層高めるが、男は自分の手を見たまま固まって
「ディオは、こんなに肌がつやつやじゃないしプニプニしてないし、風呂だって入れなくてせっけんの香りが違う、服も体に合ったサイズなんて買えないっ!!」
ディオ「(こいつ・・・危ないやつだ)」
『えっと、おにーちゃん、そっくりな子?
Namae mo onazinanntekiguudesune demokonohenndeBokunooniityannnisokkurinakoha mikaketakotonainaa』
「souka、iya stekkirisakinikiteirunomodatoomottene,bwatasitatimokonozikiwonerattetookumadekitamonodakara,hitomoooisihaguretanokamosirenn」
ディオ「なっ!!お前晃の言葉がわかるのかっ!!」
「あぁ、君はわからないのか。そうじゃよな、いやしかし久しぶりに聞いたから懐かしいのぉ」
『えへへぇ、ぼくも です』
この男の、言葉はっ!晃がよく話す言葉っ!!
その言語を理解し、話すこの男はもしや晃と同じく猫なのだろうか。
だが、そんなことより俺は晃が嬉しそうに笑顔を向けていることが気に入らなかった。
この男が、晃と同じように、なつかしむように微笑む顔が気に入らない。
晃の体を抱きしめて睨みつけていると、晃から目を離し俺を見て・・・
すごく、悲しそうな眼をした
ディオ「なっなんだ!何か言いたいのならハッキリ言ったらいいじゃあないか!」
「え?あぁすまんのぉ、弟に似ていたものだから・・・」
『心配!さがす!一緒 だいじょうぶ?
僕、助けてくれたの さらわれる だんしょう 間違い さらわれる!助けてくれた!!』
弟とやらのことは知らないが、晃の言葉に俺はハッとなる。
どういう事だと晃に聞けば、言葉を詰まらせる晃の代わりに目の前の男が答えてくれた。
それを何度も頷く晃に、こいつがいなかったらと考えるだけでも全身の血がさっと引いて行くのがわかる。
今後はずっと猫の姿のままでいてもらおうか、いや、以前猫でも攫われそうになったことがあるのだから、やはり俺がずっと一緒にいなければいけない。
もう二度と、離れないようにしなければ。俺が守らなければ。
ディオ「弟が・・・迷惑をかけたな」
「いや、かまわんよ。君も、弟が大事なんじゃな」
ディオ「・・・」
なんだろうか、この目。先程まで、晃と同じ言語を話していた時は晃に似た雰囲気の男だとおもったが。
この俺を見る目は・・・悲しい目は・・・俺と、同じ?