童話 人魚姫
薬を飲むと、すぐに足が膜につつまれ、魚のように変わっていった。
その尾ヒレはあの時見た黒い人魚のものと同じ形で、毛の色が関係するのか俺のは黄色かった。足のように感覚はあるものの、ひらひらと水中を漂うだけで上手く前に進む事が出来ず、なれる事にはだいぶ時間が経ってしまった。
海中にどれだけ潜っても息苦しさは感じなかったが、呼吸は出来ない分水中で声を出す事は出来ないようだ。
あの日の海面まで泳ぎ、一気に海の奥まで潜る。が、やはりこんなすぐ見つかる所には誰もいなかった。
綺麗な白い砂をたどって更に光の届かない奥へと進むと、上からではなく下の海底から光が見えてきた。
ディオ「(海底に光?何故だ、水中では火は使えず、太陽の光さえもここには届かないのに)」
ジョナサン「やあ!こんなところでどうかしたのかい?」
ディオ「Σ!!?」
後ろから肩をつかまれて、本来ならばその手をつかんで背負い投げる所なのだが水中では腕をつかむだけでうまくはいかなかった。
ここで騒ぎを起こされても困るので、大人しく相手を観察することにした。
ジョナサン「君、見ない人魚だね、何処か遠くから来たのかな?」
ディオ「(なんだこいつ、煩いやつだな。瞳の色があいつに似ているが、こんな厳ついヒレをしていなかったし・・・人魚にも種族があるのか?)」
ジョナサン「僕の名前はジョナサン!ジョナサン・ジョースター!君の名前は?」
ディオ「(ふんっ!喋れたとしても貴様なんぞに名前を教えるものか)」
ジョナサン「あれ、どこに行くの?誰か探しているのかな?」
ディオ「(こいつ、俺の周りをくるくるとっ#くそっ、振り払っても素早く回り込みやがるッ)」
どうやらあの人魚や俺と違って泳ぎやすい尾ヒレのようで、振り払おうと向かう方向を変えてもすぐに追いつかれてしまう。
ジョナサン「それにしても、君の尾ひれはグリーンイーグルロングフィンかな、僕の弟に似ているね!
僕の弟は尾ひれが黒いけど、君は黄色いんだね!」
ディオ「(この尾ヒレの人魚を知っているのか!?しかもこいつの弟だと!?)」
ジョナサン「あれ?もしかして興味あるかな、君たちのヒレは珍しいからね。今ならこの先の洞窟にいるんじゃないかな?
って、もう行っちゃった・・・晃の知り合いなのかな?
名前・・・聞きそびれちゃった」
俺は急いで紺色の人魚が指さす方向へと泳いで行くと、洞窟が見える頃には他の人魚の姿が一人もいなくなった。
言われたとおりに洞窟の入り口を覗くと、奥からの光と、その光に映し出された何やら動く人影を見つけた。
濡れ羽色の黒髪を漂わせ、今の俺と同じ形の絹のように輝く黒い尾ヒレを揺らめかせる人魚。
我慢できずに俺はそいつの腕を取ると、そいつは赤と青の目を俺に向けて、俺の顔を確認すると驚いたように目を見開かせた。
SW「な、なんだお前はぁ・・・どーっかで見たことあるような・・・」
ディオ「(見つけた!やっと!!)」
SW「あー・・・たしか?サンゴのところで見た様な
『あああああ!!君は!えっとこ、ここじゃ何だしちょっと二人で話せる場所に行こうか!
スピードワゴンさん!ちょっとジョナ兄さんの所に行って帰りが遅くなるって伝えておいてくださいっ』
ディオ「!??(どこに行く気だ!?)」
SW「え、ちょっ晃さん!?俺この前も置いてけぼりにって晃さん泳いでいかねぇでくだせぇーー!!
俺は水中には浮かべねぇんですぜぇえええッ!!」