目が覚めた時には目の前に赤い髪の男の人がいて、僕の頭を優しく撫でてくれていた。
体温が戻ってくる感覚で、彼が握っていてくれた方の僕手はすでに温かかったから、ずっと握っていてくれたんだと思う。
彼は誰だろうか、と、その目を見ながら考えるけど、僕の記憶の中にはいなかった。
いや、ずっと名前を呼ばれていた気がする。優しく髪をとかしてくれていた気がする。


花京院「っ!?・・・っ・・・・・・」

『・・・・・・おは・・・よ?』

花京院「Σっ・・・!!!」


見つめ合って硬直した状態で、相手も何も言ってくれないのでとりあえず、えっと、挨拶をしてみたんだけど。
彼は逃げるように部屋から出て行って、僕も一気に不安になって彼の後を追った。
追いつけそうで追い付けなくて、彼も何度も振り返って僕の姿を確認してるのにそれでも止まってくれなくて、それが無性に悲しくて脚ももつれてきて涙が出てきた。


『ふぇっ・・・待ってって、言ってるのにっ・・・』

花京院「なっ!?そんなにこすったら赤くなるッ。あぁ、もうこんなに、はやく冷やさないと」


そうしたら君はすぐさま僕の元に帰ってきてくれて、僕の腕を取ってやさしく涙を拭いてくれた。


『目が覚めた時、手を握っててくれたからっ、嬉しかったのにっ。
何処かにいちゃったと思ったら、僕からっぐすっ』

花京院「ご・・・ごめん、起きるとは、思わなくて」

『・・・起きない方がよかった?』

花京院「そんなことはない!!」

『そっか・・・なら、よかった』


本当によかった。その後も、今の城の状況を君から聞いてさらにそう思った。
物心がついたことから僕はこの城の中で、外の世界に出た事はなくて、正直戦争とかあらをいがどうだったなんて知らないし、その原因が僕だなんて知らなかった。
彼、花京院は、僕のせいじゃないと言ってくれたから、すこし楽になった。


『花京院は、城の外に出た事はあるの?』

花京院「僕は・・・ないよ。生まれてからずっとこの城の中にいるんだ」

『そっか、外に出たいと思う?』

花京院「僕は王子がいれば
『だから、名前で呼んでって言ってるでしょ』

花京院「はは、ごめん晃、なかなか照れくさくてなれないね///」


最初は僕が泣いているのに焦ったせいかタメ口だったくせに、僕の事王子様と呼んで膝まづいて、顔もあげずに敬語で話すモノだから、僕も膝をついて両手で顔を挟んで僕の真正面に向かせて、
敬語禁止といえば、顔を真っ赤にして「わかりました」と言ってくれた。
だからお互い名前で呼んで、料理もたまにぼくが作ったり、一緒のベッドで寝たり。


花京院「出たい・・・とは思わないかな」

『外は茨が沢山で危ないから?』

花京院「・・・うん」


花京院が言うにはこの城は茨で覆われていて外からは勿論中からも外に出られないらしい。
かく言う僕は、いけないと言われていたけど明かり窓以外の窓を全て調べて、何とか外に出られないかと試してみた。
結果、バレて怒られたわけだが・・・。

外の話をすると、花京院君は僕に目をそらして出たくないという。
茨の話をすると怒ったような悲しんだような表情で、必死に僕に触れさせないようにと注意する。


君が僕に何かを隠しているのはわかっているんだ。

その何かが、この城から出ることでわかるような気がした。

前へ | 次へ 5/8ページ

総合ページ 83/273ページ

↓URLリンク修正すること[戻る] [HOME]