朝早い時間に目を覚まし、いつものように身支度を初めて、顔を洗うために洗面台に行った時に初めて異変に気がついた。

驚きの感情と共に頭から生えた耳と毛が逆立っている己の姿が映る。
どういうわけか言葉もしゃべれないし元に戻せない。夢かとも思ったがあいにく目は完全にさめている。
とにかく、晃なら何か知っているかもしれない、最悪この姿を行ったんでも元に戻す方法を知るために隣の晃の部屋に誰も廊下にいない事を確認した後素早く侵入する。

布団の中でまるまって寝ている晃がすごく可愛らしい。
起こすのがもったいないが、ベッドに膝を乗せて肩をゆすると、眠気眼のまま俺を見上げる晃。
くそ、こんな状況でなかったら・・・。

その後も、猫の性のせいか無性に晃を押し倒したくなったり、匂いをかぎたくなったり、指や首筋を舐めまわしたくなったり、体のいたるところを相手に擦りつけたくなったりしたのだが、それは仕方ない。
猫の性なのだ。

押し倒して馬乗りになった時に俺を見上げてくる晃の姿に欲情しそうになったのも、
指先を舐めるたびに舌先から感じる甘味にむしゃぶりつきたくなったのも、
首から香る甘露のような誘惑に、理性も効かず己の舌をを滑らせたのも、
晃の指が付け根を沢えるたびにもっとその快感が欲しいと己の体を相手に擦りつけたのも。

猫の性なのだ。性質なのだから。


『兄さん?頭の上がどうかしたの?』

ディオ「Σ!!い、いや、なんでもない」


そう、昨日のあの日、晃とのキスで呪いが解けたかのように俺の姿は元に戻った。
念の為あの日はあのまま二人っきりで風呂でも体を確かめたがしっぽも綺麗に取れており翌日眼を覚ました時には昨日の事が夢だったんじゃないかと思うほどだ。
だが、晃が目を覚まして、俺のおはようのキスを恥ずかしそうに受けた後、眠そうに俺の頭の上に猫の耳がない事を確認していたので、夢ではなかったのだろう。
頭を撫でる晃のてが、昨日のあの感触を思い出させてカッと顔に熱がたまった。

そう、あの日から俺は何か体がおかしい。
猫にはならないが、猫の性が残っているように感じる。


『ディオ兄さん、このマフィン凄く美味しいよ!食べてみて?』

ディオ「ん(パクッ)」

『(あれ、両手開いてるのにかじりつくなんて、よっぽど食べたかったのかな)』

ディオ「(いかん、またしても晃の手から食べ物をもらうことに喜びを・・・)
んっんー美味いな、ぺろッ」

『Σディオ兄さん!?///』

ディオ「ジャムが指についているぞ」

『え?///あ、うん。ありがとう・・・?///』


ふむ、どうやら猫の性が出てしまうのは晃の前だけのようだし、食べ物のにおいを必要以上に嗅ぐこともないし、今のところ晃の手から食べ物をもらう以外支障はない。
他のヤツが何を喰っていようが気にもならないのだが、どうしても晃の指に目が行く。


ディオ「(あの細く綺麗な舌触りのいい指に・・・)」

『あ、ディオ兄さん、髪の毛に落ち葉がついてるよ?』

ディオ「Σッ!?///(ビクビクッ)」

『Σんにゃ!?ご、ごめんなさっ痛かった!?』

ディオ「い、いや、あの日から同も頭の上が気になってな・・・」

『そ、そっか。じゃあ触らない様にするね』

ディオ「・・・いや晃なら触ってもかまわない///」


自分で触ってもなんともないのだが、晃が触るとあの時の電流のような感触がよみがえる。
試しに他のヤツが触った時には何も感じなかったのだが・・・。

これは猫化できる晃だからこその現象なのだろうか。

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