僕の為に死を選ぶ最愛の兄へ
承太郎「なっ!名前兄さんがっいなくなっただと!?」
ジョセフ「あぁ、今SW財団のモノから連絡があった!
ホリィの看病をしていて、休憩のため自室に戻った後出てこなかったが、きっと連日の看病で疲れているからだろうとそっとしておいた次の日にはもう・・・」
アブ「我々の後を追ってきたとは考えられませんか?」
ジョセフ「かえの服も靴さえもそのままで、財布さえもすべてそのままだと・・・」
ポル「マジかよ・・・家出とかじゃねぇのか?」
承太郎「兄さんはそんなやつじゃねえ!!」
俺の声に、皆の声がパッと止まる・・・。
思わず怒鳴っちまったことに帽子で目を隠しつつも、俺の心情を察したのか、ジジイは兄さんのことを皆に説明した。
兄さんは周りから言わせれば平凡な人間だった。
あの家庭で、俺と言う弟の兄として生まれた名前兄さんは、特殊な人間ではなかった。
それが日本と言う場所では異質な俺にとって母以外で唯一心休まる相手でもあった。
今のこの俺の前でも、兄は「兄」として常にそばにいてくれた。
自身は何の特徴もないと言うが、日本人らしい普通の容姿ではあるものの、人一倍笑顔が優しかった。
成績は平均ではあったものの、誰よりも俺の気持ちに察してくれて、落ち込む時もイラつく時も、兄さんがいればどんな時も安心できた。
兄さんは両親に似ていない事をコンプレックスに思っていたようだが、俺に甘い所は母親そっくりだし、俺と一緒で、互いの気持ちに敏感でそして頑固だった。
兄さんが怪我をすると俺も同じ所が痛くなるなんて、まさに双子ならでわだったと思う。
花京院「君の兄さんと言うのは、あの時の・・・」
承太郎「あぁ・・・。たしかに、この旅について来たかっただろうが、自分が戦えない状況で駄々をこねるようなやつじゃねぇ。
それこそ、この旅に来て真っ先に体を張って闘おうとするだろうし、俺達の足手まといになるぐらいなら自ら死を選ぶほどだが。
だが、それを俺が望んでいねぇことを感じ取っているから、てめぇの感情を押さえて大人しく家で待っていたんだ」
花京院「そうか・・・やはり、彼は何も見えていなかったのか」
承太郎「そんなあいつが・・・勝手に家を出て誰かに心配かけるなんて事するはずねぇ!
ましてや家出なんてするはずがねぇ!!」
ポル「だが承太郎!だとするとお前の兄はどうしたってんだ!!」
ジョセフ「今SW財団に探させておる!何らかのトラブルに巻き込まれたか、もしくはスタンドが発動してしまったのかもしれん。
なんにせよじゃ、わしたちにできる事は今は真っ先にDIOを倒す事のみ!!」
承太郎「わかっているっ!わかっているがっ・・・くそっ」
名前を探しに日本に帰れたらどんなに楽かっ。
だがあいつが俺の気持ちを理解して残ったように、俺もあいつの気持ちを理解できる。
だからこそ苦しい。
あいつはきっと、こんな状況でも自分の事より母親を優先させろと言うのだろう。
いなくてもわかる、体に痛みもないし、苦しくもないから、きっとあいつは無事だ。
だが、ならばなぜ姿が消えたのか・・・
承太郎「(それに何故だろうか・・・近くにいるような感覚がある。
まさか、本当にエジプトに・・・?しかし、どうやって・・・)」
アブ「もしスタンドに目覚めての事だとしたら、空間移動系のスタンドかもしれませんね。
彼が行きたがる場所を徹底的に調べた方がいいかもしれません」
ジョセフ「あぁ、一度わしのスタンドで名前の姿を念写してみよう!」
カメラを用意させ、さっそく出てきた写真を我先にと手に取る。
が、黒い背景からじわじわ映し出されてきたのはDIOの姿だった。
写真の左を向く横顔と上半身、段々と表情も見え、微かに見える口元は笑みを浮かべている。
その腕には何かがいるのか、薄い影のようなものが映っている。
ポル「なんだ、結局DIOの姿じゃねぇか」
ジョセフ「なんじゃと?いやしかし、ワシは確かに名前の姿を念写したはずなんじゃが」
花京院「DIOがこの近くにいるせいで影響されているのでしょうか・・・。
ん?それにしても何か笑って・・・腕に何か持っているのか?右腕がみえる・・・人間?」
承太郎「っ!!この腕の傷はっ!!」
俺はスタープラチナでその写真を拡大し、DIOの腕の中のモノを模写させた。
顔は見えず、微かに見えう身体的特徴と垂れさがる腕のその傷は・・・名前兄さんのモノだ!
岩礁から落ちた俺を助けるために、崖から海へと飛び降りた時に付いた右腕の傷!!
見間違えるわけがないっ、あの日から俺はっ!!!
承太郎「名前っくそっ!!DIOォォオオオアアアア!!!!」