DIO「だが、君の命を危険にさらすことになるが・・・」

『構わない!弟を危険な目になんか合わせられない!俺が傷つこうが死のうがどうでもいい!
あいつの代わりになるためならっ!弟の不幸は俺が全部引き受けるってずっとっ
・・・きっと、生まれる前から決めてたんだ』

DIO「・・・」


私は悲痛な叫びを訴える彼の体を抱きしめた。
今は承太郎に向けられている兄の愛が・・・欲しい。
それは、私のモノだ。私のモノだ。
兄の腕の中にいた私は、今その兄を腕の中に抱きしめている。
今兄は私の腕の中にいる。手の中にいる。

兄の愛が欲しい。
受けるべき人間が一身に受けられる兄の全力の愛。
コレは私のモノだ。


DIO「私なら、君を犠牲になどはしない。必ず守る。
今度こそ、手に入れる。あの日、俺が手にできなかったものを」

『DIO・・・?』

DIO「君を守ろう、名前。昔私は君に助けられたんだ、当たり前じゃないか」

『助けた?俺が?・・・ごめん、覚えてない』


私のように君も覚えてくれていたら嬉しかったが、それでも彼は約束通り戻ってきてくれたのだ。
私の兄として、私の元に戻ってきてきてくれたのだ。
当たり前だ、兄は私との約束を破るような人じゃない。
ただ一つだけ、かれは約束を破ったのだとしたら。
彼は私の一番の願いを聞き入れてくれなかったことだけだ。
私のささやかな願いを、彼は最後破ってしまっただけだ。


DIO「いや構わない。代わりに私が全て覚えている。
そしてこの魂はいつも君の為にある、君の望むものを用意しよう、君の望み通りにしよう。
だから名前、ささやかな私の願いも聞いてくれるかい?」

『なんでそんなに・・・俺、君の望む事が出来るか解らないけど・・・。
俺の願いを聞いてくれるなら、俺はなんだってするよ』

DIO「んっんー、実にいい返事だ。スタンドについてはエンヤ婆に一度見てもらおう。
何急ぐことはない、私の望みなど君にとっては実に簡単な事だ、何せ君はその為に生れて来たのだと君自身の魂が知っているからね。
それに比べれば私の願いは本当にささやかな願いさ、まずは友達になろう。
そうだな、手始めに私の事は好きに呼んでくれ名前・・・君の好きなように」

『好きに?・・・じゃあ、「ディー」。「弟」を助けるためにこれから世話になるよ、よろしくな?』

DIO「あぁ・・・素晴らしいよ(兄さん)」


兄さん、兄さんの弟は僕だけでいい。
兄さんが助ける「弟」は僕だけでいい。
兄さんが愛する「弟」は僕だけでいい。

私は君の言葉の一つ一つを覚えている。君の考えを覚えている。
君の行動を覚えている。君の髪の色を覚えている。
君の瞳の色を覚えている。君の痣の色を覚えている。君の声を覚えている。
君の人差し指を覚えている。君の血の匂いを覚えている。君の温もりを覚えている。君の肉の感触を覚えている。

暖かいからだを、しなやかな腕を、健康的な脚を、開かれた手を、微笑む瞼を、やわらかい髪を、高価な服を、私の名を呼ぶ唇を、動いている心臓を


私のささやかな願いを聞いてくれ兄さん
お金もご飯もいらない、殴られたって蹴られたっていい

僕はただ、最初はただ、兄さんと一緒に生きたかっただけなんだ


DIO「お休み名前、手を握っていてあげよう。
夢の中でも君を閉じ込めておけるように」


私はただ、兄さんの全てを手に入れたいだけなんだ。
簡単だろう?ほらだって、やっぱり兄さんも望んでいたんじゃあないか!


『ディー、君の手を握ると、よく見る夢を思い出す。
君に似て金色の髪をした男の子が出てくるんだ・・・』


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