『ジョナサン、間違えていた所を発見したよ。少々苦手なようですね、前回と同じ所なので、どこが間違いか自分で見つけて答えを思い出してみてください?』

ジョナサン「え、えっと・・・えっとぉ・・・」

『んー、ヒントはですね、一つ一つの条件が本当に確率に関係しているのか考えてみてください』

ディオ「名前兄さん、解けたんだが・・・」

『はいディオ・・・全問正解です。ではですね、こっちの問5から10までを進めてください』


昔から数学と英語は家庭教師ではなく私がジョジョに教えており、ディオが来た今もこうして三人で行っています。
お父様は大変ではないかと言ってくれたのですが、将来教師になりたいと言えばお父様もお二人を私に託してくださりました。
丁度13歳と言えば担当していた中学校ぐらいの年齢、こうして机に向かっている二人を見ていると、昔のことを思い出しますね。
二人の進度も違うので教える範囲も変わりますが、できるだけ分野は同じにそれぞれに合わせた問題を用意しています。
ジョジョと復習をしている間は、ディオは基礎の復習を終え、応用問題に入ってもらっています。


ジョナサン「あ、これだ!この条件は確率を変えないね!!」

『そうですジョナサン、よく気づきましたね』

ジョナサン「せっかく教えてもらったのに・・・忘れてごめんなさい名前兄さん」

『一つのヒントだけでご自分で正解までたどり着けたじゃないですか。
ジョジョはちゃんと頑張って成長しているって解ってますから、焦らずじっくり行きましょう?』

ジョナサン「うんっ!!」


よく出来ましたとジョナサンの頭を撫でていると、その様子をディオがじっと見つめている事に気づきました。
ふむ・・・これは・・・ジョジョを馬鹿にして見下している目ではないですね。


ディオ「・・・・・・」

『おや、ディオ終わりましたか?早いですね・・・また満点です!花丸上げましょう!
よろしい、では次は、
ディオ「中身の見えない箱が10個、その中に 当りが1つ、ハズレが9つ。
貴方は、箱をひとつ選べ、あなたが選んでいない箱を8つ僕が開ける。
僕が開ける箱は 必ず「ハズレ」。
目の前には二つの箱。
貴方は、箱を選びなおす権利も選びなおさない権利もある。
当たりを手に入れるために、貴方は箱を選びなおす?」

『「選びなおす」ですね』

ディオ「・・・・・・正解」


じっと私を見たままだったディオに声をかければ手にあった問題は全て正解。
花丸は最初はやめろと言われたのですが今では少し嬉しそうです。

彼は律儀にも約束を守って兄さんと呼んでくれています。最初は嫌味たらしく呼ばれていましたが、今ではすんなり口から出てくるようです。
外ではお兄様と呼ぶように言っているのに、一度だけ「名前兄さっ・・・お兄様」と言いなおしている姿はジョジョそっくりでとても可愛らしかった。
そして同じく約束である「ディオに教えるに値する人物かどうか試す」ためにこういった問題を出してくれます。
以前書庫にあった本から引用して来た問題に対し、つい本のタイトルまで言ってしまった時は、彼の悔しそうな顔にしまったと思いましたが、それからはこうして自分で考えた問題を出してくれるようになり私も楽しい。
どうやら彼は問10どころか最後までおえたようなので、先に休憩にしましょうか。


『すごいねディオ、今の問題も君が考えたのかい?』

ディオ「ふん、さすがに兄さんの得意な数学ではかなわないか・・・」

ジョナサン「え、え?何で選びなおすが正解なの?というか何の問題なの?数学?どっちを選んでもどっちが当たりかなんてわからないじゃないか!」

『あぁ、ごめんねジョナサン、邪魔をしてしまいましたね。この問題集が終わったら教えてあげますよ』

ディオ「そうだぞジョジョォ〜、俺は名前兄さんと休憩するからな。
お前はそこでちんけな問題とずっとにらめっこしていろっ」

ジョナサン「ぐっ・・・兄さん・・・わからなぃよ、教えて?」

『こらディオ、基礎を馬鹿にしちゃだめですよ?
ジョナサン、私は君が終わるまで一緒についてますから、焦らないでもう少し考えてみましょう?』

ジョナサン「うんっ!」

ディオ「・・・ふんっ!!」


再度教えるためにもジョジョにイスを向けると、ディオがバダンと乱暴に扉を閉めて外に出て行ってしまいました。
・・・もしかして、といいますか、やはり・・・。
あの「ディオ」が・・・拗ねている?


『ジョナサン、ちょっと席をはずしますね。すぐ戻ってきますので、少し一人で進めていてください』


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