決断
仲良く三人で登下校、お昼も一緒に取り、テスト勉強やピクニック、貴族のパーティにラグビーの試合観戦・・・。
ジョースター家で過ごすその後の6年は楽しいものではなかった。
優等生の仮面をかぶるのが苦痛だとか、周りを騙す事が難しいとかではない。
生き馬の目を抜くあの町を生き抜いてきた俺にとってはたやすく、余りに簡単に騙される彼らに、何の手ごたえも感じなかった。
ジョジョは俺に対し疑念を持ってはいたようだが、それを疑念の域を出ない程度には信頼していたし、彼は俺を疑う自分を恥じてさえいたようだ。
あまりにもぬるま湯で、何の刺激もなかった。
晃がこの場にいなければ、大げさに言えば頭がおかしくなりそうだった。
逆に自分が何か、取り返しのつかない酷い間違いを犯しているような気分にもなった。
貴族とは私にとって強敵のはずではなかったのか?ならばどうしてこうも・・・手ぬるい。
ひょっとすると・・・期待と言うべきか、いや、不安と言い換えるべきだろう。
この生活で俺自身が、なんというか、故郷で唯一習得したものともいえる野心を失ってしまうのではないかと言う思いが、無かったわけではない。
いっそ、全てをぶちまけ、感情を爆発させて、あえて周囲をすべて敵に回してみようか・・・
『ディオ兄さん?』
ディオ「っ!晃・・・」
『どうしたの?話しかけても反応がないし・・・』
ディオ「いや、すまない、少しボーとしていてね」
『・・・我慢したくなかったら、いつでも僕に言ってね?』
ディオ「晃・・・あぁ、ありがとう」
ジョースター家の正式な養子になってから、俺たちは彼を「おとうさん」と呼ばなければならなくなった。
いずれジョースター卿の財産を乗っ取るためには、籍に入っている必要があった。
俺にとっては長所の見つけようもないダリオ・ブランドーを父と呼ぶのも、長所の塊のようなジョージジョースターを父と呼ぶのも、どちらの姓を名乗るのも不愉快でしかなかった。
だが、晃は特にその事について何も感じていないのか、すんなりと笑顔で呼び名を変えてしまった。
性が変わろうが、目の前の男を「父」と呼ぼうが、そんなことで自身を脅かされることなど無いといった雰囲気だった。
現に晃は変わったが、晃自身の芯と言えるべきものはかわらなかった。
変わったところと言えば、この数年で見違えるように言葉を上手く話せるし、容姿も少年らしい愛らしさから、子供のころからの愛らしくも妖艶な雰囲気に磨きがかかり、初めて人間になったあの美しい青年へと変わっていた。
晃は、俺やジョジョと違ってボクシングやラグビーなどのスポーツは好んではしなかったものの、独自で体を鍛え、華奢な彼らしい足技に磨きをかけて行った。
そう言えば、呼び方がつたない「おにーちゃん」から「ディオ兄さん」になっていた。
未だにァィゥェォやヴ等の発音に不慣れな面もあるが、俺の名前を呼んでもらえた嬉しさと、「おにーちゃん」と呼ばれない寂しさとが胸をくすぐった。
何より変わらないものは、その瞳人俺を映し、俺の第一を常に考えていてくれる事だった。
だから、晃が獣医に動物学の研究に誘われた話を、あの日に聞いた時も、
晃が俺の元から離れるなんてことは想像もつかなかったし、有り得ない事だと思っていた。
ジョースター家で過ごすその後の6年は楽しいものではなかった。
優等生の仮面をかぶるのが苦痛だとか、周りを騙す事が難しいとかではない。
生き馬の目を抜くあの町を生き抜いてきた俺にとってはたやすく、余りに簡単に騙される彼らに、何の手ごたえも感じなかった。
ジョジョは俺に対し疑念を持ってはいたようだが、それを疑念の域を出ない程度には信頼していたし、彼は俺を疑う自分を恥じてさえいたようだ。
あまりにもぬるま湯で、何の刺激もなかった。
晃がこの場にいなければ、大げさに言えば頭がおかしくなりそうだった。
逆に自分が何か、取り返しのつかない酷い間違いを犯しているような気分にもなった。
貴族とは私にとって強敵のはずではなかったのか?ならばどうしてこうも・・・手ぬるい。
ひょっとすると・・・期待と言うべきか、いや、不安と言い換えるべきだろう。
この生活で俺自身が、なんというか、故郷で唯一習得したものともいえる野心を失ってしまうのではないかと言う思いが、無かったわけではない。
いっそ、全てをぶちまけ、感情を爆発させて、あえて周囲をすべて敵に回してみようか・・・
『ディオ兄さん?』
ディオ「っ!晃・・・」
『どうしたの?話しかけても反応がないし・・・』
ディオ「いや、すまない、少しボーとしていてね」
『・・・我慢したくなかったら、いつでも僕に言ってね?』
ディオ「晃・・・あぁ、ありがとう」
ジョースター家の正式な養子になってから、俺たちは彼を「おとうさん」と呼ばなければならなくなった。
いずれジョースター卿の財産を乗っ取るためには、籍に入っている必要があった。
俺にとっては長所の見つけようもないダリオ・ブランドーを父と呼ぶのも、長所の塊のようなジョージジョースターを父と呼ぶのも、どちらの姓を名乗るのも不愉快でしかなかった。
だが、晃は特にその事について何も感じていないのか、すんなりと笑顔で呼び名を変えてしまった。
性が変わろうが、目の前の男を「父」と呼ぼうが、そんなことで自身を脅かされることなど無いといった雰囲気だった。
現に晃は変わったが、晃自身の芯と言えるべきものはかわらなかった。
変わったところと言えば、この数年で見違えるように言葉を上手く話せるし、容姿も少年らしい愛らしさから、子供のころからの愛らしくも妖艶な雰囲気に磨きがかかり、初めて人間になったあの美しい青年へと変わっていた。
晃は、俺やジョジョと違ってボクシングやラグビーなどのスポーツは好んではしなかったものの、独自で体を鍛え、華奢な彼らしい足技に磨きをかけて行った。
そう言えば、呼び方がつたない「おにーちゃん」から「ディオ兄さん」になっていた。
未だにァィゥェォやヴ等の発音に不慣れな面もあるが、俺の名前を呼んでもらえた嬉しさと、「おにーちゃん」と呼ばれない寂しさとが胸をくすぐった。
何より変わらないものは、その瞳人俺を映し、俺の第一を常に考えていてくれる事だった。
だから、晃が獣医に動物学の研究に誘われた話を、あの日に聞いた時も、
晃が俺の元から離れるなんてことは想像もつかなかったし、有り得ない事だと思っていた。