謝る
結局ディオはあのあと使用人に部屋まで案内させた。僕はその後ろを歩いて自分の部屋に入った。
部屋は父さんが決めて、僕にも一応部屋割りを事前に教えられていて、その時は何とも思っていなかったが、ディオよりも晃君が隣だった事に少しほっとする。
あまり話せない分、まだどんな子かはっきりとわかってはいないけど、今はあのディオよりはマシだ。
ジョナサン「まぁ、僕が部屋に行くか、晃君が部屋に来ない限りは部屋の配置なんてあんまり関係ないのだけど。
きっと、彼の方から僕の部屋に来ることなんて一生ないんだろうなぁ」
あの目は、顔は、ダニーに好意を持っているんだと思ったんだ。
それがまさか嫌っていたなんて、手紙の時からずっと待ち遠しくて、第一印象も可愛くてまぁまぁ良かった分、何故か裏切られた気分だった。
ベットに寝転びながら先ほどディオに掴まれた腕をさすりながら見ていると、控えめなノックが聞こえてきた。
誰だろうと思って起き上がりながら適当に返事をすると、
控えめに開けられた扉からのぞく予想外の人物に驚いた。
『あ、あのっ』
ジョナサン「えっ!!」
『Σ!?』
僕が驚くと彼も驚いて肩がびくっと震えていた。その姿が逆に僕に何をしに来たのか予想を出来なくさせて、僕は少し混乱した。
部屋に入って扉を閉めた後も、困ったような顔をして喋り出さない晃君に僕の方から声をかけてみることにした。
ジョナサン「えっと、何か用かな」
『さっきの、 ごめん、したい』
ジョナサン「??・・・」
言葉を一つ一つ選ぶように慎重にしゃべる彼に、思わず前のめりになって聞く。
ごめんしたい?どういうこと?
『びっくり したの』
ジョナサン「驚いた?」
『おおきかった から その あやまり
コンコンッ
『・・・』
ジョナサン「・・・」
少しずつ話が進んでいる中で、またノックの音が響く。
今度こそ使用人だろうかとも思ったが、もしディオだったらと思うと体が強張ってしまった。